エアーマン






 識別:DWN.010
 長所:風格がある
 短所:先輩風をふかす
 好きなもの:メンコ
 嫌いなもの:落ち葉の季節

「なんだ、お前、吹き飛ばすどー」

ロックマンシリーズ第2作目『ロックマン2 Dr.ワイリーの謎』に登場する8大ボスの1体。
青い扇風機に手足の生えたような外見が特徴で、初代のイエローデビルのように頭がなく人間で言う所の鎖骨付近に目がある*1

行動パターンは「6発の竜巻を三回出し、ジャンプしながら反対側へ移動してまた竜巻」を繰り返すだけなのだが、その竜巻が非常に厄介で、
複数の小さな竜巻を発生させる特殊武器エアーシューターは弱点武器であるリーフシールドさえ吹き飛ばしてしまう。
加えて、同時に風が吹いてロックマンが押し出されるため後ろに回り込んでバスター連射という策も通じない。
ステージの端が落下する崖ではない事が救いだろうか。
その強さたるや、ニコニコでは「エアーマンが倒せない」という楽曲まで作られるほど。

まさしく『2』のボスでも屈指の強豪と言えるだろう。
+ ……と言いたい所だが
実際の所、そんな巷で言われるほど強くない。というかむしろ『2』のボスの中では弱い部類である。
何故かと言うとコイツ、確かに竜巻を避け切るのは難しいのだが、竜巻の威力は1発4ダメージとそれほど大きくない。
そしてこっちのロックバスターは1発で2ダメージ通る。さらに竜巻を出している間は一切動かない。
つまりどういう事かと言うと、竜巻への被弾はさして気にする必要は無く、
とにかく竜巻より前に出て棒立ちのエアーマンを撃ちまくっていればそれで勝ててしまう。
なんなら竜巻を一切回避せず、ひたすら前進しながらバスターを連射するだけのゴリ押し戦法でもあっさり倒せるのである。
一応本体との接触はダメージが非常に大きいので避けるべきだが、挙動的にほぼ当たる心配は無いと言っていい。
たとえこちらのライフが半分程度でE缶無しでも、ダメージレースにさえ持ち込めばロックマンの敵ではないのだ。
エアーマンは倒せる
ノーダメージでも倒せる

ちなみに、「エアーマンが倒せない」も歌の主題になっているのはエアーマン本人の強さではなく
「詰まりポイントをアイテム2号で突破したいのに、それを持っているあんまり強くないはずのエアーマンすら倒せず、
 更にそのエアーマンの弱点を持っているウッドマンも倒せなくて八方塞がり」
(そして歌には無いが、そのウッドマンの弱点武器を持っているヒートマンのステージがアイテム2号で突破したい場所である)
という初心者プレイヤーの嘆きだったりする。
上記のようなゴリ押し戦法はバスターでのエアーマン戦の最適解とも呼べるもので、
同曲の歌詞のように回避を意識しすぎると竜巻に攻撃を阻まれ、逆に苦戦させられてしまうなど、知らないと厄介な部分があるのも事実。
エアーマンを倒すには「竜巻が回避できないなら竜巻に当たっちゃっても良いさ」という、逆転の発想が必要なのだ。
知名度がありすぎて誤解を産んではいるものの、完全に的外れな歌詞というわけではない、という事も付け加えておく。
まあそれでも正直エアーマン本人よりエアーマンステージ道中の方が難易度高い気はするけど

倒すと使用可能になる特殊武器「エアーシューター」は軌道がやや異なる竜巻を斜め上に三つ飛ばすというもの。
対空武器としてはメタルブレードにお株を奪われやすく、燃費もあまり良くないが、
スナイパーアーマーやチャンキーメーカーなど耐久力の高い雑魚敵への通りがいいため使い所は多い方。
至近距離で当てれば3発同時にヒットするため一瞬で処理してしまえる。

『スーパーアドベンチャー』では最後に戦う『2』のボスとして立ちはだかる。担当声優は 古田信幸 氏。
原作のようなジャンプではなくホバー移動をしながらエアーシューターを三発同時に撃ってくる。
たとえ負けてもトドメを刺される直前でエレキマンに救出される形でコンティニューが可能。

アーケードゲーム『ロックマン2・ザ・パワーファイターズ』にも敵として登場。
おなじみのエアーシューター以外にも、ゴミを吸い寄せて勢いよく発射するというダストクラッシャーのような技が追加されている。
本作ではウッドマンが登場せず、弱点武器はスーパーアームとなっている。
また、ガードの際は何故か中央のファンが巨大化する。
ちなみに、原作でエアーシューターが弱点だったクラッシュマンが本作に登場しないため、クイックマンの弱点となっている。
一応こちらのエアーマンも喋るのだが、声優名が非公開となっている。

台湾のアプリ『ロックマンX DIVE』ではバスター系の武器「エアロバスター」となって登場を果たす。
エアーシューターを模した小型の竜巻を発射し、一定距離飛ぶと戻ってくる。
強化する事で竜巻が敵や一部の障害物を「貫通」するようになったり、一時的に素早さが上がる「おいかぜ」等のスキルを習得できるため、
スティングレイ同様、タイムアタックでは重宝される。
また、チャットのスタンプの一つにエアーマンのドット絵が存在する。

+ どこへ急ぐロックマン?──地獄へか?
有賀ヒトシ(現・ありがひとし)の漫画作品『ロックマンメガミックス』及び『ギガミックス』にも登場しており、
肩幅の大型化など武骨なデザインにアレンジされている。
本格的な登場は『2』を再現した『R破壊指令』からであり、部下との協力で大型台風を巻き起こしつつ、
フラッシュマンと共にロックマンの前に立ちはだかる。
バスターをエアーシューターで全て弾き返すなど戦いを有利に進めていたが、
カットマン達がロックマンと合流した事で戦況は一変、部下を全て倒されてしまう。
その後は増援に現れたメタルマンクラッシュマンと共にライトナンバーズと交戦するものの、ロックマンの活躍で本命のスカル衛星作戦は失敗。
自らも「これ以上戦う理由はない」と判断し、メタルマン達を連れて撤退した。またこの時ライトナンバーズを「戦士」と認めている。
武人肌の豪傑でありながら冷静さも併せ持ち、セカンドナンバーズのリーダー格として描かれる事が多い。

「我らが主、ワイリー様の野望成就の為!!
 邪魔になりそうな貴様を倒す!」

+ アメコミ版のエアーマン
"Poor child. You should've known……"
(哀れな小僧だ。わかっていたはずだろう……)

"You can't beat me"
(お前に俺は倒せない)

Archie Comics版『MEGA MAN』では、エアーマンに「You can't beat me(お前に俺は倒せない)」という台詞がある。
件の歌の英題が「I can't beat Airman」であり、このセリフだけフォントが太字のため、オマージュセリフなのは間違いないだろう。
本作の後には海外版ソーシャルゲーム『ドラゴンコインズ』のコラボイベントでも「エアーマンが倒せない」が使用されているため、海外認知度も高いようだ。

初登場は単行本第二巻、『ロックマン2』編のプロローグである「Time Keeps Slipping」で、
脱獄に成功したDr.ワイリーが開発した新たなるロボットマスター(ボスキャラクターの作中での称号)の1体として存在が示唆され、
続く第三巻「Return of Dr.Wily」で、ついに八大ボスと連戦を続けるロックマンと対峙。
アトミックファイヤーを物ともせず胸のファンの風だけで吹き飛ばすなど、そのセリフ通りの強さを見せ付け、
エアシューターでロックマンを満身創痍になるまで追い詰めたが、ロックマンが咄嗟に切り替えて放った最後のリーフシールドの直撃を受け、撃破された。

"No! Impossible! You can't beat m──"

(馬鹿な!ありえん! お前に俺は倒せな──)

しかしDr.ワイリーは前回の戦いからロックマンが敵のチップを組み込む事を見越し、8大ボス1体ずつにマルウェアを仕込んでおり、
ロックマンはこれによって徐々に暴走、そしてライト博士のワクチンプログラムインストールも間に合わず、
8大ボス撃破と共にワイリーの走狗となってしまう。
「8体のロボットマスターが撃破されて自分は敗北するとしても、その時には最強のロボット1体が我が手にある」と高笑いを上げるワイリー。
この危機に際し、かつてロックマンに救われた恩返しとして、ライトブリゲート(ライトナンバーズ)がロックマンを救うべくワイリー城に挑む。
……という風に物語は続いていく。

その後はクロスオーバーDr.エッグマンが現実改変を引き起こした事で、その尖兵としてロックマンの前に立ちはだかるなどの事件を経て、
第七巻「Blackout - The Curse of Ra Moon」にて、『スーパーアドベンチャーロックマン』のラスボスであるラ・ムーンによって復元を果たす。
当初はDrワイリー共々ラ・ムーンに従っていると思われたが、実際はワイリーがラ・ムーンに利用されているに過ぎない事に気付き、
創造主であるワイリーを救うため虎視眈々と造反の機を窺っており、ラ・ムーン討伐に現れたロックマンと対峙した際にその事を明かす。
これによりラ・ムーンに忠誠を誓っていたシャドーマン(本作のシャドーマンは、ラ・ムーン製のものをワイリーがレストアしたという設定)に粛清されかけ、
渋々ながらロックマンと同盟を結び、同じく造反した2ボス達と共にラ・ムーン配下のロボットと対決していく事になる。
ラ・ムーンとの決戦ではEMPに晒されて窮地に陥るも、ロックマンがラ・ムーンを撃破した事で生還し、
主人を失って自暴自棄に陥っていたシャドーマンを取り押さえ、改めて仲間に加える事で彼に新たな生きる目的を与えた。

……が、例によって懲りずに新たな野望を目論むDr.ワイリーの指示でブレイクマンにより電子頭脳と特殊武器を奪われ、ドクロボットに組み込まれてしまう。
ドクロボットは同時に8体のチップを起動したせいで暴走、ロックマンに撃破されるも、これはワイリーによるガンマ完成のための時間稼ぎに過ぎなかった。
事件解決後は、ワイリーの「遺言」によりDr.ライトの手で電子頭脳を元のボディに戻され、他の2ボス達と共に復活。
不本意ながら以前自分の破壊した気象観測基地の再建に従事し、
気象予報ロボットとして天候の観測、暴風などの対処に当たっている事がエピローグで語られた。

+ 『エグゼ』シリーズのエアーマン
ロックマンエグゼ』シリーズでは『エグゼ2』に登場する。
ビジュアルは原作と比較して頭身が高くなっているが、青を基調とした色合いや胸の扇風機などに大きく変化は無い。
敵組織であるネットマフィア・ゴスペルに所属している風吹アラシのナビであり、同作の最初のボスを務める。
ガス湯沸かし器を暴走させ、毒ガスを噴出させるという事件を繰り返していた。

最初のボスだけあって攻撃は単調であり体力も低く、慣れればどころか初見でも十分倒せる弱さである。
次のボスが比較的強めのクイックマンであり、その点もエアーマンの弱さを際立たせる要因となっている。
実はガス会社の集金ナビをカスタマイズしたものらしく、大した戦闘力を持たないのもそのせいとの事。

ナビチップはエリア全体に竜巻攻撃を浴びせるもので、前作のナビチップっぽい性能となっている。
低威力だが1マス前の敵には竜巻の発生と移動の両方に攻撃判定があるため2ヒットする。
しかし風攻撃なのに穴パネルを越えられない上に敵全体に高威力の攻撃ができるナビチップがあるため、使い道はほとんど無いだろう。


MUGENにおけるエアーマン

海外で製作されたものが数体確認されている。

+ Calamix氏製作
  • Calamix氏製作
現在はサイトの消失により入手不可。
『パワーファイターズ』のスプライトを使用したエアーマン。
正面・斜め上・斜め下の三方向に発射するエアーシューター、トルネードホールドの設置、鳥型メカのピピを召喚、
竜巻を纏って突進などのアレンジ技が追加されている。
AIは搭載されておらず、一部のゲージ技でゲージが消費されない不具合もあった。
ちなみに、下記の『MVC』仕様のエアーマンの上半身のスプライトとしても使われている。
紹介動画(※DLリンクは無効)

+ Laspacho氏 & DarkCipherLucius氏 & Magma Dragoon氏製作
  • Laspacho氏 & DarkCipherLucius氏 & Magma Dragoon氏製作
フォルダ名は「RMM_Airman」。WinMugenで動作可能。
「Infinity Mugen Team」にて代理公開されているエアーマン。
スプライトをLaspacho氏が、キャラをDarkCipherLucius氏、Magma Dragoon氏が製作したもの。
上記のCalamix氏製エアーマンのスプライトをベースとしており、足が伸びて頭身がやや高くなっている。
システムは6ボタン式の『MVC』仕様となっており、チェーンコンボやエリアルコンボも可能。
必殺技はやはり竜巻を起こすものが多く、3ゲージ技の「Tornado Tag-Team」では『9』に登場したトルネードマンが駆け付けてくれる。

AIも簡易的なものが入っている。
カオス同盟氏によって製作された外部AIも存在するようだ。

 

+ Mr.Giang氏製作
  • Mr.Giang氏製作
上記のものの改変版で、フォルダ名は「Airman」。
こちらは新MUGEN専用で、1.0用と1.1用のファイルが別々に公開されている。
現在は氏のMUGEN活動引退に伴い公開先のファイルは削除されているが、
氏の許可を得た有志の手によってMediaFireに転載されており、下記の動画やギルドなどからジャンプが可能。

ボイスが新しくなっており、やたらドスの効いた声を発してくれる。
性能面も通常技が4ボタン式となっていたり(残り2つは投げとダッシュ用)、必殺・超必技がほぼ一新されていたりとかなり別物。
改変元が持っていた飛び道具は削除されており、接近戦が主体のキャラとなっている。
特徴的な技として小型の竜巻をランダムで5~6個配置するものがあり、これ自体に攻撃判定は無いのだが、
必殺・超必殺技を当てて巻き込む事により、ダメージを底上げしてくれる効果がある。上手く使えば相手の体力をごっそり奪う事も可能。
また、UnoShe氏の「Uno Tag System」に対応している。
なお、このキャラにはReadmeの類が付属していない。
詳しい操作方法は「The Mugen Multiverse」やMFGなど、ギルドのフォーラムから確認されたし。

AIはダウンロードした状態では適用されておらず、外部AI用と思しきファイルが同梱されている。
……のだが、改変前の「RMM_Airman」用のファイルが未整理のまま残っているらしく、
同梱のファイルを無理矢理適用させてみようとするとエラーが出てしまう。
DLは動画ページのリンクから


これらの他にも、ファミコン版のドットを使用したコンプゲームも存在するが、自動AIでボスの動きを再現しているため操作ができない。

出場大会

非表示


*1
後に『3』以降の作品にもこのデザインのロボット達は必ずといっていいほど登場し、総じて「エアーマンタイプ」と呼ばれている。
あのライト博士ですら参考にしてマグママンを作ったのだから、これに関してはワイリーは誇っていい。

なお、ストライクマン、ブロックマン以外の上記のロボット達は原作のドット絵でMUGEN入りしているが、
ブリザードマン(Calamix氏製作)はサイトの消失で現在入手不可能。


最終更新:2025年10月27日 19:25