生み出されてから僅か数年で数百の星々を破壊し暴れ回っていたが、
あまりにも凶暴でビビディにも完全に制御する事は出来なかったため、休息が必要な時には球体状に封印されていた。
そして、その隙を付いた 界王神によってビビディは倒される事に。
界王神は下手に刺激を与えて封印が解ける事を恐れ、以来魔人ブウは封印されたままの状態で地球に転がっていた。
だがその後、ビビディの息子・バビディによって魔人ブウの封印が解かれてしまう事態に。
最初に登場したのは太った体型で無邪気なブウ(通称 「デブブウ」*2)。トップ画像一番上のアッチョンブリケしてる奴。
前述の界王神達の王ともいうべき存在・大界王神をブウが取り込んだ結果この形態になった。
作中では「温厚で心優しい大界王神を吸収した事で、ブウが一定の落ち着きを得た結果がデブブウへの変化ではないか?」と推測されている。
魔王 ダーブラや超サイヤ人2となったベジータを圧倒し、超サイヤ人3の悟空と互角に戦うなどの驚異的な力を見せた。 *3
気紛れで奔放、クッキーや チョコレートなどの甘いお菓子を好むといった子供の様な性格をしている。
これは上で述べた様に大界王神の性格が(ある程度ではあっても)影響しているのだろう。
善悪の観念に乏しく命を奪う事にも躊躇いが無いが、殺戮は単に彼を作ったビビディが「娯楽」として教えただけであり、
仲良くなった ミスター・サタンから 「人を殺すのは悪い事だからやってはいけない」と諭されると、素直に従った。
また、それ以前から逃げたり怯えたりする相手を虐殺するのを楽しんでいた反面、逃げない相手は殺そうとせず、
盲目の少年に視力を回復させた上に、栄養のある物として牛乳を店から持ってきてあげた事がある
(ただし、この牛乳の正体は店の人間であり、牛乳に変化させて少年に届けていた)。
地球人から見れば恐ろしい光景だが、ブウにとっては少年のためにやった事であり、
デブブウが良くも悪くも純粋な性格である事を象徴するエピソードであるとも言える。
サタンと共に怪我をして動けない犬を見付けた時も、わざわざ「ビビらせて逃げさせた後で殺す」ために怪我を治したものの、
怪我を治してもらった事に感謝した犬が逆にブウに懐いてしまい、結局彼はこの犬を殺さなかった。
この子犬は後に「ベエ」と名づけられ、後の時代になっても生きている長寿犬である。
要するに危険人物ではあっても根っからの悪人ではなかった
(格ゲーで言えば 初登場作におけるこの子とかを考えてもらえば当たらずとも遠からじであろう)。
そんな経緯からか、ゲームでは「魔人ブウ(無邪気)」という名称を付けられている。
しかし、 世界の混乱に乗じて殺人を楽しんでいた悪人にサタンが撃たれた事により、デブブウが激怒。
このせいで無邪気で善の心を持つデブブウから悪の心が分離し、おまけに分離した悪の心はガリガリに痩せた魔人ブウ(純粋悪)になってしまった。
詰まる所、神様と ピッコロ大魔王の関係と同じである。
これによって悪の心を体外に放出したため、これ以降のデブブウは魔人ブウ(善)と表記されるようになる。
ブウ(純粋悪)の方が分離した際に力の殆どを持って行ってしまったため、デブブウは抵抗空しくブウ(純粋悪)によって吸収されてしまい、
スマートで筋肉質な 悪の魔人ブウが誕生した(トップ画像中央)。
ただ、このブウも全人類を抹殺する際に前述の犬とサタンだけ標的から外すなど、デブブウの方の意識が多少は残っている
(全人類を抹殺したという事は、完全ギャグ作品だった 同じ世界の別作品の登場人物達までもが殺された事になってしまう…)。
その実力は、悟空をして「自分とベジータの2人掛かりでも勝てる相手ではない」と言わしめる程だが、
超サイヤ人3の ゴテンクスや、老界王神によって潜在能力を限界まで引き出された「 アルティメット悟飯」よりはパワーが劣る。
その後、ゴテンクス& ピッコロを吸収してパワーを増し、冷静な頭脳を得た事で悟飯を圧倒し、その上さらに悟飯をも吸収して、
とてつもないパワーアップを果たした(これがトップ画像一番下の姿であり、吸収したためかゴテンクスの服が再現されている)。
しかし、悟空とベジータがポタラで融合した ベジットには手も足も出ず、魔法でコーヒーキャンディに変えてもそのままボコボコにされるという有り様で、
最後の手段として吸収しようと試みるも逆に 体内に侵入され、吸収した面々を奪還されてしまった。
そして、最初に吸収したデブブウを切り離された事により、一時的に気を増大させマッチョな姿に変化した。
ちなみにこのマッチョなブウは、当時の界王神の中で最も力のある南の界王神を吸収した時の姿である。
アニメ『ドラゴンボールZ』でも純粋ブウといい勝負をしていて、悟空曰く「(悪の時より)気がふくれあがっている」らしい。
が、この形態での活動はすぐに終わり、
子供程度の体格しかないが、 理性や自制心を一切持たない獣のような 純粋な魔人ブウへと最後の変身を果たした。
変身と言っても、 この状態が魔人ブウ本来の姿である。
前述のようにデブブウの姿は大界王神を吸収した事で変化したもので、これによってバビディの命令をある程度聞き分けられていたが、
それ以前のビビディが全く制御出来なかったのがこの純粋な魔人ブウである(デブブウになっても最終的には制御し切れずブウに殺されたが)。
『ドラゴンボールZ』では、悟空がこの純粋ブウの強さを「パワー、スピード、回復力、全てにおいて今までのブウとは段違いだ」と評している。 *4
子供のような姿で勘違いされやすいが、「純粋」と言ってもデブブウのように善悪の区別が無い無邪気という意味ではなく、ただ 「純粋」なのである。
故に純粋ブウは自身の破壊衝動を抑える事を知らず、登場するなり 何の躊躇いも前振りも無く地球を破壊してしまう。
完全に不意を突かれた悟空はベジータとデンデ、そして近くに居合わせたサタンを連れて逃げる事しか出来なかった。
これにより、 悟飯やトランクスを含む地球にいたほぼ全ての生物が死亡してしまう事に(人間は既にほぼ全滅していたが)。
ちなみにデブブウを切り離し、結果として純粋な魔人ブウを登場させてしまったのは… 例によってベジータであった。
過去に フリーザや セルの変身を促した事と合わせて「またお前か」と言いたくなる所だが、
今回はベジータも別にブウを強くするためにこんな事をしたわけではなく、
悟空が「2人掛かりでも勝てる相手ではない」と評した魔人ブウからデブブウを切り離す事で ブウを弱体化させるためにこの行動を起こしたのである。
ベジータも魔人ブウに一回殺されている(自爆だけど)上に、
特にパワーアップを経ていない(どころか バビディの洗脳が解けているので、ベジータはヘタすると弱体化している)状態での再戦なので、
少しでも弱体化を、と思ったのは当然であろう。実際、その場に居合わせた悟空もベジータのこの行動を支持している。
そりゃデブブウを食ってパワーアップした奴からデブブウを切り離したら普通はガリブウに戻ると思うわな…。
むしろ何故ガリブウでなく純粋ブウが出てきてたのか
…折角良かれと思ってやったのに結果はいつも通りとは、ベジータが事あるごとに問題を起こすのは、最早 呪いのような不運も影響しているのかもしれない。
しかしあくまでもそれはアニメ版『Z』での話であり、原作だけを見れば悪ブウに比べると悟空とベジータで何とか出来そうなレベルまで力は落ち
(ブウの体内から脱出時点では悟飯・悟天・トランクスは気を失っているので悪ブウのままだと対処不可能)、
ミスターサタンへの攻撃を躊躇したり、デブブウを吐き出したりするなど、ベジータだけでは出来なかった時間稼ぎに繋がるファインプレーであった。
ちなみに「純粋」と分類されてはいるが、漫画版『ドラゴンボール超』の「モロ編」にて、
大界王神の超能力を純粋ブウが持っている事が判明しており、純粋な魔人ブウよりもパワーアップしている状態である。
その後界王神界での激闘の末、悟空とベジータ、 そしてサタンとの連携によって完成させた超特大の元気玉を受け、完全に消滅した。
さらにその後、純粋ブウは閻魔大王の粋な計らいによって 「ウーブ」という地球人として転生したのだが、それはまた別の話。
なお、デブの方のブウは、純粋ブウより吐き出された後サタンを庇って殺されかけたものの一命を取り留め、
「ミスター・ブウ」としてサタンに保護される事となる。
さらに混乱を防ぐために、ドラゴンボールによって一般人の記憶から魔人ブウの記憶を消し去った。
そのため、一般人は「何かよく分からんが、サタンがまた地球を救ってくれたらしい」という風に認識しているらしい
(もちろんサタンは真相を知っているのは言うまでもない。ちなみに後の作品で「この件で貰った謝礼金」を悟空に譲るシーンがある)。
勿論、その後ブウが人間を襲う事は一切無くなったのは言うまでもない。
また、この時期に「スポーツとしての格闘技」をサタン達から教わったらしく、天下一武道会の常連であるとの事。
「本来のブウ」が抜け落ちているはずだが問題無く初登場時のブウと同一の人格を保持している。
ちなみに原作では「種族としての魔人」はブウ一人しか登場しないが、ゲーム『ドラゴンボール ゼノバース』『ドラゴンボールヒーローズ』では、
主人公キャラの姿の1つとして同族の別人が登場している(『ヒーローズ』にはこれとは別に「ブウとはほぼ無関係の魔人」も出てくるが)。
この内『ゼノバース』の魔人達は、
「自分以外に魔人(=同族)のいない事を寂しく思ったミスター・ブウが、自分の体の一部を分離して新たに命を吹き込んだ事で生まれた」と説明されている。
(ゲームの主人公なのである意味当然だが)ブウとはれっきとした別人ながらもきちんとした正義感と十分な実力を兼ね備えた、
いい意味で親に似た魔人である。
純粋ブウ体型になる事も出来るが、これは超サイヤ人のような「単にパワーアップした形態」なので問題ない。
また、プレイヤーが操作する魔人以外にも多数の個体が存在し、ある者は「他人に面白がってもらう」という考えから 芸事を、
ある者は「 他人に美味しい物を食べてもらいたい」という考えからレストラン勤務を、
はたまたある者は 「もっと美味しいものを食べたい」としてアテのないグルメ旅を…と、個人個人が好きに生きているとの事。
『ヒーローズ』の方は詳細は語られていないが、こちらもブウそっくり(デブブウ体型と純粋ブウ体型から選べる)ので少なくとも関連性はあると思われる。
また、『ドラゴンボール ファイターズ』に登場する 人造人間21号は、普段の姿こそ眼鏡をかけた知的でスタイルのいい美人というイメージだが、
戦闘時は魔人ブウを思わせる姿になり、相手をお菓子にして捕食する「ハングリータイム」という技を持っている。
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