『氷の華』(こおりのはな)は、天野節子による日本の小説及び、本作を原作としたテレビドラマ。
作者の小説家デビュー作。2006年に自費出版され、2007年に単行本として幻冬舎から出版された。発売直前に出版社が倒産したが、その出版社の編集者に「世に出すべきじゃないか」と言われ、幻冬舎から出版された[1]。また著者は、2008年9月4日放送の徹子の部屋に出演した。Web漫画雑誌『スピカ』で、2008年10月号から東城和実によって漫画連載がされている。
夫が出張中のある日、妻の恭子の元に、関口真弓と名乗る女から電話がかかってくる。その女は、隆之の愛人で、隆之の子を妊娠している、と高圧的な態度で恭子に明かす。不妊症だった恭子はその事実に愕然とする。子どももできない上に家事もろくにできない女に妻の資格はない、と罵られ、はらわたが煮えたぎる思いの恭子は、夫が出張中の今の内に、と関口真弓を毒殺する。
犯行は完璧だった。証拠も一切残さなかった。しかし、事件の報道をどんなに待っても、関口真弓が妊娠していたという事実はない。夫は彼女との関係を認めたが、しっくり来ないものがあった。自分は一体誰を殺したのか、あの電話の主とは別人だったのか。自分は嵌められたのではないかと疑心暗鬼になる恭子だが、捜査の手は確実に迫っていく。
ドラマ
テレビ朝日開局50周年ドラマとして、2008年9月6日・7日に放送された。第一夜 (16.8%)、第二夜 (18.0%)。
恭子の幼少時の出来事、またピアニストという職業が加えられ、隆之らの勤め先が事務機メーカーから病院へと変わっている。最後は松本清張の『
砂の器』を彷彿とさせるラストで幕を閉じる。
キャスト
- 瀬野恭子 - 米倉涼子:ピアニスト・瀬野病院理事長
- 高橋康子 - 高岡早紀
- 浜村ゆかり - 葉月里緒菜:恭子の大学時代の後輩。恭子を「お姉さま」と呼び慕っている。
- 滝沢加世 - 鈴木杏樹:大学時代、隆之のことが好きだった
- 瀬野隆之 - 堺雅人:吉岡病院外科部長→瀬野病院長
- 関口真弓 - 中島ひろ子:看護師
- 吉岡達郎 - 中原丈雄:吉岡病院長、ひき逃げに遭い死亡
- 橋本警視 - 名高達男:警視庁捜査一課班長
- 戸田紫織 - 南野陽子:戸田の妻、妊娠中
- 篠原悦子 - 前田美波里:瀬野病院看護部長
- 勝本さち - 大森暁美:恭子がワイン店でぶつかった婦人
- 山内刑事 - 不破万作 (俳優)
- 中西署長 - 須永慶
- 田村幸子 ‐ 平岩紙
- 川口久子 ‐ 酒井麻吏
- 大塚美晴 - ともさかりえ:本郷西署刑事課警部補。戸田警部と共に捜査にあたる。
- 名取悦男 - 渡哲也(特別出演):達郎の親友で弁護士
- 戸田克巳 - 舘ひろし:警視庁捜査一課警部
最終更新:2010年08月21日 13:19