癌に冒されて死を待つだけの身となってしまい、「自分とスパイダーマンの肉体と精神を入れ替える」という手段で生き延びようと画策、
スパイダーマンは抵抗したものの精神入れ替えが成功してしまう。
しかし精神入れ替えの際にピーターの記憶と直結したDr.オクトパスは、
あまりに辛く悲しい戦いを続けてきたスパイダーマンの人生に衝撃を受ける。
そしてピーターが最期に願った「自分の代わりにスパイダーマンになって、弱い人々を守るために戦ってほしい」という言葉を受け入れ、
「より優れた(スーペリア)・スパイダーマンになろう」 と決意。新たなヒーローとして活動を始める。
"Farewell, Peter Parker.
Know this, I will carry on in your name. You may be leaving this world,
but you are not leaving it to a villain."
(さらばだ、ピーター・パーカー。
お前は去ったが……お前の名を受け継いだ者は悪党では無い)
"I swear. I will be Spider-Man."
(誓うぞ。スパイダーマンになる)
"Better yet, with my unparalleled genius-- --and my boundless ambition--
--I'll be a better Spider-Man than you ever were. From this day forth, I shall become…"
(この比類なき頭脳と……果てしなき大志で……
お前を超えた、これまで以上のスパイダーマン……)
"…The Superior Spider-Man!"
(より優れたスパイダーマンにな!)
……が、元はヴィランなので容赦なく敵にとどめを刺そうとして自身の内に残っていたピーターの精神に止められたりしていた。
その後も、新装備を開発したり、ニューヨークの街に監視網を作ったり、
「より良いスパイダーマンとしての活動」を邪魔するピーターの精神を消去したり(実際には完全に消せはしなかった)、
私生活でもいちいち仕事で生計を立てるのも煩わしいと起業してみたり、人の体で真剣に恋愛してみたりとある意味やりたい放題にやっていたが、
最終的に グリーンゴブリンの攻撃からニューヨークを守りきれず、恋人になったアナマリア・マルコーニも人質として囚われてしまう。
折しもピーターの精神が復活してきたため「彼女を救えるのはより優れたスパイダーマン=ピーターだけだ」と判断。
愛する者のために自らは身を引き、アナマリアと愛し合った大切な思い出までも含めて自らの精神を消去し、ピーターに肉体を返却。
無事元のスパイダーマンが復活し、グリーンゴブリンは撃退されたのだった。
ページ最後のセリフだが、スーペリア・スパイダーマンから逆輸入されるように本当に8本脚の形態を手に入れた。
なお、スーペリア・スパイダーマンだった時期に時間を超える出来事があり、
その時にピーター復帰後に起きた大型クロスオーバー『スパイダーバース』に参戦している。
その結果、本家スパイダーマンや 日本のスパイダーマンとも共演している。
この時オットー自身はピーターの方が過去から来たと思っており、彼の存在に疑問を持ってはいなかった
(ピーターの精神消去により過去の記憶も見れなくなっていたため、ピーターが過去にこの事件を経験していない事に気付けなかった)。
当然ながらピーターとの仲は険悪。
レオパルドンが参戦してすぐにやられてしまった事に関して、指揮を執っていたピーターの責任をなじる台詞で
「お前の無能ゆえ(中略)最強の兵器を無為に費やした。それを操る有能なスパイダーマンとともにな」と東映スパイダーマンをベタ褒め。
ぎすぎすした場面だったが 日本の読者は歓喜。
やったよ本家アメリカのスパイダーマンに褒められたよ!(中身はドクオクだが)
他にもなにかとトラブルメーカーであったが、闘志を失っていた別次元のベンおじさんを一喝して立ち直らせる場面は必見。
彼もまた、居てくれなければ決して勝つ事はできなかった、スパイダーマン軍団の一員だったと言えよう。
とはいえ、色々やらかした末にいくつかの並行世界を存在ごと崩壊させたりもしたのだが
その後成仏するかと思いきや、科学系悪者集団であるヒドラがこっそりとドックオックの精神を装置に入れて保管しており、
ピーターのクローンボディに入れることで やっぱり復活。
一時期ヴィランに戻っていたが、結局ヒーロー(強硬派)に戻って「スーペリア・オクトパス」と名乗る。
『スパイダーバース』の続編クロスオーバー『スパイダーゲドン』にもスーペリア・スパイダーマンのコスチュームに戻して参戦。
やはりレオパルドンの戦力を高く評価しており、早期に味方に引き入れ、対ソラス戦の切り札としてソードビッカーを挙げている。
前回と同じく敵の殺害を主張したため(前回で殺していれば二度目の戦いは起きなかったという説得力があり、同意するスパイダーマンも多かった)、
反対するスパイダーマン達と対立してしまうが、二手に分かれたスパイダーマン軍の一方を率いて活躍。
「(そちらの世界の)Dr.オクトパスが狂乱する前は恩師のような関係だった」というPS4版スパイダーマンや、
性別が入れ替わった平行世界のオットー自身であるDr.オクトパス(Earth-1104)などの理解者が加わり、
何かあるとすぐ喧嘩になってしまうピーター・パーカーが不在という発言が通りやすい状況、など活動しやすい環境が整っていた。
特に、いちいち極論に走りがちな彼を上手に軌道修正してくれるDr.オクトパス(女性)の存在が大きく、
基本的に他人を無能扱いする彼も 同じDr.オクトパスを無能よばわりはできないため彼女の意見は素直に聞き入れるという好循環を生む、
わがままな夫を上手く操る嫁名コンビとなっていた。 ただ、あのおかっぱデブがそのまま女になっただけなので容姿は期待できない
さらに、今度は もっと酷いトラブルメーカーがいたので「最悪のスパイダーマン」扱いでは無くなり、
マイルズ・モラレスと並んで主人公の一人と言えるほどの待遇であった。 代わりにピーターが空気
スーペリア・オクトパスのタイトルで個人誌も持ち、長らく活動したが、
その後『シニスター・ウォー』を経て再び元の肉体を取り戻しDr.オクトパスが復活。
なんだかんだ元通りになったのであった。
なおピーターの外見からデブのおっさんに戻った結果、アナマリアからはこっぴどく振られたらしい。泣ける。
「少年ジャンプ+」でマーベルコミックとのコラボ企画『スパイダーマン:オクトパスガール』という漫画が始まり、
いつものようにスパイダーマンにやられてクローン体に意識を移して逃亡しようとしたものの、
いろいろ事故が重なって日本の女子中学生「奥田宮乙葉(おくたみや おとは)」の体に移ってしまう。
オットーは本来の体に戻る事を最終的な目標とするものの、さしあたっては乙葉と意識を切り替える装置を作ったり、
乙葉の人間関係について暴力で解決しようとしたり、勝手に髪型を自分のおかっぱ刈り上げに変えちゃったりと目の前の状況に対処していく。
乙葉も一般人ではあるが芯の強い子で、オットーのヴィラン流の言動に振り回されつつもきちんとコントロールして事態を好転させる。
オットーはちょっと褒められるとすぐデレるチョロいおっさんだった事も判明
「博士が本当はいい人だってことはちゃんと分かってます
ほかの子たちだって みんないいトコあると思うんです」
そんな二人の前に、過去のバックアップとして保存されていたスーペリア・オクトパス時代の意識が再生されて復活。
(自分流の)ヒーローであろうとするスーペリア・オクトパスと、
それはもう体験して失敗し「自分はヴィランなのだ」と結論付けたDr.オクトパスは対立することになる。
スーペリア・オクトパスはヒーロー活動として悪徳企業アクロス・カンパニー日本支社を攻撃しようとするが、
その手駒として利用されている少女「当麻多華(とうま たか)」は乙葉の旧友であり、
乙葉は多華を助けるべく、Dr.オクトパスは過去の自分と対決するべく行動を起こす。
だがアクロス・カンパニーの陰謀は予想以上で、Dr.オクトパスとスーペリア・オクトパスは協力してアクロスに立ち向かう事になる。
乙葉の活躍もあって事件が解決した後、Dr.オクトパスは乙葉と精神を分離して本来の肉体へと帰還した。
乙葉は多華ら友人達との関係を改善して日常生活に戻り、スーペリアは日本で新たな人生を歩む……と、皆がそれぞれ幸せになる大団円を迎えた。
また、前述の『ライフストーリー』のように、こちらでもオットーはメイおばさんやアナマリア達これまで愛してきた女性を真摯に想い続けていたこと、
そして愛する女性に受け入れてもらう事で魂が救われる姿が描かれている。
この作品はアメコミからの引用が非常に多く、『ライフストーリー』を念頭に置いた展開であったとしても不思議では無い。
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