+ | パイロット、カロッゾ・ロナについて |
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「わ、私も感情を持つ人間だ。素顔であれば今お前を殴り殺していたかもしれん。
それを抑えるためのマスクなのだ。人類はかほどに情念を押さえねばならない時代なのだよ」
元々はバイオ・コンピューターの研究者で、旧姓はカロッゾ・ビゲンゾン。
大学院にて安全なサイコミュの研究をしていた彼はある時ナディアと出会い、交際の末に入籍。 ベラ(セシリー)の兄と言えるドレル・ロナは元々は彼の連れ子だった(前妻及び離別理由は不明)。 更に彼はナディアの兄であるハウゼリーとも出会い、腐りきった連邦政府の改革という考えにも賛同した他、 両名の父にしてブッホ・コンツェルンの現総帥マイッツァーのコスモ貴族主義にも共感。 同時にブッホ・コンツェルンによるMS開発のノウハウ構築も兼ねた産業スパイ部隊「バーナムの森」を任された。 しかしナディアはロナ家の家風を嫌い自由というものに憧れており、カロッゾと交際したのもそれが理由だったのだが、 当のカロッゾがマイッツァーやハウゼリーからの影響もありロナ家の期待に応えるべく尽力する様に失望、 ベラを伴いシオ・フェアチャイルドの下へ駆け落ちする(ロナ家の追跡を避けるために、ベラもセシリーへと変名させられた)。 更にハウゼリーもまた、連邦議会にて上申した政策「地球保全法」「過当医療禁止法」を危険視された事で宇宙世紀118年に暗殺 (前者は特殊鉱物資源の採掘を除き人類の地球降下を禁止し、不法居住者が一年以内にスペースコロニーへ移住しない場合、 衛星軌道上からビーム攻撃を行うもので、後者は主に富裕層の過当な延命医療に厳罰を下すもの)。 この衝撃的な出来事の数々によりカロッゾは自らを強化し、今の姿となった。 カロッゾに施された強化処置は過去の強化人間と比べると異質なものであり、生身で宇宙空間を遊泳する事に加え、 MAを脳波コントロールにより操縦する事や、モビルスーツのコクピットハッチを素手で抉じ開ける程の怪力を有し、 (仮面のおかげとはいえ)頭部に銃撃を受けても無傷という人外ぶりを発揮している (なお、演説中に銃撃を受けた場面では反撃として仮面の鶏冠を投げ返すという場面となる予定だったが、 スタッフの説得により没になった。
劇中にて下記のラフレシア・プロジェクトに基づきフロンティアIにバグを放ち、自らもラフレシアを駆り出撃。
IフィールドによりF91やビギナ・ギナの攻撃を寄せ付けず、テンタクラーロッドでビギナ・ギナを破壊し拘束、 ハッチを抉じ開けセシリーの前に姿を現し、冒頭の台詞で迫る (その直後の「しかも脳波コントロールできる!」の台詞は度々ネタにされている。 前述の鶏冠を外すシーンが無くなった事で、頭部がサイコミュ用に改造されている設定の開示が唐突になってしまっているのが原因)。 そしてセシリーを宇宙空間に放り投げた直後、それを目撃したシーブックの駆るF91は真の力を開放。 機体冷却の為の金属剝離による質量を持った残像に翻弄された末、ラフレシアのコックピット付近へ急接近してきたF91の姿に狼狽。 咄嗟にテンタクラーロッドで迎撃を試みたが、自らのコクピット目掛けてビーム砲を乱射してしまう結果となり自滅した。 「マシンを脳波コントロールできる」身体になった結果、恐怖心に屈して自らを撃ち抜いてしまった末路は皮肉というほかない。
「化け物かっ!?」
顔を捨てた人間味の無い悪役と見せかけて、実際の所は針の筵となってしまった婿養子先で必死に成り上がった末、
自分を裏切った妻と間男を成り上がり権力できっちり制裁するという 「自分もこういう境遇ならこうするだろうなあ」と思わせてくれる人間味の塊であり、本作の影の主役といって差し支えない。 一方で「私は機械ではない、任務遂行の為にエゴを強化した者だ」という本人の発言があり、その肥大したエゴのままに、 大規模な破壊と殺戮を繰り広げるという点においては、同監督の過去作『ダイターン3』のメガノイドに相通ずるものを感じさせる。
「しかも脳波コントロールできる!」
「しかも手足を使わずにコントロールできるこのマシンを使う私を ナディアと同じように見下すとは! つくづく女という物は、御し難いな!」
「そうさせたのは、仮面を外せない貴方でしょう!」
「まだ言うか!!」
……と、マイッツァーから「人類の10分の9を抹殺しろ」と命じられた結果として下記のバグによる虐殺を担ったりはしたものの、
強化前の彼は木星公団時代のフォンセ・カガチより木星側とブリエット家との縁談の相談に乗ったり、 連邦の人狩り部隊であるマハに嫌悪感を抱くなどと真っ当な感性の持ち主であり、ハウゼリーの理想が高潔だが急進的過ぎるが故、 何か良からぬ事が起こりかねないとし、身命を尽くして彼を守る決意を固める等と良識的な人物であった。 不幸だったのはハウゼリーの暗殺に加え、交際したナディアが自由と身勝手を履き違えたまま年を重ねた女だった事と言えよう。
なお、駆け落ち後のナディアはシオにも幻滅した挙句「ロナ家に見つからぬ為」と称してセシリーを放り出し失踪した為、娘にすら憎まれていた。
映画劇中では単なる小物としてあっさり死亡退場した物の、後年の作品で小人なりともセシリーを父として愛していた描写がされ、 セシリーからも「父親として自分を立派に育ててくれた」とフォローされる事となったシオとは対照的である。
ちなみに『ガンダムUC』の登場人物であるアンジェロ・ザウパーがカロッゾの息子ドレルと似すぎている
アンジェロこそが若き日のカロッゾなのではないかという都市伝説もある。 まあ、上記の経歴と合わないし、鉄仮面になる前のカロッゾが金髪だった資料もあったりするのであくまで与太話、ネタの類である。 ちなみに鉄仮面になる前のカロッゾの素顔は小説版『機動戦士ガンダムF91』にロナ家の肖像という形で描かれている他、 近年では『ガンダムビルドファイターズ』第23話において、ガンプラバトル世界大会の会場にいる背景キャラとして登場している。 こちらではセシリー、ドレル、ナディア達と一家揃ってガンプラ組み立て教室に参加しており、その姿は大変微笑ましい (ロナ家に限らず、本作にはモブキャラとして様々なガンダムキャラの「そっくりさん」が登場しており、いずれも幸せそうにしている)。 |
+ | ロナ家、クロスボーン・バンガードについて |
宇宙世紀の開闢より問題視されたスペースデブリの回収を担う複合企業体「ブッホ・コンツェルン」を運営する貴族
(その中心たるブッホ・ジャンク社はバナージ・リンクスのバイト先でもあった)。 創設者、シャンホルスト・ブッホは一代にしてブッホ・ジャンク社を大企業にまで育て上げた異能の経営者ではあったものの、 企業経営を通して民主主義社会の退嬰やスペースノイドの地球に対する不感症じみた感覚、コロニー公社への不信感等を感じた彼は、 愚昧な大衆による社会運営ではなく、高貴な精神や高い知性を備えた選ばれしエリートによる社会運営を理想として考えるようになる。
その第一歩としてヨーロッパにおける名門貴族ロナ家の家名を購入し、以後は貴族として理想体現の第一人者として邁進。
シャルンホルストの死後、その志はマイッツァーに受け継がれ、父親譲りの卓越した経営能力によりブッホ社はさらに事業を拡大、 彼にとっての兄であるエンゲイストがエゥーゴ派の議員として連邦中央議会に進出した事をはじめ、政界とのパイプを密にしていく (上記のハウゼリーが連邦安全保障議会の重鎮になったのも、そういった人脈による所が大きい)。 マイッツァーはコロニー開発の過程で連邦政府の腐敗を知ると、幼少の頃から父に教え込まれてきた貴族精神を、 「コスモ貴族主義」として昇華、父の理想である貴族主義統治を実践する理想国家「コスモ・バビロニア」の建国にあたり、 その尖兵たる私設軍隊「クロスボーン・バンガード」を編成。 デナン・タイプを筆頭に当時の連邦軍の保有戦力を凌駕する高性能MSと、それを扱いこなす高水準の人材を育成した (上記のバーナムの森は同軍におけるMS開発・運用データ収集を目的としたものであり、デブリ回収業者を隠れ蓑に、 回収したジェガンを修復・改修し運用。その際、デナン・タイプに酷似したセンサーを左目に装備している)。 人材育成においてはブッホ社の職業訓練校を隠れ蓑としており、旧来の思想に染まり切っていない若者達を選抜し徹底教育。 とりわけ優秀な者は連邦軍の士官学校に入学させ、兵役を満了した上で帰還させた。 これには将来の決起に備えて主敵たる連邦軍の戦術などを学ぶ他、組織としての問題点を実際に体験させる狙いもあったようだ。
そうして秘密裏に決起の準備を進めてきた彼らはフロンティアIVを急襲、コスモ・バビロニア建国戦争の発端となる。
クロスボーン側の高性能機やパイロット達の士気の高さに加え、守備隊の連邦軍の体たらくぶりも相まって瞬く間に制圧するも、 その後はクロスボーン側の一部戦力の離反やラフレシア・プロジェクトの頓挫の末に連邦軍との戦闘は膠着状態となり、 最終的にロナ家長女ベラ・ロナに戻る事にしたセシリーによる貴族主義を否定する演説によって、組織は崩壊する事になる。 その後、クロスボーン・バンガードはベラの下で木星帝国に対抗して暗躍する宇宙海賊に新生したものの、一連の戦争は連邦政府の力の衰退を露呈させ、 これがコロニー単位での自治独立を目指すコロニー国家主義、ひいては宇宙戦国時代へと繋がっていくのだった。
「貴族の定義?自分で言い出すんだろ」
「何十代にも渡る血統?その何十代前のそもそもの御先祖様は何で貴族なんだよ」 ──新生クロスボーン・バンガード所属、ウモン・サモン談
それにしても、限界を迎えつつある地球を維持する為、超エリート達による統制社会を敷こうとしたクロスボーン・バンガードの残党が、
木星圏という地球圏以上にかつかつの生活圏を維持するため、人命よりMSの方が価値があるというレベルにまで極まった統制社会という、 ある意味自分達の理想の果てとも言える木星帝国と相対する事になるのは皮肉な話である(尤もベラがトップに立った時点で方針が逆転しているわけだが)。 そしてベラがロナ家の人間だから従っていただけで、 未だ貴族主義に固執していたサビーネ・シャルは新生クロスボーン・バンガードを裏切り木星帝国に寝返る事に。
ちなみに、木星帝国とカロッゾの関係としては、『Vガンダム』のフォンセ・カガチから地球と木星の縁談について相談を受けて、
自分の経験からか人物の優れた良家の令嬢を嫁がせることを提案したことが『F90FF』で明かされている。 |
+ | 無差別無人殺人兵器「バグ」 |
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「クソッ! 人間だけを殺す機械かよ!?」
地球環境を再生するため人類の9割を間引きするという狂気の計画「ラフレシア・プロジェクト」に基づいて、
クロスボーン・バンガードが開発した 外観は円盤の外周にモビルスーツの装甲すら切り裂けるチェーンソーユニットが付いた浮遊端末。 母機にあたる「親バグ」とそれに内蔵された「子バグ」の二種類が存在し、親バグはミノフスキークラフトとバーニアによる浮遊機能を持ち、 武装の大型チェーンソーで人間とその周囲の物を切り刻む攻撃を行い、親バグが侵入出来ない小さな場所には子バグが突入し熱線攻撃と自爆を行う。 人間の生体反応である体温や呼吸によって吐き出される二酸化炭素を感知する高度なセンサーを備えているため、 屋内に隠れて息を潜めた人間でも容易に発見、抹殺する事ができる。
「テスト」としてフロンティアⅠに大量投入され、その結果が良好であれば月都市や地球へ向け放たれる予定であったという。
戦場では既存の敵味方識別装置を用いてクロスボーン・バンガードの友軍機は攻撃しないよう設定されており、 またクロスボーンの機体の側もバグに対しては自発的な攻撃ができないシステムが組まれている。 劇中では連邦軍(より正確にはそれに協力していたレジスタンスの学友達)に投降してこれに協力していた、 セシリー・フェアチャイルドのビギナ・ギナは敵味方識別信号を変えていなかったため、 バグに対してはビームシールドを展開させての急接近(バグから見れば友軍機の誤操作・無理な機動による事故)で撃墜したり、 同行していたF91に肉薄する事でバグの攻撃からこれを守る、という対策をとっていた。
このような性質上、バグは戦場において戦闘員同士が銃口を向けて戦うための機動兵器ではなく、
敵対する人種を老若男女無差別に、かつクリーンに効率的に虐殺するためだけの兵器だと言える。 核兵器のように放射能汚染するでもなく、毒ガスや細菌兵器のように毒物を撒くでもなく、 更には兵士が戦場で直接引き金を引く事すらない、ただひたすら「きれいな浄化」をするための武器なのである。 後のザンスカール帝国の「地球クリーン作戦」に通じる所もある。 日本サンライズの別作品『蒼き流星SPTレイズナー』にも対人制圧用の無人兵器「スカルガンナー」が登場したが、 狭所を虱潰しにする子機をばら撒く分、バグの方が徹底されている感があり心胆を寒からしめる。
初の実戦投入となったフロンティアⅠではその性能をフルに発揮し、現地の民間人や連邦兵・レジスタンスを文字通り蹂躙。
コロニーから脱出する途上で状況確認と救援の為に派遣された練習艦スペースアークのMS隊と交戦に入るが、 そのあまりの残虐さに冷静さを欠き突出してしまったビルギット・ピリヨ(※上記台詞の発言者)のヘビーガンを撃墜。 動揺しつつも機転を利かせたシーブックによりほぼ全てのバグはコロニー外に誘導の後撃墜され、 バグの制御を行っていた宇宙戦艦ザムス・ガルもセシリーにより撃沈された。
バグのあまりの外道ぶりには味方であるクロスボーン・バンガードの将兵にも嫌悪感を露わにした者が多く、
有力な若手幹部であったザビーネ・シャルを始めとして、離反者も多数現れてしまっている。 なお、このプロジェクトは総帥カロッゾ・ロナを中心とした首脳部の下で極秘に進行されており、 幹部であるザビーネすら知らなかった。 それどころかカロッゾはラフレシア・プロジェクトが成功した暁には、マイッツァーを穏便に隠居させる算段を立てていた節もあり、 劇中でセシリーがバグを見た時に発した「お爺様も知らない事よ」という反応も考慮すると、 ラフレシアやバグの存在はエゴの強化によって「効率の怪物」と化したカロッゾの暴走の結実と言えよう。 マイッツァー自身は高い理想を持つ一方で過激な人種差別的思想を併せ持っている人物ではあるのだが、 上記の「人類の10分の9を抹殺しろと命令された」という鉄仮面の言葉も、実際はそこまで過激な事は言っていないのを勝手にそう解釈した可能性も高い。
また、漫画版ではバグに一般人が轢き殺されるグロテスクなシーンが描写されていた。
……が、怒れるシーブックの前には
「しずかにしろってのトゲゾーくんてば、射撃大会のはじまりなんだから……」
漫画版『∀ガンダム』では、愛くるしいマスコット、ハロに化けてソシエ達を襲うという恐ろしさを見せた。
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+ | 没メカ「メドザック」について |
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ラフレシアの前身として知られていた没メカ。
「メデューサのようなメカ」「正式名称はメドザック・バスース」という断片的な情報こそ知られていたが、その詳細は謎に包まれていた。 2020年にデザインを担当した石垣純哉氏によって、サンライズから返却された当時のラフが公開され、その全容が明らかとなった。
ラフレシアと同じ巨大MAであり、テンタクラーロッドを装備しているという点も同じだが、本体は花ではなく人間…というか彫像のような姿をしている。
足は流線型でスラっとしているものの、腰と肩からは無数のロッドが生えており、何より頭部は鉄仮面のマスクと同じデザインになっている。 頭部からは背中に向かって4本のケーブルが伸びており、これが前述のメデューサという評に繋がっているのだろう。 また、胸部のデザインはビギナ・ギナへと受け継がれている。 本来の仕様のままだと公開が間に合わない恐れがあったため、テンタクラーロッドから機能をオミットしたラフレシアを『F91』のラスボスとし、 メドザックは続編『F92』に登場させることとなったが、30年後を舞台とした『V』に企画が変更されたためそのまま没となった。 |
+ | SDガンダム |
『SDガンダム外伝』では第2部「円卓の騎士」にて、ザビロニア帝国の帝王グレート・デギンが呼び出した「邪獣エレメンタルラフレシア」として登場。
帝王グレート・デギンと融合して邪獣王ギガサラマンダーと化した。 ちなみにギガサラマンダーのデザイン元は、 アーケードゲーム『機動戦士SDガンダム サイコサラマンダーの脅威』の表題にもなっている本作オリジナルのラスボス、サイコサラマンダー。 ビグ・ザム、エルメス、ジオング等といったジオンのモビルアーマー達を悪魔合体させたような異形の機体である。 一方、漫画版では帝王グレート・デギンの邪獣王の力を封印する悪道士α・アジールが聖杯に触れようとして呪いで怪物にされた姿という設定で登場。 倒してしまったことで力の封印が解け、帝王グレート・デギンが邪獣王に戻る展開になっている。
『SDコマンド戦記』では第3部「SUPER G-ARMS」にて、コスモザタリオン帝国が送り込んだ「惑星破壊兵器ラフレシア」として登場。
他の惑星近傍にも転移してきており、全てのラフレシアを制御するマザーラフレシアを破壊して自分達の惑星と銀河を救うため、 1~2部のメンバー達はSUPER G-ARMSを結成して宇宙へと飛び立った。 その後、キャプテンガンダムFFが進化したキャプテンフォーミュラー91によってマザーラフレシアは破壊された。
『タマロイド 超Cガンダム』では花弁上部のダクトがモノアイにアレンジされて表情豊かになって登場。
花に似た容姿を利用し、伝説の「らびあんの薔薇」に成りすまして主人公の仲間を改造してしまった。 主人公のきゅ~いちは非情な言動に疑問を覚えて正体を暴き、苦戦の末に撃退する。 |
+ | 外部出演 |
『スーパーロボット大戦』シリーズでは第1作目発売当時のガンダムシリーズ最新作のラスボス機体に相応しく、
カロッゾが操縦する強力なモビルアーマーとして描かれる事が多い。 劇場版公開の1991年に発売された『第2次』で初参戦し、この時はカロッゾがDCの精鋭部隊「ラストバタリオン」の指揮官を務めるという優遇ぶりだった。 そういう事情もあって猛威を振るったが、旧シリーズではその後もDC所属の機体として扱われ続け、 原作通りにクロスボーン・バンガードで運用されたのは『COMPACT』からと意外と遅い。
『α』シリーズでは1作目で早々にカロッゾが戦死したが、ラフレシアの方は『第2次α』で続編の『クロスボーン・ガンダム』参戦に合わせて再登場。
同作ではカロッゾの遺した機体が木星帝国で量産され、人工知能の制御によって稼働するという、 良心もエゴも持たない正真正銘の「機械のバケモノ」と化した姿からベラを絶句させた。
『X』ではアクシズで撃墜された機体に代わり、ヘルメスの薔薇に残されていた設計図からカロッゾが復元したという設定で登場。
ストーリー上は宇宙世紀世界最後の敵として立ち塞がり、 バグの代わりに『クロスアンジュ 天使と竜の輪舞』のピレスロイドを送り込むというクロスオーバーが描かれる。
『ガンダムVS.』シリーズでは、『ガンダムVS.ガンダム』ではF91勢のGクロスオーバーとして登場した他、
F91勢のステージのモチーフとしても出演している。 『NEXT』では家庭用『NEXT PLUS』の追加ボスキャラとして登場。 ダウンさせても攻撃が途切れないのが特徴で、格闘機だと苦戦必至の厄介なボスとなっている。 『EXTREME VS.』では家庭用にトライアルモードの敵として登場し、『FULL BOOST』から『MAXI BOOST ON』まではアーケード版にも登場した。 EXVSでは全MAの中でもトップクラスの強敵だったが、FBでは低難易度ルートのため弱体化し、その後も登場するルートで強さが変わっている。
『コンパチヒーローシリーズ』のRPG『ヒーロー戦記』ではカロッゾが未登場……というよりシーブック以外の『F91』キャラが一切出てこないので、
マ・クベが操縦する秘密兵器という設定になっていた。 『ガイアセイバー』では終盤で鉄仮面が乗ってボスとして登場するのだが、場所が何故か屋内(機関室)のためよくツッコミを入れられる。絵面が窮屈そう。 『ロストヒーローズ2』ではボスキャラとして登場。 モビルスーツやウルトラマン、仮面ライダーに変身者やパイロットの人格が反映されているという設定なので、 ビギナ・ギナとは似ても似つかない親子になっている。 本作の敵は、戦闘時でも基本的に一枚絵で表示されているが、ラフレシアは3Dモデルが別途製作され、迫力のある戦闘が楽しめる。
スマホアプリ『U.C.ENGAGE』のシナリオ「クロスオーバーUCE」では、
『ガンダムUC』『ガンダムNT』『F91』『V』の戦乱が間を置かずに連続で起きたという設定となっており、 一度撃破された後、ザンスカールに回収されたという設定でラフレシアと共に登場するのだが、 ラフレシアとバグを動かすための物言わぬ機械として調整されてしまっていた。 このイベントが行われた2024年には声を演じた前田氏が亡くなられている為の措置と思われるのだが、 しっかり代役が充てられたシーブックやザビーネらに比べると何ともな扱いというか… (尤もその二人の場合オリジナルキャストが没してからしばらく経っていたので、代演声優を吟味する余裕はあったと思われるのだが)。 ちなみにこのシナリオではアンジェロとカガチも登場している。 |