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てをつなごう だいさくせん

登録日:2026/03/11 Wed 20:10:00
更新日:2026/07/16 Thu 23:53:28
所要時間:約 13 分で読めます






日本中の人達に、すこしでも元気になってほしい。

そう思って、僕達は手をつなぎました。



「てをつなごう だいさくせん」は、東日本大震災の発生後に発足した、キャラクターによる笑顔と安心を子供たちに届けることを目的とした応援プロジェクトである。

ドラえもんが、ミッフィーが、 ピカチュウが、スヌーピーが……
子供たちから親しまれている国内外のキャラクターたちが手をつないだイラストによって、被災地を含む多くの人に少しでも心の落ち着きを届けることを目的としている。




【概要】

キャッチコピーは「こどもたちに えがおを」

発起人は、NHKのマスコット「どーもくん」で知られるアニメーション制作会社dwarf代表の合田経郎。
このプロジェクトについて合田は「いつも愛してもらっているキャラクターたちが手をつなぎ、微笑みかけることで、少しでも笑顔と安心を届けたい」と趣旨を説明している。

この企画は、趣旨に賛同した作家・権利者の承諾の下、キャラクターたちが手をつないだ画像を無償提供し、子供たちの笑顔のきっかけを増やすことを狙った点が特徴である。なお、配布画像は基本的に自由で使用できるが、商用利用は不可であると公式サイトで明記されている。


【経緯】

「てをつなごう だいさくせん」が発足したのは、東日本大震災が発生した2011年3月11日からおよそ1週間〜10日後のことだった。
合田はまず、どーもくんなどの自社が製作を手がけたキャラクターたちが手をつないだ絵を公開。その後、「リラックマ」のデザイナー・コンドウアキをはじめ、同業の作家・権利者への呼びかけで参加者の輪を広げたとされる。

2011年3月23日のプロジェクト開始時点で既にdwarf作品を中心に18体ものキャラクターが参加、その後支援の輪は少しずつ広がり、2012年時点では50体にまで増加した。
その後も2016年、2021年には新たに複数の「おともだち」が追加され、公式ページからダウンロードできる画像もその都度更新されている。


【企画の内容】

中心となるのは、キャラクターが横一列に並び手をつなぐイラストの配布である。

公式サイトでは、プリントアウト用画像(A3程度まで)やPC・スマホ用壁紙がダウンロードでき、家庭や避難所など「子供たちが見えるところ」へ届けてほしい、という呼びかけが添えられている。
画像は無償提供され、被災地支援目的以外でも「非商用に限り、誰でも自由に使用可能」とされている。事実、ダウンロード用壁紙本体には各キャラクターの著作権情報は一切表記されていない。

また、本企画に賛同したシンガーソングライターの槇原敬之が、当プロジェクトのテーマソング『てをつなごう』を提供した。公式サイトでは歌詞・楽譜が配布されている他、ミュージックビデオも公開中*1

さらに2012年には、三陸鉄道の車両をキャラクターたちのイラストでラッピングした「てをつな号」が期間限定で運行を開始。同列車と楽曲を組み合わせた「『てをつなごう』ムービー」もwebで公開された。

公式サイトでは、各キャラクターを提供した著作者からのメッセージが日本語・英語で掲載されている。


【参加キャラクター】

日本で世界で愛される多くのキャラクターが一堂に介した夢の一枚絵。
この項目でもぜひご覧いただきたい……と言いたいところだが、アニヲタWikiではwikiのルール上併記しなければならない著作権表記がえげつないことになる等の複雑な事情*2につき、残念ながら画像を載せることができない。見たい人は「てをつなごうだいさくせん」で検索。
ここでは公式イラストにおいて手をつないでいるキャラクターを左上から順に記載する。

作品およびコンテンツ キャラクター名 著作権者 余談
NHK徳島放送局マスコット かめっ太 NHK
くまのがっこう デイビッド バンダイ
ルーニー・テューンズ トゥイーティー ワーナー・ブラザース
愛・地球博 キッコロ 地球産業文化研究所 2025年3月25日付でモリゾー・キッコロのデザイン使用料を無償化した。
モリゾー
カピバラさん カピバラさん TRYWORKS あの…手は…?
どーもくん うさじい NHK・dwarf
うさぎのモフィ ケリー aki kondo/SCP
チェブラーシカ チェブラーシカ チェブラーシカ・ムービーパートナーズ/チェブラーシカ・プロジェクト
うさぎのモフィ モグ aki kondo/SCP
おかしなガムボール ガムボール カートゥーンネットワーク 2016年に加入。
リラックマ キイロイトリ サンエックス
PostPet モモ ソニーネットワークコミュニケーションズ
モンチッチ モンチッチ セキグチ
怪盗グルーシリーズ ミニオン ユニバーサル・スタジオ
ルーニー・テューンズ バッグス・バニー ワーナー・ブラザース
どこでもいっしょ 井上トロ ソニー・インタラクティブエンタテインメント
アドベンチャー・タイム ジェイク カートゥーンネットワーク 2016年に加入。
パワーパフガールズ バブルス 途中からデザインが変更された。
ブロッサム
バターカップ
あらいぐまラスカル ラスカル 日本アニメーション
しまじろう 縞野しまじろう ベネッセコーポレーション
スージー・ズー ブーフ スージー・スパッフォード
きかんしゃトーマス トーマス ガレイン・エンターテインメント 手(ry
鉄腕アトム アトム 手塚プロダクション 2016年に加入。
うさぎのモフィ モフィ aki kondo/SCP
ひつじのショーン ショーン アードマン・アニメーションズ 2016年に加入。
くまモン くまモン 熊本県 2016年に加入。熊本県では同年4月14日に熊本地震が発生した。
スマーフ スマーフ PEYO/Lafig 2016年に加入。
トムとジェリー トム ターナー・エンターテインメント 2021年に加入。手をつないでいるのではなくタッチし合っている。
ジェリー
どーもくん どーもくん NHK・dwarf
ハローキティ キティ・ホワイト サンリオ 2021年に加入。最も広く知られた2Dデザインではなく、YouTube公式チャンネルなどで見ることのできる3DCGデザインでの参加。
ドラえもん ドラえもん 藤子プロ/小学館/テレビ朝日シンエイ動画/ADK
ピングー ピングー The Pygos Group
ピーナッツ スヌーピー ピーナッツ・ワールドワイドLLC
バーバパパ バーバパパ アネット・チゾン/タラス・テイラー 手をつないでいるのではなく腕を組んでいる。
バーバママ
ポケットモンスター ピカチュウ 任天堂/ポケモン/クリーチャーズ/ゲームフリーク/小学館集英社プロダクション/テレビ東京/ジェイアール東日本企画 「てをつなごう」のMVでは、子供が描いた落書きのピカチュウが本物に変わる演出付きで登場している。
セサミストリート エルモ セサミワークショップ
リサとガスパール リサ シルバーライニングプロダクションズ/アシェット・リーブル
ガスパール
リラックマ リラックマ サンエックス
ペネロペ ペネロペ ガリマールジュネス/日本アニメーション
ピーターラビット ピーターラビット フレデリック・ウォーン・アンド・カンパニー 2016年に加入。
ぼくはくま(NHK みんなのうた) まくまくん NHK・dwarf
ケロロ軍曹 ケロロ 吉崎観音/KADOKAWA
ミッフィー ミッフィー メルシス 「てをつなごう」のMVでは、子供が描いた落書きのミッフィーが本物に変わる演出付きで登場している。
ミスターメン リトルミス ミスター・ハッピー サンリオ
リトル・ミス・サンシャイン
どーもくん たーちゃん NHK・dwarf
快獣ブースカ ブースカ 円谷プロダクション
くまのがっこう ジャッキー バンダイ
チャッキー
なまいきヴォルク ヴォルク dwarf
こまねこ こまちゃん
スージー・ズー ウィッツィー スージー・スパッフォード
こまねこ ラジボー dwarf
リラックマ コリラックマ サンエックス
こまねこ ももいろちゃん dwarf
はいいろくん
ポピーとグランティ グランティ ディック・ブルーナ
すみっコぐらし しろくま サンエックス 2021年に加入。同一作品からの参加キャラクター数は現時点で最多。
ふろしき
ぺんぎん?
たぴおか
とんかつ
えびふらいのしっぽ
ねこ
ざっそう
とかげ
にせつむり


◆その他特記事項

dwarfの関係者が旗揚げしたプロジェクトである関係か、「どーもくん」と同じくNHKと縁の深い作品からの選出が多い傾向にある。ただし、NHK純正の番組キャラクターからはどーもくん他マスコットを除き参加していない。
また、カートゥーンネットワークで放送されている作品も比較的多く参加している。

全キャラクターを踏まえて言えるのは、人間キャラクターが存在しないという点である*3。なお、この「人外」という共通点が選定基準に該当するかは不明。


【タイアップ・反響】

2012年4月1日から岩手県の沿岸を南北に結ぶ三陸鉄道の車両に「てをつなごう だいさくせん」の参加キャラクターたちをラッピングした「てをつな号」が実現し、2013年3月31日までの1年間限定で運行された。
最終日には終点駅である久慈駅で「さよならセレモニー」が開催され、カピバラさん、しまじろう、ブーフ、バーバパパ、リラックマが集結し、てをつな号のラストランを見送った。
プレスリリースでは、デザイン、素材提供、ラッピング作業などに多くの企業・クリエーターがボランティアで協力したとされ、いわば「得意技の持ち寄り」で成立した企画だったことがうかがえる。

2012年6月12日には、この「てをつな号」と槇原による楽曲を組み合わせた「『てをつなごう』ムービー」が公開。SNSを通じて楽曲が幼稚園・保育園などで歌われてきたこと、ムービー公開がさらなる接点になることへの期待も述べられている。

その後も関連動画が公開され、2017年には「世界キャラクターさみっと羽生」で「てをつなごう」を歌って踊るステージの様子が福島県のサイトで紹介されるなど、チャリティー関連での派生イベントが実施されている。


【余談】

この企画が「すごい」と言われる理由のひとつは、なんといっても参加キャラクターたちの錚々たる顔ぶれである。

通常、このような多数の版権が絡む大規模なコラボを実現するとなれば、各コンテンツの権利関係はもちろん、キャラクターそのもののイメージ、世界観の整合性なども考慮しなければならない。大人の事情で異なる作品のキャラクター同士を同一空間に存在させることすら困難なケースも業界ではよくある話であり、立ちはだかる課題が山積みなのは想像に難くないだろう。
例として参加キャラクターの一体である「くまモン」の場合、公式によるイラスト利用上のガイドラインにおいて「他のキャラクターとの親交がある様な表現(手つなぎ、握手など)」を禁止事項として明記している。
本来ならばイラストにおいて他キャラと共演することすらご法度と見なされるレベルのゆるキャラが、特例中の特例として「てをつないだ」という点こそが、この企画に携わった人々の度量の深さ、何よりも災害で不安や恐怖を抱えた子供たちのために行動を起こしたいという想いの強さを物語っていると言ってもよいだろう。

合田いわく、プロジェクト発足当時について「絶対にカネを動かさない」「各自無償で提供する」という条件が強調され、あくまで非営利を前提とした企画であることが参加・協力の心理的ハードルを下げたのではないか、と振り返っている。

その一方で、そのようなハードルを越えられず惜しくも参加が叶わなかったキャラクターもいることだろう。
「これだけのメンツがいながら何故あの人気キャラ、この国民的スターがいないんだ!」と思いたくなる気持ちもわかるが、あくまで無償提供を条件としたプロジェクトであることから、それぞれの権利者に商業上やむを得ない事情もあったであろうということは念頭に置くべきである。

なお、前述の通り、この画像は「フリーで使用できるが商用不可」という形で公開されており、使う側も「善意の輪を横取りしない」ぐらいの良識と倫理観が求められる。

人と人とが「てをつなぐ」のは簡単だが、キャラクター同士でつながせるのは案外難しい
「てをつなごう だいさくせん」は、そんなことを静かに思い出させるプロジェクトでもある。


追記・修正、よろしくお願いします。


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最終更新:2026年07月16日 23:53

*1 2020年2月13日に槇原が覚せい剤取締法違反容疑で逮捕され活動を休止した際には、2021年3月11日までの約1年間公開を中止していた。

*2 中でも「ピーターラビット」と「スマーフ」についてはプレーンテキストによる著作権表記に加え、画像によるシンボルマークおよびロゴタイプの商標登録併記が必須となり、これらをatwikiにアップロードする行為がガイドラインに抵触する可能性もある。

*3 これらの中で人間の姿をしたキャラはアトムとパワパフの3人が該当するが、前者はロボット、後者はユートニウム博士の実験によって生み出されたため純粋な人間ではない。