第2章 イエロー編(ポケットモンスターSPECIAL)

登録日:2018/07/19(木) 20:58:17
更新日:2019/03/21 Thu 12:32:13
所要時間:約 5 分で読めます





漫画ポケットモンスターSPECIALの第2章。ゲーム・ピカチュウ版の世界をベースにしている…が、ストーリーはほぼオリジナル。
単行本は4~7巻。連載期間は1998年5月~1999年11月迄。

あらすじ

レッドがポケモンリーグでチャンピオンになってから2年後のカントー地方
日々やってくる挑戦者を退けていたレッドは、ある日「シバ」と名乗る者からの挑戦状を受け取り、戦いに向かう。
だが、それから一カ月たち、オーキド博士の元に戻ってきたのは痛めつけられたピカ一体のみ。
そして、同時にそれを追うかのように現れた謎のトレーナー。
レッドの図鑑を手にし、ピカを連れてレッド捜索に向かうその名は、イエロー。
その正体とは、そして暗躍する四天王の目的とは?


主な登場人物

その他脇役は「ポケットモンスターSPECIALの脇役」の項目を参照。

◆図鑑所有者たち

イエロー
本章の主人公。ポケスペ初のオリジナルデザインの主人公である。
ポケモンを傷つけるのが苦手で、戦闘も捕獲も苦手かつ進化を拒絶するという、ポケモン作品の主人公として大丈夫か…と思わせる性格をしている。
だが、その芯に秘めた強い思いと戦いを組み立てる思考力、そして持ち前の回復能力で強力無比な四天王との戦いとレッド捜索の二つに挑む。

レッド
前章の主人公。しかし開始早々行方不明となり、消息を知るのは生還した手持ちのピカのみ。
そのピカは耳に傷を負い、イエローの能力で治療してもそこだけは治らない。
四天王の戦いを見たピカの記憶こそが、戦いを終息させる鍵となっているものの、ピカの心の傷は深かった……。

グリーン
トレーナーとしての実力が心もとないイエローを特訓する。この章ではマントを羽織っている。
実は第1章の時期にキクコとはすでに戦っていた。
終盤では因縁深いキョウとタッグを組み、「オーキドの孫」ということで自分をつけ狙うキクコと戦う。

ブルー
前章のラストでオーキド博士に認められ図鑑所有者となったものの、そのちゃっかりした性分は相変わらず。
幼少期の自分をさらったと疑った四天王を阻止するべく、イエローを送り出した張本人であるほか、何やら協力者がいるようだが……。
終盤では自らも前線に出て、ナツメとタッグを組みカンナと女同士の死闘を演じる。


◆味方勢力

●正義のジムリーダー
第1章と同じくエリカがリーダーを務め、更にカツラが加入。
四天王の策謀に気付き、カスミタケシはイエローにポケモンを託す。
だが、四天王に使役されたポケモン軍団により、カツラ以外の三人はそれぞれ守る街が襲撃されたため動けなくなってしまう。
カツラはイエローに同行し四天王の本拠地へと乗り込むが……。

マサキ
この章ではイエローと四天王の戦いに巻き込まれ、更にブルーに強引に同行させられる形で四天王の本拠地に到達。
そこにて「数合わせ」でマチスとタッグを組んでシバと戦うことに。
バトルの腕前はそこそこ。


◆敵・第三勢力

四天王

本章の敵組織。
組織としてはロケット団よりはるかに小粒。だが、一人一人の能力はとてつもなく高い。
なお、「四天王」はあくまで彼らの自称であり、ゲームと違って公的称号ではない。
だがこの章の後で出る「四天王」の名はポケモン協会公認のものとなっており、その点でも後の四天王たちと一線を画する立場である。

ワタル
四天王のリーダーであると同時にこの章のラスボス。ドラゴンの使い手。
ゲーム以上にチート使いと化しており、数々の反則級特殊能力を有したポケモンを駆使しイエローたちを圧倒する。
特に語り草となっているのが、「曲がるはかいこうせん」であろう。
そんな彼が四天王を組織し、破壊を繰り広げる理由とは……?

カンナ
四天王の先鋒にして、こおりタイプのエキスパート。
四天王の中では最初にイエローの前に姿を現し、その戦闘能力を見せつけた。
このころの特徴として、眼鏡の奥の瞳は描かれておらず気高さと冷酷さを感じさせる。
特に恐るべき特殊能力である「氷の手錠」は、正面からこれを無効化できたものはいない凶悪さを誇る。

シバ
四天王二番手で、かくとうタイプに精通している。
レッドが行方不明になったのは彼の挑戦状によるものである。
武人気質で、レッドとの手合わせを至高の一戦であったと振り返っており、再戦を望む。
一方で、肝心のレッドの生死を知らなかったり、四天王の策謀に参加し卑怯な暗殺も狙ったりするなど、奇妙な動きを見せる。
その一見矛盾する行動の理由とは……?

キクコ
四天王の三人目、なおかつゴーストタイプの専門家。
第2章は彼女のある行動によって幕を開ける。
四天王一の策略家であり、暗殺や洗脳などの卑劣な手も平気で使う。
かつてはオーキドとポケモンリーグ優勝を争ったほどのトレーナーだったはずだが…。


●ロケット団

前章で壊滅したが、主だったメンバーは逮捕されていない。

○三幹部キョウマチスナツメ
ロケット団にとって都合の悪い四天王の活動を防ぐべく行動し、その本拠地へと乗り込む。
イエローたちと出会うと、ナツメの取り出した「運命のスプーン」でタッグの組み合わせを決め、四天王の三人とそれぞれ戦った。
前作の悪役らしく、ダーティーな手法も使って戦うのが特徴的。


作風について

第1章の時点で確立された技やポケモンの性質を生かした頭脳戦は、この章でより洗練されたと言える。
この章は特に複数の技を組み合わせて使うトレーナーが多く、四天王の特殊能力と技を組み合わせた駆け引きは必見。

「ポケモンと話せる人間」、「ポケモンと人間の関係」というテーマは後年のブラック・ホワイトに通じるものがある。
あくまでテーマが似ているだけで参考にしているかどうかは不明だが。

ややグロ描写は減ったが、「サワムラーに腹を蹴り上げられ、氷漬けで転落するレッド」や「棺桶に入れられるグリーン」、
「腕がもげるブルー*1」など、人間相手のダイレクトアタックが強烈。

また終盤では、すでに金・銀の情報が出ていたこともあり、その新仕様や新ポケモンなどへ目くばせした展開がみられる。注意して探してみよう。

連載についての補足

本章がスタートした背景として、前章が「『ポケモン2』すなわち後の金・銀が出るまでの1年間をつなぐメディアミックス」としてスタートしたにも関わらず、結局98年度になってもソフトが出なかったことがある。
前章は元々1年間の予定だったので最初から1年で畳む予定で構成されており、終盤を引き伸ばしてもあと1年以上話を進められるわけがなかった。
そこで、ちょうど出ていたピカチュウ版を題材として新主人公を立てることにしたのだ。
日下先生としては「前章でオミットしてしまった諸要素を拾えるチャンス」として好意的にとらえつつも準備期間が少なかったため、
「序盤は主人公の名前が出てこない」
「一部学年誌ではイエロー視点に入らない回が続く」
など、スタート時の事情が垣間見える。

97年度の「小学三年生」3月号~98年度の「小学四年生」4・5月号では、
本章の前日譚といえる前章のトキワジム編が掲載されており、
その読者のみがイエローの正体に勘付くことができた。*2

学年誌以外に、学年誌を卒業した中学生向けを意識した雑誌「CHUE'Snet」に一部が読み切りの形で掲載された。
以降の章でこの雑誌に載ったことはない。

また日下先生の振り返りによれば、このころの任天堂のお約束*3である「発売延期」に相当翻弄されたらしく、
「いつ金・銀が発売されるのか」に応じてワタルとの決着を引き延ばすプランを持っていたらしい。
このうち、最大まで延びた場合に備えていたのがワタル直属の部下「三獣士」の設定である。
この名前は後に第5章でロケット団の幹部軍団として使われることになった。

Before…赤・緑・青


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