一般的なゾンビ
ゾンビとは、何らかの力で死体のまま蘇った人間の総称である。
綴りは「Zombie」。「ゾンビー」または
「ゾンビィ」と伸ばす表記揺れも存在する。
現在では「生ける死体」としての意味で用いられる事が多いが、元来は実体を持つ妖怪全般を表す言葉である。
「ゾンビ」は、元はコンゴで信仰されている神「ンザンビ(Nzambi)」に由来され、
「不思議な力を持つもの」をンザンビとして呼ばれており、人や動物、物などに対し、使われていた。
これがコンゴの奴隷達により、中米・西インド諸島に伝わり、「ゾンビ」と呼ばれるようになり、「不思議なもの」→「妖怪」へと変わっていった。
また、
ブードゥー教では司祭により墓場から復活させられ、奴隷として扱われる「疲れを知らない労働力」といった扱いで、
これは毒や薬などで仮死状態にさせた人間が覚醒するのを、「死亡した人間が蘇った」と見せるという説が最も一般的である。
現地では実際に目撃例もいくつかあり、真偽の程はいずれにせよゾンビとは人を襲う魔物の類ではなかったようだ。
現在のゾンビ像を決定付けたのは、1968年のジョージ・A・ロメロのアメリカ映画『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』で、
この作品でロメロはブードゥー教のゾンビに「生きた人間を餌食にしようとする」「噛まれた者も同じ存在になる」などの吸血鬼の特徴を混ぜ込み、
新たな恐怖の対象である「生ける死体」を作り上げた。
これより古い作品でも「死体が何者かによって生き返って操られる」といったキャラクターは登場しているが、
こうしたアンデッド達は今のゾンビとはイメージがかなり異なる。
例として、『
ウルトラセブン』の第33話(1968年)に出てくる「シャドウマン」は劇中ではっきり「解剖用の死体が宇宙人に操られている」とされているのだが、
防腐剤のホルマリンの匂いまでする(魂などではなく死体そのものが動いている)のに「半透明」「壁をすり抜ける」など、ほぼ完全に幽霊のイメージである。
そして現在のゾンビに繋がるもので最も有名なのが1978年の続編的作品『ゾンビ』(原題『Dawn of the Dead』)で、
この映画によって「ゾンビ」という言葉が世間に普及した。
上記の二つの映画と1985年の『死霊のえじき』(原題『Day of the Dead』)の三作品が「ロメロ三部作」と呼ばれ、
この一連の映画に登場するゾンビは
「ロメロゾンビ」と呼ばれる。
- ロメロゾンビの特徴
- 肉が腐っているからか動きが緩慢である
- 一方で菊池秀行の『魔界都市シリーズ』では「常に火事場の馬鹿力状態」なので素早かったりする。
勝手に自滅(筋肉断裂)しそうだが
- 頭部を破壊されると活動を停止するが、他の部位では中々動きを止められない
(既に死んでいるのでショック死とかは有り得ない。まぁ横真っ二つにすれば(頭部から切り離された)下半身は活動停止するだろうが)
- 火に弱い
- 知能や思考は無く、生前の記憶や習慣に従って行動する
- 生きた人間の肉を喰らうために人を襲う
- ゾンビに噛まれた者はゾンビ化する*1
作品によって特徴は異なるだろうが、後発のゾンビは殆どがこの"ロメロゾンビ”の影響下にあると言える。
ロメロ以降は数多くのゾンビ映画が作られ、一時期下火になったが、それこそゾンビの如くまたじわじわとその数を増やしつつある。
『マーベルゾンビーズ』などという怪作が生まれたりも
それらでは原因が化学薬品や特殊な細菌といったSF的なものにシフトされ、一種のパニック映画の様相を呈している物も多い。
またゲームではゾンビを主題にした所謂「
サバイバルホラー」が一ジャンルを築いている。
一部ではこれらのゾンビをブードゥーのゾンビと区別するために、ロメロの映画に倣って生ける屍(Living Dead)と分類・呼称している。
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参考:ニコニコMUGENwikiに存在する「ゾンビ」のタグが付けられたページ一覧 |
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付録:ゾンビ以外の「動く死体」の種類
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一覧 |
- アンデッド
- 動く死体や幽霊をひっくるめた呼び名。
- 日本では「不死者」と訳される事も多いが、「死なない」ではなく「既に死んでいる」なので厳密には誤訳
- (「不死者」にあたる言葉は「イモータル」。対する「死すべき定めの者=寿命がある者」が「モータル」)。
- 余談だが『仮面ライダー剣』では「アンデッドを先祖として生物が誕生した」事になっている。
- 更には殺せず封印するしかないので、純粋に「不死者」と言う意味のようだ。
- 平成ライダーで本来のアンデッドに近いのはオルフェノクの方だろう(吸血鬼(吸精鬼)とされるファンガイアも生物であって死者ではない)。
- スケルトン
- 動く骸骨。筋肉無しで動いているので、『バイオハザード』等のSF作品には出し辛い。
- マミー
- 所謂ミイラ。エジプトの影響で包帯男が基本だが、日本の即身仏なども含まれる。乾燥しているため火に弱いと言うのが定番。
- グール
- 食屍鬼。元々は
吸血鬼に噛まれた非童貞・非処女、妖怪腐れ外道みたいな存在だったが、『D&D』以降はアンデッド扱いが定番に。
- ヴァンパイア
- 吸血鬼。元々はグールと大差が無かったが、『カーミラ』『ドラキュラ』の影響で「夜の貴族」的な大物のイメージに。
- リッチ
- 邪悪な魔術師が永遠を求めて自らアンデッド化した者。詳しくはデイモス参照。
- フレッシュゴーレム
- 死体から作られたゴーレム(魔力で動くロボ)。要はフランケンシュタイン(ただしフランケンシュタインに魔力要素は無い)。
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参考:ニコニコMUGENwikiに存在する「骸骨」のタグが付けられたページ一覧 |
※コスプレやロボットも含む
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参考:ニコニコMUGENwikiに存在する「吸血鬼」のタグが付けられたページ一覧 |
※あくまでも「吸血する鬼」でしかないので、生物(非アンデッド)も含む
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参考:ニコニコMUGENwikiに存在する「不死」のタグが付けられたページ一覧 |
※イモータルも含む
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(以上、一部Wikipediaより抜粋して改変)
MUGENにおけるゾンビ
システム上のバグとしての呼称
MUGENでは主にタッグ戦(simul)で起こるバグを表す言葉として用いられる。
タッグでは、どちらか片方のキャラの体力が0になった(KOされた)にも拘らず、
そのキャラが倒れる事なく行動していたり、妙な挙動を起こすバグが発生する事がある。
殆どは稀に起こる程度なのだが、キャラによっては毎度このバグを起こす場合もある。
特にkong氏製作の『
MVC』キャラは、先に倒されるとほぼ確実に
ビクンビクン跳ね回ったかと思うと、
突如起き上がりゾンビ化する『ドーン・オブ・ザ・デッド』もびっくりな状況になる。
また、アフロン氏製作の一部のキャラ(
春日舞織、
ミズチ等)にも発生が確認されており、
こちらはKOされると倒れずにラウンドが終了するまで後退をし続ける。
このシュールっぷりをネタとして楽しめない事もないのだが、
場合によっては勝敗にも大きく影響するので大会を開く際には厄介な存在でもある
(本来有利だったはずのチームが相手側に発生したこのバグのせいで逆転負けなど)。
「バグ無しでの決着を望みたい」と考えている視聴者は多いと思われるので、
動画として公開する場合、出来るだけバグが発生するようなキャラを出すのを極力避けるか、
知識があるなら該当するキャラのファイルの記述を修正して未然に防ぐなどしておく事をお勧めしたい。
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対処方法 |
多くの場合、怪しい挙動の原因となっているステートコントローラーのトリガーが、
「RoundState」だけを監視し「Alive」を監視しておらず、暴発防止として不十分なためだと思われる。
一対一の戦いなら自分が「Alive = 0」になればその時点で決着であり、
「RoundState」が2から3に移行するが、チームモードではそうではない。
そのため「RoundState」の監視だけではコントローラーが実行され続けてしまう。
よって、大抵の場合は原因となっているコントローラーに以下のトリガーを追加すれば防止できる筈である。
triggerall = Alive = 1
あるいは[statedef -3]に以下の記述を追加する方法もある。
[state -3]
type=ctrlset
trigger1=life=0
value = 0
[state -3]
type=ChangeState
trigger1=life=0
trigger1=prevstateno=5150
trigger1=stateno!=5150
value = 5150
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なお、先述のアフロン氏のキャラの場合は外部AI製作者が予めこの点を修正している場合が多い。
MUGENキャラクターとしてのゾンビ
The Pizzaman氏による、
ジル・バレンタインの召還アシストとして登場するゾンビを単体キャラ化したものが公開されている。
一人で戦うバージョンとゾンビ集団で戦う「Zombie Chaos」(HARLEM HERO氏との共同製作)の2種類が存在しており、
どちらも海外サイト「MUGEN Database」のZombie Chaosの紹介ページから辿ってみると良いだろう。
本項では前者を主に解説する。
主に噛み付きや口から毒ガスを吐くなどの攻撃技の他、全身を燃焼させる全ゲージ消費技も所持している。
なお、Readmeの類が付属していないため、各種コマンドはcmdファイルを開いて確認する必要がある。
出場大会
*1
ロメロ作品では「ある日突然死者達が蘇った」のであり、ゾンビが発生した原因は不明のままで、
劇中のニュースで一応「衛星の爆発による放射線汚染の影響」などと説明されるものの、それが正しいのかはシリーズ通して説明されない。
また、作品によってはゾンビと全く関係無い死因で死んだ人間もゾンビ化しており、
死因に関係無く全ての死者が蘇る(ゾンビ化する)事が示唆されている。
そのため、ロメロ作品で「ゾンビに噛まれてゾンビ化」した場合は「ゾンビに噛まれる→その傷が原因で死亡→ゾンビ化」というプロセスを辿った事になる。
最終更新:2025年01月25日 17:54