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「しゃがみキック??? 見えるんです 見てから昇竜です」
かの有名な格闘ゲーマー・ウメハラ氏が発したとされていた、
「小足見てから昇竜余裕でした」
という言葉から来ている。
*1
ゲームにおいては小足のような素早い攻撃を見てから
昇竜で余裕で狩る、というように、
超反応迎撃に対する賛辞として使われる言葉。
*2
状況に応じて様々な応用例がある。
ギース「
チンチーン見てから
当身余裕でした」
豪鬼「
ベガ見てから
禊余裕でした」
アバロンにお住まいのベアさん「流し切り見てからパリイ余裕でした」
シエル「見てからセブンス余裕でした」
萃香「台風見てから男投げ余裕でした」
…などなど。格ゲー初級者なら「
竜巻見てから
昇竜余裕でした」あたりから習得に挑戦してみよう。
 
ニコニコMUGEN大会動画では、
AIならではの超反応で様々な「余裕でした」を楽しむ事が出来る。
ちなみに、発生が遅い技や暗転後に回避が出来る
超必殺技に対して、
「見てからガード(反撃)余裕でした」といった使い方がされる事もままある(
暗転見てからジャンプ余裕でしたなど)。
ただし、あまりに超反応過ぎるAIはAI同士の戦闘でしか使えなくなりかねない(AI同士でも一方的な展開になりやすい)ので程々に。
また、逆にパターンに嵌りやすくなるため「超反応=強い」とは一概には言えなかったりする。
そういう意味では超反応AIは対人戦にも使える…って
そういうゲームじゃねえからこれ!!
だが、時代が進むにつれてパターンにならないように無敵技を精度良く振るうAIが増えてきているので、実は言えるかも知れない。
ブロッキングの超反応だとパターンにはならず、ほとんどの場合「精度=強さ」になる。その上細かい記述も必要ない。
ネットスラング的な用法では、例えば2ちゃんねる等のネット掲示板内なら
「スレタイ見てクリック余裕でした」、
ニコニコなどの動画サイト内なら
「サムネでクリック余裕でした」といったような表現で、
スレッドの題名やサムネイル画像の良さを褒め称える地方もあったりなかったり。
*1
実は当時からウメハラ氏が直接この言葉を言ったかどうかは疑問視されており、
「しゃがみキック見えてるんじゃないですか?」との質問に「余裕です。余裕で昇竜ですね(笑)」と氏が返したとか、
この項の冒頭にある「しゃがみキック~」うんぬんの本人発言を周囲が伝言ゲーム気味に広めたからだとか、
試合後の氏にインタビューした者の「『小足見てから昇竜余裕でした』ってやつですね」の発言が由来だとか、
これは氏の対戦を見ていたギャラリーの歓声だ等々、やたら諸説が有った。
 
後にファミ通での御本人へのインタビューにて、
「小足見てから昇竜余裕なんですか?」という質問に対して、
「見えません(笑)。それは友人が言った「小足出すと確実に昇龍で返されるから、見えているんじゃないのか?」
 というのが一人歩きして広まったんだと思います」
という回答を述べている。
これによりこの話は人伝によって脚色され、広く伝わっていったという事が判明したのである。
またニコニコの生実況でも、視聴者からの質問に
「無理に決まってるじゃん」と答えている。
こうして、ファン達によって本人不在の場所で「伝説」だけが独り歩きして行く様は、
まるで『カメレオン』等で有名な加瀬あつし氏の不良ギャグ漫画や、若杉公徳氏の『
デトロイト・メタル・シティ』の世界のようで、
実に若者向けマイナー文化らしい現象と言えよう。
それに当の本人が「見えない」と明言してもなお、
ファンの間で「それでも本当は見えているんじゃないのか?」「(「おまえら」もしくは「俺以外」)無理に決まってるじゃん」というコメントが交わされる辺り、
ウメハラ氏のテクニックの凄さや、相手との駆け引きの上手さが、この噂話に強烈な信憑性を与えていたのだろう。
*2
現実的な話をすると、格ゲーの小足の発生は
最速で2
フレーム、早い方では3~4フレーム程で、常識的な範囲内では遅くとも7~8フレームくらいまでである。
 
まずこの数字を前提とした上で、
人操作の場合は「画面に表示されたのを見てから反応」する以上そこに最低1フレーム、
更に昇龍拳は623+Pと3回入力が必須で更に3フレームの入力時間が必要。
そして「技が出るのは入力終了後」である以上、さらに1フレーム。
ここまでですでに合計5フレーム掛かるわけで、4フレーム以下の小足に反応して昇竜を出すというのは、ゲームシステム的に不可能。
そこから操る人間の側に目を向けると、反射神経の限界が0.1秒(6F)、普通に鍛えられた人間でも10~12Fくらいが限界なので、
1フレーム反応と言うのは非現実的。
(
リミテッドアニメ(秒間12コマ:1コマ5フレーム)に対し「動きがぎこちない」と言う人が居るのはギリギリのラインという事なのだろう。
 一方、
フルアニメ(秒間24コマ:1コマ2.5フレーム)ならそう言われる事は無い
こいつならテレビの走査線の動きまで見えそうだが)。
更には人間がレバー操作で
昇龍拳の
コマンドを3フレーム(0.05秒)で完成させる事も非現実的
(逆に入力が3フレームより早過ぎても、入力装置の反応が追い付かないのでコマンド不成立扱いにされる。
炎のコマ?知らん)。
これは、電子そのものが亜光速で移動して信号を伝える電子回路と違い、
生物の神経はイオンが物理法則に従って拡散するなどして信号を伝えているため(亜光速に比べれば)どうやっても乗り越えられない生物上の仕様である。
現実の人間は2フレーム小足どころか10フレーム小足でさえ振れません。
まぁ「有機生物」(人類はこの範疇)ではなく、
珪素生物等の「
無機生物」なら
実在するかは別としてこの限りではないかもしれんが。
つまり、日々格ゲーで腕を競い合っている上級プレイヤーでさえ、相手の何らかの動きを視認してから反応をしてコマンドを成立させる、
そして実際のゲーム内の判定発生に反映されるまでは、合算して弱攻撃反撃でも最適化して18~20フレーム、
実際は20フレーム~30フレーム以下はかかる……というあたりが人間の限界域だろう。
この数字の提示からでも10フレームの攻撃に対してさえ「見てから昇竜」は不可能、
なんなら「見てからワンボタン小足で割り込み、または相打ち」ですらまず有り得ない、というのが分かるだろうか。
所謂「10フレーム台の中段攻撃が見えない(立ちガードできない)」などの早い発生の中段に対するよくある嘆き声も、
こういう限界域あたりのフレーム速度では、割り込む行為はおろか、ただガードを切り替える事すら難しいことを証明する一端と言える。
余談だが、上記のように「見てから反応」が色々と難しい格ゲーの実戦上では、
経験を積むことで、状況予測からディフェンシブな動きを磨くことが重要。
相手が一定距離を破って踏み込んできたのが見えた時、または連携の定石から次はここでしゃがみ小足を挟んでくるな、と思った時など、
先読みで判定の強さに優れた技をひとまず置いておく、所謂守りの「先の先」が上手くハマって相手の攻めを潰した時などが、
結果として周りからは「見てから反応」のように見える事例だと言える。
もちろん相手も経験豊富であれば、踏み込んでリーチ長めの攻撃が当たるような間合いでも直接触らずあえて飛び道具を使って一つ間を取る、
しゃがんでもすぐに技を出さずに様子を見て反撃を誘うなど、ただお互いに強い技を出し合うにはとどまらない、「駆け引き」が生じていくのである。
上記にある、ウメハラ氏の友人が発した「小足出すと確実に昇龍で返される」という評も、
牽制に昇竜拳を合わせるというリスクある反撃すらも、駆け引きを制することで高いリターン率に変えていたという結果なのだろう。
最終更新:2025年10月11日 17:21