光神話 パルテナの鏡
は【ファミリーコンピュータ ディスクシステム】用のゲーム。
概要
【ファミリーコンピュータ ディスクシステム】向けに発売されたアクションゲーム。
天使【ピット】を操作して魔物たちと戦い、女神【パルテナ】の救出を目指す。
縦か横のスクロールステージと、メトロイドのような探索ダンジョンを組み合わせた構成が特徴的。
アイテム無しでは落下で即死な上に残り人数が無いため難易度設計が歪んでおり、序盤が難しく終盤に行くほど簡単になる事で非常に有名。
パロディネタや変な敵、クリア時の対応などヘンテコな要素が数多く存在し、狙って作られたバカゲー的な雰囲気も強い。
意外にも国外の人気が高く、宮本茂も続編開発の質問に驚いたという。(参照)
北米では【ゲームボーイ】で続編の【Kid Icarus: Of Myths and Monsters】が発売された。
2008/01/31発売の【大乱闘スマッシュブラザーズX】で本作がフィーチャーされた後、上記とは別の続編である【新・光神話 パルテナの鏡】が2012/03/22に発売した。
ストーリー
時は今よりはるか昔、神様と人間が一緒に生活していた時代のお話。ある所に『エンジェランド』と呼ばれる国がありました。
『エンジェランド』は、光をつかさどるパルテナと闇を支配するメデューサの2人の美しい女神によって治められていました。パルテナは天空の神殿に住み、人間が幸福に暮らしていけるように光を注いでいました。人間は、その光で作物を育て平和に暮らしていたのです。しかし闇の女神メデューサは違いました。メデューサは人間が嫌いでした。人間がせっかく育てた作物を枯らしたり、人間を石像に変えて喜んでいたのです。怒ったパルテナはメデューサを醜い化物に変えて、地下深い冥府界に追放しました。
醜い化け物に変えられ冥府界に閉じ込められたメデューサは、パルテナを呪いました。そしてパルテナの住む天空の神殿を乗っ取ろうと、冥府界の怪物や悪霊を手を組み、やがてメデューサの邪悪な力は、パルテナ軍を凌ぐほどになったのです、ついにメデューサとパルテナの戦いが始まりました。しかし奇襲攻撃をかけられたパルテナ軍は防戦の一方でした。
パルテナ軍は、その力の象徴であった「三種の神器」(鏡の盾、光の矢、ペガサスの翼)を奪われて、戦いに破れてしまいました。パルテナ軍の勇者たちのほとんどはメデューサの魔力で石像に変えられ、パルテナも、天空の神殿の奥深くに閉じ込められてしまったのです。平和な国だった『エンジェランド』には、恐ろしい魔物たちが住みついてしまいました。メデューサが支配する闇の国になってしまったのです。
天空の神殿の奥深くに閉じ込められたパルテナは、最後の力を振り絞りました。そして地下深い冥府界に捕らわれの身となっている天使の少年・ピット君に助けを求めました。ピット君は、パルテナ軍親衛隊の隊長を務めていた勇者でした。パルテナの力で、弓矢を与えられたピット君は、冥府界からの脱出を試みたのです。
冥府界は、メデューサ軍が天空の神殿に進んでいったため警備が手薄になっていました。ピット君の脱出は大成功! パルテナを救出するために、ピット君は長い長い冒険の旅に出たのです。メデューサを倒すには「三種の神器」が必要です。ピット君は闇に支配された『エンジェランド』にパルテナの光を取り戻すことができるでしょうか?
※以上は説明書に載っているストーリー
ゲームシステム
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一方向スクロールアクション
通常のエリアは一方向スクロールのアクションになっており、上または右に進んでいく。
本作はライフ制で残り人数の概念が無く、さらに画面下に転落すると即死なので、上方向に進んでいくステージ1が極端に難しい。
ステージ3も同様の設計だが、この時点では救済アイテム「天使の羽」を購入可能となるためステージ1ほどではない。
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画面切り替え型アクション
各ステージのエリア4は砦となっており、そこは画面はスクロールせず固定で、上下左右の画面端に移動すると隣の画面に切り替わるシステムになっている。また、砦には転落扱いになる穴は無い。
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体力のパワーアップ
最初は1マスしかない。1つのエリアをクリアする毎にスコアに応じて体力の最大値が増える。さらに本作では、体力を回復するアイテムを敵は直接落とさない。よってゲームスタート直後のエリアが最難関になるという恐ろしいシステムである。
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セーブ
【ゼルダの伝説】同様、ゲームオーバー時にセーブが可能。
チェックポイント通過時やステージクリア時の「体力」「持っているアイテム」「ハートの数」「得点」がセーブされ、タイトル画面からセーブデータを選べばそれらを記録した際の状態で再開できる。
本作のセーブ選択画面は『ゼルダの伝説』【メトロイド(ゲーム)】【リンクの冒険】と全く同じシステムのように見えるが、本作に限ってはゲーム中にセーブメニューを呼び出す手段が存在せず(2Pコントローラからのセーブは出来ない)、自主的に辞めたい場合はわざとゲームオーバーにするしかない。
なぜ本作だけこのようになっているかは謎である。
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エンディング分岐
クリア時の「体力の最大値」「攻撃力」「コンティニュー回数」で、エンディングでのピットの姿が変化する。
プラス値は体力ゲージマスと攻撃力を足した数字に10を掛けて計算するのに対し、マイナス値はコンティニュー回数がそのまま引かれるため、最低ランクのメガネハナーン化は意図的に強化を抑えるかコンティニュー連打しない限り到達できず、見た事がある人は少ないかもしれない。
キャラクター
味方キャラクター
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【ピット】
主人公。操作キャラクター。足を踏み外して転落してすぐ「ヤラレチャッタ」になる。
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【イカロス】
石にされている。トンカチを使用して解放するとそのエリアのボス戦で援護してくれるが、攻撃を1回でも食らうとやられてしまう虚弱体質。
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【パルテナ】
閉じ込められている。ゲーム中ではエンディングのみ登場。
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神様
各地にある「神様の部屋」や「修行の部屋」でピットを強化してくれる。
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【ナース】(仮)
正式名称不明。何故か砦で病院を開いている。ナスの呪いを治してくれる。ナースがナスを治す……。
ボス
ザコ敵
全ステージ
※正確にはステージ4以外
冥府界
地上界
天空界
天空の神殿
アイテム・武器
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弓矢
初期状態で使える基本武器。矢を放っているはずなのに射程が短い。エリア4の砦内ではどういうわけか、弓矢のパワーアップが封じられて初期状態になってしまう。
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ファイア(炎の矢)
矢に火の玉が付く。修行で手に入る。
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ホーリーボウ
矢の飛距離が伸び、スピードアップする。修行で手に入る。
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ガードクリスタル
体の周りに2個のクリスタルが回転し、敵の攻撃を防ぐバリアになる。修行で手に入る。
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三種の神器
各砦のボスが隠しており、3つ揃うと封印が解けて使える。よってステージ4専用。
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ミラーシールド
敵の弾を弾き返す
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ライトアロー(光の矢)
レーザー光線のような矢を飛ばし敵を貫く。
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ペガサスの翼
飛べるようになる
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ハート
紛らわしいが、本作のハートは回復アイテムではなく、お金である。
エリア4の砦では画面を切り替えれば敵が復活するので、大きいハートを落とす敵で稼げる。
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ハーブ(竪琴)
画面内の敵を一定時間トンカチに変える。他作品で言う無敵アイテムに相当する。
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トンカチ
イカロスの石を割るのに必要。1回使い捨てで振ると数が減る。攻撃力は矢5本分。
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クレジットカード
ヤミ屋で後払いで物を買える。後払いで買った後は、取ったハートが支払いに回されハートを貯める事が出来ず、さらに支払いが終わるまで新たに物を後払いで買う事はできない。
なお、説明書では「ツケで買い物ができる」と書かれているが、当時のゲームプレイ対象のプレイヤー層がこの説明で理解できたのかどうか謎である。
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天使の羽
画面外に落ちても自動で戻ってこれる。消費アイテム。
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たいまつ
チェックシート(マップ)上で現在位置が表示されるようになる。
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えんぴつ
チェックシート(マップ)上で、既に入った部屋がマークされるようになる。購入してからマーキングされるようになる。
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チェックシート
要するに砦のマップの事。
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生命の酒(カップ)
取るとその場で体力が1マス回復。何故か酒で絵もワイングラス。
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生命の酒(ビン)
これを持っていると体力が0になった時に1マス回復する。通常は1つしか持てない。
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酒ダル(ビンケース)
通常は1つしか持てない生命の酒(ビン)を最大8つまで持てるようになる。そもそもこんなもの持ち運ぶのが大変そうだが…
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矢
神様がくれる天使の矢。攻撃力がアップする。最大4段階までアップ。
地名
ステージ1~ステージ3は、各々3つのエリアと砦に分かれており、各エリアをクリアする毎にチェックポイントを挟む。各ステージの砦にはボスが登場する。
ステージ4は地名こそ分かれているもののチェックポイントが存在せず、シューティングの空中戦。
ステージ1 冥府界
上スクロール。下方向にはスクロールしないので、引き返そうとすると即ヤラレチャッタになりやすい。
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ステージ 1-1
最初が1番きつい。終盤には死神もいる。
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ステージ 1-2
滑る氷のすり抜け床が多い。
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ステージ 1-3
接触するとダメージを受ける溶岩やトゲがある。移動する足場もある。
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ステージ 1-4(冥府の砦)
最初に挑む砦。ボスのツインベロスは右下の方にいる。
ステージ2 地上界
横スクロール。
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ステージ 2-1
かなり簡単なステージ。穴はジャンプで跳び越えよう。
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ステージ 2-2
氷のすり抜け床が多く、すり抜けた後に湖に落ちて落下死する事もある。プルトンにも気を付けよう。
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ステージ 2-3
接触するとダメージを受ける茨が多い。
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ステージ 2-4(地上の砦)
ボスのヒュードラーは右下の方にいる。
ステージ3 天空界
上スクロール。即ヤラレチャッタの恐怖再びなので、店で天使の羽をなるべく多く確保しておこう。
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ステージ 3-1
いきなり温泉がある。
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ステージ 3-2
すり抜け床の雲と動く足場が多め。
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ステージ 3-3
狭い足場がやたらと多い。身長にジャンプしよう。
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ステージ 3-4(天空の砦)
全64部屋と非常に広く、しかも「上下が壁に隔てられてて分断されている」「左右が壁に隔てられてて分断されている」「上から下に一方通行」といった構造の部屋もあり、迷いやすい。
前の2つの砦ではすぐに見つかるチェックシートも遠回りの位置にあり、ボスに向かうルートの途中でボスではないルートに行った先に落ちているため、攻略情報なしで自力でボスまで辿り着くとチェックシート無しの場合もある。
そのボス部屋はマップ中で最も右上の部屋にあるが、その場所がよりによって店の右側である。
ステージ4 天空の神殿
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ステージ 4-1
突然横STGに変わる。しかもSTGでありながら手動スクロールであり、自分で右に進まなければ止まったままなのでSTGとしてはとても簡単。最後が1番楽である。
なお、このステージでも敵を倒すとハートを落とすが、ここでハートを取っても使い道は無いため、律儀に敵を倒すよりは無視してさっさと進んだ方が良い。
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メデューサの神殿
メデューサと戦うだけの神殿
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パルテナの部屋
パルテナが囚われている部屋。本作のゴール地点。
関連作品
紹介動画
移植・リメイク
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NES版
ゲーム的な違いは特にないが以下の変更点がある。
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メディア変更による違い
ロード時間が消滅、使える音が少ないのでSEやBGMが若干変わっている。
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パスワード
NES版はバックアップ機能を搭載していなかったため、コンティニューはパスワード形式に変更されており、死亡時に出たパスワードを入力するとそのエリアから再開できる。
この仕様のため、NES版ではセーブデータの選択画面は無く、名前登録も無い。
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「ステージ 4-1」の仕様
NES版では強制スクロールであり、雑魚敵を50体以上倒さないと無限ループするようになっている。
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【ファミコンミニ】
2004/08/10のディスクシステムセレクションで発売。番号は24。本作のGBAでの互換バージョン。
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3Dクラシックス 光神話 パルテナの鏡
黒一色だった背景に絵が描き込まれている、アレンジモードがある等、3Dクラシックスシリーズの中では珍しく大きく手が加えられている。
中でも最も大きな変更点は「エリアをクリアしてチェックポイントに到達した時にセーブされる」となった点で、エリアクリア型のゲームとしてあるべき姿になったと言える。これに伴い、ヤラレチャッタ際のセーブ選択は無くなり、コンティニューするかどうかだけの選択になった。
ステージ4はNES版仕様になっている。上昇や下降に使用するボタンもNES版と同じ。
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最終更新:2023年12月14日 22:04