リンクの冒険
とは、【ファミリーコンピュータ ディスクシステム】用のゲーム。
概要
【ゼルダの伝説】の続編。CMで「ゼルダの伝説パート2」、パッケージやタイトル画面には「THE LEGEND OF ZELDA 2」と記載されているが、タイトル名には付かない。
前作とは異なり横スクロールのアクションRPGとして作られている。
本作は謎解きよりも戦闘に重点が置かれた作風になっており、主役の【リンク】は様々な剣技や魔法を操る事ができ、特定の行動でないとダメージを与えられない敵が複数登場する。一方でアイテムを使い分ける要素は無くなっており、謎解きは簡略化された。
残機制ではあるが、敵からノックバックされる上、【スーパーマリオブラザーズ】のように崖下の水中や溶岩に落ちると即死するため難易度は高め。
本作のゲーム部分は後続作品にはあまり引き継がれなかったが、剣技や魔法は今後のシリーズでも何かしらの形で使用できるようになっている。
ストーリー
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リンクはガノンとの激しい激闘の末、ついにガノンを倒し、トライフォースを取り戻し、ゼルダ姫を救い出しました。
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しかし、本当にすべてが終わったのでしょうか。
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それから季節が何度かめぐりました。
ハイラルは荒廃の一途をたどる一方でした。ガノンの邪悪な心の残した力が、ハイラルの秩序をすっかり乱していたのです。そのうえ、ガノンが倒されたあとも、その一部の手下たちはハイラルに残り、ガノン復活の機会をうかがっていました。
復活の鍵、それはガノンを倒した者──リンクの血でした。リンクをいけにえにし、その血を灰になったガノンにふりかけることにより、ガノンは復活するのです。
(一部省略)
一方のリンクは左手に三角形のあざがある事に気付きます。インパに見せると彼女は驚いてリンクをハイラル北の城に連れて行き、インパが扉にリンクの手を当てると決して開く事の無い「開かずの扉」がゆっくり開き始めました。すると、扉の中の祭壇には美しい女性…初代ゼルダ姫が眠っていたのです。
インパは王家に伝わる「ゼルダの伝説」をリンクに語り、1つの巻物と6つのクリスタルを手渡しました。これには古代語でトライフォースの秘密が隠されているというのです。
リンクが巻物を手に取ると、不思議な事に文字の方から語りかけてくるように読む事ができました。
その巻物にはトライフォースは3つ揃うと真の力を発揮する事と、3つ目の"勇気"のトライフォースの存在が記されており、"勇気"のトライフォースに辿り着くにはハイラルにある6つの神殿の守護者を倒してクリスタルを嵌め、"死の谷(デス・バレー)"の結界を解除し、谷の奥の大神殿の大守護者を倒さなければならないとのことでした。
インパ曰く、トライフォースが完成すれば初代ゼルダ姫は目を覚ますというのです。リンクは頷き、冒険の旅へと向かいました。
いっぽう、ガノンの手下たちも魔界から新たな仲間を呼び寄せ、リンクの命を狙うのでした……。
ゲームシステム
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エンカウント戦闘
前作とは異なりRPGのようなフィールドマップが存在しており、普通のRPGのように敵と接触すると戦闘画面に移る。本作では道が安全になっており、道を歩いている時は敵が出ない。また、道以外を歩いて出た敵は道に戻ってから敵に接触すると戦闘画面に切り替わっても誰もいない。妖精の場合は道に戻ってから接触しても通常通り出現してくれるので安心。
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横スクロールの戦闘
前作と異なり戦闘やダンジョンに入ると横スクロールの戦いとなる。
ただし敵を全滅させても特に何か起きる事は無く、あくまでも先に進むのが目的。
フィールドでのエンカウントは端まで行くと抜けられるので、敵を無視して抜けるのも可能。
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魔法
町で覚えた魔法は横スクロールエリアでMAGICを消費して使用する。魔法によって消費するMAGICの量が異なる。
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アイテム
前作ではアイテムを選択して使用するシステムがあったが、本作では全てのアイテムが持っているだけで自動的に効果を発揮するようになっている。
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レベルアップ
本作は経験値を集める事で、ATTACK・MAGIC・LIFEから選んでレベルを上げる事ができる。
ただしデータロード時及びゲームオーバー後のコンティニュー時には全能力の中で最も低いものにレベルが統一されるため、RTA等のプレイ以外では一通り上げながら進まなくてはならない。
なお北米版では仕様が異なり、レベルはそのままになる。
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剣技
最初は前にしか攻撃できないが、技を教えてもらう事で下突き、上突きが使えるようになる。
キャラクター
味方
守護神・ラスボスなど
地上・洞窟の敵
神殿の敵
地名
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ハイラル
毎度おなじみとなるゼルダの伝説シリーズの舞台。
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西ハイラル
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北の城
本作のスタート地点。初代ゼルダ姫が眠る。
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ラウルの町
北の城の東にある町。恐らく最初に立ち寄る事になる場所。
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タンタリ砂漠
北の城の北部に広がる砂漠。ゴーリアが住み着いている洞窟がある。
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パラパ砂漠
ラウルの町の北東にある洞窟を抜けた先の砂漠。第一神殿が存在する。
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ルトの町
北の城の西に存在する町。
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モルゲ沼
ルトの町から南下した場所にある沼地。聖なる水が隠されている洞窟が存在する。
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サリアの町
モルゲの沼の南部に位置する水の町。ガノンの手下(エーク)が住民に化けている。
エークに変化する可能性があるのは、外を歩いている何も情報を持っていない汎用台詞の住民。
エークに変化する住民がランダムに登場するという仕組みではなく、話しかけるたびにランダムでエークに変化するという仕組みなので、汎用台詞の住民にはむやみに話しかけない方が良い。
同名キャラクターが有名になりすぎているが森の町では無いので注意。
一部で有名なユウシャ ロトの墓もここにある。
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ミドロ沼
西ハイラルの中央にある大きな沼地。奥地に第二神殿が存在する。
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デスマウンテン/デスマウンテンエリア
西ハイラルの南西の山岳地帯。前作ではガノンの本拠地だった場所。
溶岩が流れる危険な洞窟が多い。
実はこの一帯は、よく見ると前作『ゼルダの伝説』のフィールドマップ全体の縮小版になっている。
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王の墓
西ハイラルの南東にある墓場地帯。第三神殿に通じる道が存在する。
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ミドの町
西ハイラルの南東に位置する港町。
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港
ミドの町のすぐ近くにある港。東ハイラルへの唯一の航路。
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東ハイラル
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港
西と東のハイラルを繋ぐ航路。
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ナボールの町
東ハイラルの中央に存在する町。
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ダルニアの町
東ハイラルの北西に存在する山の町。ここにもガノンの一味が紛れ込んでいる。
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迷路島
東ハイラルの北東にある迷路のような島。奥地に第四神殿が存在する。
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カストの町(書籍・資料によっては「新カストの町」とも)
森の中に隠れた町。
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旧カストの町
魔物の襲撃で滅んだ町。見えないモアが住み着いている危険地帯。
マジシャン以外に生きている人間はいない。
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死の谷(デス・バレー)
大神殿が存在する危険な谷。凶暴な生物がうろついている。
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神殿
偉大なる王が勇気のトライフォースを隠すために建造した神殿。1つの大神殿と、それの結界を張るための6つの神殿が存在しており、それぞれ守護神が防衛している。
神殿はボスを撃破しており重要アイテムを取った状態で用済みになると何故か崩壊してしまうため、経験値稼ぎ等は攻略中に行う必要がある。
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第一神殿(パラパ砂漠の神殿)
西ハイラルのパラパ砂漠にある神殿。守護神はマズラ。
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第二神殿(ミドロ沼の神殿)
西ハイラルのミドロ沼にある神殿。守護神はジャーマフェンサ。
北米版の守護神はジャーマフェンサⅡ(ステータス調整版)に差し替えられている。
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第三神殿(神の島の神殿)
西ハイラルの孤島にある神殿。守護神はレボナック。
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第四神殿(迷路島の神殿)
東ハイラルの迷路島にある神殿。守護神はカロック。
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第五神殿(海上の神殿)
東ハイラルの東の海にある神殿。守護神はジャーマフェンサⅡ。
北米版の守護神はGoomaに差し替えられている。
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第六神殿(三つ目岩の神殿)
東ハイラル南部の三つ目岩にある神殿。守護神はバルバジア。
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大神殿
東ハイラルの死の谷(デス・バレー)の最奥にある本作のラストダンジョン。勇気のトライフォースが眠っている。
最強の守護神であるボルバ、そして自らの影であるシャドウリンクが待ち受ける。
ちなみにここに入るためにはディスクをA面にする必要があるため、その旨が説明書に明記されている。
関連作品
北米版
NESに移植された北米版では音源以外にも細かい仕様変更点が見受けられる。
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レベルを個別に保存するように修正。
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↑に伴い、レベルアップに必要な経験値が変更。
レベルの上げやすさはLIFE>MAGIC>ATTACKの順となる。
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通常戦闘BGMが別物に差し替えられている。
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フィールドの敵シンボルのデザイン変更。
弱い敵=黄色い人魂からボトのシンボル。
強い敵=青い人魂からヒューマノイド形クリーチャーのシンボル。
妖精=赤い人魂から妖精のシンボル。
これにより妖精のシンボルが解りやすくなった。
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ゲームオーバー時、ガノンのシルエットが表示される。
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一部の敵に『体当たりを食らうと経験値を吸収する能力』が追加。
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【テクタイト】・【ゾーラ】がFIREの魔法による火の玉しか効かなくなった。
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一部の敵のステータス・獲得経験値・落とすアイテムの変更。
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一部の敵のアルゴリズム強化。
日本版よりも敵の攻撃が激しい他、盾持ちの敵は盾の扱いが上手くなっている。
移植・リメイク
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【ファミコンミニ】
2004/08/10にディスクシステムセレクションのNo.25として発売。
リンク
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最終更新:2025年03月22日 22:23