ジャンク・ウォリアー(遊戯王OCG)

登録日:2010/10/29 Fri 16:41:25
更新日:2025/04/09 Wed 07:34:06
所要時間:約 11 分で読めます






「俺のターン!ドロー!」
「来た…!俺は手札から、《ジャンク・シンクロン》を召喚!」
「その効果により、墓地の《スピード・ウォリアー》を特殊召喚する!」
「レベル2の《スピード・ウォリアー》に、レベル3の《ジャンク・シンクロン》をチューニング!」

集いし星が、新たな力を呼び起こす!
光さす道となれ!


いでよ!
《ジャンク・ウォリアー》!

OCGにおけるテキスト

《ジャンク・ウォリアー》
シンクロ・効果モンスター
星5/闇属性/戦士族/ATK 2300/DEF 1300
「ジャンク・シンクロン」+チューナー以外のモンスター1体以上
(1):このカードがS召喚に成功した場合に発動する。
このカードの攻撃力は、自分フィールドのレベル2以下のモンスターの攻撃力の合計分アップする。

●目次

概要

《ジャンク・ウォリアー》は遊戯王OCGに登場したカードである。
第6期に登場したシンクロモンスターの代名詞的なカードで度々他のカードのイラストにも登場している。

アニメ版での攻撃名は「スクラップ・フィスト」
アームズ・エイド装備時は「パワーギア・フィスト」
攻撃力アップ効果名は「パワー・オブ・フェローズ」


解説

基本攻撃力は上級ライン2400には届かないものの、自身の効果により爆発的にアップする可能性も秘めている。
ちなみに、S召喚にチェーンして罠・速攻魔法でレベル2以下のモンスターを召喚してやれば、その攻撃力もちゃんと加算される。
ただし効果への耐性は全くないので、そこは注意が必要。

指定チューナー、《ジャンク・シンクロン》の効果によりすぐさまS召喚することができる。

しかし他の星5のシンクロモンスターには


などライバルが多い。

しかしその効果により星2以下がたくさんいる【ローレベル】や【ガエル】デッキなどに採用される時もある。(後者は微妙だが)
効果により高攻撃力を見込める《ザ・カリキュレーター》を絡めれば容易にワンキルも狙うことも可能。

ただしこういうデッキによく入っているロックパーツのほとんどに引っ掛かるのが悩み所。
また、除去に対する耐性もないので、そこは対策しておきたい。

また、【ウォリアー】デッキでは《クイック・シンクロン》から出せる唯一の星5のSモンスターだったので重宝されていた。
現在はバウンス&自己再生の《ジェット・ウォリアー》が出てしまい、数合わせ要員として採用されにくいが、こっちは闇属性なのでサポート自体は豊富。


第6期に入ってからは毎年発売されるスターターデッキで皆勤賞をとっていた。


アニメ版

アニメでは主人公不動遊星のエース兼切り込み隊長として活躍。
物語的にも重要な本来のエース《スターダスト・ドラゴン》が本編当初ジャック・アトラスにパクられている都合上、序盤では完全にエース扱いで、
第1期OPではスタダは背景扱いで、サビではこのカード(レベル5)を召喚し、ジャックが召喚した《レッド・デーモンズ・ドラゴン》(レベル8)と激突するという破格の待遇。

中盤以降は《スターダスト・ドラゴン》に出番を奪われ、他のジャンクシリーズが登場するのでやや不遇。

まあ、他のウォリアー達もほぼ同じなので仕方ないか。
別の未来の遊星のエースであるニトロは割と活躍するが。

また、墓地へ行っても蘇生され《スターダスト・ドラゴン》や他のウォリアー達への繋ぎになることもしばしばある。
特に初期のFC編やダークシグナー編ではウォリアーの万能中継役《クイック・シンクロン》もまだ登場してないので他のウォリアー達よりも出番が多い。


初登場は記念すべき第1話の初デュエル「遊星VS牛尾(1戦目)」

《ジャンク・シンクロン》と《SP-エンジェル・リフト》で復活した過労死こと《スピード・ウォリアー》を素材に召喚。

《手錠竜》の効果を逆手にとって《モンタージュ・ドラゴン》の攻撃力を下げて破壊し、フィニッシャーとなった。

どうやらサテライトではSモンスターは珍しいようで

牛尾「なにぃ!? サテライトのクズ野郎がシンクロ召喚だとぉっ!?」

と、牛尾さーんも驚いていた。

なお、初期はOCGとは違い永続効果だったが、「遊星VSシェリー」以後現物と同じ誘発効果になった。
どちらも一長一短なのでどちらの方が一概に強いとは言えない。

以後も遊星デッキの切り込み役として頻繁に活躍。
ゴヨウされたり、登場後すぐさまS素材となったりソスな役回りな事もあるが、登場回数はトップクラス。

遊星のエースである事と迫力のある攻撃シーンから視聴者人気も高い。
あの凶悪カードの《ダーク・ダイブ・ボンバー》とのバトルシーンは必見。


しかし、彼の人生は《スターダスト・ドラゴン》にエースカードの座を奪い返されたことで狂い始める。

召喚頻度が徐々に落ちていき、アイキャッチも《スターダスト・ドラゴン》に変更されるなど、扱いが酷くなっていく。
特にvsガードロボ戦では、このカードがフィニッシャーになれたはずなのに、無意味に《スターダスト・ドラゴン》のS素材にされた。
しかもついでにガードロボに「《スターダスト・ドラゴン》を召喚した場合の不動遊星の勝率は100%」とまで言われるし……。
横に同じレベル5の《アースクエイク・ジャイアント》もいたのに……。


そして3期でその《スターダスト・ドラゴン》と融合し《波動竜騎士 ドラゴエクィテス》になったことを最後に登場しなくなり、
4期OPでは全く登場していない。あの《マックス・ウォリアー》や《ハイパー・シンクロン》は登場しているのに……。
……まあ、出てると言ってもシンクロ素材にされる一瞬だけだし、どちらかと言うと敵側に尺を割いたOPでシグナーの竜以外はほぼ出番がないのだが。


一方、最後の第5期OP「明日への道~Going my way!!~」では筆頭格として他のシンクロモンスターと並んで登場し、
さらにラストのカットではスタダすら差し置いて、赤き竜をバックに遊星と共にラスボスと対峙するというまさかの待遇。

そのプッシュされっぷりにこれからの活躍が期待されていたが、
結局アーククレイドル編での出番は無かった。ついでに赤き竜の出番もほとんどなかった


このまま物語は終焉を迎えると誰もが思った………。


















そして最終回におけるジャックとのデュエル。
互いの魂をぶつけ合う激しいデッドヒートの末迎えた最終局面。

遊星のフィールドには《スピード・ウォリアー》《ロードランナー》《ジャンク・シンクロン》、《ソニック・ウォリアー(初登場)《ボルト・ヘッジホッグ》といった遊星をずっと支え続けたカード達が並び、そして…


レベル2の《ソニック・ウォリアー》に、レベル3の《ジャンク・シンクロン》をチューニング!

集いし星が、新たな力を呼び起こす!
光さす道となれ!シンクロ召喚!


聞き慣れたS召喚のセリフとレベル5のシンクロ素材。視聴者たちは確信した。





いでよ!
《ジャンク・ウォリアー》!!


ジャック&視聴者「ここで…!《ジャンク・ウォリアー》だと!?」


満を持しての登場に多くのデュエリストと視聴者が興奮で沸き立った。
不要なものなど存在しない。仲間との絆があれば強くいられる。
そう示すかのように(ソニックさんのおかげで攻撃力が上昇した)仲間達の絆を拳に宿し攻撃力5500にまで上昇、渾身の一撃をもって《レッド・デーモンズ・ドラゴン》を打ち破りデュエルに幕を下ろした。
それはまさしく、第一期OPのラストと同じ構図であった。

誰もが「ラストの〆は《スターダスト・ドラゴン》か《シューティング・スター・ドラゴン》だろう」と思われた中での抜擢には多くの視聴者がカタルシスを覚え、満足した。そして別の意味で笑撃与えたソニックさん。
考えてみれば、遊星は一度ジャックにスターダストを奪われて以降はスターダスト無しでサテライトを二年間戦い抜いてきたのだ。
ダークシグナー、WRGP、アーククレイドルと物語を通じてスターダストを召喚出来るようにデッキを調整してきたとはいえ、「カードは拾った」と発言した遊星にとっては、《ジャンク・ウォリアー》のほうが付き合いも長く、各ウォリアーシンクロモンスターにつなげる戦法の方が長けているのだろう。
《スターダスト・ドラゴン》がシグナーとしてのエースならば、《ジャンク・ウォリアー》は「不動遊星」としてのエースなのかもしれない。

後にこの最後の攻防は《ぶつかり合う魂》という名(ラストデュエル前半のサブタイトル)でカード化された。

余談だがこのカードは『5D's』で最初にS召喚され、最後にS召喚されたカードである。


相性の良いカード


星2(ATK900/DEF400)
ご存知過労死、召喚したターンのバトルフェイズに元々の攻撃力が2倍になる。
2倍になったバトルフェイズに《緊急同調》を使えば一気に攻撃力アップ。
さらにライフ劣勢時に《進化する人類》を装備させて上記を行えば攻撃力が4800もアップする。
しかし、基本的にはS素材に使われるモンスターなので「出来たらいいな」程度に。

  • 《ドッペル・ウォリアー》
星2(ATK800/DEF600)
S素材として墓地に送られた時、自分フィールド上に2体のトークン(ATK400)を特殊召喚する。
《ジャンク・シンクロン》で蘇生、シンクロに繋げる事で攻撃力は3100にアップする。
属性、種族と相性は最高だが2体のトークンが攻撃表示で召喚されるのには注意。

星2(ATK?/DEF0)
攻撃力が自分フィールドの表側モンスターのレベルの合計×300になる。
こいつがフィールドに1体でもいる状態で《ジャンク・ウォリアー》を出せば攻撃力は4400まで跳ね上がる。

星1(ATK0/DEF0)
攻撃力守備力が自分のライフの半分の数値分アップ
上手くライフを稼げば《ジャンク・ウォリアー》の攻撃力は圧倒的な数値になるだろう。
しかし、特殊召喚の条件を自ら満たせるカードも必要になる。
ちなみに他の機皇帝は攻撃制限がかかるので相性は良くない。
あとアニメ的には敵だったので気分的に微妙な…。

  • 《星蝕―レベル・クライム―》
罠カード
《ジャンク・ウォリアー》の召喚時に発動すれば《ジャンク・ウォリアー》が星1となり、
自分自身が自身の効果の範囲に入ることで簡単に攻撃力を倍に出来る。

  • 《フリッグのリンゴ》
レベル1のトークンを召喚できる罠。
レベルクライムと違い相手依存ではあるが、S召喚できない状況でも使いやすい。

両方自らをデッキからサーチでき、墓地発動なので《ジャンク・シンクロン》で無効化されていても使える。
おまけに《ジャンク・ウォリアー》がATK4300まで上昇する。
また、後者は上記のグランエルともシナジーが期待できる。

  • 《ラッシュ・ウォリアー》
ダメージ計算時に手札から捨てる事でウォリアーシンクロモンスターの攻撃力を倍加する。
上記にあるカードを利用して攻撃力を上げてから使えばワンキルも余裕。
墓地に行っても自身の効果でシンクロンを回収したり、《ジャンク・シンクロン》で吊り上げシンクロしたりと無駄がない。

  • 《スクラップ・フィスト》
いわゆる必殺技カード
《ジャンク・ウォリアー》の戦闘時に
①ダメージステップ終了まで相手の魔法・罠・モンスター効果の発動を封殺
②守備モンスターを攻撃した時に貫通ダメージ
③相手の戦闘ダメージ倍加
④戦闘破壊耐性
⑤ダメージステップ終了後に相手モンスターを効果破壊
の5つの効果を付与する速攻魔法。
攻撃力を上げる訳ではないので上記カード群と比べると若干使い辛いが、
それらと組み合わせて使えば爽快感溢れる浪漫カードでもある。

  • 《湿地草原》
【ガエル】で用いられるフィールド魔法。後は専用のデッキ以外では使えないと思われる。
水属性・水族・レベル2以下という条件が非常に厳しい代わりに攻撃力が1200も上昇する。この上昇量はフィールド魔法の中では最高を誇る。
レベル2以下という条件がマッチしているので、組み合わせてやると壮絶なシナジーを発揮する。最大で4800も攻撃力が上がり、ワンターンキル級に到達する。
専用デッキならおそらくレベル2に特化していると思うので、《ジャンク・シンクロン》を追加してやるだけで使用可能になる手軽さも重要。

  • 《シンクロ・オーバートップ》
Z-ONE戦で《シューティング・クェーサー・ドラゴン》の降臨に繋げた《SP-シンクロ・パニック》とアニメ版《ライフ・ストリーム・ドラゴン》のコンボを再現した通常魔法。
墓地のレベル7・8のSモンスターを効果無効・レベル1にして蘇生。
事前準備が必要になるが攻撃力の高いレベル1モンスターを複数出せるため《ジャンク・ウォリアー》の攻撃力を大幅に上昇させられる。
25周年イベント「遊戯王デュエルモンスターズ 決闘者伝説 QUARTER CENTURY」で行われた「デュエルオペラ『遊☆戯☆王5D’s ~ 不動遊星 vs ジャック・アトラス ~』」では遊星役の宮下雄也氏が使用し、《スターダスト・ドラゴン》と《シューティング・ライザー・ドラゴン》の攻撃力を加えて6900になった《ジャンク・ウォリアー》で《レッド・デーモンズ・ドラゴン》を戦闘破壊して勝負を決めていた。


相性の良いデッキ


【ジャンク・ウォリアー】
自分自身が主役。
《ジャンク・ウォリアー》の効果を最大限に生かし一撃必殺を狙うローレベルのビートダウン。
基本はレベル2以下の効果モンスターで戦線を固め攻撃を防ぎ、隙あらば《ジャンク・ウォリアー》の攻撃力で攻める感じ。
調整すれば狸ジャンクにすることも可能。また、調整次第ではカオスモンスターも出しやすくなる。
やりすぎて【ジャンクドッペル】になったら知らん。

【不死武士シンクロ】
特別相性が良いわけではないが、《ジャンク・シンクロン》が必然的に入り、
ドッペルさんとシナジーし1ターンキルも狙うことができるのでお勧め。

【ジャンクワイト】
高攻撃力を見込める《ワイトキング》と並べればこのデッキも1killしやすい。
いわゆる【アンデシンクロ】のギミックが使えるので勝ち筋が増えるのも魅力。

おジャマ
レベル2以下のモンスターが非常に多いために攻撃力を上げやすく、また《ジャンク・シンクロン》が無理なく入る。
汎用以外に前世のⅣさんが使用した《氷結のフィッツジェラルド》も採用されることもあるが、
《おジャマ・レッド》でおジャマを展開し、彼をS召喚すれば、その自己強化効果を活用できる。
その誘発効果にチェーンし《リミット・リバース》等で墓地のおジャマ等を蘇生すれば、さらに上がる可能性もある。
効果無効化されたら《天穹覇龍ドラゴアセンション》さんへとレベルアップシンクロすることもできる。




余談

戦姫絶唱シンフォギアG』というアニメで、主人公がスクラップ・フィストにしか見えないパンチを披露している。
初見の際、別のアニメを見ているはずなのに凄まじく見覚えのある構図が展開され、思わず目を見張った適合者兼決闘者も多いのではないだろうか。
ちなみに監督のTwitterを見る限りでは、確信犯……とまではいかないが監督本人もまんまスクラップ・フィストだったことを認めているようだ。

また初期の頃は、登場時の腕を前に突き出す演出がロックバスターに見えるということでロックマンと呼ばれていたりした。
ただし、こちらは手を引っ込めているわけではなく、あくまでも体勢が似ているだけである。



叩きこめ!《ジャンク・ウォリアー》!

追記修正フィスト!

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最終更新:2025年04月09日 07:34