アットウィキロゴ

全員集合!7人の仮面ライダー!!

登録日:2026/01/03 Sat 10:30:00
更新日:2026/07/22 Wed 18:36:17
所要時間:約 15 分で読めます





「戦いが終わった時、わしゃ思わず駆け出していった」
「とにかくライダーの一人一人と抱き合い、握手したかったんだ」


『全員集合!7人の仮面ライダー!!』とは、1976年1月3日に放送された正月特番である。
朝10時半〜11時25分の55分枠で本編は正味46分。
『仮面ライダーストロンガー』の最終回の翌週に放映されており、1971年から約5年に渡り全国のちびっ子たちを魅了し続けた仮面ライダーシリーズの完結を祝したエピローグ的な作品である。
あくまで『仮面ライダーシリーズ』という一つの総体の特別編であり、新聞のラテ欄やオープングのキャストクレジットも最新作の城茂(ストロンガー)ではなく順番通り1作目の本郷猛や一文字隼人から始まっている。

終了を祝して正月特番という枠が用意されているあたりにシリーズの人気が伺えるのだが、三ヶ日とはいえ微妙に早めの時間帯に寝正月で見逃してしまった子供も多いとか多くないとか。

企画段階でのタイトルは『7人ライダー対248怪人!!』
恐らくは初代からストロンガーまでの5作品通算の怪人の総数と思われるが、総集編ありきとはいえこの途方もない人数を特番枠でどう捌くつもりだったのかは気になる所である。




【概要】


基本的には総集編だがストロンガーの最終回と同じく7人ライダーの人間態の演者と立花藤兵衛がオリジナルキャストで出演し、思い出話という形で新撮パートが制作された。


その舞台はなんと後楽園ゆうえんち。
長い歴史を誇り近年でもよく耳にする子供たちの夢の園は、当時から仮面ライダーのショーを頻繁に行いコンテンツの隆盛を支えていた立役者の一人でもあった。
そんな場所で仮面ライダーのショーを見ながら今までの出来事を振り返るという現実と創作との境界を曖昧にした導入部は、感慨と同時に惜別への寂しさが滲み出る。
総集編に使用された関係者たちの名前が一斉に流れるエンディングのスタッフロールは圧巻の一言。

【あらすじ】

7人ライダーの活躍により日本に平和が甦った
立花藤兵衛にとってそれは誰よりも嬉しい勝利であった
今日も藤兵衛は語る
彼らの悪に立ち向かう勇気と、平和を愛し、子どもを愛した優しい心を…



晴れやかな笑顔で7人の戦士たちの活躍を語る立花藤兵衛は、子供達に「仮面ライダーに会いに行こうよ!」とせがまれる。
そして訪れたのは後楽園ゆうえんち。仮面ライダーショーには今日も大勢の観客が押し寄せていた。
壇上では悪を蹴散らし、ポーズを決める新1号。
それを切っ掛けに仮面ライダー1号=本郷猛の戦いの日々を振り返る藤兵衛。

そんな藤兵衛の肩に優しく手を乗せたのは、本郷猛。
その後ろには一文字隼人、風見志郎、結城城二もいた。
次々に集まる仲間たちと、戦いの日々を語らう藤兵衛。
思い出話の種は尽きない。


そして7人ライダーの話を終えた頃、壇上のショーに起こる異変。
仮面ライダー達が怪人軍団に滅多打ちにされていた。
ショーで暴れていたのは本物の怪人軍団だったのである。
戦いはまだ終わっていなかった。

平和を脅かす悪を倒すべく、7人の戦士達は再び人々の前に姿を現す。


【登場人物】


  • 立花藤兵衛:(小林昭二)
本作の実質的な主人公、というか進行役な我らのおやっさん。
ようやく訪れた平和を噛み締めるように子供達に7人ライダーの武勇譚を伝え広め、自らが育てた青年達と再会し、辛く苦しくも輝かしい思い出の日々に眼を細める。

総集編で物語のターニングポイントを振り返る必要があるので仕方ないのだが
風見に「デストロンのハサミジャガーのこと覚えてるか?」(家族の仇)
結城に「ヨロイ元帥ってどんな奴だった?」(全ての元凶にして自らの罪の象徴)
と、微妙にデリカシーに欠いた話題を振りがち。



7人ライダーの全てと関わったおやっさんにしかできない役割と言っても過言ではないが、多種多様のイケメン達に取り囲まれる様は若干の乙女ゲー感が漂う。

全ての始まりとなった仮面ライダー。
ストロンガー最終回と同じ黒ジャケットで、一行を代表しおやっさんに最初に声をかけた。

ゲルショッカーの話が終わった頃には既に中座しており、カメラアングルなどで頑張って不在を誤魔化している。

もう一人の仮面ライダー。
いつの間にかいなくなった本郷と共にゲルショッカーとの戦いを振り返る。

力と技のV3。結城と行動を共にしていたが、帰国直後の羽田空港で本郷と一文字に偶然会ったらしい。
デストロンとの戦いをツバサ軍団とのあたりまで振り返る。

さすがに本編のような気合い入りすぎの戦闘服では浮くからか、赤襟のゆったりした白いポロシャツに着替えてお正月休みモード。

ぼくらのライダーマン。風見と話し合ってみんなでおやっさんに会いに行く事にした。
風見をさん付けする謎の後輩プレイはまだ継続中。
デストロンとのヨロイ元帥との戦いを振り返り「最も卑怯で最も残忍な幹部だった」と仇敵に対して残当だがかなり辛辣なコメントを寄せている。

この手の作品の常で時間感覚は曖昧なのだが日本は久しぶりらしい。

銀の仮面のXライダー。
アマゾンとはすっかり仲良しらしく2人で行動している。

風見先輩に連絡を受けて4人からちょっと遅れて後楽園にやってきた。


野生児アマゾン、アマゾンライダー。上記の通り敬介と2人で登場。
真冬なので当然だがお馴染みの白スーツを着こなし、すっかり文明人らしくなった。
おやっさんの耳元で「俺は呼ばれなかったよっ」とイケボで囁くなど、色んな意味で都会の絵の具に染まりつつある学習能力バツグンの天才ターザン。

本作も含めストロンガー出演時のテロップには嘗て日本人として生を受けた時の名前である「山本大介」と表記されているが、もはや当人の記憶にもなく仲間達がこの青年の名前を呼ぶ時はソウルネームとでも言うべき「アマゾン」のままである。

強い男のストロンガー。
思い出話には混ざらず、終盤に怪人軍団の襲来を告げるため登場。



【番組構成】


【総集編パート】

後楽園でショーを楽しみながら過去を回想する藤兵衛に本郷や一文字が声をかけて、という導入。
登場人物達のナレーションをバックにシリーズ5作品の名シーンが次々と流される。


過去映像に関しては、どうやらこの段階ではMEなど素材段階のフィルムがきちんと保全されていたらしく、かつての名シーンでもBGMだけカットしたり別の曲に切り替えるといった贅沢な編集がなされているのが特徴。

ただしちょっと遊び心が炸裂しすぎており、回想場面によっては効果音を(おそらく総集編のために引用した範囲から)別キャラ・別作品の物と差し替えてしまったり、ノコギリトカゲを「V3ダブルアタック」で倒した場面をナイフアルマジロの断末魔と「V3ドリルアタック」に置き換えたりなど、MAD動画スレスレの編集が目立ったちょっぴりカオス仕様。


以下、作品毎の総集編部分について簡素だが纏める。
各作品のネタバレがちょいちょいあるので一応格納。


【7人ライダーVS怪人軍団】

ライダーショーに乱入した本物の怪人軍団。
藤兵衛と共に観客を避難させた後、7人の戦士達は戦うための姿へと変わる。
観客は藤兵衛ひとりきり。育ての親の声援を背にうけて、最後の戦いは始まった。
逃げる怪人軍団を追ううちに、やがて薄暗い地下へ辿り着いた7人ライダー。
怪人軍団を率いる謎の黒幕の正体とは?



「1号のパンチ!2号の大車輪投げ!V3の遠心キック!」
「ライダーマンのパワーアームが敵を切り裂き」
「Xライダーのライドルスティックが風に唸る!」
「アマゾンライダーが見せる必殺・大切断!」
「そしてストロンガーの恐るべき電気技・エレクトロウォーターフォールが火花を散らして炸裂する!」


この世に悪のある限り、必ず現れる平和と正義の戦士達。
後楽園ゆうえんちを舞台に怪人軍団を迎え撃つ。

ストロンガー最終回では『仮面ライダー』という1つの大きなシリーズの終了という事もあり新1号がセンターになる場面もあったが、正真正銘のエピローグとなった今作では現行のストロンガーがキチっと真ん中でリーダーを務めた。
アフレコや編集の都合なのかは分からないが、変身後はストロンガーとV3しかセリフがなく、他のメンバーは吹き込んだのかライブラリ音源なのか不明瞭な掛け声程度しか聞こえてこない。

岩石大首領に対して使用した7人ライダーの全エネルギーを結集した合体技は今回も健在。
その際は巨大な大首領の体内に侵入すべく自分たちの体を火花のエネルギーに変換したかのようだったが、今回は普通に直接攻撃に用いた。


登場直後の7人ライダーの名乗りと最後に藤兵衛に駆け寄るシーンではよく見るとストロンガーが超電子の姿(チャージアップになっている。
1分間の時間制限の設定とは食い違うが、これで最後という事で本編ではあり得なかったファンサービス的な演出なのだろうか?

  • 怪人軍団のみなさん

地獄から甦り、気の毒なことに正月の後楽園ゆうえんちでショーで大暴れした本物の怪人たち。悪の組織に正月休みはない。
一応ストロンガーに登場した奇械人や改造魔人ら8名で構成されている…が、ちとややこしい奴が1人いる。

    • 奇械人
ブラックサタンの尖兵として活動していた機械部分が多い奇怪な怪人達。
いくつかの個体は腰のベルトがブラックサタンからデルザー軍団の物に変わっており、地味にグレードアップ。

  • メカゴリラ
ストロンガー14話に登場した怪力ゴリラ。登板回がジェネラルシャドウの顔見せと被ってしまった気の毒な奴である。
左手が地震を起こすハンマーや紐付きで射出できる万力に変形するなど地味にライダーマン的な換装能力があるのだが今回は登場せず、右手に持ったモーニングスター(鎖鉄球)を振り回すという謎のマイナーチェンジ版。
最終的に地下まで全力疾走するが画面の隅でタコ殴りにされてノックアウト。

  • ブブンガー
同じく16話に登場した吸血虻。
本来は左手がトゲスパイクになっているのだが今回は右手にすげ変わっており、普通の手になった左側は手持ちの刃物というこれまた謎のマイナーチェンジで鋸引いて舞台上のXライダー(ショーのアクターさんで本物ではない)を苦しめていた。
地下まで逃げてこないのでステージ上の戦いで画面に映らない所で倒されたっぽい。

  • 奇械人アリジゴク
20話に登場した穴掘り名人。
地下のアジトっぽい所で狼長官と共に黒幕の両脇に支えている。
画面に映らない所でいつの間にか倒された。

  • サメ奇械人
21話でストロンガーとタックルのコンビネーションの前に敗れたサメ。
壇上で大暴れし地下まで逃げ込むが新2号に叩きのめされている様子を最後に脱落。

  • アルマジロン
25話に登場したブラックサタン最後の大幹部デッドライオンの懐刀。
壇上の戦いでXライダーに倒される。



    • 改造魔人
魔の国よりやってきたデルザー軍団の構成メンバー。
かつての強さはどこ吹く風で再生怪人となっている。

シャドウと深い仲だった女型の改造魔人。
壇上の戦いでアマゾンライダーにブン投げられた。

口八丁で敵味方もろとも煙に巻く策謀家。
残念ながら今回は唸り声だけの再生怪人の役割を全うしたので得意の弁舌は振るわれなかった。


  • 戦闘員
怪奇アクション番組・仮面ライダーを支える影の主役。
今回はデルザー軍団からドクロ少佐配下(ドクロ面)、隊長ブランク配下(フランケンシュタインのようなスカーフェイス)、ヘビ女配下(緑と赤の蛇マスク)、狼長官配下(ムーンフェイス)の4パターンが登場した。
猫耳と「にゅー!」の声でお馴染みのブラックサタン戦闘員は残念ながら出てこない。



並みいる敵を打ち倒し、アジトの最深部に辿り着いた7人ライダー。
高笑いに振り返ったV3の視線の先に、事件の黒幕が姿を現す。


【戦い終えて】

悪は倒され、平和は守られた。
勝鬨を上げる7人ライダーに、その名を叫びながら駆け寄り手を振る子供達。
ヒーローショーのメッカであり、初代『仮面ライダー』から作品を盛り上げてきた後楽園ゆうえんちに取り戻される活気。
いつもと変わらぬ光景だが、刻一刻と近づく別れの時。
まるでテレビの向こうの子供達に向けたメッセージのようでもあった。


穏やかに微笑む藤兵衛は歴戦の勇士たちと固い握手を交わし、まるで夢の光景であるかのように7人ライダーは藤兵衛を取り囲む。

こうして5年間に渡り少年たちを熱狂させた伝説は終わりを迎えた。
平和のために、正義のために戦い抜いた7人の仮面ライダー。
その名は永遠に僕らの胸から消えないだろう。

おわり


【余談】


。ストロンガー最終回の翌週に放送されたがストロンガーの題を冠していない本作のカテゴリーをどこで扱うかはまちまちで、割愛されることも多い。近年は他に受け皿がないので概ねストロンガーの作品項目や一覧にラインナップされる。

  • 藤兵衛が子供達に7人ライダーの必殺技を語るシーンで「2号の大車輪投げ」という本編には登場しない技が出てくるが、これは以前より児童誌などで設定されていた技。一文字隼人は柔道の達人であり、そのあたりに着想を得たものと思われる。



  • 本編を見ていると一目瞭然なのだが、ビックリするくらい本郷猛の出番が少ない。あっという間に離席し、その影響で実は真の意味で7人の素顔の戦士たちが一堂に会してる場面は存在せず、そこがやや惜しい。
    • この点に関しては当時の藤岡弘の仮面ライダーという作品に対する微妙な距離感と感情に端を発するのではと考える声もあるが、現在に至るまでこの謎は明らかになっていない。(仮に後ろめたい理由だったとしたら尚のこと今後も公にはならないだろう)
      • スケジュール面などの問題があったのかもしれないが、せっかく後楽園までご足労いただいたのだからもうちょっと撮って足並みを揃えて欲しかった、と思ってしまうのもまた一つのファン心理である。



  • 正月番組とはいいつつドラマ作品の性で、撮影は11月の初旬。ストロンガーの最終回と同時期である。登場人物の服装や再生怪人のラインナップが被り気味なのもこの辺の影響だと思われる。
    • なので両者は並行して撮影されており、有名どころでは最終回のラストシーンと本作のオープニング冒頭で7人ライダーのバイクが走ってくるシーンの撮影場所は同じ、といった感じで微妙にリンクしている。この7人バイクは1期シリーズのラストカットであり、撮影を記念して最終回のメガホンを取った原作者の石ノ森章太郎と7人ライダー(の中に入ったオートバイチーム)の記念写真が撮られた。


  • 70年代前半の子供カルチャーの象徴である仮面ライダーの終焉に対する反響はやはり大きく、新聞各社はこぞって取り上げ、別れを惜しむファンレターや生の声がひっきりなしに届いたと言われている。

  • シリーズ完結を祝して関係者を集めて盛大な終了記念パーティーが開かれた。会場には山口暁を除いた6人ライダーや小林昭二を筆頭に歴代のライダーガールズやアポロガイストの打田康比古やタイタンの浜田暁などの出演陣が数多く参列し、他にも子門真人、水木一郎、菊池俊輔といった音楽関係者や殺陣を担当した大野剣友会などとにかく呼べうる限りのメンバーを招待したという。同パーティーの様子は数点のスナップ写真から窺い知ることが出来るが、残念ながら映像特典などにはなっていない。
    • この時のパーティーの引き出物として7人ライダーのブロンズ群像が作られており、当然だが現在は見かけるのも稀の超プレミア品と化している。

※追記・修正は正月の後楽園ゆうえんちで本物の怪人軍団を見つけてからお願いします。
















  • 不滅の仮面ライダー
素顔の戦士たちの全員集合という華々しい形で終焉を迎えた仮面ライダーシリーズ。
しかしその別れに涙し、再会を望む天の声・人の声は留まる所を知らなかった。

そこから数年が経ち、1979年9月8日。
立花藤兵衛は大泉の東映撮影所を訪れていた。

あの日と同じように、子供達に栄光の戦士たちの武勇譚を語る藤兵衛。
話の最後に仮面ライダーたちのベルトを手に取ると、そこには見慣れないベルトが一つ。

立花藤兵衛、最後の一仕事。
1期世代となった栄光の7人ライダーの志を受け継ぐ第2世代の先頭走者、8番目の戦士にバトンを託すためにやってきたのである。



「これはね…君たちだけに教えてあげよう」

「新しい仮面ライダーが出てくるんだ」


いま陽は登り、再び戦いの時が来た。
伝説は、新たなステージへ。


仮面ライダーシリーズ

つづく













この項目が面白かったなら……\ポチッと/

最終更新:2026年07月22日 18:36