登録日:2024/10/12 Sat 22:48:45
更新日:2025/04/20 Sun 19:42:47
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「とは言っても、ジャブロー全部を攻撃するのには少なすぎる」
「……。狙いは、宇宙船ドッグのあるAブロックのみか」
※推奨BGM「哀 戦士」
ジャブローとは、アニメ『
機動戦士ガンダム』シリーズに登場する架空の地名である。
宇宙世紀における
全地球連邦軍の総司令部であり、ある意味では物語のターニングポイントが発生した重要な場所である。
【概要】
南米のアマゾン川流域に所在しており、一見すると広大なジャングルに見える。
だがジャングルの草木に隠れて火砲やミサイルが多数配備されており、地上は愚か上空から近寄ることすら困難である。
しかしこのジャブローの本質は、ジャングルの地下の鍾乳洞に建設された巨大基地。
強固な岩盤の下にあるため上空からの攻撃では核爆弾にも耐えうる構造になっている。
MSや艦船の製造工場がある他、艦隊級の艦艇が停泊できるだけのドックや宇宙港、保険庁、参謀本部、更には幼年施設まで存在するという至れり尽くせりであり、まさしく地球連邦の心臓部と言える。
そんな地下から兵器が大量に生産され、一見どこにあるかわからない出入り口から出撃してくるもんだから攻める側にしては苦戦は必至の天然の要塞。それがジャブローである。
古い資料であるが『ロマンアルバム・エクストラ44 機動戦士ガンダムII 哀 戦士 編』では全長は280kmにも及ぶとされる。日本に直すと大体
東京都の中心部から
福島市辺りの距離であり、地下空洞の全長と解釈しても東京都の地下鉄以上の規模。
だが非常に安全過ぎる為か、この土地に詰めている人間はどこかのんびりとしているフシがある。
連邦軍高官の特に守旧派や官僚主義者は安全なこの基地から外に出ることもない為、敵のジオンは愚か味方であるはずの現場主義者の
レビル将軍からですら「ジャブローのモグラども」と軽蔑されている。
他にも『
機動戦士ガンダム 第08MS小隊』では「ジャブロー務めは高官には光栄だが、現場の人間には恥」のように取れる台詞もある。
(ただ、上層部の人間が捕虜になったり討ち取られたりすると、国家や軍部の指導すらも大混乱に陥るので、最高指導層が安全な本部にいるのはむしろ妥当なのだが。それこそ南極条約がジオン優位に締結されるところだったのは、当のレビルが捕虜になったせいである。ア・バオア・クー戦で
デギン公王と
ギレン総帥が死んだ直後のジオン公国ももちろん一例)
しかしここにいる人間全員が無能というわけではなく、連邦軍の勝利のために命を張ったウッディ大尉や、訪れる兵士全員と面談するなど昼行灯に見せかけて実は狡猾な
ゴップ大将、この基地で宇宙艦隊を再建していた猛将ティアンム提督、と言った人間も数多い。
人材にも隙が少なく、ここを落とすのは一筋縄では行かないだろう。
ある意味では反連邦組織の最終目的地点であり、攻略用の巨大MAや掘削MSを開発するなどして何度も狙われている。
だが
敵の手では陥落するには至らなかった。
【作中での扱い】
『機動戦士ガンダム』 他一年戦争外伝
ジオン公国軍はこの連邦の本拠地を攻め落とすべく、様々な手を模索していた。
戦争序盤には「
コロニー落とし」でジャブロー含む現地一帯の大規模破壊を目論んだものの、落下地点を大きく逸らされ達成できず。
その他にも専用モビルスーツ(MS)群
アッグシリーズによる
地中掘削、モビルアーマー(MA)
ビグ・ザムによる全方位メガ粒子砲での掃討、大出力メガ粒子砲をMAで高高度から垂直照射する「
アプサラス作戦」等々が検討される。
しかし肝心のジャブローの具体的な位置を掴めておらず、攻略は停滞していた。
やれることと言えば連邦から『定期便』と揶揄される小規模なアマゾン流域の爆撃止まり。
そんな中、様々な戦いを経て這々の体でたどり着いたホワイトベース隊がジャブローに入港。
だがこの入港の瞬間を
シャア・アズナブル率いるマッドアングラー隊に見つかってしまう。
当時のジオン軍はオデッサ作戦に敗北して以降、地上のミリタリー・バランスが不利な方向に傾いていた事もあり、この入口から司令部を狙いジャブローを落とすという乾坤一擲の作戦を立てる。
主な目標は宇宙港の破壊と兵器工場の攻略。
キャルフォルニアベースなどの北米方面軍を中心とした大戦隊を構成し、
ガウ攻撃空母や艦載機
ドップによる空からの奇襲と、潜水艦による海中からの襲撃の二面作戦を展開。
…しかし、まずガウからの降下部隊は圧倒的な機銃とミサイルの雨あられによりほとんどが地上に降りる前に撃墜された。
何しろガウの構造上、
飛行速度を落としながら正面ハッチからMSを降下させるので、それはもうガウ共々対空砲火の良いマトであったことは想像に難くない。
実際「冗談じゃない!死にに行くようなものじゃないか!」「お…降りられるのかよ!?」と叫ぶジオン兵もおり、もはや捨て身を通り越した自殺に近い状態であった。
そうして必死こいて降りた矢先に天パや外伝組と遭遇して鉄屑にされた哀れな機体もチラホラ。
それでもシャア達が率いる
水泳部水陸両用機で構成された部隊は地下基地への潜入に成功するも、そこに現れたのは今まで連邦になかった量産されたMS・
ジム。
この時点で登場したジムは先行量産型ではあり更に連邦側のパイロットもまだ不慣れ。
十分な訓練と実戦を積んだジオン将兵であれば敵ではないはずだが、連邦側にMSが出てきた衝撃は大きく、混乱し全力を出せない兵士も多かった。
そうした連邦のMSや戦車隊、WB隊の猛反撃を受け大した被害も与えられず、こちらも殆どが掃討され、残存機は撤退を余儀なくされる。
戦闘のどさくさ紛れに
アッガイから成る工作部隊がGM工場の爆破に乗り出したが、爆弾は道中捕らえた筈だったWBの
キッズ達によって片付けられ、工作部隊は撤退時にガンダムによって一匹残らず抹殺された。
攻略の頼みの綱の新型機
ゾックは、逃げるシャアを追撃中のアムロに「ついで」感覚でコクピットをブチ抜かれて瞬殺…と、どこまでも踏んだり蹴ったりであった。
その一方で『ジオニックフロント 機動戦士ガンダム戦記』に登場した
闇夜のフェンリル隊は、このジャングルを切り開く新しい装備を開発し上手く進撃、地下への入口を見つける。
結果、待機していた戦艦「
ブランリヴァル」に大損傷を与えることに成功。撃墜には至らず後に修繕されたが、それでもジオンの未来の損害を大きく減らしたのは事実だろう。
また連邦軍の新型MSも難なく撃破し、相手に格の違いも見せつけている。
そこから出てきた
ガンダム6号機マドロックに襲撃されピンチに陥るも、相手の戦略ミスもあって死傷者0でこの戦いを乗り切ることが出来た。
だがフェンリル隊側もこれまでの激戦で武器を多数失っており、装甲の厚いマドロックの撃破には至らなかった。
…と一部ではウッディ大尉他優秀な将兵の戦死、戦艦の損傷、実戦投入したジムが難なく撃破される。
などのジオン側の局地的な勝利もあったが、それでも「遅すぎた、そして少なすぎた」が為にジャブローへの侵攻は大失敗。
無駄に投入戦力の半数を消耗させるだけでなく、ジオン公国軍全体が地球からの撤退を余儀なくされる。
前述の通りフェンリル隊は活躍したものの、キャリフォルニアベースに戻った彼らが見たものは仲間を失って意気消沈している他部隊たちであり、むしろ無傷な自分達が居心地の悪さを感じるほどであったという。
逆に連邦軍は宇宙に行くための宇宙港と戦力を増強させる工場の防衛に成功し、ここに来てジオンが牛耳る宇宙への侵攻へと進んでいくのであった…。
アニメ本編の打ち切りの余波で後半がすさまじい駆け足展開になった冒険王で
岡崎優が連載していたコミカライズ版だが、
このジャブロー編の話は重要要素が多いので、さすがに省略できずにかなり切り詰めたものの全10話中の第9話として描かれた。
TV版同様に潜入に成功してMS工場に爆弾を仕掛けるシャアたち、そして複数のアッガイ(ズゴックは未登場でシャアもこれに搭乗)対ガンダムの対決になり、
これを撃退するがTV版と違ってカツ達が爆弾を見つけてないので、そのまま
時限爆弾が作動し、MS工場が破壊されてしまうというまさかの作戦成功。
しかし、「すでに十分生産済み or 他にも工場があった」らしく、ジオン本国のあるサイド3攻撃計画は支障なくそのまま進行する…
と、TV版とは違う方向にでジオン軍が気の毒になるラストで次回・最終回に続く。
ちなみに敵味方から「少なすぎる」というジオン側の戦力だが、ガウ1隻につきMSの搭載数は3機。
そのガウが12隻登場したので、空挺MS部隊は36機、これにマッドアングラー隊からの工作用MS数機が加わり40機ちょっと。
外伝作品における「闇夜のフェンリル隊」などを加えても、50機前後ほどだろう。
……ところが、後付けの設定資料ながらもルウム戦役でのジオン軍MSは約3000、ア・バオア・クーにおける連邦軍MSは4800・ジオン軍MSは3600と、桁が二つぐらい違う。
その設定資料は後付けとしても、アニメ本編では一画面だけでも軽く70機以上のジムやボールが一斉投入される場面や、ドロス一隻から100機ほどのMSが登場する場面があり、戦場のごく一部を数秒間切り取った画面だけでもジャブローに投入されたMSの総数を超えている。
ジャブローは仮にも連邦軍の総本部で、それを討つのが50機前後のMSとドップ36機、ガウ12機というのは確かに少なすぎとしか言えない。
ガンダム最初の本格コミカライズとも言われる本作でもジャブローの難攻不落ぶりは健在。
ジオン軍はオデッサで戦力をすり減らした上、主人公フレデリック・ブラウンの所属する中隊もアムロの駆るガンダムによって一瞬にして中隊長が戦死、小隊全滅など苦杯を舐めたばかり。
新型のドムが配備されるなど戦力増強は行われていたものの、ブラウンは「オデッサ敗戦後の残存戦力で攻略など不可能だ。この作戦は無謀だ」と冷静に見ていた。
しかもこの時のブラウンは軍曹に昇進したとはいえ、ベテランというにはまだ貫禄のない少年である。
ルウムとオデッサを潜り抜けた現場レベルでは、既にジャブローでの勝敗は見えていたのだろう。
作戦が開始されると、ジャブローの濃密な対空砲火はみるみる内にジオンの戦力を刈り取っていった。
小隊でも降下中に部下が戦死するなどシビアな展開が繰り広げられ、ブラウンが予期した通りの結果となってしまう。
降下に成功しても、ジム、そして密林に隠されたトラップやトーチカの猛攻はすさまじく、ブラウンもジムを数機撃破するなど多少の戦果は挙げたが、なすすべなく敗退。
馴染みの上官を失い、小隊の部下を連れて、二次降下部隊のコムサイに拾われてジャブローから撤退した。
ちなみにこのジャブロー攻略戦が本作の実質的な最終エピソードとなっている。
『機動戦士ガンダム0079』
上記の『MS戦記』の拡張版にして、テレビ版『機動戦士ガンダム』のコミカライズ作品。
大まかな流れは変わらないが、ただでさえ強力だったジャブロー防衛設備がさらに強化。
MS部隊にはジムに加えて初期型ガンタンクや
量産型ガンキャノン(迷彩仕様)が参戦、
強力なミサイルを積んだヘリコプターやボートが投入されたり、ファンファンが機銃と小型ミサイルでジオン工作員をミンチにしたりと通常兵器も猛威を振るうが、
それ以上に恐ろしいのが「
ハイパーメガビーム砲」。
普段は地中に隠れているタワーがヌーッと伸びると、その頂点にある砲台から強力なビームが発射される。
この発射時にはジャブロー地下市街地の電力30%がカットされるという描写が入るが、それ故に威力と射程は凄まじく、
一撃でガウを粉砕。
ガウ司令機は全ガウに成層圏までの上昇を指示するが、ハイパーメガビーム砲は
成層圏まで射程内であり、高高度のガウを叩き落としていく。
しかもこの砲台は地上に向けることもでき、川から上陸したゾックやズゴック、ゴッグに向けて薙射した際には
巨神兵のプロトンビームがごとき爆発が発生。ゾック含めて粉々になった。
ジオン側も、ドップが気化爆弾を投下して森を焼き払い、狙いの宇宙船ドッグ用ハッチを露出させたり、ハイパーメガビーム砲の砲塔をいくつか破壊したり、アッグが岩盤を破ってジャブロー侵入を果たしたりと奮闘したが、ビーム砲の数が多すぎて態勢を変えるには到らなかった。
アマゾンの地盤にこの基地作るのは無理があるだろということで「ギアナ高地のロライマ山」に場所が移動となった。
流石にガンダムファイターは修行してない。
またこのような大型基地を作る事になった為、周辺住民との衝突や治安の悪化も描かれている。
作中ではオデッサの戦いよりも先にジャブロー攻略が行われており、ジオンもMA
アッザムを投入するなどしたが、狭く身動きも取れない洞窟に誘い込まれたところをジムの集中砲火をまともに食らい、多くの屍を晒す醜態に終わった。
デラーズ・フリートが指揮するコロニー落としの最終目標として名前が挙がるが、様々な思惑もありジャブローにコロニーが落ちることはなかった。
一年戦争から7年後の
グリプス戦役にて、地球連邦軍の拠点として再び登場。
基地としては制空権を取り戻した為か地上に大型滑走路がある。
もっとも、これに関しては「一年戦争を通じて正確な位置が敵味方に分かってしまったため、もはや全設備を地底に秘匿しておく意味がなくなった」という理由もあるらしい。
実際、エゥーゴは連邦内スペースノイド派閥にジオン残党軍なども合流した組織で(しかもジャブローの入口を発見した
当人もいる)、この時期以降は他のジオン残党勢力にも位置取りが知られてしまったことであろう。
それだけ…と思われていたが…。
エゥーゴも連邦軍…そして
ティターンズの総司令部であるここを占拠する作戦を立てるが、いざ襲撃してみると相手の戦力は
戦闘機や
ジムⅡ、その他
変な旧式MSばかり。
既に司令部は移転済みで、もはや重要拠点では無かったのだ。
更に地下には核爆弾が仕掛けられていた…そう、味方であるジャブロー守備隊もろともエゥーゴを壊滅しようと囮にしたのである。
結果的にその事は察知され、残されていた
ガルダ級超大型輸送機により脱出されてエゥーゴに打撃を与えることは出来なかったが、核爆弾は起動しジャブローは味方の手で呆気なく消滅するのであった…。
『1st』においても本作においてもジャブローの地上部は美しい森や動物たちを描写していたが、
仮にも地球の環境回復を使命としている
地球連邦軍とティターンズが、
エゥーゴの主力部隊(全軍ではない)を潰すために
自分達の象徴である総司令部ごとアマゾンの美しい森を核で焼き払うというイカれポンチぶりを見せた場面である。
ブルーコスモスでもそこまでせんぞ。
そしてそこまでやったにもかかわらずエゥーゴの損害が少ないのは、
生贄として残している現地部隊のほとんどには核のことを隠していた
とはいえ、
元々地球連邦の総司令部なので相当数の高官がいたのにそいつらが
事前に消えた上に
、ジャブロー中枢部に核があることを知っていてそれが作動しているかどうかを調べる知識のある将校が取り残されていたからである。
ティターンズはそういった彼らの処遇を気にしていなかったようで、彼らからすればティターンズのために命を捨てる義理はないため、捕虜になったシドレ少佐は核のことを伝えてここから離れるように懇願した。
「
結果的に嘘とわかったら銃殺刑にでもしてくれよ!
」
マウアーやジェリドなど最終的に輸送機で脱出した連邦軍兵もいるにはいるが、大半は輸送機に乗れず置き去りにされている。
あとジェリドが自力で頑張って助かったから忘れられがちだが、ジャブロー護衛のため出撃したジェリドたちティターンズの兵士も見捨てており、離陸するアウドムラを襲撃し核爆発に巻き込まれたハイザックのパイロットはティターンズのデーバ・バロである。
当初はエゥーゴの核攻撃だと情報操作したものの、前述の通り外部からの核攻撃でジャブローを再使用不能にするのは非現実的な量の核が必要なのでどこまで騙せたかは不明。
外伝作品などではティターンズが連邦兵を襲撃し「証拠隠滅」をしたという話もある。
ただ、消滅したのは中枢部とその周辺だけで、他の外縁部施設はそのまま残されてはいるらしい。
あとティターンズの核自爆のインパクトに紛れて忘れがちだが、エゥーゴの降下作戦も
当のエゥーゴは嫌がっているのに、スポンサー企業のアナハイムが「やれ」と命じたから行った作戦である。
超大型軍事基地を破壊してしばらく復旧できなくするだけならモビルスーツや火器を揃えればできるのだが
制圧と占拠…つまり奪ってエゥーゴのものにして利用したいのであれば大量の歩兵や基地運用要員も送り込まないと無理…というのが
月で暮らしているアナハイムの人間やスペースノイドにはわからなかったという
地球の環境を知らずに攻略を試みたかつてのジオン
と同じ轍を踏んでいるのだった。
モビルスーツのような大型兵器は相応の大きさや数のシャトルがないと宇宙に戻せないのだが
エゥーゴの大部隊でジャブローを破壊した後にジャブロー側の打ち上げ設備が使用不能にされずに残っていることを期待してそこのシャトルで帰還する予定であり
もしそれができなければ一時的にジャブローを占拠できても新たな敵戦力を差し向けられたら
援軍が来ない籠城戦
となりすり潰されてしまう。
実際は核で基地ごと焼かれてしまい、だからこそカラバが支援に向かってエゥーゴ残存部隊を回収できたのだが
作戦立案時点ではリスクはあってもメリットが少ないのが明確でありながら強要されたことが小説版で描かれている。
しかも、そこまでしておきながらティターンズ首脳部はとっくに基地施設もろとも移転済みであり、極論してしまうと徒労に終わっている。
ティターンズとは別にエゥーゴのほうでも闇の深い攻略作戦であった。
ちなみにMS開発拠点としては18〇台/19〇台と二通りもの型式番号が割り振られている。
公式では
ザク・マリナー/ザク・ダイバーが該当。
…哀れその2機種以外には(現在のところ)登場していないが。
(もっとも他の拠点番号もグリプス戦役終結後は開発が滞っている節がある)
グリプス戦役以降
地球連邦中枢としての機能はその後も各地を転々とし、最終的にはチベットのラサに落ち着くこととなる。
一方でジャブローはというと核汚染の影響もあってほぼほぼ放置状態であり、色々なものが隠れ蓑に使う程度であった。
むしろ汚染を言い訳に連邦軍がやばいものを隠すのに使っていた節もある。
なお上記の核爆発の件はダカール演説もあってか、少なくともU.C.0090時にはティターンズによるものだと報道されたようだ。
『
ジョニー・ライデンの帰還』では民間軍事会社テミスがキマイラ隊由来の
ザンジバル級機動巡洋艦「サングレ・アスル」を隠匿保管していた。
U.C.0090時に
ユーマ・ライトニングの呼びかけで集ったジオン残党潜水艦隊と
ジョニ子連邦議会議長
ゴップの私兵がそれぞれ独自にサングレ・アスル捜索を行い、防衛のため展開したテミスも交えて三つ巴の大混戦となる。
戦闘終盤、テミスは防衛困難と判断しサングレ・アスルの打ち上げに方針を変更、阻止したい捜索側は利害の一致から一時共闘して怒濤の勢いで防衛戦を食い破るも一歩及ばず打ち上げは成功。作戦目標の消失により戦闘は終結した。
近海ではテミスの運用するラムズゴック(コックピットはリニアシートに換装済み)とジオン残党潜水艦隊の水陸両用MS部隊による
ジオン水泳部大乱闘水中戦も発生。
ニカーヤの乱入でテミスは撤退するも、長年の酷使に戦闘がトドメになったのかユーコン級の一隻が限界を迎え緊急浮上。乗組員を脱出させた後に沈没した。
舞台の宇宙への移行、テミス社長ジャコビアスのFSS陣営への合流、結成間もない
新生ネオ・ジオンの登場など物語の大きなターニングポイントとなった。
時代が大きく進んだ『
ガンダム Gのレコンギスタ』にも中にあるズゴックの残骸がそのまま残っている程放置されており、最終話にて最後の戦いの舞台となった。
【余談】
勿論各種ガンダムゲームでも一年戦争を扱う物にはほとんど登場している。
物語的に地上編の最終局面となるだけでなく、ジャングルと川という悪路や、多方面から進撃してくる大量のジオンMSというゲーム的にも盛り上がるステージになる事が多い。
また一応は連邦軍が初めてMSを実戦投入した戦いとなる為、外伝ゲームでは連邦側の最初のステージがこのジャブローになる事もある。
但し、アクションゲーム的な面で見ると地上はジャングルの木々で敵味方が視認しにくいことと、濁った川で足を取られたり(機動性が低下したり)突然の奇襲に警戒しないといけなかったりと、やや難易度の高いステージになりやすい。
それと現実のアマゾン川の水深は平均50メートル、最深部だと120メートルと潜水艦やMSが潜るには浅すぎる為めっちゃくちゃ深くなっているのも特徴。
作品によっては、「哀 戦士」が戦闘BGMとして流れることもある。
『SDガンダム
夢のマロン社宇宙の旅』でもジャブローは登場。
出渕風にリデザインされたMSが所狭しと暴れまわる他、映像で初めて宇宙戦艦の打ち上げが描写された。
逆に一年戦争を舞台としていない作品にはほぼ出ておらず、話に出てくることもそうそうない。
『Ζガンダム』の展開を忠実に再現するとまだ主役機が
ガンダムMk-Ⅱ、
アムロも合流前と、率直に言って題材として微妙な頃なのも一因かもしれない。
なのに知名度が高い理由は、やはり一年戦争を扱う作品の圧倒的な多さだろうか。
敵ジオン軍にも
ズムシティという中枢部があり、特に邪悪さMAXの謎の建物が有名。
しかし戦争中、連邦軍がそこにたどり着くことは出来ず、戦後占拠した際も即座にジオン残党に奪還され、以降も宇宙世紀の世界に佇み続けている。
中枢機能が無くなったのは共通しているが辿った末路は見事に真逆と言えよう。
宇宙世紀以外の作品におけるオマージュ等
『
機動戦士ガンダムAGE』第三部に登場する「ロストロウラン」は
南米に存在している地球連邦軍の一大拠点で、敵が爆弾を仕掛けて破壊工作を行うなどジャブローをオマージュした点が多数見られる。
また『
機動新世紀ガンダムX』でも旧地球統合連邦政府の本拠地が南米に位置していたという設定もあり、アナザーガンダムでもたまにオマージュされている。
まったく関係ない漫画ではあるが、『
HELLSING』で
少佐率いる最後の大隊空中艦隊が帰還する際にジャブローの名前が出てくる。
もっともこの時には少佐が北斗の拳のOPテーマを歌ったりしているので、単なるヒラコーのお遊びであろう。
追記・修正は、地下に爆弾を仕掛けてからお願いします。
- AGEのロストロウラン基地はこれのオマージュだな「南米にある地球軍本部」「主人公達がたどり着いたあと降下強襲攻撃を受ける」「爆破されそうになる」など、原典ネタが豊富かつ忠実。他にもXでは旧連邦の本部が南米にあったことが語られる(そのせいで被害が大きく、AW0015年の時点でも特に復興が遅れてる模様)など、その後のシリーズに意外と影響を残してるスポット -- 名無しさん (2024-10-12 23:26:08)
- ギレンの野望の潜入作戦あたりも追加できそうね -- 名無しさん (2024-10-13 01:51:36)
- 概要のとこ、ウッディさんは少尉じゃなくて大尉じゃないかな? -- 名無しさん (2024-10-13 02:11:15)
- ジャブロー守備隊「どうして……どうして……」 -- 名無しさん (2024-10-13 08:44:26)
- ヘルシングでもでてこなかったか? -- 名無しさん (2024-10-13 10:31:28)
- 視聴した時は地上で核なんて汚染があるから他の方法は無かったのか?と思ったな -- 名無しさん (2024-10-13 12:40:07)
- 少佐が潜伏してたとこかな? -- 名無しさん (2024-10-13 12:40:49)
- ウッディ大尉はじめ多くの人々が命懸けで守ったジャブローが、続編でネズミ捕りかゴキブリホイホイ程度に使い捨てられるのは悲しすぎる。連邦もうダメなんだなと思わされるシーン -- 名無しさん (2024-10-13 18:49:06)
- 移転した理由は確か本拠地として余りにも有名過ぎるからだっけ -- 名無しさん (2024-10-13 20:02:05)
- > 変な旧式MS MSV、売りたかったからね……そして「こいつらはいつアニメに出てきたんだ」と言われていたロボット魂verANIMEのMSV連中が仕様変更されて本当にアニメ版になった -- 名無しさん (2024-10-13 20:42:01)
- 色んなゲームでも(出たことは多くないけど)舞台になったこともあるからそれを入れてもいいかもね。 -- 名無しさん (2024-10-14 00:09:38)
- ↑2あれMSV売りたかったというよりMSVファン向けのファンサービスの一環だったって聞いたことはあるな -- 名無しさん (2024-10-14 02:40:07)
- ゲームだと異常なくらい深いアマゾン川が出てくることが多 -- 名無しさん (2024-10-14 02:42:27)
- 一応地球統一を果たした連邦は何を仮想敵としてこの大規模施設を造ったんだろうな。コロニー移民がいつか攻めてくると確信していたのだろうか。 -- 名無しさん (2024-10-14 14:32:27)
- 後付けだけど本来の連邦首相官邸とか重要政府施設になるはずだったラプラスがテロで潰れてるからまあ防護設備はいるでしょ -- 名無しさん (2024-10-14 15:31:43)
- ↑3 MSどころか潜水艦が余裕で潜れるからな(リアルの例でいくと東京湾なんかは浅い方なので潜水艦が潜れなかったりする) -- 名無しさん (2024-10-15 22:17:16)
- 育児センターのジュースとアイスクリーム出すサービスロボット、まさか連邦軍謹製ってことはないだろうから宇宙世紀の普及品なんだろうな…… -- 名無しさん (2025-02-28 22:57:54)
最終更新:2025年04月20日 19:42