SDガンダム ガチャポン戦士4 ニュータイプストーリー

登録日:2024/12/12 Thu 17:34:15
更新日:2025/01/10 Fri 06:51:47
所要時間:約 30 分で読めます








SD
ガンダム

ガチャポン戦士4

ニュータイプストーリー





画像出典:SDガンダム ガチャポン戦士4 ニュータイプストーリー 開発元/ビッツラボラトリー、ゲームアーツ 発売元/ユタカ 1991年12月21日発売

概要

SDガンダム ガチャポン戦士4 ニュータイプストーリーとは1991年に発売されたファミコンソフトで、SDガンダムのウォーシミュレーション(戦略シミュレーション)ゲームである。
プレイ人数は対戦要素で1~3人、キャンペーンモードは1人用。実質的には対戦も1~2人がメイン。

名前の通りSDガンダムシリーズの第4作目*1で、システムは前作「ガチャポン戦士3 英雄戦記」を引き継いでいる。
シリーズでは初となる「キャンペーンモード」を搭載しており、これはファースト、Zガンダム、ZZガンダム、逆襲のシャアの4作品を時系列順に、パイロットのレベルを引き継ぎながら進める、いわばストーリーモードにあたる。
これまでの作品は単発マップを選んで遊ぶ形が全てだった。

従来通りの単発マップは「シナリオモード」で、3つのカテゴリがあり、それぞれシステムの根幹が異なる。

  • SDガンダム
前述したキャンペーンモードのファースト、Z、ZZ、逆シャアに加え、ポケットの中の戦争、F91の各作品からチョイスされている。
ただしポケ戦とF91はあくまでおまけなのか、BGMはファースト系と同じものが使用される。

  • SDせんごくでん (戦国伝)
風林火山編~天下統一編までの作品を反映したカテゴリ。

  • SDガンダムがいでん (外伝)
ジークジオン編後半~円卓の騎士編前半*2までの作品からチョイス。
このカテゴリのみ1人プレイ専用で、敵陣営をプレイヤー操作にする事はできない。
その意味ではこちらもストーリーモードに近い。


システム

ルールはターン制の戦略シミュレーション。ユニット生産要素あり。
自分のターンの間に自軍ユニットを移動させ、敵ユニットのいるマスに乗り込ませて戦闘を行い、撃破するのが基本。
勝利条件はモードやカテゴリによって異なるが、基本的には敵ユニットを全て撃破するか、相手陣営のガチャポリスを占領(乗り込むと自陣営のものになる)すると勝利となる。
キャンペーンモードではマップ毎に一定ターン経過や特定の地点占領など勝利条件が異なる。

自軍ユニットはマップごとに固定で初期配置されており、原作のように名前ありの固有パイロット(以下ネームド)もいる。
生産で追加したユニットは全て名無しのパイロット固定。



SDガンダム編

勢力ごとに青・赤・黄の3つの勢力が存在するが、各作品における主人公勢力が青、敵役が赤、第三勢力が黄という感じで割り当てられている。
黄は連邦軍の別の指揮系統だったり、Zでのアクシズだったりさまざま。
同盟関係にある場合、攻撃できないのはもちろん、その勢力の占領した建造物での回復が可能。


ユニット

自敵ともにユニットは以下の種類がある。

通常ユニット
4機(人)編成の小隊。基本。
「リーダー機1」+「部下機3」または「同一機4」で編成されている。
例えば、ファースト時代のユニットは、
  • ガンダムx1 + ガンキャノンx3
  • ガンキャノンx1 + ジムx3
  • ジムスナイパーx4
  • ジムx4
といった風。
マップ上のチップは小隊で一番上のユニットの機体が使用され、間接攻撃の可否もこの機体で判定される。
なお、ネームドキャラ同士が組んで1ユニットになっているとかではなく、ネームドキャラ1人につき3人のモブが付いてきている
なので原作ではタイマンだった状況でも普通に4対4で戦う
「?????」となったそこのあなた、これでも前作「英雄戦記」よりも減ってます*3

艦船ユニット
1機で構成する4列占有のユニット。おなじみホワイトベース、サラミス、ムサイ、ザンジバルなど。
戦闘時は1回の攻撃で相手全体に攻撃(4列の射撃)を行う。
システム的にはマップ上の建造物の「占領」はできないが、3つまで通常ユニットを内部に搭載できる。
艦船が行動済みでも搭載したユニットの発着は自由に行える。
搭載中の通常ユニットは1ターンごとにHPが全回復し、小隊が欠けていれば部下機が1機ずつ補充される。
ただし艦船が撃破されれば搭載していたユニットは巻き添えで全て失う。

巨大ユニット
戦闘システム上は艦船ユニットに準じる。
違いは通常ユニットの搭載ができないことと、マップ建造物の占領ができること。
ファーストの例ではグラブロやブラウブロ、プレイヤーにトラウマを植え付けたビグザムなどがある。


パイロット

ネームドのパイロットはマップごとに搭乗機体と共に初期配置されているのみで、新たに追加する事はできない。
マップ単位では失えばそれっきりなのである。
キャンペーンでは失っても次のマップでは復活しているが、一部のキャラクターは特定マップ以降でやられると、原作よろしく死亡してしまい二度と出てこなくなる。

無名のパイロットは生産ができるマップであれば、ユニット生産時に自動で追加される。
強さはマップ開始前の設定で変更でき、
  • がくと(学徒兵)Lv1
  • しんぺい(新兵)Lv2
  • せいきへい(正規兵)Lv4
  • ベテランLv6
  • エースLv9
を基本とする。
無名パイロットであっても、戦闘を経て経験値を得ればレベルアップし、それと共にこの名前も変化していく。

レベルは相手との差1につき与えるダメージが+2、受けるダメージが-2される。
つまり正規兵vs学徒兵では±6、正規兵vsエースでは±10ダメージもの差がある。
具体例を挙げるなら、エースのジム部隊であれば学徒兵ゲルググに勝つ事も容易なのだ。

レベルはユニット内全員で共有しているため、レベルアップすれば部下機も一緒に強くなる。
前述したが、通常ユニット編成でのネームドパイロットは必ずリーダー機に搭乗し、部下機には上述の無名パイロットが割り当てられており、
たとえばLv25のクワトロ+百式だと部下機もLv25のエース+リックディアスである。

ユニット内のネームドが先に撃破され、部下機だけが残る事もよくある。
この場合はレベルの高い無名パイロットがリーダーを引き継ぐ形になり、クワトロの例ではLv25のエースのリックディアス小隊に変化する。
ネームドがいなくなるので後述するコマンドバトルも発生しなくなる。これにより地味に撃破が手間になるケースもある。

ちなみにマップ設定の影響を受けないエース・しんぺい・がくとも配置されている事も多々ある。
例としてア・バオア・クーでは連邦もジオンも疲弊した状態が反映されており、設定をエースにしても両軍に固定のしんぺい・がくと部隊がいる。
悲しいけどこれって戦争なのよね…。
もちろん、がくとに設定しても変化のない固定のエースもいる。


搭載中の通常ユニットはHP回復と補充が行われる*4と先述したが、
補充を受ける際、そのユニットの4機中3機が破壊されてしまっていると、補充される部下機のグレードが下がるペナルティがある。
もう一度クワトロとZ時代で例を挙げると、
  • 百式とリックディアス1機以上、もしくはリックディアス2機以上 → リックディアスが補充される
  • 百式のみ又はリックディアス1機のみ生存 → ジムIIが補充される(ランクダウン)
  • ネモx4のうち2機以上生存 → ネモが補充される
  • ネモx4のうち1機のみ生存 → ジムIIが補充される(ランクダウン)
となる。
ティターンズ側で同じ例になった場合、部下機のマラサイやバーザムがハイザックにランクダウンする。
なおZ時代のアクシズのように、部下機用のMSが1種類しかない場合はランクダウンしない(ガザCはガザCのまま)。


ネームド

ネームドは無名と違い、隠しパラメータとして命中・回避・素早さにボーナスを持っている*5。攻撃力は変わらない。
この能力とレベルによって原作の強さが再現されており、有名なエースパイロットほどおおよそ補正も高い。
無名パイロットはもちろん+0。

能力は個別ではなくグループ単位で設定されているようで、
アムロやカミーユ、ジュドー、シロッコ、ハマーンといった主人公やラスボスは同じ強さ(+60/+65)でまとめられている。
以下+50、+40、+35…といった感じ。本記事では+○組で記載。
とはいえ+10以下の程度の能力だと、さすがに無名パイロットとの差がほとんどなくなってくる。
さらに下の+8、+5というほぼザコグループと言えるネームドもかなり数が多いので経験値になる

この他、特殊なグループとして
  • アムロタイプより命中と素早さが高く回避が低いシャア、クワトロ
  • 命中特化型(ドズル、クェス)
  • 回避特化型(セイラ、ファ)
がある。


何気に当時のメディアミックスからかき集めまくってるので、マニアックなパイロットが多いのも本作の特徴。
後述するが、クスコ・アルが登場したり、ジョブ・ジョンがいたり、シン、シアンなどなど…。
文官や艦長がMSに乗ってたりとなんでお前が乗ってんだよと言いたくなるヤツも多いが。
ウォンさんがいないのが残念。ところでベルファストって誰?



戦闘ルール

  • 通常戦闘
敵ユニット上に乗り込んで戦闘が発生する。攻撃側が射撃→防御側が射撃、で終了。
ダメージは大雑把にいって射撃攻撃力の50-100%の間で変動し、ここから対象の防御力を引き、彼我のレベル差1につき±2をあてたもの。
つまり高レベルのパイロットは練度の低い相手に高いダメージを与えられるし、敵からのダメージを抑えられる。

この戦闘で防御側が壊滅した場合、攻撃側がそのマスを奪って居座る形になるが、
そうでなかった場合は攻撃側がランダムで周囲8マスのどこかに押し出される。*6
周りに押し出される空白マスがないと行き場を失って爆散する。

  • ネームド同士のバトル
通常戦闘と同じく互いに射撃した後、コマンドバトルに突入。
その場にいる全員が「射撃」「格闘」「防御」「離脱」を選択後、素早さでイニシアティブをとった機体から順に行動する。
格闘は格闘値がそのままダメージになる攻撃で、相手のHPと相談して射撃と使い分けられる。ただし変形中の機体やガンタンク等は行えない。
防御は回避率が上昇し、HPが少し回復する。
離脱は選択すると全員のコマンドも離脱に設定され、その場から撤収(逃げる)。
通常ユニットは1機1回の行動で終わり、艦船または巨大ユニットは2回行動する。*7

ネームド同士のバトルではレベル差や防御力によるダメージ増減が適用されない。
これにより、例えば初期アムロ(Lv1)でも格上レベルの相手にダメージを通すことができるようになっている。
最初の難敵(に見える)シャアのザクもガンダムの攻撃が当たれば一撃という妙にリアルな設定。

  • 間接攻撃
特定のユニットがリーダー機の場合、移動前に間接攻撃が行える。
この攻撃はマスを隔てた敵ユニットに一方的に攻撃でき、反撃を受けないが、使用できるのは1ターンに1度のみ。
SDガンダムのモードでは時代にかかわらず統一されており、
「ビーム/キャノン」攻撃力15、射程4
「ミサイル」攻撃力20、射程3
「ファンネル」攻撃力40、射程6
「HML(ハイパーメガランチャー)」攻撃力80、射程7、使用後は強制的に行動済
の4カテゴリでイメージの近いものが割り当てられている。
例として艦船ユニットは「ビーム」の間接射撃を備えている。
エルメスのビットなどは「ファンネル」に、ビグザムの大型メガ粒子砲なども「HML」に無理矢理統合されているが、この時代のゲームにはよくある事なので気にしてはいけない。

1ターンに1度と説明したが、これは各カテゴリ別でカウントされている。
「ビーム」「HML」の二つを持っている機体であれば、1ターンに両方とも使用できてしまう。
複数持っている機体は例外なく原作でも有力な機体なので、言うまでもなく圧倒的な強さを発揮。


ユニット生産(ガチャベース)

自軍が占領済のガチャベースでは、資金を支払ってユニットの購入ができる(ガチャベース1つにつき1ターン1ユニット)。
資金はターンごとに、保有している占領済みの建造物から自動的に増える。
このジャンルによくある必要ターン数などは実装されておらず、決定した瞬間その場に(行動済みだが)ポンと出現する。
ホワイトベースからドゴスギアまで一瞬で建艦完了



特記ピックアップ

いくつかに分けて記述するが、ファミコンという制限や時代から鑑みても本作の原作再現はかなり頑張っている方。
キャラクターやMSのバランスも原作が意識されたものが多く、特に強弱に関しては1991年当時の考え方や印象が反映されており、ある意味で史料価値があったりする。
以下、それも踏まえてスポットに絞って解説。


● ファースト

キャンペーンではファースト、Z、ZZ、逆襲のシャアと全ての時代で登場。
初期レベルは原作通り素人から始まり1。育つまではあまり火力を出せない。
だがいざネームド同士の直接戦闘となれば、能力が+8とか+5しかない最初のジーンたちに対し、+60/+65もあるアムロが無情に一蹴する。
ネームド同士の戦闘ではレベル差がダメージに影響しない、というのが原作の再現になっているというわけである。
ホワイトベース隊はこうしてネームドとの戦いによって成長し、レベルを上げていくのだ。
搭乗機体は途中からMCガンダム(マグネットコーティング版)に乗り換え、最強の防御力を得る。
ユニットとしてはガンダムx1 + ガンキャノンx3。リーダー機がガンダムなのでガンキャノンの間接射撃は使用できないが、その分直接戦闘力が高い。

Z時代になるとディジェに搭乗。
ディジェの性能はクワトロの駆る百式とだいたい同程度で、HPが優り、攻撃力で劣る。
原作百式の設定である「防御よりも回避重点」が本作の頃から既に反映されていたと窺えるのが面白い。
間接攻撃はミサイル。Zや百式のHMLより火力こそ劣るが、使用しても行動済みにならないため1ターンに最大2回攻撃ができる。
なおディジェがなぜか宇宙でも使えるがこの時代のゲームにはよくある事なので以下略。
ファーストを無事に突破できればだいぶレベルも上がっているはずで、もはやエースの肩書を疑う者はいない。
ただし終盤の「ゼダンの門」や「メール・シュトローム作戦」には参加できないので、活躍は他に譲るべきことも。

ZZ時代では……「なんでZZ?」と思うだろうが、これは小説版の展開も取り入れられているため。
つまりアムロがシュツルム・ディアスに搭乗する。
このディアス、Zとほぼ同等の性能である事に加え、部下機も3機全てシュツルム・ディアスという凶悪な小隊になっており、
使用できるのは僅か2マップだけとはいえキャンペーン専用の怪物ユニットと化している。小隊の合計HPも堂々の一位。
しかもビームの間接攻撃まで持っており至れり尽くせり。*8
ZZガンダムも部下機がMk-IIという作中屈指の優遇されたユニットなのだが、それすら霞みかねないインパクト。

逆襲のシャアでは原作通りνガンダム。性能はサザビーと同一。
アムロの乗るMSでは最強の間接攻撃を手にし、育ったレベルも相まってギラドーガだろうがムサカだろうが食い散らかしていく。

シナリオモードでは単発マップの関係上、ほとんど全ての登場マップで高レベルで配置されている。
もちろんどのマップでも欠かせない戦力である。


アムロと同じくキャンペーンでの初期レベルは1。ユニットはガンキャノンx1 + ジムx3。
ガンキャノンは連邦軍の貴重な間接攻撃を持っているが、火力にはレベル差が反映されるため、序盤は微々たるダメージしか与えられない。
しっかりレベルを上げないとジオンの強力なMSを相手にするにはつらい一方、育てれば育てるほど攻略が楽になるという重要なバランス役を担っている。
とはいえパイロット補正は+30もあるので、直接戦闘であればジーンらを一蹴する事は可能。
能力はスレッガー、レビルと並んでファースト連邦軍内2位。
ベルファストマップではカイがちょっと遠い位置に配置されていたりする。

Zでも出番があり、アウドムラに乗っている事がある。
性能はさほどでもないが、艦船ユニットに乗ったネームドとしては強力な部類であり、うまく扱うと格闘バグもあって予想外の活躍をする事も。


我らがブライトさんは原作通り艦船ユニットのパイロットとして登場。
能力的にはカイたちに一歩譲る(+25組)が、いつの時代でも青陣営の旗艦に乗っており、スパロボよろしく後方支援要員となる。
格闘バグのおかげで前線で暴れさせる事もある。
最後の乗艦はやはりラー・カイラム。余談だが前作「英雄戦記」ではラー・カイラムは登場せず、なんとラーディッシュで代用されていた。
しかしホワイトベースやアーガマといった艦船は、同じ時代の敵戦艦と比べて見劣りするパラメータのため、普通にプレイする上ではほどほどの活躍に留まる事が多い。

例外はドズルのビグザムと、クェスのαアジール。
というのも、ドズルとクェスは高命中・低速という特殊なパイロット能力をもっており、普通に戦うとアムロにもガンガン命中させてくる強敵なのだが、
ブライトさんでコマンドバトルに持ち込むことができれば、素早さで優るため先制しやすく、大型同士の特殊ダメージ計算によって比較的楽に倒す事ができる。*9

アムロ同様、固定マップを遊ぶシナリオでの出演は最多で、時代と共に初期レベルが上がっていくのがなんとなく感慨深い。例を挙げると…
ファースト
ソロモン及びジャブロー戦ではLV8、ア・バオア・クー時LV12。
エース相当がLV9である事を考えると初期の頼りなさが嘘のような成長が見て取れる。
Z(メールシュトローム作戦時)
LV14に成長。化け物揃いのエゥーゴの面子ではカミーユ(20)・クワトロ(25)・アムロ(20)に次ぐ。ヘンケン艦長と同じ。((ちなみにハマーンとシロッコもLV20。))
アーガマの性能はそこまで優秀ではないが、無名の正規兵が駆る量産機には十分な製圧力を持つ。
余談だが、このレベルだと格闘バグ+学徒兵でも最大ダメージが126であり、デカブツの悩みの種であるオーバーフローが起きない絶妙な値である。
ZZ(最終局面)
LV20。Z時代のエース達に並ぶ圧倒的な成長を遂げたブライトさん。
ここまでくると正規兵の量産機程度は高確率で一撃爆散させられるほどに強くなる。なんだかんだガンダムチームを指揮するだけの事はある。
逆襲のシャア
同じくLV20。なおゲーム的にLV20は全シナリオほぼ最高位であり、これ以上はアムロとシャア、Z時代クワトロのLV25しかいないので事実上トップエースである。
ギラ・ドーガはたとえエースが乗っていても命中すれば一撃で落とせる程に。

搭乗機は原作と無縁のジムスナイパー(発売時期からするとこの機体はジム・スナイパーカスタムか)。
ジムスナイパーは間接攻撃こそできないが基礎スペックが優秀で、かつ部下機も同一の特殊編成のため、ジムが部下機のガンキャノンより直接戦闘力が高い。
スレッガー自身も初期レベルが高めで、かつカイやハヤトと同じパイロット能力を持っている事もあり、これまた自陣営の有力な戦力となっている。
ただしキャンペーンにおいて、ビグザムマップ以降撃破されると原作通り死亡してしまう。
以降も熾烈な戦いが続くキャンペーンではここで貴重なスレッガーさんを失うのはかなり痛く、死なせないように後方で温存するプレイヤーも多かったとか…。

ちなみにスレッガー、及び同じく戦死判定のあるリュウを一年戦争ラストまで生存させておくと、Ζ編でも一度だけエゥーゴ側で参戦するというIF展開が発生する。


  • リード
初代ガンダムの「無能な上官」第1号ことリード中尉。
その印象に違わず能力値は+5組という雑魚……なのだが、彼が初登場する2話(この時は黄軍の味方NPC)ではブライトさんはレベル1なのに対し彼はレベル7と意外に高く、雑魚MS程度は簡単に蹴散らしてくれる。
原作ではその後出てこなかったが本作ではジャブロー終了後、舞台が宇宙に移ると青軍で再登場。そこからア・バオア・クー前半までの全マップで出撃する。
初期レベルの高さのお陰で雑魚狩り程度なら問題なくこなせる。恐らく ガンダムゲー史上最も頼りになるリード中尉


赤い彗星はファーストと逆襲のシャアのみに登場。というのもクワトロは別データ扱いである。
キャンペーンではモードの性質上、シャアは敵専用、クワトロはプレイヤー専用となる。
搭乗機体はシャア専用…文字数の関係であかザク・あかゲルググ・あかズゴックE・あかディアスなどなど専用機が目白押し。
名前がややこしいが赤ディアスは原作通りリック・ディアス(赤)。
クレイバズーカからビームのような弾が出るが気にするな。

…ん? あかズゴック(E)?

はい、容量の都合か、さすがにMSの省略も多いゲームなので、ズゴックやゴッグはそれぞれズゴックE・ハイゴッグに差し替えられております。
このため名前こそ「あかズゴック」だが世にも珍しいシャア専用ズゴックEが爆誕している。
一部で有名なシャア専用ザクⅡ改が世に現れるのはこの7年後である事を考えると時代を先取りし過ぎである。
性能も通常より高く、間接攻撃まで備えている。

そして時代は流れ、クワトロになったシャアはリックディアス→百式と乗り換える。
赤リックディアスは量産機の強化版に留まる一方、百式は自慢の間接攻撃であるHMLを持っているため、ティターンズやアクシズのMSたちを気持ちいいぐらいにぶっとばす鬼神に変貌。
シナリオモードだとこの時代でありながら既に配置最高値のLv25を叩き出しており、エゥーゴの強さを後押しする。

ただし、クワトロは先述した通りシャアと別人扱いのため、キャンペーンでのレベルの引き継ぎがない。
ファースト時代こそ高い初期レベルで強い敵なものの、逆襲のシャアで再登場した時には成長しまくったアムロと対峙するはめになる
まあパイロット能力はアムロと同等なので強い事に違いはないのだが…。*10


  • アサクラ
シーマ様の事もあって一躍有名人になるアサクラだが、本作ではただのザコ将校(その能力わずか+5組)
キャンペーンではレベルも低く、ザクに乗っているのでNPC戦力がいつの間にか倒してたりすることも。
ただシナリオだとソーラレイ(コロニーレーザー扱い)上に陣取っている上、生意気にもゲルググに乗っているため、ジムぐらいは蹴散らす力を持つ。


  • その他連邦とジオンの比較
ジオン側のネームドの数がかなり多いので全ては書けないが、ここまで紹介した主役級以外を除くと、以下のようなパイロット能力に分類される。
+25組 ブライトさん、キシリア、ギレン、マクベ
+20組 リュウ、ガイア、シャリアブル
+18組 マチルダ、オルテガ、マッシュ
+15組 ワッケイン、ガルマ
+13組 ウッディ、パオロ、キャリオカ、ハモン、ボラスキニフ
+10以下 ウラガン、コンスコン以下多数
原作とゲーム的な都合を鑑みて、さほど大きな齟齬はなさそうである。まあ2や3違ったところで大差ないがな!
ただ黒い三連星やワッケイン、木星帰りのNTシャリアブルが意外に低いか?といったところ。
ウッディ大尉…。*11


● ファースト時代のユニット

連邦軍の主力量産機。1991年頃の印象がわかりやすいMSの一つ。
性能的には ボール < ザク < ジム < グフ といった具合で、ザクよりは性能が上に設定されている。
ドムやゲルググが相手ではまったく歯が立たない。


本作でのドムは量産機でありながら防御力補正を持っており、高い移動力と攻撃力と兼ね備えた強ユニットのため、キャンペーン・シナリオ共にかなり厄介である。
黒い三連星ももちろん登場。能力はガイアがほんのちょっとだけ高い(+20、他二人は+18)。
ただアムロの乗ったガンダム相手では分が悪く、格闘を食らえば三連星といえども無情に一撃爆散。

ところで1ユニット4機編成の本作だが、ドムは4機同一編成なので、3ユニット=12機になり黒い十二連星とネタにされる。
コンスコンのマップでは原作通り12ユニット配置されている…のはいいのだが、まぁつまりは48機である。誰が呼んだかRKD48。

なお、このマップを過ぎて舞台が宇宙に移ると、リックドムが代わりに出てくる。
…のだが、ドムのHPは25、リックドムのHPは26、ガンダムの格闘は25。
黒い三連星がいなくなったとたんコレである。*12
なおリックドムの性能はドムより向上しているように見えるものの、防御力補正は消えてしまっている。

かようにキャンペーンでのリックドムは散々ではある。シナリオモードならばそこそこのコストで使い勝手は良いのが救いか。


終盤に登場する高級量産機。
原作通り高コストかつ高性能な機体で、高いHPもさることながら、レベルが互角であれば艦船・ガンダム・ガンキャノンを除く全ての連邦MSは常に即死の可能性があるほどの火力が特徴。
ユニットとしても部下機も含めた4機編成であり、連邦側のジムスナイパーを凌ぐ圧倒的な性能を誇る。
もちろんその分生産コストも高く、2ユニット生産すればザンジバル一隻と同価格。
キャンペーンでも厄介なザコ敵として存在感を見せる一方、ここまでにどれだけカイとハヤトを育成できたか、その出来が問われる指標にもなる。


本作のエルメスはブラウブロ等と違い、MSの1機と同じ扱い。部下機はゲルググ。
搭乗者はララァとクスコ・アルだが、ララァはシャアらと一緒に来るし、クスコはアムロと同じパイロット能力を持っているので厄介極まりない。
特にクスコは小説のキャラゆえに当時アニメと比べ知名度が低く、知らずに油断したプレイヤーはメッタメタに叩きのめされた。
元々レベルもパイロット能力も優秀なのにファンネル間接攻撃をバンバン使ってくるわけで…。
キャンペーンでこれらが出現するマップは鬼門の一つ。


キャンペーンにおける鬼門マップの一つ、ソロモン攻略戦に登場する例の凶悪デカブツ。
ドズルの脅威的な命中補正に加え、高いHP、高い攻撃力、そして1ターンにビームとHMLの二回攻撃を行う脅威的な巨大ユニットとして登場する。
同マップでは味方も多数いるが、ビグザムの攻撃になすすべなく蹴散らされていくし、アムロを向かわせても高確率で命中させてきて普通に撃破されてしまう。難易度がおかしい。
前述したようにブライトさんに頑張ってもらうのが攻略の糸口。
ダメージ計算のオーバーフローを狙う手もある*13が、味方が入り乱れて邪魔になったり、ビームの間接攻撃の前には無力だったりと有利な事ばかりではない。


原作同様、ファースト時代マップにおけるシャア最後のMS。もちろん脚はない。格闘コマンド入力不可。
アムロのMCガンダムと同等の性能を持っている他、ファンネルの間接攻撃を持つため強敵。

…ファンネル? ビットすらないジオングで、ファンネル扱いの攻撃って?



!?

よくある事なので気にするな。


ギレンやキシリアが搭乗している艦船で、ゲーム中ではビグザムと並んで地味にトラウマを植え付けられる敵。
性能的にはジオン版ホワイトベースで、多少射撃で優り格闘で劣る程度の差異だが、
キシリアにしろギレンにしろブライトと同等のパイロット能力を持つ上、HPが高くねばり強い。
ビグザムやジオングに気を取られているとガンガン味方を落とされてしまう。
ある意味で原作の攻撃特化な設定の面目躍如といったところか。


  • マリンザク、デザートザク
ミスなのかグラフィックが入れ替わっている。青いデザートザク! 灰色のマリンザク!
だが生意気にもミサイルの間接攻撃を持っており、青陣営にとって地味に面倒な相手。
性能自体は大したことがないので、こいつら相手にはとにかく直接戦闘に持ち込んで撃破するのが重要になる。


● Z時代

パイロット能力はアムロと同一。最初はMk-II、のちにZガンダムに乗り換える。
初期レベルが低く、かつてのアムロと同じく育成が必要。
Mk-IIは百式の下位互換に近い性能だが、隠しパラメータの防御力で優っている。
Zガンダムは非常に強力なMSで、全てのパラメータに優れる上、変形による地形を無視した移動に加えて通常移動も早く、さらには間接攻撃HMLを常備と化け物クラスの性能を誇る。
これが鬼のように強いため、半端なティターンズのネームドは本当になすすべなく堕ちていく。
例外は同じエースパイロット能力のシロッコとハマーンぐらいなもので、あとはジェリドだろうがロザミアだろうがお構いなし。
というか本作のジェリドはかなり影が薄い。能力的にはカイ・ハヤト組と同じクラスで、様々なMSを乗り換えていくのだが、いずれにせよHMLで一蹴される運命にある。


アムロやカミーユと同じパイロット能力を持つ、実質Z時代のラスボス。
搭乗MSはキュベレイ、ジ・Oだが、キャンペーンの一部のマップでは艦船に乗ってくる。ぶっちゃけMSよりこっちのが厄介と評判。
シナリオモードだと立場が逆転し、エゥーゴの戦力が過剰なほど強いため少々厳しい状態。
三勢力全て敵同士の三つ巴な事に加え、ジ・Oは基本性能が高い代わりに間接射撃を持っていないため、HML砲台と化すカミーユ・クワトロが相手だととにかく分が悪いのである。
一撃で落ちる事はないとはいえ、直接戦闘に持ち込む前にゴリゴリHPを削られてしまい、挑める頃にはズタボロという事も…。
キュベレイはファンネルがあるのは救いだが、こちらはこちらでジ・OやZガンダムを相手にするには心もとない。部下もガザCしかいないしミネバ様はとても戦えるレベルではない…。


  • 中間ランク帯
Z時代のちょっとした中間のパイロットたちをひとまとめ。
+35組 エマ、レコア、マウアー、ヤザン、バスク
+30組 ジェリド、サラ、ライラ
+25組 アポリー&ロベルト、カツ
+20組 ヘンケン艦長、ラムサス&ダンケル
前述した通りカイハヤトスレッガーは+30、ブライトは+25が参考。
マウアーがジェリドやライラより強かったり、バスクが優秀だったり、ヘンケンやラム&ダンが意外と頼りない設定となっているのが面白い。
…レコアさんちょっと上すぎない?
余談だがブランやカクリコンは+10と能力はかなり低め。ブランは後述の事もあって不憫である。


  • ベン、ブラン
搭乗機が入れ替わっており、ベンがアッシマーに乗ってやってくる。よくあるミスなので気にするな。


今ではとんでもないオールドタイプとして名を馳せるヴァ…ヤザン隊長。ZZにも登場する。搭乗MSはハンブラビ。
シナリオだとカミーユのHMLであっさり落とされるのでイマイチ目立たないが、キャンペーンでは部下機全てがハンブラビという強編成で襲い掛かってくる上、このマップはまだカミーユが育っていない時期のためかなりの難易度となる。
しかもシロッコとハマーンが同時に押しかけてくるので、いかにクワトロでも手一杯。
そんな中でラムサス・ダンケルと併せてハンブラビ12機なのだから、そりゃ強いのも道理である。


● Z時代のユニット

艦船の頭数合わせのためかガルダ級の同じ名前の艦船が複数いたりするが気にしてはいけない。
なおファーストのサラミスは画像はそのままサチワヌと名前が変わって少しだけ強化されている。*14

どちらかといえば灰色のリックディアス。
メインとしては性能の高い部下機で、青陣営のネームドが率いる。
リーダー機ユニットの場合はアポリーとロベルトが搭乗。
その性能は部下機としてはかなりのもので、ティターンズのマラサイと同等以上、ジムIIやハイザックとは比べ物にならないほど強い。さすがγ。
ZZでも引き続き部下機として登場し、この時代の量産MSとタメをはれるほど。というかジムIIIやザクIIIより強い。
そのため、ゲーム中で最もたくさんのマップに登場する(35面中21面)ユニットである。

なおこれが部下機となっているせいか本作ではネモの出番は少なく、なぜかネームドとしてトーレスが乗っていたりする。特に強くはなく影も薄い。
一応、スペック自体はハイザックなどより高いのだが…。


  • バウンドドック、メッサーラ、パラスアテネ、ボリノークS(サマーン)、ハンブラビ、ガブスレイ、ギャプラン、バイアラン、アッシマー
Z時代の豊富なMS群。この時代のゲームにしてはよくこんなに実装したもんだ。なおおおよそ性能の高い順に並べている。
いずれも量産機のジムIIやハイザックと比べて倍以上の性能を持っており、部下機もそれらではなく高級量産機のマラサイ。
バウンドドックは搭乗するパイロットこそ恵まれていないが、百式ディジェ以上・Z未満の性能で、地味に存在感がある。
メッサーラは百式と同一のHPと攻撃力で、可変かつビーム間接攻撃が可能。
パラスアテネからハンブラビは移動力、変形機能、間接攻撃などから、一概にどれが一番強いかは難しいところ。

ガブスレイ以降はさすがに性能が低くなっている。
後のvsシリーズと異なり、この頃のガブスレイはあまり性能がよくないという扱いのようだ。
バイアランとアッシマーはこの中では弱い方だが、シナリオモードでも部下機も同一のユニットであり、4機アッシマー・4機のバイアランユニットが生産できるため赤陣営で遊ぶ際は有望な戦力となりうる。


ティターンズの主なネームドの部下機。シナリオではマラサイ、キャンペーンではバーザムが主な部下機になる。性能は同等。
元々マラサイはリックディアスと同じく部下機なのに防御力補正がありなかなか優秀で、存在感は大きい。
バーザムは防御力補正がなくなってしまうが、攻撃力で優る。
HPはどちらも34。
ん? Zガンダムの格闘値は35ですね…。*15


  • ジムII、ハイザック、Gバルディβ(ガルバルディβ)
やられ役量産機たち。
ジムIIは意外にもハイザックより射撃攻撃力で(たった1だけだが)優っている。他の性能は一緒。
ガルバルディβはHPが少し伸びただけで、攻撃力はジムIIと同一。


第三勢力、黄陣営アクシズの主力量産機兼部下機。
ゲーム中スペックはガルバルディ以上だが、同じく主力部下機であるエゥーゴのリックディアスやティターンズのマラサイと比べるとどうしても見劣りする性能。
同じ陣営のキュベレイは強いが、部下機がこれなのが地味に厳しさに繋がっている。
ある意味原作通りである。
唯一の利点は量産機にして変形機であるため移動力に優れること。原作と違い何度変形しても大丈夫。


あくまで艦船ユニットの中ではあるが、Z時代の大型艦船にしてゲーム中最強クラスの弩級戦艦。
後のサダラーンはもちろんレウルーラやラーカイラムと比べてすら性能が上である。
キャンペーンではこのドゴス・ギアを相手にお祈りして倒すか、無難にやり過ごしてガチャポリスを目指すかという難関ステージを体験する羽目になる。
ジュピトリスはドゴスギアには劣るものの、艦船ユニットとしてはやけに強く設定されており、普通に黄陣営のグワダンより性能が高い。
どうなってんだこの木星往還輸送艦。まあこの時代のゲームには(略


Z時代の巨大ユニット。
戦艦の倍もある攻撃力に厄介なネームドまで搭乗し、挙句ビームとHMLの間接攻撃も完備。
だがファースト時代のビグザムと異なり、この時代はエゥーゴもZと百式というHML使いが登場するため、この2機でHML撃ち合えばサイコの当たり判定の多さもあって普通に押し勝てる。
強いがエゥーゴには敵わない悲運のユニット。直接戦闘だとフォウもロザミアも厄介なんだけどね…。
なおⅡはZZにも登場し、こちらだと彼我の戦力差によって一気に厄介な敵となる。



● ZZ時代

ZZも以前の時代の機体が引き続き主力として登場する。
Zガンダム、百式、Mk-II、リックディアス等々。シュツルムディアスについてはアムロの項で。
おそらくゲームと原作の乖離が最も大きいのがこの時代。

  • ガンダムチーム
ガンダムチームの能力値は意外というべきか妥当というべきか、これまた興味深い設定がされている。
アムロクラスのエース補正を持つジュドーやハマーン、プルツーを除くと、
+30組 イーノ
+20組 エル、ルー
+18組 エマリー、ビーチャ、モンド
…イーノやるな! 戦闘からメカニックまで原作でのマルチロールぶりが反映された形だろう。
正規兵のはずのルールカが少々弱く設定されているのが意外か。
もっとも原作を考えてみるとそこまでおかしくはないかもしれない。
ただしイーノが乗るのはリックディアスと性能の大差ないメタスであり、Zガンダムのルールカや百式のビーチャと違い出番があるかと言うと……。
(ゲーム的な都合もあるだろうが、ロンメルゴットンがこれよりも低く、逆にキャラやヤザンといった相手はガンダムチームより上である)
なおマシュマーはブライトと同じ+25組。グレミーに至ってはプルに並ぶ+50組で遥かに強い。

彼等の補正の平均値はやや落ちているが、ユニット側で補っている形になる。


● ZZ時代のユニット


様々なゲームで圧倒的性能を誇るZZだが、本作の時点でもその強さは健在。
間接射撃はZと同じだが、基本スペックの底上げがすさまじく並みの敵はまるで相手にならない。
一番恐ろしいのがキャンペーンでは部下機がMk-IIになっている所。
ZZガンダムx1機 + ガンダムMk-IIx3機である。搭乗するジュドーも鬼のように強い。
とはいえこれによってZZ時代のマップが楽勝かと思えばそうでもなく、同等のパイロット能力のプルツー+サイコガンダムやハマーン+サダラーンといった、悪魔めいた強敵があちらにもいるので決して簡単ではない。


  • ジムIII、ザクIII、ガザD
原作を考えると少々不可思議な立ち位置のユニットたち。
ジムはこれまでの量産機と比べて破格のスペックだが、この時代においては最弱。
あくまでザコユニットとしてしか登場せず、しかもエゥーゴの部下機はリックディアスなのでネームドの目立った出番がない。
特定のマップではミスなのかLvがバグった個体がいるが…。*16
ザクも悲しきかな、原作と異なり量産機のザコ扱い。このゲームではジムと対を成す存在とされているようだ。
とはいえ赤陣営の部下役を奪ったガザDが完全に上位かというとそうでもなく、何気にザクの方が攻撃力で優る。


  • カプール
キャンペーンのみ登場する敵専用の水陸両用・可変ユニット。
ミサイルの間接攻撃、高い移動力、基礎スペックはMk-IIに迫る4機編成で、防御補正まで持っている地味に強い機体。
スペックだけでもズサやガルスJ、ドライセンを圧倒している。
ただしタマンは乗っておらずネームドはいない。もしかしてスタッフに水泳部が?
可変ユニットの仕様上、球形のまま空を飛んでいるが気にしてはいけない。


原作は知っての通りサイコガンダムクラスの大型な機体だが、本作ではエルメスと同じくMS1機扱い。間接攻撃はファンネル。
シナリオでも生産で使う事はできるが、その強さを知らしめるのはキャンペーンでグレミーの駆る機体。
一説には第4世代MSの頂点と言われるだけあって、ハマーンのキュベレイを突き放しZZガンダムと並ぶ高スペックを持つ。
もっとも、このマップではプルツーのサイコとハマーンのグワダンという凶悪なデカブツが2体もいる為、少々霞みがちではあるが。


● 逆襲のシャア

キャンペーンのラストエピソードとなる逆襲のシャアでは、敵味方共にユニットの種類が大幅に減少、スペックの根本が変わる。
ZZ時代のMSは登場しない=原作で駆け付けたジムIIIもここでは出ない。
というか出ない前提で調整されているのか、ジェガンやギラドーガのスペックはジムIIIより低く設定されている。


  • ケーラ
アストナージの恋人。
パイロット能力としては+35組で、ギュネイ・レズンも同様。これは他の時代ではエマさんやヤザンに相当する。
搭乗MSはリガズィ
このリガズィは可変MS扱いのため何度も変形可能だがこの時代のゲームには(
決して弱くはなく、むしろ戦力不足のロンドベルにあっては貴重な戦力なのだが、ネオジオンの厚いネームド層を考えると力不足が否めない。
リガズィ自体のスペックはあおドーガ(レズン専用ギラドーガ)以上、ヤクトドーガ未満。
運が良ければギュネイを返り討ちにできるが、悪ければレズンに普通に負けるバランスである。
ロンドベルには他にろくな戦力がないので、シャアがサイコフレーム技術を横流しするのもむべなるかなといったところか。

なお本人かどうかは不明だが、
ア・バオア・クーのマップではジムキャノンに乗ったケーラがいる。
単なる配置設定ミスの可能性は高いものの*17、それはそうとして彼女の中尉という階級を考えるとそこまで無理のある話でもない。
ちなみに後のスピンオフでエゥーゴ側に登場しているが、本作発売の約20年も後である。
やっぱり時代を先取りしすぎである。


  • ハサウェイ
若気の至り、能力ランクは+20組。ブライトは父親の威厳を保った(+25組)
パイロット能力で見るならなんとか実用範囲だが、ネオジオンのネームドには太刀打ちできるはずもなく、搭乗MSはジェガンな事と初期レベルの低さのせいで無名パイロット相手も心許ない。
原作通りではあるが。


ご存じαアジールの乗り手。
ドズルと同じ命中補正特化型の能力を持っており、搭乗機体が巨大ユニット最強のアルパなため、最後の最後でビグザムの悪夢を掘り返される。
厳密にはサイコガンダムMk-IIより誤差レベルで攻撃値に劣るが、ビーム・ファンネル・HMLの3つの間接攻撃を備えており、1ターンで3回攻撃をブチかましてくる悪魔と化す。
この時代にはもはやプレイヤーにHML持ちがいないというのに…。
幸いシャアはガチャポリスから動かないので、アムロが味方を盾になんとかファンネルを連発してHPを削っていくしかない。
キャンペーンでも厄介だが、シナリオではなんとLv20で配置されている鬼畜っぷり。
そんな有り様なのでシナリオの逆シャアマップは完全に赤陣営有利となっており、プレイヤー同士の対戦には不向きである。


  • ナナイ
ネオジオンの艦船パイロットとしてはブライトと並ぶ(つまりギレンやキシリアクラスの)強敵である。
…が、艦船が性能の低いムサカなので、回避力がちょっと高い程度の相手でしかない。
ちなみに前作「英雄戦記」ではムサカも登場せず、ムサイで代用されていた。ひでぇ
まあこのマップ自体、アムロとシャアの一騎打ちがメイン+クェスなので元々それほど出番はないとみるべきか。
カイザスやホルストといった文官が他のムサカのパイロットになっているが前作でもそうだったので気にしてはいけない。



● F91、ポケットの中の戦争

キャンペーンには出ないが、シナリオモードでそれぞれ専用のマップが用意されている。
BGMはファーストで使用されているものと同じ。


  • ポケットの中の戦争
基本的なMSはファーストに準ずるが、ジムスナイパーのユニットが同一4機編成ではなく ジムスナイパーx1 + ジムx3 に弱体化。
加えて連邦側はクリスしかまともな戦力がおらず、サイクロプス隊に原作通りになすすべなくボコボコにされていく。
…が、いざクリスと相対すると、パイロット能力の差で今度はジオン側が苦境に立たされる。
なぜならクリスの能力は非常に高い上にレベルも高いので、ミーシャ(+13組)+ケンプファーではかなり分が悪いからだ。
太刀打ちできそうなのはバーニィ(+30)とシュタイナー(+25)だが、バーニィはザクに乗っているのでクリスの攻撃が当たったら即死。逆にバーニィ側が当てても3割も減らせない。
そんなわけで、この二人とネームドを全員クリスにぶつけて倒せなかったら千日手確定
クリス側は味方(グレイファントム&スカーレット隊)が無能すぎてガチャポリスから動けないわ、サイクロプス隊はネームドがいないとどうにもならないわ(無名パイロットでは何を生産してもアレックスの防御力を貫通できない)…。こんな所まで原作再現せんでも。



格闘バグ

本作で有名なバグ(とされるもの)が通称「格闘バグ」。
これは艦船および巨大ユニットで特定の条件下において発生するもので、一言でいうと「突然超火力が出る」というもの。
人力での発生の制御は今のところ不可能。(解除はセーブ後リセットで可)

巨大ユニットは格闘コマンドが使用できないが、スペックには格闘の攻撃力もきっちり設定されている。
この格闘はMSたちのそれと違い、射撃の数倍もの値になっている。
とまあ、これでお気付きだろうが、ダメージ計算で射撃攻撃力が参照されず、格闘攻撃力を参照した結果が「格闘バグ」というわけだ。
本来、この値は巨大ユニット同士のコマンドバトルで使用される。
もともと4発同時攻撃に加えて高い格闘値でダメージ計算すれば、まず間違いなく先制した側の勝ち。戦艦同士の撃ち合いなどで上手く決められると爽快である。
しかし、これが通常ユニット相手やコマンドバトル以外でもたまーに発生するため、運が悪いと突然アムロやシャアが無名のサラミスやムサイにふっとばされたりするのである。

参考として艦船では最弱クラスのサラミスのスペックは、射撃12・格闘80
ガンダムがHP50、二番手のガンキャノンでさえHP30なので余裕で死ねる。


ただ、一部には艦船主砲の直撃、クリティカル扱いとして好意的に見る向きもある。
先ほど説明したサラミスの射撃12というのはいくらなんでもちょっと弱すぎで、ザク(HP15)にさえどう当てても落とせない。
実際格闘バグが起きないとホワイトベースやアーガマも今一つ弱く、ブライトさんの活躍もかなり制限されてしまう。


オーバーフローバグ

もうこの時代のゲームには何度もよくある事だが、計算でダメージが127を超えるとループしてしまい数値が極端に低くなる。
レベル差がありすぎたり、火力が高すぎると起こるわけだが、
何の因果かドゴスギアやサイコガンダム、αアジールやラフレシアといった連中は格闘値が素で150を超えている。
つまり格闘バグが起こっている最中、こいつらは逆に0か1ダメージしか与えられない。
なんでこんな設定にしたの…?と言いたくなるが、実はコマンドバトル(ネームド同士のバトル)ではこのダメージ計算オーバーフローが起こらないので、本来想定された場面では問題がないのだ。
さもありなん…。



SD戦国伝

ユニット生産の概念がなく、初期配置ユニットが戦力の全て。
また間接攻撃できるユニットが少なく、直接戦闘が多くなるためどうしてもダメージが嵩む。
傷付いたユニットは陣地や城に下げてこまめに回復し、無駄死にさせないように気を付けたい。

戦闘は全てコマンドバトルで展開され、またSDガンダム編と異なり冒頭の撃ち合いは無し。
戦国世界が舞台故に射撃武器を持たず格闘オンリーのユニットもいる。

風林火山編シナリオのみの独自システムとして「はっこう(八紘)」コマンドがある。
これは所謂合体攻撃であり、リーダーを中心とした3*3マス内に特定のメンバーがいると使用可能。
  • 頑駄無軍団……リーダー:荒烈駆主(あれっくす)、メンバー:風雷主(ぷらす)・百士鬼改(ひゃくしきかい)・砕虎摩亜屈(さいこまーく2)で「八紘の陣」が発動
  • 闇軍団……リーダー:若殺駆頭(わかざくと)、メンバー:漣飛威(さざびー)・璽悪(じお)・剣舞風荒(けんぷふぁー)で「闇八紘の陣*18」が発動

……本来は「八紘」の字の通り8人の武者で発動する陣形なのだが、気にしてはいけない。システム的な都合もあるだろうし。
原作では参加してた江須(えす)がハブられて荒烈駆主がいる のも気にしてはいけない。*19



SDガンダム外伝

先述の通り1人プレイ専用シナリオ。前作の引き続きという扱いか、ジークジオン編の「アルガス騎士団」から円卓の騎士編の「流星の騎士団」までのストーリーとなっている。アルガス騎士団の同僚は流用の都合上、ジムライトやウインタージムとなっている。
自軍(青軍)は戦国伝同様初期配置戦力のみだが、敵軍(赤軍)のみ生産が可能。
ただし前作『ガチャポン戦士3』の外伝シナリオと違って、赤軍の生産ありにしてもプレイヤーにとってのメリットはほとんどない*20ので生産なし推奨。

戦闘システムは戦国伝同様にコマンドバトルのみ、冒頭の撃ち合いなし。
これまた戦国伝同様に格闘のみのユニットもいれば、逆に格闘攻撃を持たないものも。
ユニットによっては格闘以外の攻撃コマンドとして射撃の他に「まほう(魔法)」「ひっさつ(必殺)」もあるが、これらは全てダメージ計算では射撃攻撃力に依存している。

ジークジオン編シナリオでは戦国伝の「はっこう」に相当する「けもの(獣)」コマンドがある。
  • ユニオン族……リーダー:騎士アレックス、メンバー:剣士ゼータ・闘士ダブルゼータ・法術士ニューで「光の獣」が発動
  • ジオン族……リーダー:アレックスS(シャドウ)、メンバー:ゼータS・ダブルゼータS・ニューSで「闇の獣*21」が発動

……原作ではアレックスはこの技に参加していないはずだが気にしては(ry






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  • 所要時間30分以上の項目
最終更新:2025年01月10日 06:51

*1 ややこしいがSDガンダム「外伝」シリーズは数えずに4作目

*2 ジークジオン編前半は前作『ガチャポン戦士3』に収録。円卓の騎士編後半は残念ながら本シリーズでは未収録。

*3 「英雄戦記」は5機で1ユニットだった。

*4 基地やコロニーのベースポイントに待機中も同様。ただしガチャポリス・ガチャベースを除く。

*5 ごく一部に例外的に持っていないヤツもいる。

*6 例外あり。防御側が離脱する、または離脱バグが発生している間は防御側が押し出される。

*7 選択したコマンドを2回行う。別々の行動はできない。

*8 ただし全体的にHPの多いZZ時代だとビームの間接攻撃は若干心許ない。もちろん便利な事に違いはないが。

*9 これは格闘バグではなく、大型同士のコマンドバトルで格闘攻撃力が100%参照される仕様。

*10 なおシャアのみ特殊タイプで、命中+65・回避+50・素早さがアムロタイプより高い。

*11 ちなみに彼はジャブロー後半マップで黄軍(味方NPC)として参戦するのだが、初期配置が“シャアのド真ん前”という原作再現ぶりにより救出はほぼ不可能。ただし何故か戦死判定がないので撃墜されても気にしなくてよい。マチルダさんは戦死判定あるのに……。

*12 コマンドバトルはネームド同士のみ発生、そして格闘ができるのはコマンドバトルだけ。せっかく格闘に耐えられるHPになったのに…。

*13 設定を学徒兵にすると計算で128を超やすくなり、この時にダメージが0か1になりやすい。

*14 格闘値は下がっている。

*15 なおジ・Oも同じ格闘35だがリックディアスのHPは36。

*16 オーバーフローしておりそのままではカスダメしか出せない。だがなんとか一機でも撃破して経験値を得るとLv25に変化し、今度は無名最強エースに。

*17 実際シナリオモードだとカイとハヤトがなぜかガンキャノンでなくジムになっているミスがある。

*18 本作オリジナルの合体攻撃。

*19 何故か本作では江須がやたら冷遇されており、先述の通り新生武者五人衆の中で唯一合体攻撃でハブられた上、参加するシナリオも少ない。原作では百士鬼改と同時に仲間になったはずなのだが。

*20 前作では自軍の初期レベルが低いために経験値稼ぎ用として生産ありにするメリットがあったが、本作では初期レベルがとても高いためその必要がない。むしろ敵が無駄に増え続けて、ただでさえ長い敵フェイズの時間がどんどん延びてしまい煩わしいだけである。

*21 こちらも本作オリジナル。