パンドン

「パンドン」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

パンドン - (2019/08/13 (火) 07:54:18) の編集履歴(バックアップ)



「…行こう!…地球は我々人類、自らの手で、守りぬかなければならないんだ!」

『ウルトラセブン』最終話の第48話、第49話「史上最大の侵略(前編・後編)」に登場した怪獣
別名「双頭怪獣」。身長は40メートル、体重は1万5000トン。
劇中では分かりにくいが、小さな目が左右の顔にちゃんと付いている。

+ 設定等(原作ネタバレ)
地球侵略を企むゴース星人*1が連れてきた怪獣。左右のくちばし状の口から吐く高熱火炎が武器。
数々の異星人との激闘で体が限界近くまで傷つき、衰弱したモロボシ・ダン=ウルトラセブンの前にタイミング悪く出現。
エメリウム光線が届かず途中で止まってしまうほどエネルギー不足のセブンを苦しめて
側頭部へのフックでダンになっても残るほどの重傷を与えるが、起死回生の手持ちアイスラッガーによる斬撃で
左手と右足を斬られて倒される。が、斬り落とされた片手足を残しパンドンの姿は忽然と消えるのだった。

後編では切断された個所を機械化した改造パンドンが登場。体重は1万7000トンに増えている。
体調が更に悪化し、もはや死にかけと言っても過言ではないほど衰弱したセブンを苦戦させ、アイスラッガーを右手でキャッチするという
離れ業を見せそのまま投げ返そうとするが、宇宙ステーションV3のクラタ隊長によるウルトラ史に残る名アシストで
投げ返すタイミングを狂わされセブンに余裕を与えてしまい、投げ返したアイスラッガーの軌道を変えられ、首を切り落とされ倒された。

「改造」と名がついているが、実際には単に機械製の義手と義足を着けただけで、しかも満足に動かせていない。
恐らく、とりあえず動かせる程度に修繕(というか治療?)しただけだと思われる。
一応アイスラッガーをキャッチできるくらいの頑丈さは手に入れているが、キャッチしたのは上の画像のように生身の右手だったりする。

シリーズ前作のラスボス怪獣と違って目立った武器も特殊能力も持たない上に、
戦った時のセブンが過労で死ぬ寸前のような状態であった為、セブンが万全ならすぐに倒せた怪獣だとか言われている。
とはいえ、実際ゴース星人の切り札はパンドンではなく世界各地を攻撃できる地底ミサイルであり、
これによりパリやモスクワなどといった世界の首都が壊滅的な被害を受けることになる。
つまりパンドンは地底ミサイルがあるゴース星人の地下基地の護衛かつ迎撃用の怪獣であったためそこまで強い怪獣では無かった可能性もある。
敗北後、改造パンドンにされたのも万が一のための保険であったが、セブンと対峙した時には既に地下基地は破壊されゴース星人は全滅した後だった。

一峰大二による漫画版『ウルトラセブン』では、セブンのあらゆる攻撃による傷を瞬時に回復するという
ラスボスの怪獣に相応しい能力を持っていた。また、見た目も「双頭」であることがやや分かり易くなっている。
TV版同様に命尽きようとしていたセブンを圧倒するも、土壇場で光の国から送られたエネルギーによって
回復したセブンに逆転勝利を決められてしまい、その直後にゴース星人も基地ごと壊滅させられてしまった。

初期のデザインでは、首が枝状に二つに分かれ、その先に顔が二つ付いているといったデザインだったが
ラスボスとしての風格が足りないと判断され、最終的には現在の赤トンカツになった。かえって風格が無いという意見も

尚、劇中では一切名前を呼ばれておらず本に載せる際に「ンドン」という名前が設定されたが、
誤植で「ンドン」になってしまい、それがそのまま公式設定になったという逸話がある。
ちなみに『ウルトラセブン』の主題歌中に「倒せ 火を吐く大怪獣」というのがあるが、
実際に作中に出てきた「怪獣」の中で火を吐くのはこいつだけだったりする。

ネオパンドン
キングパンドン

平成ウルトラセブンの最終作『“EVOLUTION”5部作』では、この初期デザインを元にした「ネオパンドン」が登場。
こちらの別名は「双頭合成獣」。身長:60メートル、体重:6万4千トン。
初代パンドンの遺伝子から作られた怪獣で、一度は半殺しにされパンドンにトラウマを持つ対セブン用に黒幕であるガルト星人が投入した。
初代と同じように双頭から炎を吐き、アイスラッガーを受け止める反射神経と頑丈さを持つ。
狙い通りセブンを苦しめるも、悪意に反応してパンドンの戦闘能力を増幅させるコントローラーが
悪意を持たない生命体の手に渡ったことで大幅に弱体化し、その隙を突かれ新技であるウルトラクロスアタッカーで倒された。

映画『大決戦!超ウルトラ8兄弟』では、同じく初期デザインが元の「キングパンドン」が登場する。
身長:63メートル、体重:6万8千トン。こちらの別名は初代と同じ「双頭怪獣」。
ぱっと見はネオパンドンと同じように見えるのだが、顔やトゲの数などが若干違っている。
スーパーヒッポリト星人によって『超8兄弟』世界の横浜に送り込まれ、本来の世界からこの世界に渡っていた
ウルトラマンメビウスと交戦。口から吐く火炎弾と光線の猛烈な弾幕で激闘を繰り広げ敗れるが、
その目的はスーパーヒッポリト星人がメビウスをヒッポリトカプセルでブロンズ像にするための囮であり、
本来の目的自体は完遂した。

余談だがキングパンドンが現れた時、ダイゴはほぼ即座にその怪獣がパンドンだと見抜いていた。
明らかにあの赤トンカツと似てないのになぜ分かったのかは不明である。あれか、体か?
もしくは『超8兄弟』の世界のウルトラセブンでは、パンドンは赤トンカツじゃなくこっちだったか。
ダイゴが没デザイン知ってたって可能性は、まあ無くは無いけどちょっと苦しいか。
まぁいわゆる映像補正の可能性もある。初代ウルトラマンだって顔が2回変わってるし。
と言うかウルトラマンとニセウルトラマンが同じに見える世界なら同じに見えても不思議ではない。
後年のメビウスのサコミズ隊長はゾフィー補正があるのでノーカン

映画『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』では、ウルトラマンベリアルに操られる怪獣の一体として
キングパンドンが登場。セブンとも戦いを繰り広げたが、最期はウルトラマンゼロに倒された。
なお、初代パンドンやネオパンドンも百体怪獣ベリュドラを構成する怪獣の一体として姿が確認できる。

『ウルトラマン列伝』39話では、バット星人率いる怪獣兵器の一体としてキングパンドンが登場。
ハイパーゼットンの体内から放出されたスフィアから生み出され、ウルトラセブンと戦っている。
スフィアの名残やパイプの追加など気ぐるみに改修が行われている。
この怪獣兵器のシーンは元々映画『ウルトラマンサーガ』のNGシーンだったが、
テレビ放映で同映画との連動企画という形で無事日の目を見ることとなった。
この話、怪獣兵器対ウルトラ兄弟のシーンが短いので繋ぎとして、元になった怪獣達の強さを振り返るという内容だったのだが
パンドンだけ強い怪獣だというフォローが無かった……

『ウルトラマンオーブ』では火ノ魔王獣・マガパンドンが登場。
作中世界でかつて光の巨人たちによって封印された、複数存在する魔王獣のうちの1体でマガパンドンは火属性を司る。
そのデザインはネオやキングとは違い、まさかの初代の赤トンカツ再現である。
巨大な火の玉に包まれた状態で東京上空に現れ、大熱波を引き起こす。
ウルトラマンオーブのあらゆる技を無効化し、捨て身の策で一度は宇宙に運ばれるも再び地球に向かって降下、火炎弾を放って破壊活動を始めるが
復活したオーブ・バーンマイトの技による爆風消火で火の玉を消し飛ばされ、本体が露出。
オーブとの直接対決の末、スペリオン光線を浴びながらもなお迫るマガパンドンだったがやがて耐え切れなくなり、爆散した。
最終的に倒されはしたもののウルトラ戦士の攻撃を受け付けない、一度はエネルギー切れに追い込む、必殺光線に数秒間耐えるなど
歴代パンドンの中では一線を画した強さを見せつけており、ようやく元ラスボスの肩書に相応しい活躍をしたといえるだろう。
更には回収したマガオロチの尾をベースに、ゼットンとパンドンの力を融合させた 合体魔王獣ゼッパンドン も登場。
オーブのライバル・ジャグラーが一体化して操ることで狡猾な戦い方をも身に着けており、直前の戦いでサンダーブレスターの力を持て余した挙句、
救うべき相手を傷つけるという大失態を演じたためにメンタルの面で絶不調にあったオーブを畳みかけるように苦しめた。
そしてオーブの真の姿、オーブ・オリジン復活の糧となって華々しく散った。ジャグラーェ…

劇場版『ウルトラマンオーブ 絆の力、お借りします!』ではパンドン自体は登場しなかったものの、
ジャグラーがオーブを助けるべくゼッパンドンにフュージョンアップする際に初代パンドンが、演出として登場した。
オーブのフュージョンアップを模した演出もあり、ジャグラーの動きに合わせてポーズを取るパンドン(とゼットン)はかなりシリアスな笑いを演出していた。

漫画『ウルトラ忍法帖』の作者、御堂カズヒコ氏のお気に入り怪獣である。
漫画内では、「ご飯の上に食パン乗せた料理『パン丼』」を料理屋に作らせるなど、意味不明の悪事を働いていた。
が、パンドン登場エピソードは実質的に「カラータイマーが鳴り始めてしまったウルトラマンをどうするのか」という内容の話*2なので、
パンドン本人の戦闘描写もなく、むしろなんとかウルトラマンのカラータイマーを止めるべく奮闘する良い人ポジションだったりする。
当然、ウルトラセブンとの絡みも特になし。善人として登場したのはある意味印象深いが愛されてるのかいないのか微妙な立ち位置である。
この時死ななかった(戦わなかった)ために後に再登場するが、冒頭に2色カラーページをもらった回で、自身は赤い体色なのに
登場は白黒ページのみということで「打ち合わせではカラーページに出られるって話だった」と落ち込んでおり、冥府羅州烈風斎によって塗り絵企画になっていた。
(ちなみに本当に読者から塗られた絵が送られてきた)
今回は爆発するパンを投げて普通に戦っていたが、やはり根が善人なのか冥府羅州が薬を盛って赤んぼにしたマンとレオに攻撃できず、
薬入りジュースを浴びせられて赤んぼになった。
ちなみにこの漫画では怪獣の名前は全て漢字表記だが、パンドンは 犯゜鈍 と、漢字に半濁点という
すさまじくシュールな表現になっている。

+ ゲーム作品におけるパンドン
SFCゲーム『ウルトラセブン』で終盤にパンドン、改造パンドンと連続して登場。
得意の火炎攻撃はバリアで防げても反射できず、威力も高いのでプレイヤーを苦しめる。
ちなみに改造パンドン戦のBGMは原作再現のシューマンのピアノ協奏曲。
ゲームをクリアすると、対戦でパンドンと改造パンドンが使えるようになる。(2P側が改造)
対戦時は火炎の性能の高さもさることながら、投げが入ると即死(!)なのが恐ろしい。
まぁ、COM時は投げてこないので一安心ではあるのだが。

ウルトラマン仮面ライダーガンダムが共演するコンパチヒーローズの『ザ・グレイトバトル』にも登場。
……なのだが移動せずに左右に炎を吐くぶっちゃけ障害物扱いだった。

スーパーヒーロー作戦』では、その戦力を恐れパイロットのリュウセイ・ダテ共々封印されていたSRXの復帰第一戦の相手となった。
復帰直後のSRXは全武装がまだ封印されたままであり、リュウセイはそのまま素手で怪獣とプロレスする気満々であったが、
居合わせたイングラム(ヴィレッタ)のR-GUNパワードが、SRXの武器という本来の役割を果たすべくメタルジェノサイダー形態に変形。
「天上天下一撃必殺砲」の初使用によって、パンドンは一撃で吹き飛んだ。戦闘にすらならないなんて…!

ウルトラマンゴジラガメラエヴァンゲリオン、パトレイバーが登場するゲーム『巨影都市』では
主人公を脅かす 巨影 の一体としてラストステージに登場。
戦う場所こそ街中になっているが、原作同様にウルトラセブンに倒された。

ソーシャルゲーム『ウルトラ怪獣バトルブリーダーズ』では、パンドンとマガパンドンが実装。
パンドンはアタッカー寄りの性能で、2ターン毎にSPと攻撃力をアップさせる「双頭の進撃」、相手の防御力を大ダウンする必殺技「火炎地獄」がある。
マガパンドンはデバフ型であり、軒並み高水準なステータスに加えて、
2ターンの間相手全体の攻撃力を中ダウンさせる必殺技「マガ火球火炎弾」、
奇数ターン毎に相手全体を中確率で「火傷」し、2ターンの間、防御力(遠)が小ダウンさせるスキル「偽りの日輪」を持ち、
居直るだけで広範囲に影響を与える優良なキャラである。


MUGENにおけるパンドン

MUGENでは多くの怪獣キャラを作っている這い寄る混沌氏とmuu氏によって、それぞれ作成された。
なお、改造パンドンを作成した這い寄る混沌氏は「改造前のパンドンは作らない」とコメントしており、
それを受けてmuu氏が通常版のパンドンを作成したという経緯がある。

+ 這い寄る混沌氏製作 改造パンドン
  • 這い寄る混沌氏製作 改造パンドン
這い寄る混沌氏が作成した、SFC版『ウルトラセブン』仕様の改造パンドン。
08年7月31日に更新され、AI搭載や音声のリアルタイム化の他、
BGMがシューマンの「ピアノ協奏曲 イ短調 第1楽章」になるというセブンファン感涙のキャラになった。
また、KOされるとよろよろと二歩進んでばったり前に倒れるというわかる人にしかわからない芸コマな演出もある。
また、セブンから奪った物らしいアイスラッガーを取り出して斬りつけたり投げたりするが、ツッコミをしてはならない。

射程の長い中段火炎と下段に放つナパーム火炎を交互に使い、ゲージが溜まるとアイスラッガーを投擲してくる。
ナパーム火炎は地面に接触した瞬間に燃え広がり、その炎が設置攻撃として嫌らしく攻め立ててくる。
ガードが固い相手や当身を持つ相手にも非常に有効である。特にタッグにおいては絶大な効果を発揮するだろう。
その後の更新ではナパーム火炎の攻撃範囲が広がるなどの強化が行われている。
氏勢作の怪獣には及ばないが、中々の強さの怪獣である。
双頭怪獣は3:40頃から

+ muu氏製作 パンドン(FEアレンジ)
  • muu氏製作 パンドン(FEアレンジ)
こちらはmuu氏が作成した、SFC版『ウルトラセブン』の通常版パンドンをアレンジしたキャラ。
muu氏が作成した他の怪獣同様、格闘ゲーム『ウルトラマン Fighting Evolution』仕様のアレンジとなっている。
混沌氏の改造パンドンと同じく中段火炎とナパーム火炎を持つ他、
使用後に火炎攻撃の範囲が広がる強化技「双頭の力」などが実装されている。

出場大会

パンドン
改造パンドン

出演ストーリー



*1
ゴース星人が劇中で喋っている言語は、実は役者が吹き込んだ音声を早回しにしたものであり、
スローで再生してみると何と言っているのかおおよそ分かったりする。以下はその検証動画。

それにしても「親分」だの「殴り込み」だの……なんなんだこの宇宙人

*2
この漫画内ではカラータイマーが鳴った時ウルトラマンがどうなるのかについて全く前情報がなく、
怪獣図鑑のあやふやな記述からウルトラマン死亡の危機かと皆がパニックになってしまった。