ボルザード・ドラゴン

登録日:2012/06/14 Thu 13:26:46
更新日:2025/03/19 Wed 11:54:49
所要時間:約 12 分で読めます





ここで皆さんに質問

火文明の永遠のヒーロー・ボルシャック・ドラゴンライバルは誰?

と聞かれて貴方はなんと答えますか?


相手を盾ごと焼き払うボルメテウス

暗黒期を築いたボルバルザーク


いいえ、ボルシャックのライバルは
彼等ではなく、ちゃんといます。

それが彼




ボルザード・ドラゴン》とは、TCGデュエル・マスターズ」におけるカード。

DM-02「基本セット第2弾 進化獣降臨」に収録されたクリーチャーである。レアリティはベリーレア。
DMC-06「超速!火竜(ドラゴン・ストライクス)デッキ」、DM-18「ベスト・チャレンジャー」でも再録されている。


解説

ボルザード・ドラゴン VR 火文明 (6)
クリーチャー:アーマード・ドラゴン 5000
このクリーチャーが攻撃する時、相手のマナゾーンからカードを1枚選び、持ち主の墓地に置く。

「え、こんな奴知らないし」「なんでこいつがボルシャックのライバルなんだ?」と思う人もいるかもしれない。
能力もボルシャックの「死んだ友の哀しみを力に変える」能力と対なってるわけでも意識しているわけでもない、《超竜バジュラ》と同じランデス能力。

じゃあ何故コイツがボルシャックのライバルなのかという理由は、こいつのフレーバーテキストを読めば理解して貰えると思う。


《東のボルシャックが目覚める時、西のボルザードが砲哮する。》


分かっていただけただろうか、このボルザードにはボルシャックのライバルである事を意識した*1フレーバー・テキストが記載されているのだ。
しかも西のボルザードと記載されている所を観る辺り、西では相当名のある強豪であると見て取れる。そうなると北と南の強豪が誰か気になるが。

肝心の能力も、相手のマナを焼却するランデス能力と当時の環境では使っていける手堅い能力。
しかしパワーの平均が6000のドラゴンにしては5000と少々心もとない上、焼却できるマナは1枚だけと、1体だけでアドバンテージを稼ぐだけの力がないのは否めない。

だが種族は優秀なサポートカードに恵まれたアーマード・ドラゴンであるため、てこ入れしてやれば十分活躍できる。
なんだったら2体並べて使っても良いし、《超竜バジュラ》の進化元として運用していくのもいいだろう。



















さて、真面目な考察はここらにして本題に移ろう。
こいつ、ボルシャックのライバルでありながら、



影 が 薄 い の で あ る。


不遇の過去

プレイヤーの中には前述のように「誰こいつ?知らん」という人もいるくらいそりゃあもう薄い。

ライバルのボルシャックは多くの派生カードや亜種に恵まれており、ほんの少し例を挙げるだけでも、
これだけのクリーチャーがいる。

一方のボルザードはゴッド・オブ・アビス以前だと
  • レオンザード・ドラゴン
  • 無限超竜ボルザード
たったこれだけ。


冗談抜きで、


たったこれだけ。


大事な事なので二回(ry
しかもレオンザードは違うのが名前だけで、種族も能力も全く同じ完全相互再版

一方の無限超竜ボルザードは、

無限超竜ボルザード UC 火文明 (7)
進化クリーチャー:アーマード・ドラゴン 8000
超無限進化−自分のクリーチャー1体以上の上に置く。
メテオバーン−このクリーチャーが攻撃する時、このクリーチャーの下にあるカードを1枚選び墓地に置いてもよい。そうした場合、次のうちいずれかひとつを選ぶ。
►相手はカードを1枚、自身のマナゾーンから選び、墓地に置く。
►バトルゾーンにある相手のクロスギアを1枚選び、持ち主の墓地に置く。
►相手のシールドを要塞化している城を1枚選び、持ち主の墓地に置く。
W・ブレイカー

と、ランデス能力は劣化したものの、クロスギア要塞化したシールドを焼却する能力は中々に優秀。

だが派生カードは本当にこれだけ。
後年には既存クリーチャーを派生カードとしてリファインする機会が幾つかあり、
等で歴代のカードが別の形で再登場したりしたのだが、ボルザードには一切ない
暗黒の騎士ザガーン》や《いにしえの超人》等のボルザードと同期に近い初期クリーチャー達も、後にカードスペックをそのままにGRクリーチャー化したり軽量化した上で強力なメタ効果を獲得したり強力なクリーチャーとしてリメイクされたりしてるが、ボルザードにはそんなものはない

テキストを読んで、もしかしたら「こいつももしかしたらボルシャックみたく派生カード出るかも?」
と脳裏をよぎったプレイヤーもいるかもしれない。

しかしボルシャックが多くのプレイヤーの期待に応えるべく幾度も転生しているのに、それに反比例しボルザードは日陰に追いやられるばかり。これでも超竜バジュラより先に登場したランデスドラゴンの元祖なのに。
おまけにボルメテウスやボルバルザーク、更には後年に登場した多数のドラゴン達が自分をさしおいてボルシャックと共に人気を獲得するという始末。






しかし開発も忘れたわけではなかったのか、基本セットでの登場から実に21年が経ったアビス・レボリューションにて、ついにボルザードの名を継いだクリーチャーが登場したのである!


派生カード

ボルザード・バーンエッジ C 火文明 (5)
クリーチャー:アーマード・ドラゴン 6000
スピードアタッカー(このクリーチャーは召喚酔いしない)
W・ブレイカー(このクリーチャーはシールドを2つブレイクする)

無限超竜より13年の時を経て姿を見せた新規ボルザード。
イラストでは、ボルザード特有の青銅色に鈍く輝く装甲を纏ったドラゴンが四足歩行で闊歩しており、ボルザードの待望の帰還を実感させてくれる。

能力面ではスピードアタッカーにW・ブレイカーのみという非常にシンプルな構成。
コスト5でありながらパワーも6000あり、従来のコスト論を越えたスペックではあるものの、この頃には同じような能力で溢れ返っており取り立てて珍しいものでもなくなっている。
元祖ボルザードのランデスの面影はまるで見られないが、公式もランデスの取り扱いには慎重になっているので致し方ないだろう。

ボルザード・スラッシャー R 火文明 (6)
クリーチャー:アーマード・ドラゴン 6000+
W・ブレイカー(このクリーチャーはシールドを2つブレイクする)
このクリーチャーが出た時、相手のクリーチャーを1体選んでもよい。そのクリーチャーとこのクリーチャーをバトルさせる。
自分の墓地にファイアー・バードがあれば、バトル中、このクリーチャーのパワーを+6000する。
「愛ゆえに斬る!!」 R 火文明 (2)
呪文:アーマード・アーツ
自分の手札を1枚捨て、カードを1枚引き、その後、相手のパワー2000以下のクリーチャーを1体選んで破壊する。

バーンエッジと同じ弾に収録されたツインパクトのボルザード。
クリーチャー側では墓地のファイアー・バードに応じてバトル時のパワーが6000上昇し、cipによる相手クリーチャーとのバトルで実質的な12000の火力として機能する。
呪文側は手札交換をしつつパワー2000以下の小型クリーチャーを破壊でき、序盤に居座る厄介なメタクリーチャーを除去してくれる。

革命の刀 ブレード・ボルザード UC /火文明 (7)
クリーチャー:アーマード・ドラゴン 9500
革命チェンジ:コスト5以上のアーマード(自分のコスト5以上のアーマードが攻撃する時、そのクリーチャーと手札にあるこのクリーチャーを入れ替えてもよい)
スピードアタッカー(このクリーチャーは召喚酔いしない)
W・ブレイカー(このクリーチャーはシールドを2つブレイクする)
エスケープ(このクリーチャーが破壊される時、墓地に置くかわりに自分のシールドを1つ手札に加えてもよい。ただし、その「S・トリガー」は使えない)

バーンエッジとスラッシャーの登場から二弾跨ぎ、DM23-RP3「アビス・レボリューション 第3弾 魔覇革命」に収録された5体目のボルザード。
今度は光文明を引っ提げて多色クリーチャーとして参戦した。

能力自体はキーワード能力の詰め合わせといった所。
バーンエッジと同様の2打点とSAに加え、コスト5以上のアーマードを条件とした革命チェンジ、シールドと引き換えに場に留まれるエスケープを搭載している。
革命チェンジによる早出しも可能でありながら耐性まで備えているというユニークなクリーチャーであり、【アーマード】デッキでは活躍が期待できる。

ちなみにコスト7以上の多色クリーチャーかつボルシャックと似た名前なので、《竜皇神 ボルシャック・バクテラス》の公開当初は革命チェンジ元として使えるとしばらく勘違いされた。


そして…


*2

ボルザード・スーパーヒーロー R 火文明 (7)
クリーチャー:アーマード・ドラゴン 6000
スピードアタッカー(このクリーチャーは召喚酔いしない)
W・ブレイカー
このクリーチャーが攻撃する時、相手のコスト6以下のドラゴンではないエレメントを1つ選び、破壊してもよい。
超帝王(ちょうエンペラー)タイム R 火文明 (5)
呪文
S・トリガー
コスト3以下のドラゴンではないエレメントをすべて破壊する。

DM23-BD4「エキサイティング・デュエパ・デッキ ドラドラドラゴン龍幻郷」にて収録。
ボルシャック関連のカードで唯一ボルザードについて触れていた《ボルシャック・スーパーヒーロー》のボルザード版がまさかの登場を果たした。
それも後にリメイクされたツインパクト版を意識しており、こちらは《超英雄タイム》と対になるようにして《超帝王タイム》を呪文側に持つ。
読み仮名は「エンペラータイム」だが、某始虹帝は恐らく関係ないと思われる

クリーチャー側はコスト7にしてはやや低めのスペックだが、アタックトリガーでコスト6以下のドラゴンでないエレメントを1つ破壊できる。
《ボルシャック・スーパーヒーロー》がcipによるパワーに依拠したクリーチャーの全体除去だったのに対し、こちらはコストに依拠したエレメント単体に対する破壊効果となった。
SAなので場に出して即攻撃できる上に、コスト6以下ならドラゴンでさえなければ吹っ飛ばせるのでエレメント除去としてはなかなかの性能。
一方、パワーが6000と低めなので殴り返しが怖く、コストも重めなのでアーマードのメクレイド5では届かず、場に出す手段にあまり恵まれていないのは弱点。

呪文側はS・トリガー付きのエレメント除去で、ドラゴンではないコスト3以下のエレメントを自分の場も含めて全破壊する。
《超英雄タイム》はコスト3以下を対象にした単体のカード指定除去だったが、こちらではクリーチャー側と対照的にエレメントを指定した全体除去となった。
そもそもドラゴン自体が軽くても中量級な重量級の集いであり、コスト3以下のドラゴンは殆ど存在しないため、実質コスト3以下のエレメントに対する全破壊と思ってよい。
重めのコストかつ自身のエレメントも巻き込む効果ではあるが、相手のクリーチャーやフィールド含む軽量級のメタカードを一掃してくれる点が特に強く、主に王道篇にかけて環境で活躍した。

呪文側の恩恵が大きくはあるものの、ボルザード関連のカードで初めて環境入りの快挙を成し遂げた記念すべき1枚である。


背景ストーリー

記事の冒頭でも解説した通り、「東のボルシャック」と対する「西のボルザード」とされている。
初期のフレーバーテキストらしくそれ以上の深堀はなく、詳細は分かっていない。
エピソード1で登場したハンター版ボルシャックの《ボルシャック・スーパーヒーロー》がボルザードを意識してか、「西の彼方で一つの星が爆発した」と触れるのみであった。

後に「南のボルテール」として、南には《ボルテール・ドラゴン》が位置する事も判明する。
どうやらボルシャックとだけ対になっている訳ではなく、東西南北を司るアーマード・ドラゴンの一角だったようだ。
ちなみに北が誰なのかは判明していないが、他3体と同じく基本セット時代で「ボル」を冠すアーマード・ドラゴンに《ボルガッシュ・ドラゴン》がいるので、彼なのではないかと囁かれている。

アビス・レボリューション

背景ストーリーで初めて本格的に登場した。
どうやら火文明野生で生息していたらしく、「ボルシャック」の名が強い影響力を持つGoAの世界において、彼らの指揮下に下る事なく生きていた。
しかし、ボルシャックの頂点たる《轟炎の竜皇 ボルシャック・カイザー》がアビスロイヤルの王《アビスベル=ジャシン帝》に敗れたのを機に、他文明への移住を検討し始めていた。
その結果なのかは分からないが、実際に《革命の刀 ブレード・ボルザード》は光文明を取り込んでいる。



ボルザードD「チクショー!もー何故俺は地味なんだ!こんなんで、アーマード・ドラゴンの歴史にちゃんと載るのかー!」
コッコ・ルピア「ボルザード様、パラサイトワームかなにか沸いてしまったんだッピか?」
ガルカーゴD「ボルシャックさんみたいな人気が欲しいらしくって」

ボルザードD「あーもう!やっぱりエイリアンだ!エイリアンになるしかねー!なんだったらハンターでもいい!」
ガルカーゴD「落ち着いて下さい、それにハンターやエイリアンならボルシャックさんに先越されてますよ」

ボルザードD「じゃどうしろってんだ!擬人化しろってのか!?よーしもう擬人化したろか!萌え擬人化したろかぁ!」
ガルカーゴD「ちょっと興奮してきた」
コッコ・ルピア「それもボルシャック様がもうやってるっぴ。別世界だけど」

ボルザードD「いいや寧ろ全てぶっ壊したろか!」
ガルカーゴD「ぶっ壊れた!」
ボルザードD「チクショー!ぶっ壊してやる!ドイツもコイツもー!」
ガルカーゴD「落ち着いて下さいボルザードさん!ルピア手伝って!そこにある携帯で、ボルザードさんの項目を、項目を追記・修正してー!」
コッコ・ルピア「む、無理・・・僕には無理だッピ・・・」

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最終更新:2025年03月19日 11:54

*1 戦いや競い合ってるような文言はないため、厳密には「ライバル」ではなく「対になる存在」と言った方が正しいか。

*2 画像出典:https://www.pixiv.net/artworks/116086969 pixiv イラストレーターいけだcpt氏 『デュエマTCG』 2024年2月15日投稿 ©Wizards of the Coast/Shogakukan/Mitsui-Kids