番場壮吉


「ジャッカー電撃隊行動隊長、番場壮吉……よろしく」

東映の特撮番組仮面ライダー剣『ジャッカー電撃隊』第23話「白い鳥人!ビッグワン」より登場した「行動隊長」。

+ とその前にジャッカー電撃隊って何だ?って人へ
大好評を博し完結した『秘密戦隊ゴレンジャー』に引き続き、石ノ森章太郎氏を原作者に後番組として制作されたのが、
この『ジャッカー電撃隊』という作品であり、後にスーパー戦隊シリーズ第2作として名を連ねられている。*1
『ゴレンジャー』初期案を推し進めたような「メンバー全員がサイボーグ」という(現在でもシリーズ唯一無二の)設定を持ち、
当初はゲストキャラが出てきては毎度敵に殺されたりと、前作でも一応モブがバンバン死んでたがよりシリアスでハードな作風で、
主演のスペードエース・桜井五郎役には大御所俳優・丹波哲郎氏の実子である丹波義隆氏を起用し、
ゲストキャラの中にはアクション女優の志穂美悦子氏(殺されたの仇討ちに向かう空手師範の役)の他、
また当時のスーパーカーブームを取り入れ、その立役者であったレースチームを率いていた実業家等も出演していたりなど、
非常に気合の入っていたことが窺えるものの不振となり、徐々にテコ入れが行われるようになった。

番場ことビッグワンの登場はその最たるもので作風の変遷を象徴するキャラクターであり、
初登場回である同話のサブタイトルも正にそれを物語るものと言える。*2

しかしそのテコ入れも功を奏さず35話をもって打ち切りになってしまい、
翌年別の放送枠でスタートする『バトルフィーバーJ』で再起をかけることとなる。

読みは「ばんば そうきち」。由来は「ババトランプのジョーカー)」から。
前作『秘密戦隊ゴレンジャー』の「バンバラバンバンバン♪」は関係無い……多分
ジャッカーを生みだした科学者「ジョーカー」こと鯨井大助長官がニューヨークに栄転したため、後任として日本にやってきた。

変装の名人であり、老若男女問わず子供以外ならどんな姿にも変装可能。
敵の怪人と変装合戦を繰り広げた際は終始翻弄し、
『ガオレンジャーVSスーパー戦隊』でも僧侶姿でガオレンジャーの4人にアドバイスを送った。

演者は『仮面ライダーV3』や前作『ゴレンジャー』のアオレンジャー、『快傑ズバット』でも知られる宮内洋氏。
テコ入れのため仕方なかったとはいえ、元々のリーダーであった桜井五郎(スペードエース)から実質的に主役を奪った形であり、
その桜井役である丹波義隆氏は「師匠でありスパイドラマ『キイハンター』で共演もした丹波哲郎氏の子息であったために気が引けた」
という旨を後年のインタビューで度々語っている。しかも上でも語った通り、そのテコ入れも功を奏せなかった…

ビッグワン


「ビィィィッグ・ワァン!!」

番場壮吉が変身する戦士。メインカラーは白。
44年後にシリーズ45作目である『機界戦隊ゼンカイジャー』のゼンカイザー(こちらも白い戦士)が登場するまでは、
レッド以外でセンターに就いた唯一の戦士だった
(41作目の『宇宙戦隊キュウレンジャー』のシシレッドオリオンも白いセンターだったが、戦隊レッドであるシシレッドの強化形態なので除外)。
なお、初の女性リーダーも『忍者戦隊カクレンジャー』のニンジャホワイトである(ただしセンターはニンジャレッド)。
また、戦隊の追加戦士の先駆けとも言われるが
(「石森プロが関わっていないスーパー戦隊」に限ると『超獣戦隊ライブマン』のブラックバイソンとグリーンサイが初)、
『ゴーカイジャー』など後年の作品では初期戦士と同じ扱いを受ける事の方が多い。
これはジャッカーが4人戦隊でビッグワンを入れてやっと5人だという理由が大きいだろう*3

彼もまたサイボーグであり、ジャッカー4人の力の源となる「原子力」「電力」「磁力」「重力」の4大エネルギーを単独で併せ持っている。
カラフルな色使いもその象徴である。なぜかピンクじゃなく黄色だけど
おまけに戦闘輸送機・スカイエースに積まれた強化カプセルに入らないと変身出来ない4人とは異なり、いつでもどこでも自分の意思で変身が可能
(ただし本編で明確に変身シーンを見せた事は無く、『ガオレンジャーVSスーパー戦隊』で初めて変身シーンを披露した)。
ちなみに彼が「我ら、ジャッカー電撃隊!」の名乗りに参加したのは最終回のみ。
V3やズバットもそうだが、宮内ヒーローの代名詞である「トイヤッ!」を多用するのは同じ。大元は前作のアオレンジャーだが
おかげで漫画家の長谷川裕一氏が「ライダーもサイボーグ(改造人間)だし、番場は正体は風見志郎(V3)だろ」なんて説を(ネタ半分で)唱えた事も。*4

専用武器は「ビッグバトン」。
このバトンにも上記の「4大エネルギー」が凝縮されており、
4大エネルギーを先端に集中させて相手を殴る「ビッグワンフィニッシュ」という必殺技を持つ…が、
実は『ジャッカー』本編では一切披露しておらず、変身シーン同様『ガオレンジャーVSスーパー戦隊』で初披露された。
基本的には4人が必殺武器「ビッグボンバー」の砲台を合体させて「ビッグ、ワン!」と彼を呼び、
そこに「ビィ~ッグワァン!」と現れて砲弾を装填、「ジャッカー必殺武器、ビッグボンバー〇〇!!」というパターンが多い。

『ジャッカー』本編どころか『スーパー戦隊』シリーズ全体を見渡しても最強クラスの扱いを受けており、
客演時でも敗北どころか苦戦する描写さえ皆無(精々『ガオレンジャーVSスーパー戦隊』でラクシャーサの攻撃により膝をついた程度)。
特撮マニアから「日本一のヒーロー俳優」と称えられる中の人の「格」も手伝って、
クロスオーバー作品では初代レッドである『秘密戦隊ゴレンジャー』のアカレンジャーと並ぶ全スーパー戦隊の総大将のような扱いを受けている
(他作品に例えるなら『ウルトラ』シリーズのゾフィーにあたる。そのゾフィー兄さんは長いこと総大将(笑)だったけど)。
アカレッド?あの人は5作ごとに1度しか出られないお約束みたいなのある…と思ったんだがゼンカイには出てない
こういった事もあり『ゼンカイジャー』のメイン主人公ゼンカイザーは、
「ビッグワンカラーのアカレンジャー」としてデザインされたとファンからは推測されている
が付いているのはガンダム仮面ライダーからだろう*5)。

テコ入れで追加された事もあり、固有のテーマ曲は持っていないが、
客演では「スペードエース若き獅子」(曲名通り歌詞ではスペードエースと連呼されている)のインスト版がテーマ曲として扱われている。

海賊戦隊ゴーカイジャー』では3話にてゴーカイブルーがゴーカイチェンジし、ビッグワンフィニッシュを披露した他、
ゴーカイジャー全員がジャッカーにゴーカイチェンジする際は(チェンジする色が限定されているわけではないものの)ジャッカーにはイエローがいないため、
ゴーカイイエローがビッグワン担当となる。
(前任者のジョーカーこと鯨井長官は黄色系の軍服姿をしていたので、一応黄色相当と言えないこともないか)
当作品におけるイエローは女性のため、スーツがスカート仕様になり、発せられる声も女性のものになっているのとセンターに位置しないため違和感がある
(一方で『バトルフィーバーJ』のバトルフィーバー隊へのチェンジで担当するバトルコサックでは、
 ミスアメリカのようなハイグレ女性型にはならない)。

余談ながら、『獣電戦隊キョウリュウジャー』の長官役である賢神トリン(キョウリュウシルバー)が人間に化けた際の姿も番場が元ネタなんだそうな。
そしてトリンは鳥人であり、番場は初登場回のサブタイトルにもある通り自称「白い鳥人」である。
トリンの中の人 も相まってテッカマンブレードを思わせる…
そして『騎士竜戦隊リュウソウジャー』では、逆にリュウソウブラックの変身者の名前が「バンバ」だった。
特に番場を思わせる要素はないが、「カードゲームと同じ、配られたカードで勝負するしかないんだ」という唐突なセリフはある。


MUGENにおける番場壮吉

りーぶ氏の製作したキャラが公開中。
製作者の意向により、変身せずに生身で戦うキャラになっている。
まぁ、実際に生身で怪人を圧倒する人だったので妥当か。
簡易版という事だが使用する分には問題は無い。
飛び道具をステッキで反射させる技や、攻撃が当たると相手の後ろに瞬間移動する当て身技など、トリッキーな技を持っている。
カットインも搭載されており、演出面も秀逸。
7P~11Pだと、攻撃中に物理無敵付与、ダメージが通常の2,5倍、ゲージ常時回復、
12PではゲジMAX状態、攻撃が当たるとシールド発動、与えるダメージが通常の3倍などの強化状態となる。
ガ・タキリ・バ氏の製作したAIが公開されている。


「貴様が8つの顔を持つ化け物なら、
 さしずめこの俺は88の顔を持つ白い鳥人ってわけだ……!」

出場大会



*1
なお「『ジャッカー』は前作『ゴレンジャー』共々当初スーパー戦隊に含まれていなかった」と言われることもあるがそれは誤りで、
(順当にシリーズ化が軌道に乗った)第5作『太陽戦隊サンバルカン』の時点では「5大スーパー戦隊」とゴレンジャーとジャッカーもちゃんと含まれていた。
その後の『超獣戦隊ライブマン』の時に急に(『ジャッカー』の次作である)『バトルフィーバーJ』が1作目扱いになり、
翌年の『高速戦隊ターボレンジャー』の初回でも「10大スーパー戦隊集合!」(バトルフィーバーからカウントすると11作目)として、
バトルフィーバー以降の戦隊のみが登場しゴレンジャーとジャッカーは姿を見せなかったが、
『超力戦隊オーレンジャー』ではシリーズ20周年としてゴレンジャーとジャッカーも含めて扱われ以降現在に至っているので、
「『ライブマン』から数年間の間だけ含まれていなかった」というのが正確なところである。

前述の通り『ゴレンジャー』と『ジャッカー』は石ノ森章太郎氏が原作者として参加しているが、
『バトルフィーバーJ』以降はそうではない(原作者は東映の共同筆名である「八手三郎」名義)ため、
また『バトルフィーバー』で取り入れられた巨大ロボが存在しないといった作風の違いもあってのものと思われる。

*2
『ゴレンジャー』のサブタイトルは最初に「色」のフレーズを入れるようになっているのだが、
差別化の為か『ジャッカー』では当初「4カード!切り札はJAKQ(ジャッカー)」(第1話)といったようにトランプの数字を用いるようになっていたのだが、
ネタが切れたからか2クール目に差し掛かった13話からゴレンジャーと同様のパターンが使用された。
もっともここまで来ると余りにも『ゴレンジャー』すぎるからか、この23話を最後に色のフレーズは採用されなくなっている。

*3
このため『ゴーカイジャー』では、3人スタートの追加戦士だった前述のライブマンの2人や、
同じく3人スタートだった『忍風戦隊ハリケンジャー』や『獣拳戦隊ゲキレンジャー』の追加戦士も初期戦士扱いをされている。
一方『爆竜戦隊アバレンジャー』は4人(正確には一人が変身能力を失うので実質3人スタートだが)がデフォルトのままで、
アバレキラーは追加戦士として別枠扱いされている。まあ「ゴーカイジャーの追加戦士シルバーに力を与える」、
という特別なポジションを与えられているので…(一応アイムがゴーカイチェンジしたことはある。スカート?当然さ)。

また一方で「『電光石火ゴウライジャー』は『忍風戦隊』じゃないだろ」という突っ込みもあったためか、
「戦隊世界の学研図鑑」という体裁の『学研の図鑑 スーパー戦隊』では「同時期の別戦隊」扱いになっていた。
まぁ、この本より前に『怪盗戦隊ルパンレンジャーvs警察戦隊パトレンジャー』(クロスオーバーではない)があったので…。
逆に初期戦士が6人以上いる『ルパパト』や『宇宙戦隊キュウレンジャー』はゴーカイジャーには面倒そうではある
(キュウレンジャーは一軍だけになるのだろうが)。
…もっとも『炎神戦隊ゴーオンジャー』の追加戦士「ゴーオンウイングス」(ゴウライジャーとは違い「炎神戦隊」ではある)へのチェンジ時に、
二人を合体させて半身ずつ変身するという荒業をやってのけていたりする
(さらにパトレンジャーは原典でも3人が一体になるフォームも存在する)ため、あまり問題なさそうではあるが。
それだと逆に余る?追加戦士が2フォーム使い分けるからそれを分ければよろし

なお、ゼンカイジャーは過去の戦隊の力を使ってもゴーカイチェンジのようにレジェンド戦士への変身はせず、
各戦隊メンバーの幻影が映し出された後光になって体に宿るという形になっており、
ゴーカイジャーと違い初期メンバーが何人の戦隊でも問題なくメンバー全員に行き渡るようになっている。
このためかジャッカー電撃隊の場合もビッグワンを除く4人が出現するようになっており、
追加戦士のツーカイザーが使った場合にのみビッグワンが出現する。

*4
宮内ファンが『V3』というビッグタイトルを差し置いて「『ズバット』こそが宮内氏の代表作」と評しているのを受けてか、
後年の作品では宮内キャラを早川健(ズバット)のノリにする傾向が強い。
例えば『ヒーロー戦記』における風見志郎は「V3への変身能力以外は早川じゃねーか」と突っ込まれている。
また「日本一のヒーロー俳優」と言う肩書も早川の決め台詞が由来である。
日本一のコマーシャル
実際は『戦記』『作戦』共に日本一には程遠かったが。まぁクソゲー扱いされている『ガイアセイバー』や『ダイダルの野望』よりはましなので…

なお『ズバット』も打ち切り作品である。…まぁ子ども受けしなかったのが原因だが
(大きいお友達からの人気は高かったが、当時の大友は子供向け玩具を買わなかった。
 …と言うか一番の見所が「変身前に行われる日本一対決」であり、
 自分だけ変身して生身のヤクザを蹂躙」はノルマでしかないという、変身ヒーローとしては間違った番組だった)。

*5
元々『ゴレンジャー』自体、『仮面ライダー』シリーズを制作していた毎日放送(MBS)が、
NET(後のテレ朝)系からTBS系にネットチェンジした事を受けての代替案として生まれた企画である
(『仮面ライダーアマゾン』が僅か24話で終了したのはそのため(=打ち切りではない)であり、
 『ゴレンジャー』がNETで、『仮面ライダーストロンガー』TBSで始まったのが同じ1975年である)。
そして『仮面ライダーエグゼイド』と同時期の劇場用作品『超スーパーヒーロー大戦』や派生スピンオフ作品にて、
『仮面戦隊ゴライダー』と言うセルフオマージュが行われた
(ただし仮面ライダーは基本的に「触角」であり、「角」を持つライダーはストロンガーが初。
 「ガンダム角(アンテナ)」に限ると仮面ライダーWが初となる。尤も平成ライダーになるとの方が主流だが)。

なお余談だが、『ゼンカイジャー』でゼンカイザーに変身する主人公の父親役で出演している川岡大次郎氏は、
実はガンダムに乗る主人公の声優をやったことがあったりする(『ガンダム』30周年記念の短編アニメにて)。


最終更新:2022年11月30日 14:21