具島玲(ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー)

登録日:2025/09/21 Sun 16:46:38
更新日:2025/10/09 Thu 20:57:45
所要時間約 5 分で読めるんだよねぇ…




※推奨BGM:「ビリビリBe-lie-ving」



NEXT NO.1 BATTLE!


節約ナンバーワンは譲れねえ。勝負だ!

節約バトル…勃発!?

玲さん!?

ついに現れる“灰色の眼の男”

久しぶりだねぇ、陸王……

吠、渾身の節約!!

どんな時でも、節約は諦めねえ!!


22

おトク?迷惑?これが節約!


READYYY GOO!!







やっぱ分からないねぇ…。君の何がそんなにいいんだか……



具島(ぐしま)(れい)とは、スーパー戦隊シリーズ第49作『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー』の登場人物である。

演:馬場良馬



◎概要◎

第21話「燃えるお祭り魂!テガソードSUMMER(サマー)!」にて初登場し、続く第22話「おトク?迷惑?これが節約!」から本格的に登場。

少年時代の百夜陸王がアイドルになる切っ掛けとなった人物であり、彼からは「玲さん」と呼ばれている。
元々は陸王の近所に住んでおり、子供時代の彼の遊び相手になるなど、陸王からは実の兄のように慕われており、彼がアイドルとなってからも素の自分でいられる存在だった。
一方、彼自身は上記の台詞を面と向かって発するなど素っ気ない態度を取っていたが、そう言いながらも町内ののど自慢まつりにわざわざ足を運んで陸王に差し入れを渡していたり、第32話での陸王の回想シーンでのやり取りから察するに、どうも照れ隠しのツンデレだった様子。

第20話にて、陸王が一河角乃から「妹の緒乙が“灰色の眼の男”にさらわれて行方不明になっている」と聞かされた際には、何やら心当たりがあるかのように動揺した態度を見せていたが……?


◎人物像◎


久しぶりだねぇ、陸王……

……山ほど聞きたい事があるんです。玲さんは───

一河緒乙って子の事なら……陸王の想像通りさ。


さらったの、俺だ。


陸王が睨んだ通り、彼こそが緒乙を誘拐した「灰色の眼の男」の正体。
どうやら緒乙が幼少期に事故に遭って昏睡状態になりながらも、センタイリング シンケンジャーに選ばれた事で目を覚ました事実に目を付け、自身のとある目的を成功させる為のサンプルとして誘拐したのだという。
なお、陸王もアイドル時代に灰色の眼をしていたが、これは玲に憧れて彼の真似事(カラーコンタクト)をしていただけだった事が陸王自身の口から語られた。

過去に陸王と共に何かしらのトラブルに巻き込まれたらしく、その際に右腕に大きな傷を負っており、今もなお痛ましい傷跡として残っている。
本人はその時の出来事について「俺はあの時、お前の為に一度死んだんだ」と言い切っており、どうやらそれが切っ掛けで(少なくとも本人視点では)人生が狂ってしまったようで、緒乙を巻き込んだ目的というのもそんな人生を取り戻す為の模様。
さらに第31話にて、暴神竜儀の父・竜登が院長を務める「暴神病院」で将来を嘱望される天才外科医として働いていたが、その腕の傷が原因で竜登から「使い物にならない」とみなされ、切り捨てられた事も明かされている。
また、その傷との因果関係は不明だが、不治の病にも侵されており、初めて登場した際にはその傷の痛みや病を和らげる為か錠剤やカプセルを服用していたが、第29話で再登場した際には何らかの理由で服用する必要がなくなったらしく、地面に投げ捨てている。

先述の通り、陸王に対して偏屈ながらも良き兄貴分として振る舞っていたが、現在はその出来事の原因らしい陸王に対して鬱屈した感情を抱いており、緒乙を解放するよう迫る彼の言葉にも一切耳を貸さず、
陸王自身の自分への敬意や、その出来事についての罪悪感を利用して「二度目はお前が……俺を救うべきじゃないのか?」と呪いの言葉で縛り付けて手駒として使おうとするなど、歪んだ執着心と支配的な振る舞いを度々見せている。

実は過去にユニバース大戦を引き起こし、巨神テガソードやユニバースロボ達と死闘を繰り広げた深淵なる厄災クラディスの一角・ベルルムと契約を交わしており、その力が込められたセンタイリング(ユニバース指輪(リング))とよく似た形の「厄災の指輪」を所持し、その力を高めるべくゴジュウジャーやユニバース戦士といった指輪の戦士達を襲っている。
だが、指輪の性質上指輪争奪戦の一員とはカウントされていない、完全な部外者にして乱入者という立ち位置であり、その存在は主催者たるテガソードも認知していなかったと思われる。


◎劇中での動向◎

物語開始からしばらくの間は表立って行動していなかったが、第21話にてファイヤキャンドルにセンタイリング シンケンジャーを奪われ、再び昏睡状態になった緒乙を回収しようと黒いローブで全身を覆い隠した姿で現れ、そこで初めてゴジュウジャーと顔を合わせた。

その後、第22話にて陸王に呼び出され、そこで自身が緒乙を誘拐した張本人である事を明かすと脅迫的な言動で彼を追い詰め、ゴジュウジャーのセンタイリングを手に入れるべく彼を裏切らせるも、結局遠野吠熊手真白の尽力もあって失敗。
陸王には結果的に離反される結果に終わったが、それでも気にする素振りを見せず、それどころか厄災の指輪を手に「俺は“無限”を捕まえてみせる。必ずね……」と呟くのだった。

それからは再度行方をくらませていたが、第29話にて陸王と真白に潜伏先を突き止められ、陸王から自身が償いも兼ねて支えていくと約束され、その代わりとして再び緒乙を解放するよう説得されるも、やはり聞き入れる事なく自身が持つ厄災の指輪の存在を2人に明かして交戦。
適当にあしらうと、どこへと去って行った。

これを機に陸王とは実質決別し、玲自身も目的を果たすべく本格的に行動を開始。
第30話ラストで夜道にて偶然2代目ゴジュウティラノことアッサムと鉢合わせすると、ゴジュウジャーの面々を本人なりに守ろうとしたアッサムを変身する隙すら与えず、センタイリング ゴジュウティラノ諸共自身の指輪に取り込んでしまった。
続く第31話ではゴジュウジャーを追いかける中で再び暴神病院を訪れ、自身を切り捨てた憎き相手である竜登がドクターノーワンに取り込まれていると知る*1やそのまま葬ろうとするが、
自分の真の願いを自覚した竜儀に妨害された挙げ句、再び戦う覚悟を決めた竜儀の下へセンタイリング ゴジュウティラノが向かってしまった事で興醒めし、その場を去った。
だがこの時、変身解除された事でその灰色の眼を持った素顔が露見し、その場にいた角乃に妹の手がかりを与えた上、陸王との繋がりまで嗅ぎつけられる事になった。

第32話において、腕を負傷した理由が明らかになる。
ある日の夜道、狂信的なリクオニストの女性が2人の前に現れ、彼女が暴走して陸王をナイフで刺そうとしたところを庇って負傷する*2事態が発生。
これによって玲は陸王の生命の恩人となったが、玲は生命こそ助かったものの、この傷が原因で暴神病院を解雇され、外科医の道を絶たれてしまう。
そしてちょうど同時期に緒乙を誘拐し、彼女を使って実験を始めるようになっていった。
無論犯人は暴走したリクオニストの女性ではあるが、陸王はこの一件に責任を感じ、「僕の罪」と称していたのだ。

そんな最中、角乃が調べ上げた情報を頼りに推理した内容を伝え、陸王は上記の真実を明かすも、角乃は玲が犯人である事に勘付きながらも黙っていた陸王に激怒して彼を責め立て、テガソードの里を飛び出してしまう。
そして河原で思い悩んでいた彼女の下に、玲が自ら姿を表す。
ゴジュウユニコーンとなった角乃と交戦する最中、彼女への加勢でゴジュウレオンとゴジュウティラノ、ゴジュウポーラーが合流し、その戦いの最中にベアックマ50(ゴー)「こいつの中には、ずっと別の何かがいるクマ! そろそろ正体見せろクマ!」と発言。


だってさ、ベルルム。そろそろ見せてやろうか……

うおおおおおおおおっ!!

何だ? この姿……

やっぱりな。こいつ…“厄災”だ!


そして、玲の中に潜んでいた真のが遂に姿を現した……


◎戦力◎

■マジレッド



前に見た時、お前から妙な気配を感じた。正確には、お前の持っている「何か」から。

へえ、鋭いね。……こいつの事かな?

これは厄災が俺にくれた「無限なる力」……。お前達の指輪を食らって、強くなる。

玲さん、何を…!?


エンゲージ!


マージ・マジ・マジーロ!


マジレンジャー!!


スーツアクター:高田将司

厄災の指輪に取り込ませた「センタイリング マジレンジャー」の力で変身した姿。
全体的な姿は原典『魔法戦隊マジレンジャー』における本来の変身者である小津魁が変身したものとほぼ同じだが、腰に巻かれたベルトはゴジュウジャーやユニバース戦士達と同じく「ツメガバックル」になっている。

戦闘においては本家マジレッドと同じく、マジスティックソードを振るっての近接戦や炎の魔法を操る事が可能になる。
一方で本家が使っていた錬成魔法を発動する描写は見られなかった他、第29話では周囲の物を使ってゴジュウレオンの動きを封じるなど、玲自身の性格が反映された荒々しいダーティな戦い方が目立つ。


■ゼンカイザーゼンカイザーブラック



こういう事もできるよ。

エンゲージ。


ババン!ババン!ババン!ババン!ババババーン!

ゼンカイジャー!!


ゼーーーンカイザーーー!!


いいねぇ! 俺にピッタリの色だ。

テガソードなしで連続エンゲージ…。お前は一体……!?


スーツアクター:高田将司

厄災の指輪に取り込ませた「センタイリング ゼンカイジャー」の力で変身した姿。
全体的な姿は原典『機界戦隊ゼンカイジャー』における本来の変身者である五色田介人が変身したものとほぼ同じだが、こちらも腰に巻かれたベルトは「ツメガバックル」になっている。
また、この形態になると暴太郎戦隊ドンブラザーズ』に登場したゼンカイザーブラックにも、フォームチェンジの要領で色落ち変身できるようになる。
本来のゼンカイザーブラックは『ゼンカイジャー』本編の世界「ゼンカイトピア」の介人と瓜二つの別人であって、ゼンカイザーの派生形態というわけではないのだが……
灰色の眼を持つ玲にとって、モノトーン調で統一されたゼンカイザーブラックのカラーリングに親近感を覚えたらしく、第30話ラストで登場した時もこの姿だった。

戦闘においてはギアトリンガーによる銃撃、及び本家ゼンカイザーブラックと同じくギアトリンガーからエネルギーソードを発生させての白兵戦が可能となるが、こちらでは二丁拳銃になり、前述のマジレッド変身時と同じく敵に対して情け容赦なく攻め立てる戦法が特徴。
それ以外ではギアトリンガーで円を描く事により、『ゼンカイジャー』最終カイ!以降のセッちゃんが発生させる「並行世界間ゲート」にも似たワームホールを生み出し、それを通じて別の場所へ移動する事もできる。


■ゴジュウティラノ



生きるのをやめればいいんだよ、暴神家の……御曹司くん。

灰色の眼……

懐かしい場所だなぁ…。ここは何も変わらない。俺達はどうだろうねぇ、陸王?

玲さん……!


エンゲージ!


ゴジュウティラノ!!


ゴジュウ、ティラノ……!

その指輪……。アッサムはどうした!?

ああ、あの王子様はね……この指輪が食べちゃった。


厄災の指輪に取り込ませた「センタイリング ゴジュウティラノ」の力で変身した姿。
本作オリジナル戦士という事もあって姿は竜儀やアッサムが変身したものと同じだが、2人と違って変身エフェクトに赤黒いオーラが発生する他、金のテガソードを装備していない。
ティラノハンマー50を振るってのパワーファイトが持ち味とする点も変わらないが、玲自身の苛烈さによって相手をいたぶる事を楽しむような残忍な戦い方になっている。


■装備

  • マジスティックソード
マジレンジャーの初期メンバー5人の標準装備であるマジスティックを変形させた剣で、マジレッドの力を得た玲も使用可能。

  • ギアトリンガー
ゼンカイジャーの初期メンバー5人、及びゼンカイザーブラックの標準装備である変身アイテム兼銃型の武器。
前述の通り、玲はこの武器を二丁拳銃として使用する。
なお、ギアトリンガーはセンタイギアを装填する事で、そのギアに応じたレジェンド戦隊/センパイジャーをイメージした能力を発動できるのだが、そちらについては現状使用されていない。

  • ティラノハンマー50(ゴー)
ゴジュウティラノの個人武器であるティラノサウルスを模した小型ハンマー。
本来は金のテガソードにセンタイリング テガソードイエローを装填し、拍手して召喚する必要があるのだが、彼の場合は厄災の指輪の影響か、それらに頼る事なく使用できる。


保有センタイリング

  • 厄災の指輪
玲の主戦力である、ベルルムから与えられた指輪。
形状こそセンタイリング(ユニバース指輪)そのものだが、歴代レッドや歴代戦隊を象徴する具象が描かれておらず、宇宙や星空を思わせる絵柄があるのみ*3
他のセンタイリングを取り込む事により、映画『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー 復活のテガソード』のユニバース戦士達と同じく、銀のテガソード抜きで指輪単体での変身や能力を自由に扱う事が可能。
しかも、いざとなればセンタイリングの持ち主ごと変身前後に関係なく問答無用で吸収できるという、指輪争奪戦においては反則そのものな性能を持つイレギュラーな存在。
どうやら指輪自身も意思を宿しているのか、他のセンタイリングを絶えず求めている模様(玲曰く「こいつが“君と君のナイト達の指輪を食らいたい”と泣くんでね……」との事)。
なおチートな機能故の制約か、使用には時間制限があるらしいが、これが指輪そのものの制約なのか、玲自身の肉体の問題なのかは現時点では不明。

  • センタイリング マジレンジャー
  • センタイリング ゼンカイジャー
それぞれマジレンジャーとゼンカイジャーのセンタイリング。
使用する事でそれぞれマジレッドとゼンカイザーに変身する。
いずれも第29話の時点で玲が所持していたが、陸王と真白の目の前で吸収され、以降は玲の戦力として使われるようになった。

  • センタイリング ゴジュウティラノ

プリンスたるもの、忠誠に応えるべし。彼らに手出しはさせぬ。

そうか。じゃあ……行ってらっしゃい、深淵の彼方へ!

ゴジュウティラノの指輪、いただきます……

ゴジュウティラノ変身用のセンタイリング。
第30話ラストにて、所有者のアッサムごと吸収する形で入手したが、第31話にて指輪が戦意と願いを取り戻した竜儀を再び認めた事で、彼の手元に戻る形で奪還された。

  • センタイリング ジュウオウジャー
動物戦隊ジュウオウジャーのセンタイリング。
ベルルムとなった自身の攻撃からゴジュウユニコーンを庇ったジュウオウイーグル(ゴジュウレオン)が変身解除された際、彼が落としたものを入手した。


■必殺技

  • アッシュフレイム
マジレッド変身時に発動。
刀身に炎を発生させたマジスティックソードを振るい、巨大な炎の刃を飛ばす。
なお、原典『マジレンジャー』における似たような技としては、「レッドファイヤー」から派生した「レッドファイヤースラッシュ/レッドファイヤークラッシュ」が存在する。

  • ギアトリンガーソード

ダイゼンカイ!

ゼンカイザーブラック変身時に発動。
本家と同じくギアトリンガーの銃口から青白いエネルギーを発生させ、それをロング・ビーム・サーベルの如くブレード状に収束させて切り掛かる。


◎余談◎


  • 陸王に対する異常な執着と接し方から、視聴者からは「陸王にとってのクオン枠」と評されている。

  • 現状、玲が厄災の指輪に取り込ませたセンタイリングの元になった戦隊の主人公達だが、家族と悲劇的な別れを経験するなどといった具合で、いずれも家族に関係する大きなエピソードが存在する。
    家族という大切な人々と引き離されて平穏を失い、茨の道を進む事になりながらも、兄弟や仲間達といった周囲の人々との絆で過酷な戦いを乗り越えてきた彼らの力を、他者の家族をさらってその家庭の幸せを奪った挙げ句、自分に寄り添おうとしてくれる人との絆や繋がりを歪めていく玲が使用するというのは、一部のユニバース戦士にも通ずる皮肉と言えるだろう。



俺はお前を知っている。お前は優しい人間だ。

だから、俺の項目を追記・修正してくれるよな? 陸王……


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最終更新:2025年10月09日 20:57

*1 厄災の指輪の影響なのか、ノーワンの中を透視できるようになっている。

*2 なお、当時の週刊誌では「陸王が女性ファンを誑かした」と報じられたようで角乃は陸王を責めたが、実際には彼女と陸王には面識がなかった。

*3 分かりづらいが、他のユニバース指輪も背景自体はこのリングと同じ星空の絵柄となっている。