スモーカー


「おい…君… 政府上層部のジジイ共に伝えてくれるかね」
「クソ喰らえ ってな」

漫画『ONE PIECE』の登場人物。スモーじゃあない。
海軍本部所属の将校にして主人公モンキー・D・ルフィのライバルポジション。
アニメの担当声優は 松尾銀三 氏→ 大場真人 氏。

通称「白猟のスモーカー」
登場初期の階級は本部大佐で、東の海(イーストブルー)ゴールド・ロジャーの故郷として有名なローグタウンに駐在しており、
偉大なる航路(グランドライン)」に入ろうとする数多の海賊達を捕縛し続け、町から一度も海賊を逃がした事がない実績を誇っていた。
しかし、ルフィを取り逃がした事(同時にルフィに対してかつて自分が処刑の場を目撃したロジャーに重なる片鱗を感じた事)で、
ルフィを捕らえるべく執拗に追跡を続ける事になる。

見た目は極道のような厳つい巨漢の男で、東の海ではバケモノ扱いされる能力者という事もあり、
ローグタウンの一般市民にも治安維持に貢献している海軍所属者でありながら彼を恐れる者は少なくなかったようだが、
不注意な子供にアイスクリームをぶつけられた際も怒らず「おれのズボンがアイス食っちまった」とジョークを交えつつ弁償代を渡すなど、本質は懐の深い善人。
……自然(ロギア)系悪魔の実の能力者のスモーカーにアイスをぶつけることができた女の子は覇気の使い手」というネタも飛び交っているが。*1

加えてアラバスタ編ではたしぎが無力感から落ち込んでいた際は静かに発破をかけたり、
部下を蔑ろにするような命令にはたとえ上官であろうとも激しく反発したりと、権力を笠に着ない部下想いの好漢である。
一方で悪人には容赦無く、「海賊はどこまでいっても海賊である」という自論を持ち、一応は政府側である王下七武海も嫌っている
(特にサー・クロコダイルの事は信用していなかった)。

また、海軍所属でありながら「人間が徒党を組む以上完璧な組織は存在しない」「海軍に妙な夢は見るな」とのたまい、
自分の意に反する事ならば絶対に聞こうとせず、周りの同調圧力や慣習・状況に流されずに主体的に物事を観て行動するタイプでもある。
「政府の正義」に従う事を大なり小なり強いられる海軍の中にあって、圧力にも屈さず己の正義を貫き続ける事から、
上層部からは実力は認められているものの「野犬」扱いされて煙たがられており、
海兵学校時代からの同期である黒檻のヒナによれば、何度も海軍をクビになりかけてその度に尻拭いさせられる羽目になったという。
実際、赴任先を放棄するという公人としては相当な問題行動も起こしており、
読者の間では本部所属でありながら最弱のエリアである東の海に赴任していたのは、独断行動が過ぎて左遷されたからではと考察されている。

ルフィの事は自分が捕らえるべき海賊として見なしているが、
アラバスタ編、パンクハザード編など共通の敵と相対したがための不本意ながらの共闘を繰り返しており
敵対関係はそのままに奇妙な腐れ縁を築くに至っている。
スモーカーもルフィとはなれ合うつもりはなく、本人達の前では辛辣な態度を崩さないものの、
麦わらの一味と一緒に水に吞まれ、ルフィの命令を受けたゾロに救助された時は、一味を見逃したり、
藤虎にアラバスタの真相と政府・海軍の対応を話す際に「麦わらの一味がいなければアラバスタは海賊の国になっていた」と、
隠蔽されている事件を包み隠さず話したばかりか、あまつさえ麦わらの一味を擁護するような発言をする等、
当人のいない所では内心嫌い切れていない、むしろ評価するべき部分は高く買っている言動を見せている。
ただし、海賊に手を貸す事自体は海兵として恥じと断言する等、海軍としてのスタンスは捨てているわけではない。
当人達は知らないはずだが、その関係性はかつてのロジャーとモンキー・D・ガープの「好敵手」に近いものである。

実写版ではアーロンパーク編までの映像化だったのだが、先行して後姿のみ登場するという次シーズンを予期させるような形で出番を与えられた。

全くの余談になるが、『僕のヒーローアカデミア』の作者の堀越氏は漫画家としてデビューする前に、
単行本の読者イラスト投稿(と大喜利)コーナー「ウソップギャラリー海賊団」にスモーカーの絵を投稿したことで知られているのだが、
2024年の週刊少年ジャンプ36・37合併特大号にて同作が最終回を迎えた際に、その週の『ONE PIECE』において、
かつて堀越氏が投降したスモーカーのイラストと全く同じ構図の扉絵が掲載されるという、
尾田氏からの堀越氏に対する特大のサプライズと贈り物があり、読者から大きな反響を呼んだ。

+ 戦闘能力
自然(ロギア)系悪魔の実「モクモクの実」を食べた煙人間で、体を煙にする事ができる。
実体が無いため覇気未使用の攻撃は受け流し、煙でありながら物や人を拘束する事ができ、
軽い煙ゆえの速度と機動性により、浮遊して立体的な移動を実現できたり、
煙幕を張ったりパンチやキックのリーチを伸ばして攻撃するなどの用途が可能。
また、煙という性質上、を操るメラメラの実の能力者ポートガス・D・エースとはお互いに決定打を与える事が出来なかった。

+ 自然系能力者についての解説
三系統の悪魔の実の中でも最も希少とされている分類であり、身体を自然物そのものに変化させる能力を得る。
それ故にこの能力者は自然現象さながらの攻撃を行使できる他、自然的流動物と化した身体により物理攻撃を受け流したり、
自然化した身体で攻撃を受けつつ破片から身体を復元する等、絶対的な防御性を備えている(ヤミヤミの実は例外)。
それ故に、該当する自然現象の弱点を突くか武装色の覇気の使い手でなければ倒すことは難しい。
スナスナの実の能力の場合は水や血液で塗らす事で砂に変身できなくさせる等)

一方で能力の制御はかなり困難らしく、敵の能力でスモーカーと意識を入れ替えられたたしぎは、
モクモクの実の能力を全く使いこなせておらず、メラメラの実を食べたばかりの頃のサボも扱いに難儀しており、
能力そのものにはまずハズレが無い強力な系統ながら、いずれも未熟な使い手や一朝一夕な修練では使いこなせるような能力ではないらしい。
作中でもとある海賊が「自分を無敵と勘違いしてきたロギアの寿命は短い」と称している他、
他の二系統以上に制御に能力者の精神状態が大きく影響するらしく、ユキユキの実の能力者であるモネはゾロに恐怖して、
彼が放った武装色の覇気無しの攻撃を受けた際に、ノーダメージにも拘らず感情を乱して能力の制御ができず原型を維持できなくなっていた。
総評して「能力だけ」なら間違いなく強力だが、戦闘センス、習熟度、メンタルの強さが欠けた使い手では真価を発揮できない、
所謂「能力にかまけたそこらのバカ」では宝の持ち腐れにしかならない割と熟練者・上級者向けな系統と言える。

使用武器である「七尺十手」の先端には悪魔の実の能力者の力を封じる海楼石が付いている。
また、モクモクの能力を動力源とした大型バイク「ビローアバイク」を所持している。
『グランドバトル』シリーズでは十手を使用した投げ技が能力者に対してダメージが高くなったり、
超必殺技の演出中にビローアバイクで轢き逃げしたりといった形で使われている。
このビローアバイクは本来煙を動力としてエンジンを動かす物なのだが、
PS1のグラフィックの質のせいでペダルを全力で漕いで動かしている様に見えてしまう。
ちなみに、初代『グランドバトル』はCVが松尾銀三氏となっている数少ない作品であり、『2』からは大場真人氏に変更されている。

新世界編では覇気も習得している。相手が悪すぎて黒星も目立つが、
その実力は七武海のトラファルガー・ロー相手に、初見殺しで敗れこそしたもののかなり追い詰める程には高い。

モクモクの実自体、他の自然系に比べ海賊の「捕縛」には向いていても、煙故に火力がなく「撃破」には向いていないため、
攻撃方面ではやや難があるのが難点
(新世界編でも初期から使用しているホワイト・ブローが主力技のままなほど)。
覇気使用可能な相手には煙化を移動に活用したりリーチを伸ばすのに使用して戦闘に用いる。
一度ヴェルゴ戦では相手が熟達した覇気使いでありながら広範囲に煙化して隙を晒してしまったことがあったが、
これは海賊に借りを作るのを恥だという思想から直前にできてしまったローへの借りを早々に清算するべく、
勝利度外視でヴェルゴの持つローの心臓を奪還する目的で目晦ましを行ったためであり、
普段であれば「能力だけにかまけたそこらのバカ」のような使い方を行う事は無い。


MUGENにおけるスモーカー

Mikel8888氏による『JUS』風ドットを用いたMUGEN1.0以降専用のちびキャラが公開中。
ちびキャラながら広範囲攻撃を多数備え、距離を問わずに戦える。
また、機動性も高い上に空中で多段ダッシュも可能。
超必殺技はガード不可能の投げ技「ホワイト・キャッチ」や全画面攻撃「ホワイト・アウト」が強力。
AIもデフォルトで搭載されている。
紹介動画

出場大会



*1
実際、アラバスタ編で背後からルフィがぶつかってきた時は、正面にいたエース共々無効化出来ず吹っ飛ばされてしまっている。
どうやら能力の発動は任意、もしくは明確なダメージにならない攻撃は自動で無効にできない模様。


最終更新:2025年04月24日 14:46
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