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リング

『リング』は鈴木光司によるミステリィホラー小説、およびそれを原作とした映画、ドラマ。『リング』シリーズの第一作。1991年に出版。1995年にテレビドラマ化。1998年に東宝配給で映画化され、2002年にアメリカのドリームワークスによりリメイクされた。

ミステリ小説賞である江戸川乱歩賞の候補として出品され、その絶妙なプロットとアイデア、サスペンス性の高さから審査員の中でも非常に高評価を受けていたが、ジャンルがサスペンスかホラーかという線引きがしにくい作品であり、推理小説のための賞という性質から惜しくも入選を逃した。

作者は当時完全な無名作家であったが、その抜群の出来栄えからすぐさまハードカバーとして出版された。派手な宣伝などもなされなかったが、当時は海外小説から始まるホラー小説のブームが起きているという好条件もあり、他の作品群を遥かに凌駕するその圧倒的なまでの出来栄えから徐々に認知度を上げていった。

本作は日本のホラーに一大センセーションを巻き起こした作品で、本書『リング』、続編『らせん』、完結編『ループ』及び関連エピソードによる短編集『バースデイ』と4冊のシリーズになっている(通称「リングシリーズ」)。4作で累計800万部の売り上げ(『なぜ勉強するのか?』2006年刊行時)を誇る、近時の日本小説界の大ベストセラー。『リング』は1991年のハードカバー刊行時はさほどの話題とならなかったが、1993年に文庫本化されてからジワジワと話題を呼んで部数を伸ばし、1995年のテレビ単発ドラマ化に至り、やがて1998年の映画化によってジャパニーズホラーブームの火付け役となった。

本作の高い評価の理由には「ビデオテープ (VHS) という身近な題材」「ホラーだが怖がらせるだけではなく、ストーリーも緻密に構成されている」「ラストのどんでん返し」という点が上げられる。ラストの元ネタは日本でも昔から都市伝説となっている「不幸の手紙」がベースとなっており、若者の関心を引きやすかったともいわれる。また、呪いが爆発的に感染するという、「ウイルス」「コンピューターウイルス」などにも通じる科学的なストーリー設定が、作品に深みを与えたことも特筆すべきであろう。

続編『らせん』以降はホラー色が減退してサイエンスフィクションの要素が前面に立ち、完結編『ループ』に至っては仮想現実世界と現実世界を舞台に、生命の誕生と創造に至る壮大なSFへと変化するため、巻を経る毎にジャンルが大胆に飛躍するシリーズでもあり、純粋に「恐怖小説」を望んだ読者にとっては、本書以外は賛否両論のようである。

1998年には『リング』『らせん』が同時に映画化されたが、上記の理由から『らせん』は原作よりもややホラー寄りのアレンジが成されており、さらに原作を離れてホラー路線を継承した映画オリジナルの続編『リング2』『リング0 バースデイ』が製作されている。映画『リング』の配給収入は10億円、『リング2』は21億円であった。また映画版で描かれた「TV画面から現れる『貞子の恐怖』」については様々なメディアで扱われ、パロディーなども多く作られた。

作中の登場人物である伊熊平八郎・山村志津子は、明治時代に起こった千里眼事件の関係者(学者・福来友吉、超能力者・御船千鶴子)がそのモデルとなっている。又、その千里眼能力者の中に高橋貞子という女性が実在していた事も、その関連を想起させるものがある。

作者は作品ができた後で、御船千鶴子の存在を知ったとのことである。


最終更新:2010年08月19日 22:08
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