ゲームマスター

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ゲームマスター - (2020/01/17 (金) 22:14:42) の編集履歴(バックアップ)


「ガンホー、頑張ってるフリしてます!」

本来「ゲームマスター」とは、テーブルトークRPGの用語で、「 ゲームの進行を司る人物 」のことであるが、
ここでは韓国のGravity社が開発しガンホーが運営するMMORPG(Massively Multiplayer Online RPG)『ラグナロクオンライン』の登場人物について記す。

本来の意味

ゲームマスターとは、シナリオの作成、PC以外の発言、敵データの管理、ルールの裁定、情景描写などを一手に担う人物である。
一言で言ってしまうなら、ゲーム世界における「審判」であり、「」。
ただしTRPGのセッションの最終目的は「ゲームマスターを含めた全員が楽しむこと」なので、
自分が絶対に勝てるような裁定は可能であるが、常識のあるGMは行わない。
そもそもTRPGはGMとプレイヤーの対戦ではない(シナリオに仕掛けられた謎の解明でGMとプレイヤーが火花を散らす局面はあるが)ので、
勝ち負けという概念は無い。
遊☆戯☆王』のバクラのような、「ルールは俺が勝つこと前提。それでも不利になったらGM権限で巻き戻す」などは論外である。
ゲームでガチの命のやりとりをしている奴らの決闘と友人同士の遊びを混同してはいけない。

プレイヤーの楽しみ方自体はコンピューターRPGと余り変わらないが、
GMは自分の作った世界を披露しつつも、思い通りにならないサイコロの目や、プレイヤーの思いがけない行動をに振り回されつつ
プレイヤーと一緒に物語を作り上げて行くのを楽しむもの である。
もしバクラみたいなGMが居たら二度と一緒に遊んでもらえないだろう。
つまり実際にはと言うよりは、即興劇の演出家ぐらいのつもりが丁度良い。そのため一番苦労する「裏方」であったりもする。
しかし、苦労は多いがやりがいのあるポジションでもあるため、一番楽しめる役と言えるかもしれない。
なお、MUGENにキャラも存在する『ナイトウィザード*1を初めとした多くのシステムでは、
公式のルールに規定されていない事柄の決定や、公式のルールと実際のプレイとの間にに齟齬が生じた場合、
公式のルールよりもGMの判断が最優先されるようになっている(いわゆる「ゴールデンルール」)。まぁこれを自分に都合良く解釈したのがバクラだが。

ただし、当初からの想定として「ガチで殺す気だから、お前らもガチでかかって来い」というセッティングで行う場合などもあり、
GMとPL双方同意の下で、本気で勝ち負けを決定する勢いで行われるセッションなども存在する。
これがTRPGや、GM、PLの在り方として間違っているのかというと、決してそんな事はない。
ニコニコ卓上ゲーム動画で人気の「パラノイア」など、コンピュータ様の完璧で理不尽な裁定を楽しむゲームも存在する。

究極的には、繰り返しになるが「ゲームマスターを含めた全員が楽しむこと」が目的なのだ。

MMORPGにおけるゲームマスター

ゲームによって様々であるが、基本的に「 運営側が操作する特別なキャラクター 」のことを指す。
TRPGと異なり、MMORPGではルールの裁定はコンピュータが行うので、
ゲームマスターの仕事は主にゲーム内におけるイベントの管理や不正プレイヤーの摘発である。
このため、より「審判」としての面が強くなったと言えるだろう。
基本的に運営主催イベントの進行役などのとき以外はまず人前に姿を現さず、その姿を見たことがないと言う人も多い。
ゲームによって様々だが、一般的にはプレイヤーと一目で区別が付く姿や名前(色違いだったり、プレイヤーは名乗れない専用称号「GM」を持っていたり)である。
(そうでないと、GMを名乗る詐欺師(所謂ふりこめ詐欺における偽警察官)が現れかねないので当然とも言える)
ステータスなどもプレイヤーより遙かに高い、と言うか 無敵状態 だったりするので太刀打ち出来る存在ではなかったりする。
(イベント進行役だとプレイヤー並に落としている事もある)
GMは運営の代行者であり、ルールそのものであるため、逆らうことは即ち規約違反になりうる。
例えログオフで逃げたとしてもキャラクターデータ自体を隔離されてしまったり、最悪アカウント停止処分になったりすることもある。
何らかの事情で姿を現した際は真摯な態度で接することが大事であろう。

『ラグナロクオンライン』のゲームマスター

上記にあるようにROでも基本的には裏方の運営者専用キャラクターである。
プレイヤーと同じようにGMにも中の人がいるため一人一人グラフィックが異なり、名前とプロフィールもついている。
プレイヤーもなれる一般クラスの他にも白を基調とした専用クラスにもなる事が出来、
その外見だけならプレイヤーの間でも人気は高い(特に女性GM)。
…が、運営への不満を持つものも少なくないので「可愛さ余って憎さ百倍」状態になってるのが玉に瑕。
表示ネームは一般プレイヤーと異なり、黄色ネームとなっているため区別は付きやすい。
能力的には通常のプレイヤーキャラを遙かに上回る。
というか、 能力・スキル・装備等を自由自在に書き換えることが出来る ので文字通り規格外の存在である。
不正者を処罰する権限を持つため、プレイヤーに対しては絶対的な立場にある。
もっとも、普通にプレイしているプレイヤーにはあまり縁がないので、平和に過ごす分には無害な存在と言える。
また、不正者に悩まされている場合は頼もしい味方になってくれるので通報して相談してみよう。
くれぐれも不正行為に手を出してお世話になるようなことのないように、ルールとマナーを守ってゲームを楽しみましょう。

+ 余談:ガンホーの運営評価昨今
ROの日本展開開始当初、運営会社としてのガンホーの評価はとても低かった。
その最も足る要因として「BOT」と呼ばれる「自動で狩りをするプログラム」への対応が挙げられる。
殆どはRMT(リアル・マネー・トレード)業者が、
ゲーム内の金(ゲームマネー)稼ぎが面倒だと言うプレイヤーに現実世界の金(リアルマネー)で売る為に使っているもの。
BOT使用もRMTもゲームの公平性を欠くため規約違反となっており、ガンホーも相応の対応をするべきのはずが、全盛期は
「効率の良い狩場では常にBOTが無数に飛び交い、他のプレイヤーが来るとBOTの持ち主が邪魔をしてくる。」
(邪魔をされなくても、BOTに占拠されているせいで狩るモンスターが居ない)
「24時間動き続けるBOTが稼いだ大量のゲームマネーでインフレが起こり、自分もBOTを使うかRMTをしないと買い物が出来ない
と言う、利用規約(笑)と言わざるを得ない環境で、
そこの改善が見られないまま、さも「いいゲーム」の様な宣伝文句で様々なキャンペーンを行う運営に対しては不満が尽きなかった。

しかし、08年前後にとうとう本腰を挙げてBOTの撲滅が始まり、今でも多少は存在するものの
かつての経済を左右していた時代と比べれば、非常に少なくなっているため、今ではそれほど反感を買う運営会社としては認知されていない。
本腰を入れたのは丁度、課金アイテム、いわば公式RMTに本腰を入れ始めた時期と重なるため、それらが売れる環境を整えたのでは?との風説もある

なお、かつても「BOTの対応はしないが、ゲーム内ストーカーなどの届出への対応は誠実」という証言もある。
逆にそのせいで、BOTはGMの小遣い稼ぎ用のサブキャラ(だから処罰されない)とも言われたが。
(BOTとは関係無いが)実際にプレイヤーのゲームマネーを自キャラに移してRMTをして不正アクセス禁止法違反で逮捕されたGMもいる。

創作作品におけるゲームマスター

上記から転じて
主人公たちを「殺し合いゲーム」に巻き込み、それを見て楽しむ(or観客を楽しませる)のが目的のキャラクター。
MUGEN参戦キャラではモノクマダンガンロンパ)、ベアトリーチェ(うみねこ)が代表例。

MUGEN非参戦キャラだとかみ(魔界塔士SAGA)、ジン=フリークス(HUNTER×HUNTER:グリードアイランド)や神崎士郎(仮面ライダー龍騎:ライダーバトル)など
まぁジンは息子の成長(他の参加者は経験値扱い)、神崎は参加者の生命力が目的ではあるが。


MUGENにおけるゲームマスター


久遠氏が制作したものが存在しており、グラフィックは『ラグナロクオンライン』のものを使用している。
GMと言っても別にMUGENのルールを司っているわけではなく、
あくまでROのGMをモチーフにしたキャラにすぎないのでご安心を。
完成度は80%で、未実装の技も多いが、試合をする分には問題なく動く。
「SP(スキルポイント)」という独自のゲージが存在し、試合開始時は満タンで技を使うごとに減っていく。
時間が経てば少しずつ回復するが、もちろん底をついたら回復するまで一切技は使えない。
制作者の久遠氏曰く、「ボス仕様の強キャラにした」とのことであり、
弓、槍、モンスター召喚などを駆使して強力な立ち回りを見せる。
(『ラグナロクオンライン』では通常のキャラクターでは習得出来るスキルが限られており実現不能な構成になっている。
 もちろん、ゲームマスターにそんな制限は存在しない)
正式名称は「 GM128.Yutapon 」で、女性のロードナイト。
…なのだがGM故に姿はゲームマスター専用の外見となっている。

Vitz氏による6段階にレベル設定可能な外部AIも制作されたため、今後は見る機会も増えるかもしれない。
また「ゲームマスター」ということで、一部のストーリーでは非戦闘で登場することも多い。

出場大会

出演ストーリー



*1
余談だが、『ナイトウィザード』のデザイナー・菊池たけし氏はGMとしての即興性に定評があり、
(サイコロのせいでもあるが) 暴走したプレイヤー設定を シナリオに取り入れたり
重要キャラクターがうっかり死んでしまって世界が大惨事になったまま その結果をルール(と言うか世界観)に取り入れて シリーズを続けている。
余りにも暴走しすぎて参考にならないかもしれないが。
注意:菊池氏の作品の常連暴走プレイヤー(鈴吹太郎氏、田中天氏など)を真似る事は、GMの同意を得ない限り止めましょう。
菊池氏がプロだから対応出来、鈴吹氏や田中氏もまたプロである故に出処進退を見極められ、
かつ菊池氏に全幅の信頼を寄せている(どんな目に合わされても笑って過ごせる)から出来るのであって、
一般GMでは対応しきれずゲームが崩壊してしまいます。
プレイヤー側も''GMと協力する気持ち''を忘れない様に(この点はMUGENや動画も同じ)。
逆に『ロードス島戦記』の公式リプレイのGMの一部には、ある事(通称・ 吟遊詩人 )をやってしまった為、GMとしての評価が低い者もいる。