北岡秀一は不治の病(詳細不明。白血病がモチーフらしい)、に侵されており永遠の命を得る為にライダーバトルに参加した。
ファンからはだいたい「先生」と呼ばれる。
自称 「スーパー弁護士」で、不利な裁判でも逆転無罪にし「クロをシロにしてしまう」ほど有能。
実際に、悪徳グループの詐欺事件で悪徳グループの弁護士を担当したのだが、本来は有罪であるべき
彼らの無罪を最高裁で勝ち取ってしまうほど。
一見すると気さくで社交的だが、その実はかなりのナルシストかつ利己主義な性格の人物である。
弁護士としても上記の通り腕は確かだが、多くの 大手企業に法外な報酬を請求する悪徳弁護士で、
主人公・ 城戸真司の先輩記者である桃井令子に言わせれば、
「 彼に裁判の弁護を依頼するのは、罪を認めたようなもの」とのことらしい。
彼をよく知る人物からの評価は決して良い物ではないが、その反面、重病人の高額な手術費用を秘かに立て替えたりするなど、
自分と同じ境遇の者には親切な一面も見せており、決して外道ではない。
真司とは取材を通じて知り合い初対面で一緒に豪遊するほど意気投合しており、
正体を知ってすぐはお人好しな真司の性格を利用してゾルダを殺したと誤解させ、
戦意喪失させることで手を汚さずに脱落させようとする(但し、これには別の理由もあると思われる)
陰湿な策略を仕掛けたこともあったが、その後は人の良さをからかったり対モンスター、王蛇戦でよく共闘するなど、
馴れ合う訳ではないが比較的良好な関係を続け、終盤には「馬鹿だが、俺達よりはまともな人間」とその人柄を評価していた。
それは、ある闘いの際真司に自分の『アドベント』のカードを渡した事や
(『アドベント』のカードは契約の証でもあり、破壊されてしまうと契約破棄と見做される)
真司がライダーバトルの真実を知って半ば自暴自棄になり自身を戦いに誘った際に「見てられない」と発言し拒んだことにも表れている。
浅倉威( 仮面ライダー王蛇)には強く逆恨みされており、ライダーになる前からの因縁がある。
これはかつて北岡が犯罪者である浅倉の弁護を担当した際、浅倉が過去に普通なら死刑でもおかしくないほど
数多くの暴行や殺人などの犯罪を犯していた上に、それらの理由が「イライラしたから」という
どうしようもないものだったので、流石の北岡も懲役10年の実刑までにしか出来なかった為である。
北岡自身も流石に浅倉を弁護したことには思うところがあったらしく、
彼が関東拘置所から脱獄して以降、幾度となくライダーバトルを繰り広げることとなる。
特に王蛇が本格参戦し初戦闘となった第19話では、王蛇と偶然その場で戦闘していた龍騎とナイト、ガイ、ライアに
エンドオブワールドを ぶっぱなし、それを王蛇がガイを 王蛇専用ガードベント盾にして回避し
「ベノクラッシュ」でガイを倒すという衝撃の展開は、今でも有名である。
戦いが進むうちにライダーバトルを空しく感じるようになっていき、病気の進行で倒れた事が原因で、
主催者である神崎士郎からバトルを脱落させられてしまい、自らの運命を受け入れ、戦いを止める事を選んだ。
しかし、結果的に自らが原因で暴れまわる事となった浅倉との決着だけは果たすことを決意し戦いに臨もうとしたが、
病気の進行によって、その願いを果たすことなく病死してしまう。
その後、北岡の秘書である由良吾郎がカードデッキを受け継ぎ、ゾルダに変身して戦いに赴いたが、力及ばず敗北。
しかし、自分が倒したのが北岡ではないことに気付いた浅倉はイライラが頂点に達して鉄パイプ一本で警官隊に突撃。
武装していた警官に射殺されてしまい、結果的には相討ちのような形に終わったのだった。
その後、全ての戦いがリセットされた世界においては、不治の病は完治した模様。
(リセット後の世界における新聞の日時が、北岡が病死するはずの日より後の物だった事が確認できる)
劇場版『EPISODE FINAL』では、自らが弁護した浅倉による殺人事件の被害者の妹である霧島美穂が
仮面ライダーファムだと知り、自責の念に駆られる。
そのため王蛇に戦いを挑んで圧倒されるファムを何度も助けるが、浅倉を弁護したことで美穂からは
同じくらい憎まれており、助けた直後に拒絶され攻撃を受けたことで自らの戦う意義を見出せなくなり、
残りの人生を精一杯謳歌することに決めて自らの意志で戦いから脱落した。
井上敏樹氏が手掛けた『小説 仮面ライダー龍騎』では、映像作品同様に弁護士ライダーではあるものの
浅倉や美穂との接点が無くなっており、彼らとの直接的な関連はやや希薄となっている。
本作では不治の病が「記憶障害」となっており、それの完治の為にミラーワールドに身を投じていたが
やがては病気の進行で吾郎や浅倉の事すら忘れてしまい、最期はTV版同様に吾郎がゾルダとして王蛇と戦い、死亡。
その頃、記憶障害がより進行した北岡は 幼児退行し、ただひたすらに指をしゃぶる事に没頭していた……という、
映像作品以上に救われない結末を迎えた。
ちなみに北岡を演じた小田井涼平氏はかなりのガンダム好きであるらしく( 地球連合軍の項も参照)、
それに引っ掛けてか、真司の変身後の口癖「 っしゃあ!」に「ん!?」と反応するシーンがある。
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もう一人のゾルダ、由良吾郎 |
北岡の秘書兼ボディーガードで、北岡の数少ない理解者の一人。演:弓削智久。
ゾルダ登場当初は彼がゾルダの変身者と思われていた。
どことなく不気味な印象を漂わせる人物で高い戦闘能力も持つが、実際は誰に対しても誠実かつ優しい性格。
北岡のことを「先生」と呼び慕い、北岡も「ゴロちゃん」と彼を呼び全幅の信頼を寄せており、
ライダーバトルのことも北岡から聞いている。
なにをやらせてもそつなくこなす高い能力を持ち、料理は一流シェフ顔負けの腕前を持つ
(ただし、口笛だけは苦手。中盤以降は出来ようになったが)。
研究熱心なのか、真司に餃子の作り方を教えて貰おうとしたことも。
かつて傷害事件に巻き込まれた際に北岡に弁護して貰っており、その後に北岡の病気が発覚。
「自分を弁護していなければ病気の発覚が早まり、治せていたのでは」と後悔しており、
それから北岡に忠誠を尽くすようになった。
上述の通り、北岡の最後を看取り、北岡の最後の願いである「浅倉との決着」という意思を引き継いで変身。
彼にとっては初めてのライダーバトルであったにも関わらず善戦するが、浅倉には及ばず敗北。
ミラーワールド内にて北岡のことを思いながら死亡した。
「先生…また…美味いもん買って帰ります…」
リセット後の世界でも北岡と行動を共にしている様子。ちなみに彼が変身したゾルダは北岡と違って若干猫背。
井上敏樹氏の小説版でも概ね似たような経緯だが、常に口を糸を通して縛り、流動食以外は食べられない設定。
更に容姿に関しても「真司がこれまで出会った人間の中で最も醜い」「紫色の分厚い唇が不気味」だの
小説媒体ということを踏まえても実に散々な書かれようであった。井上氏自重しろ。
なお、演じた弓削智久氏は後に 仮面ライダーカブトにてZECT幹部・三島正人を演じており、
そちらでもイレギュラーな形で仮面ライダーザビーに変身しているためか、度々ネタにされる。
また、平成ライダーシリーズ第15作『 仮面ライダー鎧武』にも主人公が行きつけのフルーツパーラーの店長・阪東清治郎役で
出演するなど、何かと平成ライダーとは縁のある人物である。
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