登録日:2010/05/22 Sat 01:07:58
更新日:2025/03/16 Sun 00:29:50
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このおバカ、恐るべし
コンピューターウィルスVS
しんのすけの最終決戦!!
勝つのはどっちだ!?
『クレヨンしんちゃん 電撃!ブタのヒヅメ大作戦』とは、1998年に公開された映画
クレヨンしんちゃんシリーズ第6作。
原恵一の映画クレしん監督作品第2作。前作で好評だったギャグや演出(臼井先生の扱いとか)をさらに発展・昇華させ、笑えて・熱く・ちょっぴり泣けるスパイアクション活劇として成立させた名作。
前半は野原家と
かすかべ防衛隊それぞれの冒険、そして後半は
ぶりぶりざえもんとしんのすけの「炎の友情」が主題となる。
【あらすじ】
屋形船でふたば幼稚園の園児達と先生が宴会をしている最中、秘密組織「SML」の一員、コードネーム「お色気」と名乗る女が上がり込んできた。
困惑する一同をよそに、巨大飛行船が屋形船をわしづかみにして連れ去ってしまう。
組長達は辛くも脱出したものの、
かすかべ防衛隊と「お色気」だけが逃げ遅れ、そのまま飛行船は消息を絶った……。
一方、屋形船大破のニュースを見て絶望したみさえとひろしの前に、SMLに所属するコードネーム「筋肉」を名乗る男性が現れる。
「筋肉」に事情は言えないがしんのすけ達は生きており、連れて帰るから待っているようにと聞かされたみさえとひろしは無理矢理同行しようとするが、聞き入れられなかった。
しかしみさえは「筋肉」の持ち物から香港に手掛かりがあると推測し、ひまわりとひろしを連れてしんのすけを助けるために旅立つ!
【登場人物】
野原一家/かすかべ防衛隊
◇
野原しんのすけ(声:
矢島晶子)
「違うよ、ぶりぶりざえもん。お前はオラの友達で、救いのヒーローなんだよ」
お馴染みスーパー5歳児。ある意味では全ての発端。
ブタのヒヅメに対しても全く動じず、お色気の狙いを察してフォローするナイスプレーを見せる。
バレルの銃撃(
拳銃→
二丁拳銃→
マシンガン)を反射、コサックダンス、半ケツフラダンスで回避するという神回避を披露。すげえなこの5歳児。
◇
野原みさえ(声:ならはしみき)
「あなたにはわからないかもしれないけど、親っていうのは子どものためなら何だってできるのよ!」
スーパー主婦。愛する息子を救うため、いつも以上の行動力を発揮。下剤混入もするし関取にもなる。
◇
野原ひろし(声:
藤原啓治)
「さぁ、行こうぜ相棒?」
スーパーサラリーマン。攫われたしんのすけを追い、みさえとひまわりと共に海外に出発する。
今回、初めて映画で靴を武器として使った。
◇
野原ひまわり(声:こおろぎさとみ)
「あいや~」
スーパー
赤ちゃん。
高所から海へ落下しても笑っている鉄メンタルの持ち主。クライマックスではキーボードの上を難なく高速移動する。
◇風間トオル(声:真柴摩利)
「かすかべ防衛隊、しんのすけを守れ!!」
おなじみの優等生。しんのすけとの性的関係を疑われ、バレルにドン引かれた。
悪の組織に攫われた挙句、幼稚園児だけで野宿を迫られるという状況に陥っても理性的に振る舞っており、渋々ながらしんのすけの図太さも認める。
◇佐藤マサオ(声:一龍斎貞友)
「僕、しんちゃんがうらやましい……」
泣き虫オニギリ。この頃はまだただの弱虫だった。
ブタのヒヅメに対しても終始怖がっていたが、最後には勇気を出して立ち向かい、
ぶりぶりざえもんと対話するしんのすけの盾になる。
◇桜田ネネ(声:林玉緒)
「ひっかけてやればいいのよ!!」
おませの女児。この辺りから映画でも
殴られウサギを殴るようになる。
今回のゲスト芸能人のIZAMのファン。
◇ボーちゃん(声:佐藤智恵)
「どこでもいい。ここは、地球の上……怖がらなくて、大丈夫」
寡黙な
天才。風間くんの解説を補足する形で「サイバーテロ」と言い当て、しんのすけたちに感心された。
野営の際には流石の貫禄と有能さを見せる。
よくよく考えると、かすかべ防衛隊の4人はトイレにいるしんのすけを無視して屋形船から脱出、または一言言ってから脱出する事も本来は可能だったりする。
◇
吉永みどり(声:高田由美)
◇
松坂梅(声:富沢美智恵)
◇
高倉文太(声:納谷六朗)
ご存じふたば幼稚園の皆様。今回は序盤のみの登場。
よしなが先生は悪酔いしたまま
中島みゆきの曲「ひとり上手」を歌い子供をビビらせるまつざか先生を止める。
組長はお色気というコードネームを聞いてニヤッとしていた。
エンディングでは生きて帰ってきたしんのすけ達を泣きながら出迎える。
SML
世界の
平和を守る秘密組織。
アメリカ・ニューヨークに本部がある。
組織の名前は「正義の味方・ラブ(
Seigino
Mikata
Love)」の略であり、決して服のサイズではない。
みさえには「なんで
日本語と
英語が混じってんのよ!」とツッコミを受けた。
◇お色気(声:
三石琴乃)
「……私が勝つ!!」
SMLのエージェント。銃は「下品で嫌い」なため徒手空拳のみで戦うが、ここ一番では奥の手としてフライパンの二刀流を操る。
身も心もタフな女傑で、ブタのヒヅメに拘束され、ママにボコボコにされようともマウスの
拷問を受けようとも一切情報を漏らさなかった。
実は屋形船から最終決戦までほとんど休息を摂っておらず、連戦に次ぐ連戦だったが、精神的拷問、複数の
モブとの戦い、さらにママとの死闘を根性でくぐり抜けた。
ボディスーツを着てクレしん映画でも有数の巨乳を揺らすけしからん雌。
お尻も中々のもので、筋金入りの尻フェチである大袋博士を唸らせた。
ちなみに三石女史は、同年から
上尾ますみ役でクレしんレギュラーに加わることになる。
◇筋肉(声:
玄田哲章)
「正義の味方が糞など漏らすかァァ!!」
同じくSMLのエージェントで、声もキャラもシュワちゃんっぽい巨漢。
コードネーム通りのマッチョで、冷静沈着だが、根は直情気味で銃撃戦より殴り合いの方が好き。
事情を隠したまましんのすけの生存だけをひろしとみさえに伝えに現れる(他の4人の家も順に回っていた模様)。
「2人を連れて行くわけにはいかないが必ずしんのすけを連れて帰る」と告げてクールに去ろうとするも、みさえに下剤を盛られて同行させるよう脅迫され、トイレを巡る壮絶な攻防を見せた。
結局自分を追いかけてきたひろしとみさえを
日本に帰そうとするが、息子の身を案じてなりふり構わない行動をするひろしとみさえに内心では同情・共感しており、最終的に同行を許す。
実はお色気の元夫。ハードボイルドに「結婚はしてた」と言うものの、離婚の原因は筋肉が浮気したからで、みさえに「正義の味方のくせに」と軽蔑された。
ただ、復縁こそしていないものの、仕事上のパートナーとしては良好な関係を維持している。
中の人は
アクション仮面役でおなじみ。
◇セーギ(声:佐藤ゆうこ)
お色気と筋肉の息子で、親権はお色気が持っている。
ラストシーンとエンディングのみの登場。
ブタのヒヅメ
◆
ぶりぶりざえもん(声:
塩沢兼人)
「人間どもよ!私に従え!!」
ご存じ救いのヒーローだが、本作のぶりぶりざえもんはしんのすけの描いた絵からインスピレーションを受けた大袋博士が作り出した電子生命体で、ブタのヒヅメの介入により独自の意思を持ち現実世界にも出られる世界最強のコンピューターウィルスとして完成した。
とはいえマウスに自分の尻を舐めるよう要求した挙句屁を浴びせるなど、下品で自己中なところはいつも通り。
マウスに言われるまま世界を恐怖で支配しようとしていたが、しんのすけに救いのヒーローとしての生き方を教えられて改心する。
しかし大袋博士にワクチンソフトを使われてしまい、しんのすけと博士に見守られて安らかに
消滅した。
その後、助けを求めるしんのすけの声に応えて……。
次作ではチョイ役なので、塩沢ざえもんの劇場版でのまともな出番は本作が最後。
ぶりぶりざえもんのスーパーパワーを紹介したゴキゲンなイメージビデオ『電撃!ぶりぶり大作戦・予告編』で使われている楽曲は、オーティス・レディングの「I Can't Turn You Loose」(映画『ブルース・ブラザーズ』のテーマとして知られる)がモチーフになっている。
◆マウス(声:石田太郎)
「言っておくが、私は子供が……大嫌いなんだよ!!」
ブタのヒヅメのボスで、スキンヘッドと眼鏡が特徴の中年男性。ワイシャツにネクタイ姿と、悪の親玉にしては地味な格好。
目的のためなら手段を選ばない冷酷な性格で、子供が嫌い。しかし説明や
自己紹介はちゃんとする。
ぶりぶりざえもんを下品な豚と嫌っているが、自身の野望に利用するため仕方なくおだてている。
計画が破綻すると、部下やしんのすけ達を巻き添えに自爆しようとした。
両手足を使ったキーボードの全身入力は必見。
◆
バレル(声:
山寺宏一)
「さぁ小僧、お遊戯の時間だぞぉ!?」
ブタのヒヅメの幹部でリーダー格。
子供にも銃を向ける冷酷な性格だが、背が低いのを気にしており、シークレットシューズがなければ何もできなくなる。
◆
ブレード(声:
速水奨)
「お酒を飲みすぎると肝臓にいかんぞう……ヒャーッハッハッハッハッ!!」
ブタのヒヅメの幹部。全身に暗器を仕込んだ刃物のエキスパートで、飛んでくる銃弾を全てかわすほどの敏捷性も持つ。
普段は無表情で寡黙だが、ダジャレ好き。
◆
ママ(声:松島みのり)
「よぉバレル、あの女いじめていいかい?体がなまっちまうよぉ」
ブタのヒヅメ幹部の紅一点。コードネームに反し、子供を産んで育てた事なんかないと公言してはばからない。
作中最強の戦闘力の持ち主で、お色気をボコボコにして拷問に送り、筋肉にも剛腕パンチやベアハッグを駆使して優勢を保った。
男2人と比べ、しょーもない弱点は一切ない。
◇大袋博士(声:滝口順平)
「あんたのお尻の型を取らせてくれんか?」
埼玉県在住の天才科学者。SMLのデータによれば、1925年4月1日北海道千歳市生まれの73歳で
東京大学・マサチューセッツ工科大学(MIT)・ニューヨーク工科大学(NYIT)卒業。
スリッパこそが人類最大の発明と考えており、常にスリッパを履いている。
元々は個人的な研究で電子生命体を作っていたが、それを嗅ぎつけたブタのヒヅメによって雇われる形となった。
ついでに、世界中の衛星をハッキングしうるほどの性能を持つスーパーコンピューターまで作っている。
ブタのヒヅメがどういう組織で、何のために研究を援助したのかは興味が無いという無頓着な性格。
……が、実のところ「悪用される可能性」については見越していたらしく、前述のスパコンに自分用のインターフェースを隠していたほか、秘密裏にワクチンソフトを作成し肌身離さず隠し持つなど、雰囲気とは裏腹に中々の食わせ者。
最後は自らの手で
ぶりぶりざえもんを抹消してしまう事を詫びた。
事件解決後はSMLに入ったのか、お色気・筋肉と共に仕事をしている。お色気のお尻の型もしっかり入手していた。
◇アンジェラ青梅(声:増岡弘)
「私のダーリンをいじめる奴は許さないわよ!」
大袋博士の助手でバーコードハゲの
オカマ。12の時から目覚めたらしい。
SMLのデータによれば、1956年12月25日
長野県波田町生まれの41歳、みすずがおか高校卒業。
ブタのヒヅメについては博士同様無頓着。いつものパターンでひろしに一目惚れし、キスしてくれるならと協力を約束する。
SHAZNAのファン。
その他
◇臼井儀人(声:臼井儀人)
「エ~ックスキュ~ズミ~!アジアカラオケ選手権の会場はどちらでしょうか~?」
前作に続いて登場の原作者。好きな女性のタイプはSPEED(全員)。
アジアカラオケ選手権会場を探して香港まで出向いてきた。みさえとひろしに場所を聞くがそれ所ではなかったみさえにグーパンで殴られる。
冒頭の屋台船で熱唱したクリスタルキングの「大都会」はCD「嵐を呼ぶモーレツ!サウンドトラック大全集」でも聴けるゾ。
◇IZAM(声:IZAM)
「綺麗な男がいてもいいでしょ?」
今作の主題歌「PURENESS」を歌うSHAZNAのボーカル。アンジェラが操作するホログラムとして
本人役で登場。
実はオカマ枠その2。
◇レースクイーン(声:引田有美)
「ぶりぶりざえもんのぼうけん」の登場人物その1。
赤いハイレグ水着が似合うナイスバディなおねいさん。
ハイヒールのかかとが取れてしまい、ぶりぶりざえもんが溶接で修理。
お礼にF1のチケットをくれた。
◇OL
「ぶりぶりざえもんのぼうけん」の登場人物その2。
山道にドカンと置かれたコピー機が壊れてしまい、ぶりぶりざえもんが見たもののただの紙詰まりだった。
お礼に居酒屋のドリンク無料券をくれた。
◇女の子
「ぶりぶりざえもんのぼうけん」の登場人物その3。
お腹が痛くて道端で泣いていた幼女。
お礼の品を何も持っていなかったため当初はぶりざえにスルーされるが、放っておけなかったぶりぶりざえもんは薬屋のおやじに頼んでチケットと無料券を胃薬と交換し、女の子に渡した。
その後、頂上に登り詰めたぶりぶりざえもんはF1チケットやドリンク無料券を失ったものの、心にはたくさんの宝物が詰まっていたことに気がつく。
バカ。こういう時は嘘でも追記・修正するって言うもんだ……
……じゃあな
最終更新:2025年03月16日 00:29