アンギラス

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アンギラス - (2011/02/09 (水) 20:49:39) の編集履歴(バックアップ)


東宝製作の特撮怪獣映画『ゴジラ』シリーズに登場する怪獣の1体。主に昭和シリーズで活躍した。
別名「暴竜」。ゴジラと同じく恐竜の生き残りが水爆実験の放射能で怪獣化して誕生したとされており、
背中にある無数の棘が生えた甲羅が特徴である。
映画では素早い動きを活かした肉弾戦を得意としており、飛び道具は使用していないが、
後述のように小説やゲーム作品では飛び道具で攻撃している作品もある。

『ゴジラの逆襲』のアンギラス(初代)

初登場はシリーズ第2作目の『ゴジラの逆襲』であり、ゴジラにとっての初めての対戦相手であり、
同時に日本の国内産映画最初の怪獣対決の相手でもある。
ゴジラと同様、1億5千万年前の恐竜(アンキロサウルス)が水爆実験の影響で怪獣化した姿とされている。
ただしもとのアンキロサウルスが大人しい草食恐竜なのに対し、
アンギラスは肉食で他種に対して激しい憎悪を抱く凶暴性を持つという設定である。
脳が体中に分散しているため動きが素早く、それを活かして実際の獣のように相手の喉笛を狙う戦い方を得意とする。
主な攻撃手段は噛みつきで、甲羅は特に攻撃には使われていない。

映画では物語冒頭に岩戸島、中盤以降に大阪でゴジラと戦いを繰り広げた。
顔面への放射熱線の直撃にも耐え、ゴジラとほぼ互角の壮絶な死闘を展開するが、
激闘の末にゴジラに喉笛を噛み切られて絶命、放射熱線で焼かれるというオーバーキルを食らった。

また、小説版『ゴジラ 東京・大阪編』ではゴジラのように口から熱線を吐く場面が存在する。

上記の通り日本の映画で初の怪獣対決が描かれた今作だが、
この作品での戦いは後の昭和ゴジラシリーズやウルトラマン等で行われる、所謂怪獣プロレスとは異なり
ガッツリ相手に組み付いてお互いに相手の喉笛を噛み切ろうと必死に取っ組み合うという、
何とも生々しい戦いであり、日本の怪獣特撮の中でもかなり異色である。*1

『怪獣総進撃』以降の昭和のアンギラス(2代目)

初代と打って変わり、ゴジラとは友好関係にある。
顔つきも初代とは対照的で目が大きくなりどこか愛嬌を感じさせる。
性質そのものも、以前の個体のような好戦的ではなく、温厚で献身的になっている。
この頃のアンギラスが最も人気が高いと思われ、ファンの間では「ゴジラのよき相棒」というイメージが浸透している。

『怪獣総進撃』では初めこそキラアク星人に操られるものの、コントロールが解けた後のキングギドラとの戦いでは
首に噛みつくなどして奮闘ぶりを見せてくれた。
ここでも噛みつきが主な攻撃手段で、背中からキングギドラに踏まれてダウンするなど、
背中の甲羅と棘はあまり役に立っていない。

『ゴジラ対ガイガン』でもゴジラとタッグを組んでガイガン&キングギドラの宇宙怪獣コンビを相手に大立ち回りを演じている。
ゴジラの相棒というアンギラスのイメージが強く印象付けられたのはこの作品からであり、アンギラスが背中からの体当たりなど
甲羅を活かした攻撃を活用したのもこの作品が最初である。
この作品において、ゴジラと漫画の吹き出しで会話したのはある意味伝説となっている。

『ゴジラ対メカゴジラ』ではニセのゴジラをいち早く見抜いて戦いを挑むが返り討ちにされ、顎を裂かれてしまった。
この作品では地底移動能力も披露している。

平成シリーズ以降のアンギラス

平成シリーズでは企画段階では登場させることが何度も検討されていたが
(変わったところではデストロイアの形態のバリエーションでアンギラスのようなものが考えられていた)
どれも最終的には他の怪獣に差し替えられることとなり、中々再登場することはなかった。
出演が考えられては立ち消えって、どこぞの求婚率の変わらない人みたいだなぁ

そして2004年『ゴジラ FINAL WARS』でついにアンギラスはファン待望の復活を果たした。
後述するゲーム作品『ゴジラ 怪獣大決戦』の超必殺技などを元にした、
身体を丸めて高速で飛び跳ねまわる必殺技「暴龍怪球烈弾(アンギラスボール)」も持っている。
X星人に操られて上海を襲撃し、地球防衛軍の空中戦艦と交戦しこれを破壊する。
その後ラドンやキングシーサーとトリオを組み、地球人の手によって蘇ったゴジラを富士山麓で迎え撃つ。
だが歴代最強と呼ばれる程のこの作品のゴジラには三位一体の攻撃も通用せず、アンギラスボールで突撃したところを
尻尾で弾かれてラドンを撃墜してしまい、その後転がり回っているところをキングシーサーにボレーシュートされるが、
コントロールが最悪だったためゴジラにかすりもせず(逆にキャッチしようと大ジャンプすらしてくれたのに)
崖に激突、ラドンの上に重なってダウンした。
ただしラスボス的存在であるモンスターXとカイザーギドラ以外の怪獣では唯一ゴジラによろめくほどの一撃を与えており、
そういう意味では他の怪獣よりはいい扱いだった。
『逆襲』以来のゴジラの敵としての登場だったが、最終的に止めは刺されず気絶で終わったこともあり、
ファンの間ではラドンとキングシーサー共々ゴジラとの共闘が欲しかったとの声も多い。


ゲームにおけるアンギラス

ゴジラ 怪獣大決戦』にも登場している。
飛び道具の類はないが他怪獣よりも身軽な動きを持つスピードタイプのキャラ。
また、しゃがみと歩行、ダッシュ時の姿勢が低いので多くの飛び道具はこれで避けることが可能。
ポートレートや専用ステージなどからモチーフは『ゴジラの逆襲』の初代と思われるが
技としては2代目アンギラスが使った甲羅での体当たりも持っている。
劇中でも敏捷な印象を与える動きをしているためゲーム中の軽快な動きも他怪獣に比べてあまり違和感がないとの声が多い。
当時の映画に無かった*2攻撃として、アルマジロのように丸まって回転しながら
甲羅の棘で攻撃する「急降下体当たり」という超必殺技がある。
『ゴジラ対ガイガン』の甲羅体当たりのイメージを発展させたような技なので違和感も無く、
アンギラスに似合う見栄えの良い技だったせいか、前述の「暴龍怪球烈弾」として映画に逆輸入された。

アタリの3D格闘ゲーム『ゴジラ 怪獣大乱闘』シリーズでは
力強く吠えた衝撃で相手にダメージを与える「咆哮衝撃波」という技を持っている。
第一作では「咆哮衝撃波」の攻撃範囲が狭い等、パッとしない性能で下級キャラ扱いであったが、
第二作になると「咆哮衝撃波」の削り性能が高くなったり、優秀なダメージ耐性を持っていたりで中堅以上の実力に。


MUGENにおけるアンギラス

愛茶氏の手でMUGEN入りを果たした。現在の完成度はα1版(DL先はマイリストコメントに記載)。
『怪獣大決戦』のドットに技構成、そこにオリジナル技を追加したアレンジ仕様。
7P以降には小説版『ゴジラ 東京・大阪編』の様に、赤色の熱線で攻撃する技も搭載されている。
超必殺技には『怪獣大乱闘』シリーズで使用したエネルギースパイクもあり、「咆哮衝撃波」も使用可能である。

体力が半分以下になるとダメージ半減させるようになり、火力2割増しになる。
また6P、11P、12Pでは常時ゲジマユ状態になり、7P以降は常に攻撃・防御が1.5倍に。
12Pは上記のダメージ減少が10分の1になり、攻撃力が5倍になる。
ちなみに12Pは氏曰くゼットンを撃破できるとのこと。

また、現在は調整中につきハイパーアーマー状態となっているが
英雄殺しSUMOUパワーも持っている「鋼体システム」が搭載される予定。
ただし氏曰くこれらよりはマイルドなものにしていきたいとのこと。

公開はされたものの現在は上記の通りまだまだ調整段階である。
動画に出したいと思ったならその辺を踏まえてよく考えたほうがいいだろう。

出場大会

MUGEN大怪獣バトル2010(司会進行役・非戦闘)

出演ストーリー

怪獣王 王座復権への道(超番外話2において初戦闘)


*1
+ 当時のモンスター映画などと比べた時の戦闘シーン演出
後の日本の怪獣特撮と比べるとかなり異質ではあるが、当時の海外のモンスター映画や恐竜映画では、
キングコング』でのコングとティラノサウルスの死闘のような人形アニメーションでの戦闘シーンが多数を占めていた。
そうした戦闘の多くは現在イメージされる怪獣プロレスとは異なる野獣の死闘のような生々しい戦いであり、
その意味ではこの映画の戦闘シーンも、当時の一般的な演出の方向だった。

むしろこの映画が他のモンスター映画に比べて異色だったのは、
海外では使われることの少ない着ぐるみを用いて怪獣の戦闘シーンが撮影されたことである。
この事は、着ぐるみでの表現が中心になる日本独自の怪獣特撮の手法の発展においては
大きな意味があったと言えるのかもしれない。

*2
映画ではない作品なら、このゲーム発売以前の漫画『怪獣王ゴジラ』にて、
アンギラスが手足を引っ込めてボール状になって攻撃するシーンが存在する。
なお、同漫画のアンギラスは、展示されていた化石から復元されたアンキロサウルスを、
更に進化させて怪獣アンギラスとなった設定である。