煉獄杏寿郎


「罪なき人に牙を剥こうものならば 
 この煉獄の赫き炎刀が お前を骨まで焼き尽くす!!」

漫画『鬼滅の刃』の登場人物。名前の読みは「れんごく きょうじゅろう」。主な呼ばれ方は「煉獄さん」
竈門炭治郎が所属している鬼殺隊を支える最上級隊士である「柱」の一人で、「炎柱(えんばしら)」の称号を持つ。
アニメの担当声優は 日野聡 氏。二人乗りのカイザーのパイロットの片割れ?そりゃ煉獄じゃなくて地獄だ
海外版ではMark Whitten氏が吹き替えを担当している。

元柱である父の元に生まれ、少年時代は父から情熱的な指導を受けていたが、
母の死と同時期に父が酒に溺れ指導と育児を放棄したために、
以降は一人で家にあった「(えん)の呼吸」の指南書を読み込む事で、
殆ど独学で炎の呼吸を習得し、柱の地位にまで上り詰めた叩き上げの実力者。

煉獄家は代々鬼殺隊との関りが深い剣士の名門、多くの炎柱を輩出している一族で、
大きく見開かれた目と、毛先のみが赤い金髪という日本人離れした特徴的な容姿は一族共通の特徴。*1

見た目も言動も非常に暑苦しい男だが、曲者揃いの柱達の中では相対的に常識人であり、
亡き母から告げられた「弱き人を助けることは、強く生まれた者の責務です」という言葉を心の支えにしており、
故に鬼の脅威から人々を守る事に強い責任感と使命感を抱いている。

そうした立場と考えから、初登場時は竈門禰󠄀豆子である事が露呈した最悪なタイミングという事もあり、
竈門炭治郎に対して「裁判の必要などないだろう!鬼を庇うなど明らかな隊律違反!」「鬼もろとも斬首する!」と柱の中で真っ先に提案し、
読者からの印象はかなり悪い方であった。
とはいえ、鬼化しながら自我を保った禰󠄀豆子こそが前例の無いイレギュラーな存在であり、
兄妹を庇う産屋敷一族の当主である産屋敷耀哉とのやり取りや、その際の「殺された人間は戻らない」と反対する発言からも、
人を襲わなかった鬼が歴史上存在しなかったという客観的事実に加えて、人命を深く重んじるが故の言動であり、
決して悪意から兄妹の処刑を進言したのではない事も窺えた。
そして禰豆子が血の匂いを嗅ぎながらも食人衝動を抑え込む姿を間近で目撃し、
人を襲わない事が証明されると、「まさかそんな」と困惑する柱も複数いた中、煉獄自身は真っ先に納得し、
処遇が決定した直後に、この時点で隊士としては最下級でありながら「無惨を倒す」と口にした炭治郎に対しても、
他の柱達が笑いを堪えたり失笑する中、一人だけ「いい心掛けだ!」とその意気を買う反応を見せ、
良くも悪くも裏表の無い、敵意だけでなく善意や評価も真っ直ぐ示す人物である事が示された。

ちなみに、かなりの大食漢であり「無限列車編(コミックス7・8巻に相当)」では、
乗り込んだ駅で販売されていたのを買い込んだ弁当11人前を一口食べる度にただ「うまい!」と連呼しながら全て平らげていた。
……まぁ、もっと食う奴(しかも食べてないと栄養失調で死んじゃう)が同じ柱内にいるのだが。

なお、上の画像で美味しそうに食べている弁当だが、「無限列車編」の前日譚として描かれたアニオリ回で掘り下げられており、
各駅に出没する切り裂き魔の鬼に弁当屋の祖母トミと孫娘ふくが襲われている現場に駆けつけ、一瞬のもとに鬼の首を切った。
その姿を見たトミが、過去にも鬼に襲われていたところを煉獄と瓜二つの鬼狩り(一般人の間では鬼殺隊をそう呼ぶ)に助けられた事があったと話し、
それを聞いた煉獄は、それは自分の父親だろうと教えると、トミは涙ながらに感謝の言葉を伝えた。
その翌日、駅前でお礼の印として二人から弁当を渡されるが、それでは足りない煉獄は一つは受け取って残りの弁当を全て購入した。

+ 「無限列車編」ネタバレ注意

柱合会議直後の「無限列車編」では炭治郎と並んで同章の事実上のメインキャラクターとして活躍。
乗客の大量行方不明事件を調べるため無限列車に乗って任務に就き、
同じく調査に訪れた炭治郎、善逸・伊之助と合流する。
事件はやはり幹部格の鬼である十二鬼月の下弦の壱・魘夢(えんむ)が裏で糸を引いており、
一度は用意周到な魘夢の術により夢の世界に落とされてしまうも、
禰豆子というイレギュラーにより辛くも難を逃れ、目覚める事になる。
自体を把握するや否や、煉獄さんは列車と同化した魘夢を乗客二百人を全員守りながら倒すべく指揮を執り、
自身は八両編成の車両の内後方五両の防衛及び魘夢の頚の探索を担当し、
前方三両の客の防衛を善逸・禰豆子に任せ、炭治郎と伊之助には三両の状態に注意しつつ魘夢の頚を探し打倒するよう指示を出す。
この采配が見事功を為し、炭治郎達は魘夢の頚を発見して両断し、
煉獄達は炭治郎が魘夢の頚を落とすまでに乗客全員を守り切り、犠牲を出す事なく魘夢の討伐に成功した。

ところが、そのタイミングで魘夢を超える大幹部である上弦の参・猗窩座(あかざ)が襲来し………。
+ 煉獄杏寿郎という漢の生き様

「胸を張って生きろ」
「心を燃やせ 歯を喰いしばって前を向け」
「今度は君たちが鬼殺隊を支える柱となるのだ 俺は信じる 君たちを信じる」

猗窩座からその力量を評価され鬼になるように勧誘される煉獄さんだが当然乗るはずもなく交戦。
しかし、戦闘技量こそほぼ互角であったが、超人的な身体能力を持つとはいえ人間である煉獄と、
再生能力を持つ鬼である猗窩座との差から、戦いが長引くにつれてダメージが蓄積していく煉獄の方が追い詰められる。
しかし、煉獄は再三にわたる勧誘にも屈することはなく、鳩尾を貫かれる致命傷を受けながらも残された全霊の力を振り絞り、
夜明けまで猗窩座を拘束するという手段で相打ちを試みるが、差し込んできた夜明けの陽光に怯えた猗窩座に、
腕を自ら切り離されて逃走を許してしまった。
逃げる猗窩座に一撃浴びせて激高しながら「卑怯者!」と罵る炭治郎を宥めながら、
煉獄さんは残された幾許も無い時間で、家族への遺言や鬼殺隊士の先達者としての心構え、
炭治郎達に「(自分の代わりに)鬼殺隊を支える柱となれ」という願いを託し、眠るようにこと切れた。

本編における炎柱・煉獄杏寿郎の出番はここで終わりである。
しかし、幹部格である下弦の壱と上弦の参が現れ、列車が横転するという大惨事が起きながら、
鬼殺隊側の犠牲者は煉獄のみで、乗客達も炭治郎達も誰一人として死ぬことはなかった。
命懸けで奮闘した煉獄さんの顛末は、決して「無駄死に」などではなかった。
そして守りべき対象を失うことが無く、先に逝く自分の代替に足る後続達に後を託せた煉獄さんの最後の表情は、
一切の苦痛も悔いも無い晴れやかなものであった。

その後も他の柱達の回想シーンというかたちで度々顔を出しており、
遊郭編』では炭治郎が宇髄天元の頼もしさに煉獄を重ねたり、宇随が自身と他の柱達との比較で煉獄を特に高く評価していた。
アニメ版第八話の次回予告にもまさかの登場、心が折れかけていた宇髄を激励すると同時に炭治郎達の事を託し、
宇髄もまた「心を燃やす」というやり取りが描かれた。
ちなみに、この際に発した「お前の剣技は美しい! 妻はちょっと多すぎるがな!」という台詞は
『鬼滅の刃 公式ファンブック 鬼殺隊見聞録・弐』での宇随に対する煉獄からのコメントが元ネタ。

「無限列車編」は本編中彼の最大の見せ場と言っても過言でない長編であり、アニメにおいては一期のストーリー直後の流れとして劇場化された。
飛ぶ鳥を落とす勢いの本作人気の中当然映画の興行収入は邦画史上においても類稀な鰻登りを続け、
それに伴って彼の知名度も爆上がり。長らくトップの座についていた「千と千尋の神隠し」をも追い越していった。
海外でもその人気はとどまる事を知らず、アメリカでは外国語映画部門で興行収入一位を獲得している。
CMやあちこちのニュースに挟まれた映像で彼が炎の呼吸を披露するシーンは頻繁に目撃され、
「鬼滅は知らないしキャラの名前も知らないけど仁王立ちで燃え上がる金髪の青年は見た事ある」という人を大量に生んだ。
見た目が明るい配色でもあるせいか、たまに炭治郎じゃなくて煉獄さんが主人公だったと勘違いしてた人まで結構いた模様。実際間違ってはいないけど
興行収入の上昇に比例して「〇〇億の男」等とまるでドル箱俳優のような扱いを公開当時は受けていた。

+ 戦闘能力
「全集中の呼吸」における基本の五呼吸の一つ「炎の呼吸」の使い手。
柱の中で3位という腕力に加え、敵と交戦しつつ走行中の蒸気機関車の客車五両分を一瞬で移動できる身体能力の持ち主。
剣士としての技量は勿論咄嗟の判断力に優れ、鬼殺隊士を率いる前線指揮官としての能力も卓越している。
同じ柱からも一目置かれるなどその実力は柱でも上位として扱われていた。
ちなみに、現「恋柱」である甘露寺蜜璃は元教え子であり、指導力も高いと思われる。
しかし、あまりのスパルタぶりから教え子達が次々と辞めていき、唯一残った甘露寺も炎の呼吸との相性がよろしくなかった。

なお、炎の呼吸の使い手には「『炎の呼吸』を『()の呼吸』と呼んではならない」という不文律があるらしいが…。
その理由は炭次郎の項目にて。


「強さというものは 肉体に対してのみ使う言葉ではない
 この少年は弱くない 侮辱するな」


MUGENにおける煉獄さん

現在『JUS』風ドットを用いて製作された煉獄さんが2体確認されている。
どうでもよいが、映画のタイトルが「無限列車編」なので、検索「mugen rengoku」では探すのにとても苦労する

+ Entah 99氏製作 JUS風ドット
  • Entah 99氏製作 JUS風ドット
MUGEN1.0以降専用。
ちびキャラながら機動力は高い上に、コンボ性能も優秀。
通常攻撃は近接技が中心の性能をしているが、
必殺技超必殺技には飛び道具や突進技も存在し、距離を問わず戦える。
特に超必殺技は炎のエフェクトによる演出が派手で美しい。
AIはデフォルトで搭載されている。
紹介動画

また、Mateo G9氏により上記のキャラの改変版も公開されている。
DLは下記の動画から

+ SoulFire氏製作 JUS風ドット
  • SoulFire氏製作 JUS風ドット
上記のEntah 99氏のキャラを参考にしつつ一から製作された、同じく『JUS』風ドットのキャラ。
やはり近接戦がメインの性能をしているが、突進技や空中からの突撃技が優秀で、
遠距離からの切込みに長けた性能となっている。
こちらも斬撃や炎の演出が秀逸。
こちらもAIがデフォルトで搭載されている。
紹介動画(サイトへのリンクあり)

出場大会

  • 「[大会] [煉獄杏寿郎]」をタグに含むページは1つもありません。


「老いることも死ぬことも 人間という儚い生き物の美しさだ」
「老いるからこそ 死ぬからこそ 堪らなく愛おしく尊いのだ」


*1
戦国時代に全集中の呼吸が鬼殺隊にもたらされる場面にも同じ容姿の人がいるほどだが、
裏設定によると、身籠った母が大篝火を見続ける過酷な風習があるため生まれつきこうなるらしい。
なんじゃそらと思うかもしれないが、現実でも「妊婦に火事を見せると赤い忌み子が生まれる」という迷信は存在する。

…流石に煉獄さんみたいな髪色の人物が現実で生まれた事例は無いと思われるが、
作中では落雷を受けて金髪になった隊士桜餅の食べ過ぎで髪の毛が桜色と黄緑色のグラデーションカラーになった元弟子等も存在するので、
何かもう、大体そういう感じの世界観なんだろうぐらいに(ry
+ 最終回ネタバレ注意
ちなみに最終回は鬼殺隊達の現代における子孫や生まれ変わり達のある日の情景が描かれ、殆どのキャラは一コマすれ違うだけの中、
煉獄の弟の子孫である桃寿郎は主役級に次ぐ出番の長さだったのだが、その容姿はやはり煉獄さんそっくりだった。
……観篝の儀、現代でも続けてるんですか?


最終更新:2023年10月26日 22:07