素早い(遊戯王OCG)

登録日:2010/09/03 Fri 08:38:43
更新日:2025/04/26 Sat 15:34:08
所要時間:約 8 分で読めます





【素早い】とは『遊戯王OCG』に登場するカテゴリである。


▼概要


初登場は第2期の「Pharaoh's Servant -ファラオのしもべ-」からと、20年以上の歴史を持つ由緒あるカード群。
正式にカテゴリ化されたのは、それから約12年を経た「ABYSS RISING」から。
それぞれレベル2*1、守備力100、同名カードや「素早い」の名を持つモンスターをリクルートできる共通点を持つ。



▼所属カード


■素早いモモンガ
英名:Nimble Momonga
星2/地属性/獣族/攻1000/守 100
このカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、自分は1000ライフポイント回復する。
さらに自分のデッキから「素早いモモンガ」を任意の数だけ裏側守備表示で特殊召喚する事ができる。

記念すべき初の「素早い」モンスター。
LP回復と同名カードのリクルート効果を持ち、誘発効果に分類される。

単純に使うだけでも、ライフとボード、両アドバンテージを同時に稼ぐ事が出来、デッキ圧縮も行える。
効果は任意であり、数も指定されていない為、状況に合わせ易く柔軟性が高い。
高速でモンスターを展開できる性質上、A召喚のリリース要員や、低レベル故にレベル調整しやすく、S召喚の素材としても優秀で使い勝手が良い。
X召喚は自場に同レベルモンスターが複数必要な為、同名カードが2体出せるこのカードは素材として役立つ。
デッキから同名モンスターが出てくるため、擬似的な上限付き戦闘破壊耐性持ちとも捉えられる。

また、裏側守備で特殊召喚される都合上、追撃を受け難いのも評価できる。


アニメでは、『遊戯王5D's』にてチームユニコーンのアンドレが使用。
初登場から実に10年近くのブランクを経ての登場となった。また、ブレオのデッキにも投入されている。



■素早いムササビ
英名:Nimble Musasabi
星2/地属性/獣族/攻800/守 100
このカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、相手ライフに500ポイントダメージを与える。
さらに自分のデッキから「素早いムササビ」を任意の数だけ相手フィールド上に表側攻撃表示で特殊召喚する事ができる。
このカードはアドバンス召喚のためにはリリースできない。

パッと見《素早いモモンガ》と似た感じだが、その内容は全く違う。
回復効果はバーン効果に切り変わり、後続も相手の場に展開する。いわゆる送りつけモンスター。
敵に塩を送るも同然になるので、よほどの目的が無い限り、《素早いモモンガ》を選んだ方が無難。
一応、A召喚のリリースには使えない縛りがあるが、現環境ではあって無い様なもの



■素早いマンボウ
英名:Nimble Sunfish
星2/水属性/魚族/攻1000/守 100
このカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、自分のデッキから魚族モンスター1体を墓地へ送る。
その後、自分のデッキから「素早いマンボウ」1体を特殊召喚する事ができる。

「素早い」モンスター初の水属性・魚族モンスター。
リクルートできるのは1体のみだが、デッキ圧縮と墓地肥やしを同時に行える。
魚族には《キラー・ラブカ》やマンボウ繋がりの《ハリマンボウ》など、墓地送りと相性のいいモンスターが多い。
特に後述の《素早いアンコウ》との相性は目を見張るものがあり、一気に最大3体ものモンスターを展開できる。



■素早いマンタ
英名:Nimble Manta
星2/水属性/魚族/攻800/守 100
フィールド上のこのカードがカードの効果によって墓地へ送られた時、デッキから「素早いマンタ」を任意の数だけ特殊召喚できる。

こちらの効果の発動条件は戦闘破壊でなく、効果による除去。
しかしステータスは貧弱なうえに、任意効果であるためタイミングを逃す可能性もある。
リミット・リバース》などで能動的に破壊したいところ。
ちなみに、日本ではこちらの方が《素早いマンボウ》より先に登場している。



■素早いアンコウ
英名:Nimble Angler
星2/水属性/魚族/攻600/守 100
このカードが手札・デッキから墓地へ送られた場合、デッキから「素早いアンコウ」以外のレベル3以下の「素早い」と名のついたモンスターを2体まで特殊召喚できる。

今まで同名カードのリクルートだったが、このカードの指定は同名以外の「素早い」モンスター。
つまり、「素早い」モンスターカテゴリ化の立役者。
明らかに《素早いマンボウ》と合わせて使うようにデザインされており、レベル・属性・種族もぴったり一致する。
また、《素早いマンボウ》抜きにしても《ジェネクス・ウンディーネ》や《鬼ガエル》、さらには《おろかな埋葬》などの汎用カードとも相性が良かったり。
総じて、「素早い」デッキのメインエンジンと言っても過言ではないだろう。



■素早いビーバー
英名:Nimble Beaver
星2/水属性/獣族/攻400/守 100
(1):このカードが召喚に成功した時に発動できる。
自分のデッキ・墓地からレベル3以下の「素早い」モンスター1体を選んで特殊召喚する。

発動条件の緩さはもちろん、蘇生させることも可能な「素早い」モンスターの星。
しかも《素早いアンコウ》と違い、自身も対象になっている。
これ1枚でランク2やリンク2のモンスターを手軽に出せる。
つまり、《マスター・ボーイ》や《No.64 古狸三太夫》を簡単に出せてしまうということで……
さらに《ジャンク・シンクロン》や《デブリ・ドラゴン》にも対応している。
また、水属性・獣族という、これまでの「素早い」を折衷したような組み合わせであり、《魔獣の懐柔》や《サルベージ》などのサポートに両方対応しているのも嬉しい所。



■素早いビッグハムスター
英名:Super-Nimble Mega Hamster
星4/地属性/獣族/攻1100/守 1800
リバース:自分のデッキからレベル3以下の獣族モンスター1体を裏側守備表示で特殊召喚する事ができる。

レベルと守備力が他の「素早い」から外れている上、リバースモンスターという異色の「素早い」。
というか《素早いアンコウ》や《素早いビーバー》の効果でリクルート・蘇生できないため、厳密には「素早い」カテゴリに当てはまらない。
こう書くと切ない感じだが、リクルートできる範囲ははるかに広く、チューナーも呼び出すことが可能。
リバース効果故に素早いはずが遅いという難点があるものの、リクルーターにありがちな「墓地に送られる」必要がなく、自爆特攻の必要も無い点が優れる。
守備力もそこそこあるので、返しのターンに呼んだチューナーと共にシンクロ、なんてこともしやすい。
事実、海外では【レスキューシンクロ】に投入されていた実績を持っている。


デッキとして

前述の通り、カテゴリ化したのは《素早いアンコウ》の登場後。
それ以前は種族属性がバラバラなので「素早い」モンスターで固めたデッキを組む意義は薄く、種族デッキで《素早いモモンガ》や《素早いマンボウ》《素早いマンタ》が使われるぐらいだった。

《素早いアンコウ》と《素早いビーバー》により能動的な展開や「素早い」間の連携が可能になり、
ジャンク・ウォリアー》やランク2Xを軸に据えたビートダウン等が生まれていった。
その展開効果を買われ、【スプライト】の一部品として抜擢されたこともある。

……以上の様に、これらのカードは様々な要素を含んでおり、デッキもさほど選ばず、実は結構できる子なのである。
しかし、いくつかの問題点があるのもお約束。

まずリクルーターの宿命として、《大天使クリスティア》などの特殊召喚メタが天敵。
また、どのカードも墓地に行く必要があるので、《マクロコスモス》《ディメンション・アトラクター》などの除外系も苦手。


▼関連カード


■ジャイアントウィルス
英名:Giant Germ
星2/闇属性/悪魔族/攻1000/守 100
このカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、相手ライフに500ポイントダメージを与える。
さらに自分のデッキから「ジャイアントウィルス」を任意の数だけ表側攻撃表示で特殊召喚する事ができる。

《素早いモモンガ》の効果が反転した感じのカード。幻魔皇メインのデッキなら《素早いモモンガ》より優先されるかも。
因みに、「ウルス」ではなく「ウルス」である。遊戯王ではよくあることなので注意。
禁止カードからエラッタを経て復帰した《死のデッキ破壊ウイルス》のコストにもなる。


■メカウサー
英名:Mecha Bunny
星2/地属性/機械族/攻800/守 100
このカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、自分のデッキから「メカウサー」1体を自分フィールド上に裏側守備表示で特殊召喚する事ができる。
このカードがリバースした時、フィールド上に存在するカード1枚を選択し、そのコントローラーに500ポイントダメージを与える。

珍しい機械族のリクルーター。
他のリクルーターとの相違点に、リバース時に効果が発動する点がある(リバース効果モンスターではない)。
また、ダメージもフィールド上のカード1体を選択し、そのコントローラーに与える。相手フィールドにカードが存在しないと自分がダメージを受けるので注意。まあそんな場面は自分から表示形式を変更するか相手が《皆既日食の書》を使うかしない限り起こらないが。
実は《魂を削る死霊》の天敵。


■ハイエナ
英名:Hyena
星3/地属性/獣族/攻1000/守 300
このカードが戦闘によって墓地へ送られた時、デッキから「ハイエナ」をフィールド上に特殊召喚する事ができる。
その後デッキをシャッフルする。

レベル、守備力が《素早いモモンガ》より上でリクルート効果も似ているが、追加効果がないのがネック。
レベルと表示形式を問わない点で差別化したい。


■デスハムスター
英名:Bubonic Vermin
星3/地属性/獣族/攻900/守 600
(1):このカードがリバースした場合に発動できる。
デッキから「デスハムスター」1体を裏側守備表示で特殊召喚する。

《素早いビッグハムスター》と同じく、リバース時に発動する効果のリクルーター。
ただしこちらは同名カードのみ。


追記・修正はリクルートからのエクシーズ召喚を成功させてからお願いします。

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最終更新:2025年04月26日 15:34

*1 アンコウとビーバーの効果範囲はレベル3までとなっているが、現状レベル3の「素早い」モンスターは存在しない