ノイエ・ジール


「素晴らしいっ!まるでジオンの精神が形になったようだ!」

  • 型式番号:AMX-002
  • 全高:76.6m
  • 全幅:73.6m
  • 本体重量:198.2t
  • 全備重量:403.5t
  • ジェネレータ出力:75,800kw
  • 主スラスター総推力:1,938,000kg
  • 主武装:メガ・カノン砲×1、偏向メガ粒子砲×9、有線クローアーム×2、メガ粒子砲×6
                  大型ミサイル・ランチャー×4、小型ミサイル・ランチャー×24、Iフィールド・ジェネレーター×4他
(HG メカニクス 1/550 AMX-002 ノイエジール 説明書より引用)

ガンダム』シリーズのOVA2作目『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』に登場するモビルアーマー。同作のラスボス
綴りは「Neue Ziel」で、「新たな決意」を意味するドイツ語である。*1

パイロットはガンダム試作2号機を強奪して操縦したアナベル・ガトー
一年戦争終結後、アステロイドベルトの小惑星基地アクシズへ逃げ延びたジオン残党軍によって建造された。
開発自体は一年戦争中に進められていたが、資材や技術面の関係で建造は見送られた。
戦後、逃亡者故の窮乏生活を続けながらも、アステロイドベルトの豊富な資源、高性能機の開発に成功した技術者の尽力、
そしてジオン再興への熱意から建造に漕ぎ着け、デラーズ・フリートへ譲渡される。
ガトーは先の戦闘でガンダム試作2号機を失っていた為、彼の新たな乗機として託される事になった。

機体の巨大さに見合う多彩な武装を持ち、要所に付いているメガ粒子砲は一斉射撃で戦艦を一撃で轟沈させる威力を持つ。
有線クローアームはヘッドユニットに装備された演算ユニットの補助によって、オールドタイプでもオールレンジ攻撃を行える。
これはビーム砲であると同時にクローという名の通り爪の形をした打突武器でもあり、敵がIフィールドを装備していても物理攻撃で対処できる。
ショルダーユニットには左右で計4本のサブアーム(隠し腕)が格納されており、その先端部はメガ粒子砲の砲口とビームサーベルを兼ねている。
Iフィールドの出力も高く、デンドロビウムのメガビーム砲をも防いでしまう。
総じて高性能な機体だが、パイロットには機体の操縦と共に多彩な武装(特に有線クローアーム)を使いこなす技量が求められる。
当然搭乗時の負担は凄まじい為、ガトー並の精神力を持つエースパイロットで無ければ到底扱えない機体と言えるだろう。
こんだけ大きいならライノサラスとかゾディ・アックみたいに複数人乗って制御を分散させても良かったのでは?

作中ではコロニー落としを阻止に来た連邦の艦隊を次々に沈めた上に決戦兵器たるソーラ・システムIIのコントロール艦をも破壊。
(小説版ではこの時断末魔で悪魔呼ばわりされ、恐怖した連邦軍の後方とその混乱ぶりを聞いたデラーズ双方から「白い悪魔」と呼称された。
 他にも機体色が白いと思われる台詞があるが、挿絵でもアニメと同じ緑色で描かれている)。
そして対峙したデンドロビウムも有線クローアームでIフィールドジェネレーターを破壊した上に拘束する等と優位に立つも、
艦隊を指揮したバスク・オムがソーラ・システムIIの使用を強行した事で双方共に照射を受けデンドロビウムは大破。
ガトーはコウを捨て置き、デラーズ・フリートの真実の戦いを後世に伝えるべく、一人でも多くの同胞をアクシズへと逃がす為に奮闘するも、
先の照射で自機も甚大な被害を受けた事でIフィールドもまともに働かずに艦砲射撃を喰らい続けた末、サラミス級へと特攻し大破した。

ボンボンコミカライズ版ではデンドロビウムとの交戦中に連邦軍のソーラ・システムIIに気づきコントロール艦破壊に向かうも、
追撃してきたコウに気を取られてコントロール艦の破壊に失敗、さらにコウは破損したデンドロビウムを切り離してステイメンで脱出。
結局どっちつかずの中途半端な状態だったガトーは避ける事もできず、緊急照射されたソーラ・レイIIの直撃を受け、そのまま戦死した。
さらに準備不足で照射されたソーラ・レイIIこそ、コロニーの完全破壊に至らず溶解したコロニーと激突して大破したものの、
その衝撃でコロニーも完全に崩壊し、その残骸が地球の夜空を彩る流星群、星の屑となるに留まった。
「後から向かう」と称したまま雲隠れしたデラーズは生存しているが、事実上ガトーおよびデラーズ・フリートの完全敗北となっている。

『機動戦士ガンダム C.D.A. 若き彗星の肖像』には原型機と思われる試作型MA「ゼロ・ジ・アール」が登場している他、
機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』に登場したMA「α・アジール」へと繋がった可能性もある
(メタ的に言えばノイエ・ジール自体、α・アジールから時代を逆算する形でデザインされている)。

格闘ゲームでは『ガンダム・ザ・バトルマスター』シリーズにて登場。
ビグ・ザムサイコガンダムMk-III同様、サイズ差も再現された巨大キャラとなっている。
『バトルアサルト』プレイ動画

+ 外部出演
『スーパーロボット大戦』シリーズでは『0083』が初参戦した『第3次』から参戦している。
基本的には敵だが、作品によってガトーと共に味方になる場合と、条件を満たして機体を入手できる場合がある。
スーパーロボット大戦IMPACT』では説得によってガトーと共に味方にする事が可能だが、
隠しステージの「逆襲のシャア編」に入ると再度敵対し、しかもガトーのレベルは99になっている(基礎ステータスだけならシャアより強い)。
味方戦力としてもイマイチ役に立たない為、本作では説得せずに撃墜する事が推奨されている。
また、初期シリーズでは原作通り宇宙専用機だったが、一部作品では大気圏内での飛行や戦闘も可能になっている。
ただ、宇宙適応がSに対して空適応はAと若干ながら性能が落ちる(適応が高いほど攻撃力・命中率・回避率が上昇する)為、
『第2次α』の地上で最終決戦を迎えるルートでは、不利を承知で出撃したのか「大気圏内でも砲台代わりにはなる」と発言している。

『Card Chronicle』ではある事情から、ガトーはこれに乗り換える前にバイストン・ウェルにて落命してしまう。
その為なんと部下のカリウス・オットーがノイエ・ジールに搭乗、ガトーの敵討ちに向かってくる。
そして後のイベント「放たれたタマシイ」では、バイストン・ウェルで発生した亡者の復活に際し、
ガトーも同じく異界の地で散ったノリス・パッカード共々復活、ノイエ・ジールを駆り自軍と共同戦線を結ぶに至った。

+ 戦闘デモまとめ
『第3次』版
『F』版
『α』版
『IMPACT』版
『第2次α』版
『AP』版

『Gジェネレーション』シリーズでは本機自体が強大な戦闘能力を誇る上に、
「アクシズにシャアが戻って来てくれたら乗るはずだった」という設定の後継機ノイエ・ジールII(当然カラーリングは赤)が、
後の時代のクィン・マンサナイチンゲールをも上回る超高性能。
両機とも宇宙でしか出撃させられないという制限はあるものの、その強さは絶大。
特にノイエ・ジールIIのファンネルは、攻撃力と同時に「一度の出撃で何回攻撃できるか」が重要な作品内で、
他の機体は4、5回もできれば上等なバランスの中、12回も攻撃できるという傑出した継戦能力を誇る。
攻撃力は「ファンネル一発で敵機撃墜」で最優秀の機体は横一線で並ぶ中で、
敵機撃墜数は「ノイエ・ジールIIが他機の数倍」の戦果を挙げてくれるのだ。

今は亡きコミックボンボンの漫画『タマロイド超Cガンダム』では、
ジオン公国モチーフで江戸時代のまま時を止めて鎖国したコロニー・持怨憎苦のメインコンピューターが進化した存在として登場。
エネルギー吸収と時間操作という強力な能力を持つ。
ちなみに姿は当時公開されていた映画に因んでモスラに似せられている。

『ギレンの野望』においては、ガトーがアムロへの専用会話で「連邦の白い悪魔」呼ばわりするので、
「白い悪魔」の名が本機よりもアムロの異名として普及するという事態が起きた。
このゲームの本機は白くないしな
また、上述のノイエ・ジールIIも登場し、こちらの方でもシャアを乗せて活躍させる事が出来る。

+ そっくりさん?
余談だが、『FF7』に登場するボスモンスター「エメラルドウェポン」は、デザインがノイエ・ジールにそっくりと専らの評判である。
公式も自覚しているのか、後に『FF14』にも登場した際は腕型の遠隔攻撃端末を使用し、
CV大塚明夫のキャラの戦闘データを搭載している
のは序の口で、
とあるキャラに「素晴らしいっ!まるでガレマール(主人公達と敵対している帝国)の精神が形になったようだ!」とまで言わせる始末。
最早完全に元ネタを隠す気ゼロである。
『FF7』版
『FF14』版。
こちらの外見はノイエ・ジールにクィン・マンサを足した感じ


「いいか。一人でも突破し、アクシズ艦隊へ辿り着くのだ!
 我々の真実の戦いを、後の世に伝える為に!」


MUGENにおけるノイエ・ジール

STG氏のキャラ(現在公開停止)を元にしたBelow273氏によるMUGEN1.0以降専用の改変版が某所で公開されている。
『Gジェネレーション』シリーズの画像を使ったスプライトで製作されている。

操作方法は6ボタン方式。
アポカリプスサイズの巨大キャラで、アーマーを持ち、移動は一切不可能。
BGMが固定されている事もあり、ボスキャラらしいキャラとなっている。
ミサイル攻撃である程度前進・後進するのでそれらで移動する事になる。
ビームサーベルは画面外に一度出て、斜め下から斬り付ける攻撃となっている。
AIはデフォルトで搭載されており、本体性能もあって程度の強さを持つ。


「く…我々の戦いは無駄ではなかったはずだ…!
 必ずや我々の理想を結実させる者が続くはずだ!」

出場大会

  • 「[大会] [ノイエ・ジール]」をタグに含むページは1つもありません。


*1
本来形容詞で「新しい」とするなら「ノイ(Neu)」であり(「ノイエ」だと名詞で「新しいもの」)、
「Ziel」の発音も「ツィール」が正確(つまり双方合わせると「ノイ・ツィール」となる)なので、発音も文法もおかしい
まぁ現代よりずっと未来の宇宙世紀なので言語が変化しているのだろう。
ナギナタ」や「ジュッテ」も正しく伝わってないみたいだし。
と言うか、発音の話をするなら「ジュッテ」ではなく「ジッテ」。現代の日本人でさえ勘違いしている事が多い
もっと言うと「バルカン」や「バズーカ」も本来は「M61」や「M1、M9、M18」といった特定機種につけられた愛称なのだが、
これらも日本では機関砲や携行型ロケット砲全般を指す言葉と化している
ビームバズーカに至ってはロケット砲でさえないが、本来バズーカは楽器(ラッパ)の名前なので、ラッパ型なら問題ない…のかもしれない)。
未来世紀に至っては必殺技みたいに「ヴァァァルカン!」と叫ぶ奴までいるし…
言うなれば(昔の)カーチャンがプレイステーションだろうがセガサターンだろうが全てファミコンと呼んでいたのと同じ
(現代のママは子供の頃からゲーム機に慣れ親しんでいるので、そんな事は言わなくなった)。

ストライクウィッチーズ』に登場する地名「ノイエ・カールスラント」も「新たなカールスラント」という意味だったり、
『スーパーロボット大戦』シリーズにおいても「ノイエDC」という組織が立ち上がったのだが、
双方共にノイエ・ジールと同じ間違いなのはアニメ界隈で有名になったこの機体名に引きずられてしまった為だろうか
(もっとも後者は初出作品ではガンダム出展のキャラが立ち上げたネオ・ジオン相当の組織なので、当然の帰結ともいえなくもないが)。


最終更新:2025年03月17日 23:23
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