白い国の物語(理:flanal'd larfa)とは、リパラオネの民族叙事詩『レーネガーディヤ』内の挿話の一つ。とあるシャーツニアーがある街を統べるに至った経緯について描いた物語である。


『白い国の物語』の位置

 『白い国の物語』は、1660年『レーネガーディヤ』における第1部「出立」に属する。第1歌「英雄の目覚め」のうち、第2章「白の国」に属する。このうち、具体的には第1スタンザ(Lerne.1:1 2:1)から第14スタンザ(Lerne.1:1 2:14)の間(和訳にして1126文字)を指す。

内容

白い国の支配者*1
 ラージンの弟分ノアフは、主人公たるベーシャに対して、村民を襲い、敬愛する姉貴に従いヴェフィサイトとしての誇りを守り続けてきた同胞たちの背を無防備なままに晒したドルムたちへ復讐をするための旅にでる「同盟」の成立後、向かうべき場所として行商宿が集まる「白の国」理詩語flanal)に向かおうと提案する(第1歌第1章)。第2章に入ると、一行はその国へ向けて、動き出すが英雄ベーシャは邂逅する前にその統率者の逸話を語るようにノアフに命じる。こうして、この物語は語られる。
 「白い国のシャーツニアー」が来るまで、その街ではヴェルガナ大祭に人身御供を捧げる儀式があった。訪れたシャーツニアーに対して、村民の一人がとても多くのご馳走で歓迎を行うが、彼女はもてなした男の顔色が悪いことが気になった。尋ねれば、この街には人身御供の儀式があるために自分が擬制になるのだと告白する。
 シャーツニアーはこれを否定し、覆さなければならないと主張して街へと出ていく。村人の中でも首長はこれを察知しており、仕来りを否定する彼女を抹殺するために村民たちを動員して彼女を探し始めていた。これらはドルムになっていき、無関係の村民まで襲うようになってしまった。
 これに対抗するためにシャーツニアーは堅陣を組み、聖句を聞かせることでドルムを村民から追い出そうとした。しかし、ドルムたちはこれに抵抗して、陣を離れていった。ここでシャーツニアーは一計を案じる。それは『スキュリオーティエ叙事詩』の中でも暴虐の限りを尽くしたサフィア・ド・ジェレニエ(サージェ)の活躍した場面を詠うことであった。血塗れの物語に集まってきたドルムに対して、シャーツニアーは聖句をを浴びせかけることで村民からドルムを追い出すことに成功。真の信仰に立ち返った村民たちはシャーツニアーに感謝をして、それ以降街を統べるように首長となったという。

関連項目

最終更新:2025年04月02日 23:41

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