その後は『EXTREME VS.』からプレイアブル機として参戦。
一般に中コスト帯と言われる2000コスト帯の機体で、2000コストの中でもとにかくトリッキーな調整がされている。
武装は前作家庭用移植『PLUS』に登場した ナタクのメインを調整した様なドラゴンクローと、
サブ射撃でフィールド上に 設置するフェイロンフラッグ、及び相手を捕縛して引き寄せるアンカータイプのドラゴンクロー。
ドラゴンクローは速い弾速・強い銃口 補正・弾数無限・当たれば即強制ダウンと一見優秀にも思えるが、
射程が非常に短い上ダメージが 一般的な万能機のBR程度しかなく、一発で相手を強制ダウンさせてしまうため、
「射撃を当てて格闘に繋いでダメージを稼ぐ」という使い方も不可能
(一応覚醒中は非強制ダウン属性になるのだが、そもそもダウン属性なので追撃はかなり状況が限定される)。
そのため他機体のBRのように気軽には使えず、専ら迎撃か至近距離でのカットなどに用いられる。
癖のあるメインに代わり牽制に使われるサブ射のフェイロンフラッグは、地面に突き刺さり触れた相手を スタンさせる罠のような武装。
相手に直接当たる訳ではなく、発射時に入力していたレバーの方向に従い敵の周囲に着弾する。
これもまた使い辛く、大きな放物線を描いて飛んでいくために着弾まで長いラグがあり、
その性質上普通の射撃のように狙って当てるのはまず不可能。
相手の動きを読んで設置し、動いた相手を「引っ掛ける」必要がある。
しかも設置は地上に行われるため、空中を飛ぶ相手に効果は期待できず、
ヒットしても相手が遠くにいれば、攻撃の射程が短すぎるドラゴンでは独力での追撃が不可能な場合も多い。
特射のドラゴンクロー捕縛は、唯一射撃から大ダメージを狙える本機体のまともな選択肢であり、
射程もメインのクローより長く、 発生も速い。格闘が狙えそうな時は主にこれを振っていく事になる。
格闘は攻撃回数が多くダメージは高いものの、MFのパブリックイメージに反し 実はそこまで強力ではない。
下手すると同コスト帯の射撃系万能機の格闘にさえ負ける事もあり、いまいち頼りない。
一応特格で出る「宝華教典・十絶陣」の初段性能はドラゴンの中では優秀なのだが、
この十絶陣は「当たると自動的に コンボ攻撃に移行し、相手をダウンさせてしまう」
「コンボ攻撃中は全く動かないためカットのいい的、その癖威力はそこまで高くない(要するに ローリスクハイリターン)」
「 キャンセルはできるが、キャンセルした時点で初段のスタンが解けるため追撃が困難」 *2
など癖のある性能で、素直に優秀とは言い切れない。
このため、基本的に実戦では格闘は特射のクロ―捕縛から狙っていくのが主となる。
覚醒技はもちろん「真・流星胡蝶剣」。発動すると空中で構えを取り、敵に猛スピードで突っ込んでいく。
しかし、攻撃に移行するまでの演出が長く、発生がかなり遅い。
それ故見られていると間違いなくステップで止められるか、余裕でシールドガードされる羽目になってしまう。
当たれば300ダメは固いのだが、正直実戦では狙う余裕はなく、 魅せ技・ネタ技の部類に入る。
だが、少林寺再興を目指すドラゴン使いの研究によって『EXVS.』稼働末期には、
前述した十絶陣の仕様を利用して確定でコンボに組み込めるレシピが開発され、
高難度かつ状況は選ぶものの、一概に封印安定の技とは言い切れなくなった。
稼動当初は使い辛さ・格闘の弱さに加えて 頼みの綱の特射が産廃だったなど、2000底辺レベルの扱いを受けていたが、
バンナムの 遅すぎるアップデートにより性能が改善され、
さらに少林寺再興を志す多くのドラゴン使いにより有効な戦術や運用法が確立された事により、使い方さえ理解すれば戦えるようになった。
基本的にはサブで相手のペースをかき乱し、近寄られたら機動力と位置取りで逃げつつ必殺のメインを刺す機会を窺い、
メインで相手を寝かせた後はダブルロック(片追い)に持ち込んだり、
サブで 起き攻めを仕掛けて格闘を狙うなど、援護と搦め手に主眼を置いた立ち回りが求められる。
MFというと格闘で攻めていくイメージが強いが、求められる役割は支援・援護機に近く、
あえて言うなら 「近接援護機」「『ドラゴンガンダム』というオンリーワンのジャンル」という、
2000コストの中でもかなり特異な存在となっている。
MF=格闘機の固定観念に縛られない戦い方を求めるという点では、在り方こそ違うが 前作の忍者の様な存在と言える。
弱点は有効射程の短さから極めて放置されやすく、相方が攻撃を受けている場合咄嗟に援護できない所。
稼働当初~中期は、主に前述の固定観念から抜けきっていない層から「射撃も格闘もできない良く分からない機体」と評されていたものの、
使い手によって解析が進んでからは前述の援護機としての独特の立ち位置を確立。
使用率ではポピュラーな機体には及ばないものの、弱機体の汚名はある程度返上しているどころか、
末期や家庭版に移行時には2000内で五指に入る高評価にまで上り詰めている。
これは末期の環境を支配していた3000の上位陣の得意な「近距離での高性能武器による押し付け・セットプレイ」といった戦法に対して、
近距離が主戦場で自衛力が高いドラゴンは他の2000と比べて対応する事ができ、
体力の多さからEXバースト(覚醒)も安定しやすかった事が理由。
続編『FULLBOOST』にも続投。コンセプトは変わらず、耐久力が増加し、武装が追加されている。
前作でも高かった耐久力は2000コスト全体の強化の影響を受けなんと脅威の 640に。2500の平均を超える硬さを得た。
追加された武装は、CSで アシストとして召喚するマーメイドガンダムの突撃と、特射で放てるドラゴンファイヤー。
ほぼ牽制でしか役に立たないマーメイドはともかく待望のまともな射撃武装であるドラゴンファイヤーは強力で、
射程はメイン同様射撃武器としてはかなり短いもののメインより射程が長く、
ヒットすると相手を炎上スタンさせるためここからコンボも可能、と優秀な性能。
覚醒技は前作と変わらないものの、相手に格闘コンボを叩きこみフィニッシュで胡蝶剣をぶち込む 乱舞技形式のものが追加された。
これは通常の胡蝶剣と違い特殊なコンボを行う必要がなく、普通の格闘と同様にコンボに組み込める。
しかし、前述した胡蝶剣コンボに比べるとレシピを選ばず様々なコンボから狙える反面、
攻撃時間も掛かり、乱舞の段階で補正が乗るのでダメージも 安いという、一長一短の関係にある。
機体的には殆ど純粋に強化されたのだが、このゲームは2on2。そう簡単にはいかなかった。
システムの変更のため、ゲームの花形であり2000の相方の筆頭であった3000が弱体化したという逆風の影響をこの機体も受けており、
自分は守りを固めて闇撃ちに徹し、3000前衛に覚醒で押してもらうスタイルが取りにくくなったため、相対的にやや弱体化した。
また、本作になってからは共通の調整で格闘の火力が若干抑えられ、射撃戦重視の環境にシフトしたため、
「地走タイプのBDが災いして、咄嗟に攻撃を躱しにくく面制圧してくる相手にも弱い」「攻撃の射程が短いため、放置に弱すぎる」
という弱点が前作に比べて顕在化。
加えて研究が進むと「ドラゴンクローは実はそこまで格闘に対して強くなかった。むしろブーストを食うため乱発すると自分の首を絞める」
「格闘性能も使い手が技術でカバーしてただけで思っている以上に弱かった」
などの弱点が使い手以外にも知れ渡ってしまった。
トドメとばかりに環境上位の機体は総じて近距離での自衛に優れ、地走タイプに強い事もドラゴンにとっては辛く、
上位キャラ相手には中距離では放置され、近距離でも相手の射撃で潰されるという一方的な試合展開になる事も。
ここから、ドラゴン、そしてドラゴン使いにとっての長い冬の時代が始まる。
余談だが、武器の射程が短い事から エリア外の戦艦系の敵を攻撃できない。
戦艦に攻撃できないのは エピオンと本機だけであり、
CPU戦で戦艦が出現するルートでは、CPU(or相方)に戦艦撃破は任せるしかない。
『マキシブースト』(MB)にも続投参戦。コスト・武装は変わらず、新武装として ボルトガンダム召喚が追加。
ボルトガンダムはドラゴンの目前に落下して衝撃波を起こす、所謂「置き」が主な用途となる武装となっている。
しかし立場は前作から変わらず、追加されたドライブシステムとの相性の悪さから むしろ前作以上の逆風に立っている。
- Fドライブは一見格闘向けのドラゴンとは相性が良好に思えるが、
立ち回りの主軸となり一種の移動技として扱われる後格闘や特格の使用でプレイヤーの意志と関係なく発動してしまうため、 ドライブの温存が実質不可能。 格闘は強化されるものの、元が万能機レベルの性能なのでそこまで強気に振っていけない。
- Sドライブは各射撃間のキャンセルルートが開放されるため一見キャンセルルートの乏しいドラゴンには有用に見えるが、
ドラゴンは他機体の様に動き撃ちできる武器が無いため「足が止まる射撃をキャンセルして落下」というムーブが不可能。 加えてキャンセルルートが開放された所でメインの隙を特射でフォローできるくらいしか恩恵はなく、 精々「後格・特格で暴発しない」ぐらいしか利点がない。
……といった具合で、絶妙にドライブシステムの恩恵を受けられない機体になってしまっており、
本作でもやっぱり上位は射撃系で逃げ・迎撃が強く地走を殺しやすい機体が占めているため、不遇度で言えばシリーズ一である。
『マキシブーストON』にも続投参戦。
ドライブが廃止され、その点では相対的に強化されたものの、機体の総数が増えた事もあって不遇な立ち位置は変わっていない。
さらに、マキオンは最終的にこのゲームを左右する3000コスト(最大コスト)と組むなら2000コストより2500コストが優先されるゲームバランスに遷移したため、
2000コスト全体の不遇さもあってすっかりレア機体と化してしまった。
一応「メインのダメージ上昇」「特射が地上撃ち可能に」「格闘の途中から特格へのキャンセルルート追加」など
強化はされたものの、「放置に弱すぎる、かといってガン攻めされても脆い」などの根本的な弱点は変わっていないため、
相性の悪い機体を相手にした場合、冗談抜きで何も手を出せずにゲームセット、という事も有り得る。
そんな弱さから、はっきりと機体の強弱を書く事を避ける傾向にある攻略wikiにさえ、
とても遠回しではあるが、要約すると「現在の環境ではキツい弱機体」と書かれてしまっている。
数少ない使い手曰く「未だに『EXVS.』の基準で戦っている」。
『EXVS.2』では流石に開発も現状を問題視したか、他機体同様にテコ入れが入った。
ドラゴンの実質的な主力格闘ながら性能は頼りなかった横格闘はモーション一新+微強化、
使い所があまりにもなかったBD格闘も同じくモーションが一新され、 死に技の地位を脱した。
頼りないマーメイドと使いどころが限定されすぎるボルトはリストラされ、アシストはシャイニングガンダムに変更。
シャイニングは「シャイニングフィンガーでビームを照射」「相手に接近しシャイニングフィンガーソード一閃」という2つの攻撃を持ち、
この内ビーム攻撃の方はこれまでのドラゴンに無かった、「ワンコマンドで吐ける、遠距離まで届く射撃」であり、
これによりドラゴンの課題であった「中~遠距離で敵の硬直を取ったり、相方を援護できる武器が無い」
「フラッグが当たっても、遠距離では追撃する手段がない」という弱点はある程度解消されている。
……が、使い所は少ないが、ドラゴンにしかない唯一無二の個性であったボルトガンダムのリストラは、コアな使い手からは賛否両論。
- 飛び上がる後格とN特格の空振りによる移動、CSキャンセルを組み合わせてブーストを使い切っても無限に滞空できる。
無限滞空自体はドラゴン以外の一部機体もできるテクニックではあるが、その中でもドラゴンはかなり粘れる。 ……が、『ON』ではこれら無限滞空を咎めるために「一定時間、空中でオーバーヒート状態が続くと一切の操作を着地するまで受け付けなくなる」 という仕様が追加されてしまい、滞空テクニック自体は健在だがリスクが伴うようになってしまった
- FULLBOOSTでは他の高火力機体を差し置いて「528」という、各種補正をぶっちぎってマスターに次ぐ2番目の最大ダメージを叩き出せる事が発覚
(※ただし1位のマスターと比べ始動条件があまりにも非現実的で実用性は皆無)
- シビアだが相手を最大約70秒以上拘束できる嫌がらせのようなコンボがある
(だが、コンボを決めているこちらも拘束されるため相手相方のカットは必至)
など、強さは別として面白いネタには事欠かない機体である。
ニコニコでは、熱心にドラゴンを使い続けるあるプレイヤーの発言をネタに、これらのテクニックは「ドラゴニックアーツ」などと呼ばれ親しまれている。
なお、パイロットのサイ・サイシーは(原作とテンションが違う『EXVS.』シリーズの恒例か)悪戯小僧ぶりが目立つ。
また、中の人が同じ『クロスボーン・ガンダム』のトビア・アロナクスと間違えられる声優ネタがある。
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