霊獣(遊戯王OCG)

登録日:2014/10/23 Thu 04:40:55
更新日:2025/09/16 Tue 00:53:15
所要時間:約 48 分で読めます




この項目は旧管理用総合相談所内「【提案所】肥大化項目記述独立・簡約化等議論所」スレッド において、記述の独立・簡約化の議論対象となっていました。
引き続き本項目に詳しい方のアイディアをコメント欄にて募っております。



「霊獣」を操りし一族!

この地に古くから存在し、神秘の力を持つ「霊獣」
「霊獣」と寝食を共にする「霊獣使い」達は、人獣一体となる事であらゆる災厄を防ぐ力を手にするのだ!


【概要】

「霊獣」とは遊戯王OCGに登場するカード群。
ブースターSP-トライブ・フォース-で初登場した。

「霊獣」カテゴリのモンスターは、「霊獣使い」「精霊獣」「聖霊獣騎」という更に細かい3種類のカテゴリに分かれ、その多くが風属性、残りが光属性という内訳。

「霊獣使い」「精霊獣」「聖霊獣騎」という名前から察せられるように、
乗っただけ融合の系譜なのだが、過去の乗っただけ融合と比較しても強力な性能となっている。

■「聖霊獣騎」の共通テキスト
「霊獣使い」モンスター+「精霊獣」モンスター
自分フィールドの上記カードを除外した場合のみ特殊召喚できる(「融合」は必要としない)。
(1):(各カード固有の効果)
(2):このカードをエクストラデッキに戻し、
除外されている自分の「霊獣使い」モンスター1体と「精霊獣」モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを守備表示で特殊召喚する。この効果は相手ターンでも発動できる。

注目すべきは以下の点。
  • VWXYZ式の除外融合。
  • 融合素材がカテゴリ指定であるため特殊召喚しやすい。
  • 融合解除に近い能力を持ち、「霊獣使い」「精霊獣」を帰還させる事ができる。(これが有限ループに繋がる)
  • 融合解除能力がフリーチェーンであるため、サクリファイスエスケープによる「対象を取る」除去への耐性を有している。

一見すると簡単に無限ループができてしまいそうにも思えるが、融合素材となる「霊獣使い」「精霊獣」が共に、
「同名カード縛りで1ターンに1度しか特殊召喚できない」という効果外テキストを持っているのでご安心いただきたい。
この為特殊召喚で素材を揃えた場合は効果で素材を帰還させることもできない。

逆に言えば、この特殊召喚制限外の「霊獣使い」「精霊獣」の数だけループをグルグル回すことができる。
霊獣デッキはこの特殊召喚制限の存在する有限ループコンボを使いこなせて初めて真価を発揮するテーマとなっており、
デッキ・手札・フィールド・墓地・除外領域・EXデッキのすべての状況を把握しながら、どの順番で融合⇔融合解除を行い展開するかを常に考えなければならない。
そのため扱う情報量の多さは随一であり、霊獣デッキは屈指の脳トレテーマとして名高い。おそらく慣れるまでは二、三度ぐらい投げ出したくなることだろう。
そういう時には、ウェンちゃん・レラちゃん・ピリカちゃん・ウィンダちゃん・幼かった頃の長老の可愛さを見て耐えるのだ。

【カード一覧】


「霊獣使い」モンスター

すべて風属性のサイキック族。
効果は「通常召喚すると、手札/墓地/除外ゾーンから霊獣を追加で出す」というもの。
どれも召喚時にしか発動しないため、1ターンに1回きりの召喚権を充てるには弱く見える。
が、【霊獣】デッキはあの手この手で召喚権を増やしながら戦うことができるため、実際には1ターン内で複数回効果を使用できることもある。
とはいえそれも霊獣サポートカードありきの効果なので、迷ったら長老のみフル投入、それ以外は各1枚ずつにしておくと安定する。


  • 《霊獣使い レラ》
効果モンスター
星1/風属性/サイキック族/攻 100/守2000
自分は「霊獣使い レラ」を1ターンに1度しか特殊召喚できない。
(1):このカードが召喚した場合、
自分の墓地の「霊獣」モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを特殊召喚する。

「霊獣」をめぐる物語の主人公的ポジションの子。かわいい。
名前の「レラ」はアイヌ語で「風」。

効果は召喚時に墓地から霊獣を蘇生するもの。
基本的に素材を除外する【霊獣】ではあるが、《聖霊獣騎 キムンファルコス》や《聖霊獣騎 レイラウタリ》の素材にした際に墓地に霊獣が落っこちやすいこと、何より《聖霊獣騎 カンナホーク》で除外ゾーンから墓地に移動させることから、こう見えて活用の機会は多い。
中でも、《聖霊獣騎 レイラウタリ》のリンク素材としてしょっちゅう墓地に送られがちな《聖霊獣騎 キムンファルコス》は狙い目である。

そうして蘇生した霊獣とレラを合わせて《聖霊獣騎 カンナホーク》を融合召喚すればレラもろとも除外ゾーンに移動するため、再びコンタクト融合のループが可能となる。
回ってれば……というか、手札が悪くうまく回せてない時ほど出番がある。

ストーリー中では、《神の摂理》のイラストにて《インフェルノイド・ティエラ》の攻撃からウェン&ピリカを庇い行方不明となるが……
テーマ外のカードにもちょくちょく出ており、《共界神淵体(メタトロニオス)》等にもしれっと写っている。



  • 《霊獣使いの長老》
効果モンスター
星2/風属性/サイキック族/攻 200/守1000
自分は「霊獣使いの長老」を1ターンに1度しか特殊召喚できない。
(1):このカードが召喚した時に適用する。
このターン、自分は通常召喚に加えて1度だけ、
自分メインフェイズに「霊獣」モンスター1体を召喚できる。

ガスタの集落にいた少年・カムイの老いた姿。
かつて見守られていた彼も今では見守る側である。

効果は霊獣限定で召喚権を増やすもの。つまりは手札に対応する霊獣使い。
召喚するとその場で発動していた他のメンツと異なり、「ターン中いつでも召喚できる権利をプレイヤーに付与する」という特殊な方式が取られている。
故に、召喚に成功しさえすればチェーンブロックを作らずにルール効果として適用されるため、ヴェーラーでも無効にできない。すげぇぜ長老!ただしスキドレは勘弁な!
ただしその性質上、他の霊獣使いと違って複数回召喚しても適用は1回だけ。
他にも、長老の召喚権追加効果は「召喚後に長老が場に居なくなっても有効である」ことは大事なので覚えておこう。

DTストーリーにおいては激動の時代を苦労しながらも最後まで生き抜き、しかもその苦労の大半が報われた。やはりガスタの希望の名は伊達ではなかった。
一方で、ご老体でありながらでっかい精霊獣に乗ったり降りたりを頻繁に繰り返すため、霊獣デッキ使いの諸兄もたまにはじいちゃん無理すんなと心配してあげよう。



  • 《霊獣使い ウェン》
効果モンスター
星3/風属性/サイキック族/攻1500/守1000
自分は「霊獣使い ウェン」を1ターンに1度しか特殊召喚できない。
(1):このカードが召喚した場合、
自分の除外状態の「霊獣」モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを特殊召喚する。

現状の霊獣使いではウィンダに続いて攻撃力が高い打点候補。かわいい。
だが名前の意味はアイヌ語で「悪い」「良くない」。嫌な予感がする……。

効果は除外領域から霊獣を特殊召喚するというもの。
帰還させるのは精霊獣でも霊獣使いでも、どちらでもオッケーなので、除外領域に取り残された1体を連れ帰ってやろう。
なお、精霊獣でも霊獣使いでもいいと書いたが、聖霊獣騎でも可である。(これはレラも同様)
《聖霊獣騎 キムンファルコス》や《聖霊獣騎 レイラウタリ》は何かと除外領域に行ってしまいやすいため、そんな彼らを除外領域から釣り上げる彼女(たち)の存在は重要。

マスターガイド5によるとあまりに強大な霊力を持って産まれたが故にその力を恐れた両親に捨てられ、長老の手でピリカと姉妹同然に育てられたらしい。(つまり義理の姉か妹であり、ガスタの血族ではない可能性もある)
イラストで目を閉ざしているのはリアル[[邪気眼]]強大すぎる力を封印しているからだとか。
が、その霊力を欲した邪悪な存在に目をつけられてしまい……


「セフィラ」にも属するもの

  • 《英霊獣使い-セフィラムピリカ》
ペンデュラム・効果モンスター
星3/風属性/サイキック族/攻1000/守1500
【Pスケール:青1/赤1】
(1):自分は「霊獣」モンスター及び「セフィラ」モンスターしかP召喚できない。
この効果は無効化されない。
【モンスター効果】
自分は「英霊獣使い-セフィラムピリカ」を1ターンに1度しか特殊召喚できない。
(1):このカードが召喚・P召喚した時、「英霊獣使い-セフィラムピリカ」以外の自分の墓地の、
「霊獣」モンスターか「セフィラ」モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターはエンドフェイズに破壊される。

たびたび霊獣関連のイラストにゲスト出演していた「ガスタの末裔ピリカ」が遂に霊獣使いとなった姿。かわいい。
ただし聖霊獣騎は存在しない。そもそもペンギンに乗ろうなんてのが無理だったんや……。

レラやウェン同様に、このカード1枚で聖霊獣騎になれるため非常に重要な存在。
一見するとレラの効果と非常によく似ているが、二人のステータスの違いなども相まってかなり明確な差別化をされている。
  • レラは守備力、ピリカは打点で貢献する
  • ピリカは特殊召喚したモンスターがターン終了時に破壊されてしまう。(レラは完全蘇生。)
  • ピリカはセフィラの神託によるサーチに対応している。
  • 展開しやすいEXデッキのモンスターの種類に差があり、ピリカはウェンやセフィラウェンディと組み合わせる事で汎用ランク3や特定のリンク2モンスターを展開可能

このように、どちらをどの枚数積むかプレイヤーの手腕次第と言えるだろう。



  • 《影霊獣使い-セフィラウェンディ》
ペンデュラム・効果モンスター
星3/風属性/サイキック族/攻1500/守1000
【Pスケール:青7/赤7】
(1):自分は「霊獣」モンスター及び「セフィラ」モンスターしかP召喚できない。
この効果は無効化されない。
【モンスター効果】
自分は「影霊獣使い-セフィラウェンディ」を1ターンに1度しか特殊召喚できない。
(1):このカードが召喚・P召喚した時に発動できる。
自分のEXデッキ(表側)から「影霊獣使い-セフィラウェンディ」以外の「セフィラ」モンスター1体を手札に加える。

シャドールに堕ちていたウェンがセフィラの力を得た姿。だからこそ「『影』霊獣使い」なのだろう。かわいい。

霊獣に所属しておきながら霊獣と何の関係もない効果であり、霊獣デッキは少々使いづらい性能となっている。
特に、長老のように初動に寄与するワケでも、セフィラウェンディ1枚で聖霊獣騎へと繋がるワケでもないのは、霊獣デッキにとっては致命的な問題である。
(逆にセフィラではスケールのリカバリが可能となため、非常に重要な一枚となっている。)

以前はこの問題があったことと、霊獣の特性そのものがペンデュラム召喚やセフィラと合っていなかった事から、霊獣デッキに入り得ないカードであった。
しかし、近年のルール変遷とカード強化によってその状況もまた少しずつ変わりつつある。

特に相性の良いリンクモンスターが続々登場しており、
  • キムンファルコスの登場によって召喚権を消費する余裕が多少生まれたため、EXデッキのピリカの回収をしつつ展開する動きができるようになった
  • ピリカとコンビを組むことで、Pモンスターを比較的自由にサーチ可能なヘビーメタルフォーゼ・エレクトラムエレクトラムを使用することができる
このような利点が霊獣デッキにも生じ始めており、今後もリンクモンスターの発展次第ではさらなる活躍の場が見つかるようになるかもしれない。
そういった意味では、リンク召喚によって救われた子、とも言えなくないだろう。


「精霊獣」モンスター

霊獣使いに使役される動物たち。
種族が全てサイキック族に統一されレベルが分散していた霊獣使いとは逆に、精霊獣は種族がバラバラでレベルは全員4。このため、【霊獣】はランク4のエクシーズモンスターを取り入れやすい。さらに「炎族」「水族」「雷族」「獣族」というレアめの種族であり、ものによってはテーマ外サポートカードの恩恵を受けられたり。

精霊獣の効果はすべて、「起動効果*1で、手札/デッキ/EX/墓地の霊獣を除外する」というもの。
1ターンに1度の特殊召喚制限に加え、効果の使用回数にも1ターンに1度の制限が課せられている……
……が、近年のカードによくある「同名ターン1」ではないため、2体出す、一度除外して出し直す等すれば複数回効果を発動できる抜け穴がある。
当然、【霊獣】デッキでこの抜け穴を悪用活用しないわけがなく、いかにこれらを使い回すかがカギとなる。


  • 《精霊獣 アペライオ》
効果モンスター
星4/風属性/炎族/攻1800/守 200
自分は「精霊獣 アペライオ」を1ターンに1度しか特殊召喚できない。
(1):自分・相手ターンに1度、自分の墓地の「霊獣」カード1枚を除外して発動できる。
このターン中は自分フィールドの「霊獣」モンスターの攻撃力・守備力が500アップする。

名前は「アペ(アイヌ語で「炎」)」+「ライオン」。
融合後の姿が他の2体に比べて、あまりにも変化し過ぎなことで有名。

墓地の霊獣(魔法・罠カードもOK)を除外リソースに変換しつつ全体強化する。
全体強化よりは除外コストの方が重要で、相手ターン中に発動することで除外ゾーンに霊獣を溜め込んでくれる。
また全体強化はモンスターに付与するのではなく場自体に効果を残留させるタイプであり、複数回使えば重ねがけも効く。
発動後に霊獣が行ったり来たりしても強化は引き継がれ、ダメージステップにも使用できる優秀な効果のため、1枚は投入されている構築がほとんど。




  • 《精霊獣 カンナホーク》
効果モンスター
星4/風属性/雷族/攻1400/守 600
自分は「精霊獣 カンナホーク」を1ターンに1度しか特殊召喚できない。
(1):1ターンに1度、自分メインフェイズに発動できる。
デッキから「霊獣」カード1枚を除外する。
発動後2回目の自分スタンバイフェイズに、この効果で除外されているカードを手札に加える。

名前は「カンナ(アイヌ語で「雷」)」+「ホーク」。
霊獣専用の封印の黄金櫃であり、名実ともに霊獣デッキのエンジンの役割を担うモンスター。

無論、除外したカードをちんたら2ターンも待っていられないので、ループコンボの継続に利用されるケースがほとんどである。
ただし、このサーチ効果をうっかり忘れて1アドを損なうというのは、稀によくありがちなうっかりミスなので注意。


  • 《精霊獣 ペトルフィン》
効果モンスター
星4/風属性/水族/攻 0/守2000
自分は「精霊獣 ペトルフィン」を1ターンに1度しか特殊召喚できない。
(1):1ターンに1度、手札から「霊獣」カード1枚を除外し、
相手フィールドのカード1枚を対象として発動できる。
そのカードを手札に戻す。

名前は「ペツ(アイヌ語で「川」)」+「ドルフィン」。
貴重な除去要員であるピンクのイルカ。ちなみに「アマゾンカワイルカ」という川に棲むピンク色のイルカが実在する。

相手のカードならばあらゆるカードがバウンス可能という範囲の広さがウリである。連契で対処できないモンスターはこちらでどうにか対応しよう。
(逆に言うと、霊獣デッキでは連契でもペトルフィンでも突破できないモンスターをどう処理するかが重要な課題である)

単体でも強いのだが、騎カンナホークとの連携はなかなか強力なムーブであり、
霊獣カードをサーチしつつ分離してペトルフィンを場に出すと、そのまま相手のカードを1枚バウンスできる計算となる。
この際に使用したコストの霊獣カードも多くの場合その後のループで再利用が可能となるため、実に無駄がない。


  • 《精霊獣 ラムペンタ》
効果モンスター
星4/風属性/獣族/攻1600/守 400
自分は「精霊獣 ラムペンタ」を1ターンに1度しか特殊召喚できない。
(1):1ターンに1度、自分メインフェイズに発動できる。
EXデッキから「霊獣」モンスター1体を除外し、
そのモンスターと同じ種族の「霊獣」モンスター1体をデッキから墓地へ送る。

名前は「ラム(アイヌ語で「心」「精神」)」+「ペンギン」。
ピリカちゃんのイラストに描かれた可愛い精霊との関係が気になる所。

霊獣専用のおろ埋やらプリズマーやらのポジション。
初動で利用する場合には、EXデッキから聖霊獣騎を除外しなくてはいけない点には注意。
霊獣デッキではEXデッキのピリカやウェンディを除外領域に送る仕事もあるので覚えておこう。

登場当時こそ霊獣カテゴリのカードが少なく、あまり強いカードではなかったが、
他のカードの後押しを受けて成長を続けているカードであり、今では初動の一端を担えるまでに成長している。
そのため、今後にも期待したいカードである。聖霊獣騎ラムペンタの登場を我々はいつまでも待ち続けます。


精霊獣使い

第9期の「レイジング・テンペスト」以降、登場している「霊獣」。
最大の特徴は「霊獣使い」でありながら「精霊獣」でもあること。
ゆえに、どの「霊獣使い」「精霊獣」ともコンタクト融合でき、同名カードが2枚揃ってしまった場合でもコンタクト融合が可能。トランプでいうところのワイルドカード的なやつらである。
うーん……精霊獣使いと精霊獣使いがフィールドにダブってしまった」という場合でも問題なく聖霊獣騎のコンタクト融合が可能なので、迷ったら複数枚突っ込んでおいてもよいだろう。

そしてもうひとつ重要なポイントが、「聖霊獣騎」の分離時にも2体まとめて特殊召喚できるという点。
「○○を1ターンに1度しか特殊召喚できない」という共通テキストはもちろんあるものの、「1度」であって「1体」ではないので、同名カードが2枚除外されていれば2体をまとめて帰還させられる。
被破壊時に効果を発動する《精霊獣使い ウィンダ》は2体出すことで効果を有効活用できるため、この戦術がキモになってくるだろう。



  • 《精霊獣使い ウィンダ》
効果モンスター
星4/風属性/サイキック族/攻1600/守1800
自分は「精霊獣使い ウィンダ」を1ターンに1度しか特殊召喚できない。
(1):このカードが相手によって破壊された場合に発動できる。
デッキ・EXデッキから「霊獣」モンスター1体を召喚条件を無視して特殊召喚する。

ストーリー上でとても重要な役割を果たしたガスタの巫女にして元・シャドールの球体関節人形。
というか誓還ともども、存在そのものがDTストーリーのネタバレのオンパレードのようなカードである。

効果は「被破壊時、霊獣を特殊召喚する」というもの。「相手によって破壊される」が成立すれば破壊される方法はなんでもよく、神の宣告などによる破壊や、一部手札破壊などにも対応する。
【霊獣】は分離して除外ゾーンから霊獣を戻せる、つまりいつでも好きな時にウィンダを特殊召喚できるので、帰還したウィンダを身代わりにすることで効果を強引に発動させることが可能。

また、この特殊召喚は本来の召喚条件を無視して無理やり特殊召喚でき、しかも対象はEXデッキの聖霊獣騎にも及ぶ。
つまり、《聖霊獣騎 ガイアペライオ》や《聖霊獣騎 レイラウタリ》といった切り札をいきなり出すことができる。
そうでなくとも、《聖霊獣騎 アペライオ》等を無理やり出してから即分離効果を使うことで、場に並ぶ霊獣を増やすなんてテクも可能であり、なかなか応用性が高いカードである。
ただし「1ターンに1度しか特殊召喚できない」という制約だけは無視できない*2ので、特殊召喚済みの《聖霊獣騎 ノチウドラゴ》等は出せない。注意しよう。


  • 《精霊獣使い レラ》
効果モンスター
星1/光属性/サイキック族/攻 100/守2000
自分は「精霊獣使い レラ」を1ターンに1度しか特殊召喚できず、
その(1)(2)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードを手札から捨てて発動できる。
手札の「霊獣」モンスター1体の召喚を行う。
(2):自分フィールドの「霊獣」カードが戦闘・効果で破壊される場合、
代わりにフィールド・墓地のこのカードを除外できる。
(3):このカードが除外された場合に発動できる。
デッキから「精霊獣使い レラ」以外の「霊獣」モンスター1体を特殊召喚する。

11期になって生存が判明したレラの新たな姿。ガイアペライオを介してケルキオンの力を受け取りパワーアップを果たした。
3つの効果が全て連動しており、自身をコストに霊獣を召喚→墓地除外で破壊を身代わり→除外をトリガーに後続をリクルート、と繋がる。
霊獣使いの方のレラか、セフィラムピリカを召喚できればベスト。

ウィンダと同じく精霊獣であり霊獣使いであるため、利点もほぼあちらに準ずるが、こちらはレベル1なので「緊急テレポート」でリクルートできる。
緊テレで呼んでこられる唯一の「精霊獣」であるため、初動が大きく改善されたと言える。

精霊獣・霊獣使いのどちらかがいれば即座にノチウドラゴの特殊召喚が出来るため、リクルート効果と合わせて大きく展開に寄与できる。



聖霊獣騎

融合モンスターとリンクモンスターが存在する。

融合モンスター

《聖霊獣騎 ガイアペライオ》以外はすべて「霊獣使い」と「精霊獣」を融合素材に指定する。
ただし通常のように「融合」は必要なく、所定の場所から融合素材を除外することで特殊召喚できる。ちなみに融合召喚扱いではない。
この方法以外では一切特殊召喚できないので墓地や除外ゾーンに行ってしまうと動かせなくなり、回収が面倒臭いのが難点。

また、ガイアペライオ以外は自身をEXデッキに戻して「霊獣使い」と「精霊獣」に分離するフリーチェーン効果を共通で持つ。
旗色が悪くなったらこの効果でいつでもEXデッキに逃げ帰れるため、「俺とお前を超☆融☆合!」されるとか壊獣に踏み潰されるとかいったよっぽどのことをされない限り倒されることはない。
それから、このとき分離する「霊獣使い」と「精霊獣」は除外ゾーンにさえいれば融合素材に使ったものである必要はない。
【霊獣】の運用においてこの部分はひっじょーに重要となるポイント(後述)なので、使うなら是非とも押さえておきたい。


  • 《聖霊獣騎 アペライオ》
融合・効果モンスター
星6/風属性/炎族/攻2600/守 400
「霊獣使い」モンスター+「精霊獣」モンスター
自分フィールドの上記カードを除外した場合のみ特殊召喚できる。
(1):このカードは攻撃する場合、ダメージステップ終了時まで他のカードの効果を受けない。
(2):自分・相手ターンに、このカードを持ち主のEXデッキに戻し、
自分の除外状態の、「霊獣使い」モンスター1体と「精霊獣」モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを守備表示で特殊召喚する。

霊獣のメインアタッカー。「攻撃中は」あらゆる効果を受けない。
とかバリアなどの伏せを気にせず攻撃できるが、
自分の強化も受け付けないのでイラスト的に融合元なアペライオの強化も消えてしまう。なんでやねん。
とは言うものの、「カードの効果を受けない」という耐性は中々のものであり、相手のセットモンスターや伏せカードをある程度無視して攻撃に行けるのは大きな強み。
あと、融合元のアペライオがお互いのターンで使えるパンプアップ効果を持つため、ラムペンタでの参照先として1枚挿入されていることが多い。


  • 《聖霊獣騎 カンナホーク》
融合・効果モンスター
星6/風属性/雷族/攻1400/守1600
「霊獣使い」モンスター+「精霊獣」モンスター
自分フィールドの上記カードを除外した場合のみ特殊召喚できる。
(1):1ターンに1度、自分の除外状態の「霊獣」カード2枚を対象として発動できる。
そのカードを墓地に戻し、デッキから「霊獣」カード1枚を手札に加える。
(2):自分・相手ターンに、このカードをEXデッキに戻し、
自分の除外状態の、「霊獣使い」モンスター1体と「精霊獣」モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを守備表示で特殊召喚する。

霊獣デッキのメインエンジンとなるカード。
あらゆる「霊獣」カードをデッキからサーチできるデッキの要であり、海外では規制を受けている。
一見サーチ効果のコストは除外領域のカード2枚に見えるが、指定した2枚の内1枚でも墓地へ行けばサーチできる裁定なので、
サーチ効果に分離効果をチェーンすることで除外領域にカードを残しながらサーチができる。(霊獣のコンボの基本である。)
たとえば《霊獣使いの長老》《精霊獣 カンナホーク》《精霊獣 ペトルフィン》の3枚が除外されている状態なら、
  1. (1)を発動。《精霊獣 カンナホーク》《精霊獣 ペトルフィン》を選択。
  2. 同じチェーンで(2)を発動。《霊獣使いの長老》と《精霊獣 カンナホーク》を選択。
  3. 効果処理時、先に《霊獣使いの長老》と《精霊獣 カンナホーク》が除外領域から戻ってくる。
  4. 続いて、残った《精霊獣 ペトルフィン》が墓地に移動し、デッキから好きな霊獣カード1枚を引く。
という方法で、手元に霊獣カードを集めることができる。
霊獣の基本にして最も強い動きに密接に関わるカードなどで、その使い方は頭に叩き込んでおこう。


  • 《聖霊獣騎 ペトルフィン》
融合・効果モンスター
星6/風属性/水族/攻 200/守2800
「霊獣使い」モンスター+「精霊獣」モンスター
自分フィールドの上記カードを除外した場合のみ特殊召喚できる。
(1):フィールドのこのカードは効果では破壊されない。
(2):自分・相手ターンに、このカードをEXデッキに戻し、
自分の除外状態の、「霊獣使い」モンスター1体と「精霊獣」モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを守備表示で特殊召喚する。

効果破壊耐性を持つ壁。守備力も高い。
融合モンスターのくせして効果がそれだけとなると寂しく見えるが、この子にも分離効果はある。
攻撃は高守備力でいなし、激流葬やブラックホールのような全体除去は自前の耐性で耐久、破壊以外の除去が来たなら分離して離脱することで回避できるため、見かけ以上に硬い。
……が、破壊されることでアドバンテージを稼ぐ《精霊獣使い ウィンダ》が登場したため、肩身の狭い立場に。


  • 《聖霊獣騎 ガイアペライオ》
融合・効果モンスター
星10/光属性/サイキック族/攻3200/守2100
「聖霊獣騎」モンスター+「霊獣使い」モンスター+「精霊獣」モンスター
自分フィールドの上記カードを除外した場合のみ特殊召喚できる。
(1):この方法で特殊召喚したこのカードは以下の効果を得る。
●モンスターの効果・魔法・罠カードが発動した時、
手札から「霊獣」カード1枚を除外して発動できる。
その発動を無効にし破壊する。

霊獣デッキの切り札枠。
遂にナチュル・ガイアストライオまで合体してしまった。
なお、当のナチュル・ガイアストライオは融合素材にできない。

攻撃力は3200と高水準で、加えて手札の霊獣カードをコストに発動する万能カウンターまで持っている強力なカード。
しかも昔のカードなので回数制限もなし、同一チェーン上で複数回使用することも可、と性能は高い。
ただ、その召喚条件は精霊獣・霊獣使い各1体に加え聖霊獣騎まで融合素材に要求し、融合後は分離不可と何かと重たい。
しかもご丁寧に正規の手段で出さないとカウンター効果が使えない制限まで持っている。
それもこれも《精霊獣使い ウィンダ》や《霊獣の相絆》で無理やり出せるのがいけないのだが……
帰還が可能な《聖霊獣騎 キムンファルコス》と《聖霊獣騎 レイラウタリ》と、軽い消費で出せる《聖霊獣騎 ノチウドラゴ》が「聖霊獣騎」としておすすめ。
また、各種カードの参照先としての仕事もあり、《精霊獣 ラムペンタ》で除外して良し、《精霊獣使い ウィンダ》から引っ張ってきて打点要員としても良し、と活躍の場面は多い。


  • 《聖霊獣騎 ノチウドラゴ》
融合・効果モンスター
星7/光属性/幻竜族/攻2400/守1900
「霊獣使い」モンスター+「精霊獣」モンスター
自分のフィールド・墓地の上記のカードを除外した場合のみ特殊召喚できる。
自分は「聖霊獣騎 ノチウドラゴ」を1ターンに1度しか特殊召喚できない。
(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、
自分フィールドの他の「霊獣」モンスターを相手は効果の対象にできない。
(2):自分・相手ターンに、このカードをEXデッキに戻し、
自分の除外状態の「霊獣」モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターは直接攻撃できない。

11期の追加組。一度《邪竜星-ガイザー》として融合していた《魔竜星-トウテツ》と《水竜星-ビシキ》が分離後、レラに導かれて再び合体した形態。
そして、【霊獣】を環境トップデッキに押し上げた功労者。
コンタクト融合および分離の条件が若干変更されており、既存の聖霊獣騎とは以下の点が異なる。
  1. メインデッキの霊獣同様、特殊召喚制限が追加されており、ノチウドラゴは1ターンに1回しか出せない。
  2. 分離時効果で戻せるのが1体に減少。
  3. 分離時フィールドに戻す対象が「霊獣使い」&「精霊獣」から「霊獣」へと変更されており、「聖霊獣騎」も帰還できる。
  4. コンタクト融合時の除外元が墓地からも選べるように変更。霊獣2種さえそろっていれば盤面がら空きの状態からノチウドラゴをいきなり出すことも可
と、召喚条件の面で大幅な強化を貰っている。
とりわけヤバいのは4。
キムンファルコスの素材にした霊獣でノチウドラゴを出しつつ、キムンファルコスやレイラウタリを帰還させることで戦線にガンガンアドバンテージを供給する。
特にキムンファルコスはレイラウタリの素材として消費されやすく、帰還も容易で相性がよい。
ぶっちゃけ、融合召喚するだけでプレイヤーを有利にすると言っても過言ではない。

固有の効果は自分以外の霊獣を効果の対象にできなくする対象耐性。
【霊獣】を知っている相手プレイヤーは《無限泡影》や《エフェクト・ヴェーラー》で《精霊獣 カンナホーク》等場にいる霊獣を狙いにくるため、そうした妨害から彼等をガードするのが主な仕事となる。



リンクモンスター

特殊な融合条件のあった融合モンスターとは異なり、普通にリンク召喚で出すタイプ。このため素材となる霊獣も除外ゾーンではなく墓地に直行する。
また、登場しているものはどちらも「召喚」に関係する効果を持つ。

だが、それ以上に重要なのが名前に「霊獣」を含むにもかかわらず特殊召喚に関する制限が一切ない点。
正規のリンク召喚さえ済ませれば《霊獣使い レラ》や《霊獣使い ウェン》や《聖霊獣騎 ノチウドラゴ》で特殊召喚可能。
メインデッキの面々のような特殊召喚回数制限もなく、もちろん効果も無効にならないので、リンクモンスターとは思えないほど軽快に立ち回ることができる。

  • 《聖霊獣騎 キムンファルコス》
リンク・効果モンスター
リンク2/風属性/サイキック族/攻1800
【リンクマーカー:左下/右下】
「霊獣」モンスター2体
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードのリンク先の「霊獣」モンスターの攻撃力・守備力は600アップする。
(2):自分の墓地から「霊獣」カード1枚を除外して発動できる。
手札の「霊獣」モンスター1体の召喚を行う。
(3):自分・相手ターンに、このカードをEXデッキに戻し、
自分の除外状態の、「霊獣使い」モンスター1体と「精霊獣」モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを守備表示で特殊召喚する。

最終局面で復活したウィンダとガスタ・ファルコが人獣一体の聖霊獣騎となった姿。
名前は「キムン(アイヌ語で「山の、山に居る」)」+「ダイガスタ・ファルコス」。
その名の通り、山脈を遥か下方に見下ろしながら優雅に飛んでいる姿が描かれている。
非常にファンサービスに富んだ1枚であり、イラスト・効果ともにダイガスタ・ファルコスを強く意識している。
(また、智天の神星龍とTierraの千日千夜の戦いの末に世界がどうなったかをうかがい知れるなど、考察素材としても極めて優秀である。)

無論、ただイラストアド的に美味しいカードという訳ではない。
第一に、融合モンスターのような分離効果。
先述の通り、このカードには特殊召喚制限がないので、《霊獣使い レラ》などで特殊召喚してから分離を行うと霊獣の総数が一つ増える。
(2)の召喚効果も有り難く、墓地の霊獣カードをコストとして除外しつつ召喚権を追加してくれる。ただしリソース不足には注意。
なおここで言う「リソース」とは効果の発動に伴う墓地コストではなく手札から召喚する霊獣の方である。

特に、デッキのエンジンである騎カンナホークとの相性は抜群で、
サーチのコストとして墓地に戻った霊獣カードをコストに、サーチで持ってきた霊獣モンスターを展開する事ができる。
これによって、
1.騎カンナホークのサーチ+分離でレラ・ウェン・ピリカのいずれかをサーチ
2.分離後の霊獣使いと精霊獣でキムンファルコスを特殊召喚し、効果で1.でサーチした霊獣使いを追加召喚して任意の精霊獣を展開
3.フィールド上には聖霊獣騎+霊獣使い+精霊獣が揃うのでガイアペライオが降臨
と言った形で、騎カンナホークが展開できる状況で一度でもサーチが成功すればガイアペライオが出せるようになった。
元々、ガイアペライオの制圧力は非常に高いものであるため、それをループコンボの終着点として組み込めるようになったのは非常に大きい。

反面、他の聖霊獣騎とは違い、自身がリンクモンスターであることから、
リンク召喚の素材が除外領域ではなく墓地に送られてしまい、すぐに③の効果による分離ができない、といった欠点も存在しているので注意されたし。


  • 《聖霊獣騎 レイラウタリ》
リンク・効果モンスター
リンク4/風属性/サイキック族/攻2600
【リンクマーカー:上/左下/下/右下】
効果モンスター3体以上
このカード名の(2)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、
お互いにカードの効果を発動するためにカードをリリースできない。
(2):自分の除外状態の「霊獣」カード1枚を対象として発動できる。
そのカードを手札・EXデッキに戻す。
その後、手札の「霊獣」モンスター1体の召喚を行う事ができる。
(3):相手ターンに、自分フィールドの「霊獣」カード1枚と相手フィールドのカード1枚を対象として発動できる。
そのカードを除外する。

11期の新顔。先述のノチウドラゴの進化形態。

効果は3種で、
(1) リリースして使う系の効果の封印(おそらく敵対勢力である【インフェルノイド】を意識したもの)
(2) 自分ターンで使える除外カード回収効果&召喚権の追加効果
(3) 相手ターンで使えるフリーチェーン除外

ガイアペライオとは別ベクトルの制圧役で、(3)の効果による「着地狩り」で戦術をかき乱すことが可。
この効果、タイミングを見計らう技量さえあればかなり強力で、使いようによっては「無効にして破壊」以上の影響をもたらす。
特に《海皇子 ネプトアビス》のような、払ったコストさえもアドバンテージに変えてくるタイプのカード・デッキには強く出ることができる。

反面、今までの聖霊獣騎のような分離効果は失われているが、ここで先ほどの「特殊召喚に関する制限が一切ない霊獣」であることが響いてくる。
破壊され墓地へ落とされればレラで、除外されればノチウドラゴかウェンですぐ釣り上げられ、バウンスされても相絆で特殊召喚が可。
倒す事自体は難しくないが、倒しても倒しても何度でも場に舞い戻ってくるしつこい展開力のおかげで、ひとたび出れば見かけ以上に厄介。
ただし、すべての効果に名称ターン1がかけられているため、他の霊獣のようなインチキは不可能。
レイラウタリに限っては、一度どかして出しなおしても効果をふたたび使えるようにはならないので注意。


魔法・罠カード

  • 《霊獣の相絆》
速攻魔法
(1):自分フィールドの表側表示の「霊獣」モンスター2体を除外して発動できる。
EXデッキから「霊獣」モンスター1体を召喚条件を無視して特殊召喚する。

霊獣専用の速攻融合。バトルフェイズ中の追撃やサクリファイスエスケープのような使い方が主な役割。
指定が「霊獣使い」+「精霊獣」ではなく「霊獣」2体である点も重要。
「召喚条件を無視して特殊召喚する。」という一文が足を引っ張るだろうなーと思っていたら、
本当にガイアペライオで足を引っ張っちゃったのはご愛嬌。
事故覚悟で3枚入れる人もいれば、使い所が難しいということで1枚も入れない人もいるカード。

ちなみに特殊召喚できるのは融合モンスターだけではないので、キムンファルコスも展開可能。



  • 《霊獣の誓還》
速攻魔法
(1):手札から「霊獣」モンスター1体を除外し、
自分の墓地・除外状態の「霊獣」モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを特殊召喚する。

霊獣専用の蘇生・帰還魔法。
長老とAIBOの再会、ウィンダの帰還……そしてかつて「戦火の残滓」でリチュア・ノエリアに救われた三人の子供(エミリア・アバンス・ウィンダ)が、時を越えて再開する姿が描かれた、DT背景ストーリー好きにはたまらない一枚である。

効果自体は、手札コストと、霊獣モンスター自身の特殊召喚制限があるため、初見の印象は悪いかもしれない。
しかし、実際のところは、
  • ループ要員を手札から除外領域に直接叩き込むことができる
  • ループに到達するための序盤の展開が何より重要な霊獣デッキに追加の展開手段を与えてくれる
  • 霊獣の騎襲と違って攻撃表示での展開を許すため、追撃要員として使用可能
  • 墓地か除外領域にキムンファルコスがいれば、このカード1枚からを除外領域の精霊獣と霊獣使いにアクセスできる。
といった形で、霊獣デッキの動きを影に日向にサポートしてくれる。

特に初動の展開に寄与できることが重要で、長老+カンナホーク以外にもカンナホークorラムペンタ+誓還+任意の霊獣使いでも動くことが可能。(内容は後述)
一方で、このカードの登場によって霊獣の展開ルートが一気に増えたため、難解なパズルが更に難解になってしまったのは痛し痒しである。


  • 《霊獣の継聖》
永続魔法
このカード名の(2)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):相手フィールドのモンスターの攻撃力は、
自分フィールドの「霊獣」モンスターの種族の種類×200ダウンする。
(2):手札の「霊獣」モンスター1体を相手に見せて発動できる。
そのモンスターとは種族が異なる「霊獣」モンスター1体をデッキから手札に加える。
その後、自分の手札を1枚選んで捨てる。
(3):自分フィールドにモンスターが2体以上同時に特殊召喚された場合、
フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターの表示形式を変更する。

11期の追加組。
効果が(1)(2)(3)とあるが、(1)と(3)は使えるときに使う程度のおまけで、基本は(2)を使うサーチャーとしての運用がメイン。
手札をサーチした後1枚捨ててしまう、そもそも継聖+霊獣モンスターの一組が手札に揃ってないと使えない、という点から安定感はないが、
捨てたカードで融合召喚できるノチウドラゴがいるため、見た目よりかは扱いやすい部類。
特に、除外時即リクルートができる精霊獣使いの方のレラはサーチする価値が大きく、そのまま捨ててしまってもよい筆頭サーチ先。
ノチウドラゴ召喚の融合素材として墓地から除外すれば、それだけでリクルート効果の発動条件が成立するためである。


  • 《霊獣の連契》
通常罠
(1):自分フィールドの「霊獣」モンスターの数まで、フィールドのモンスターを破壊する。

霊獣のメイン除去。基本はこのカードの発動に聖霊獣騎の分離を合わせると良い。
  • かの悪名高いモラルタ同じく、「選んで」なので対象をとらない除去である。
  • 最大5体のモンスターをたった1枚で除去可能と、場合によってはサンダーボルト並みの効率を誇る(気がしないでもない)。
  • 騎カンナホークでサーチ出来るので、インフェルニティにおけるブレイクのような感覚で使用可能。
防がれやすい破壊ではあるが、このように流石は9期テーマのカードだけあって何かがおかしい。

ただし対象には取らなくても破壊耐性を持ってる上に破壊してもまた戻ってきやがるマジェスペクター相手とかは勘弁な!
それから、対象を取らない効果故に、効果解決時までにフィールドの霊獣を除去されてしまうと不発になってしまう弱点もあるので注意だ!

とはいえ、弱点もあるものの非常に強力で魅力的なカードであり、
カンナホークと並んで霊獣を代表するカードであると言って間違いないだろう。


  • 《霊獣の騎襲》
通常罠
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):自分の墓地・除外状態の、「霊獣使い」モンスター1体と「精霊獣」モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを守備表示で特殊召喚する。
このカードの発動後、ターン終了時まで自分は「霊獣」モンスターしか特殊召喚できない。

霊獣専用の蘇生・帰還罠。
イラストでは聖霊獣騎アペライオとみられるシルエットが邪竜星ガイザーと思しきシルエットと激闘を繰り広げる背後で
霊獣使いウェンと精霊獣ペトルフィンが触手姦謎の影に拉致されそうになっており、
それに気づいたガスタの神裔 ピリカが必死に手を伸ばして連れ戻そうとしている。が、結局拉致された結果……

そこ、奇襲されてるのは霊獣の方だろとか突っ込むんじゃない。

霊獣版ガトムズの緊急指令とも言うべきカードで、
発動条件もコストもなくフリーチェーンで2体蘇生or帰還という単体で見ても相当なパワーカードである(ある意味で、特殊召喚制限のある霊獣だから許されているとも言える)。
役割が似ている誓還と比較した場合にはアドバンテージ獲得能力で勝り、
罠ゆえの即効性の低さや戦闘フェイズでの打点追加に使用できない点や聖霊獣騎(というかキムンファルコス)を蘇生・帰還できない点が劣る。

基本的に相手ターン終了時に打ちたいカードであるが、相手の除去や戦闘に対応してウィンダを展開するなどの動きも強力である。
この場合にはウィンダを2体対象に取れれば、2体とも特殊召喚することが可能である。
(これはウィンダの特殊召喚が1ターンに1度しかできないだけで、1度に複数体の蘇生には対応するためである。)
後続をそのまま展開できるのでアドバンテージ増となる他、相手ターンに動きまくる霊獣の姿が見られるようになる。







【霊獣】デッキの特徴と戦術

まず、ここまでの霊獣たちのカードの特徴をまとめよう。
  • 霊獣を召喚できるのは1ターン限に合わせて1回だけだが「召喚をするという効果」を持つ霊獣カードを使えば何回も召喚できる
  • メインデッキの霊獣使い&精霊獣たちはそれぞれ1ターンに1回しか特殊召喚できないが「召喚」は特殊召喚ではないので制限にかからない
  • 精霊獣の効果は場にいる限り一度しか使えないが一度場から離したあと場に戻せばもう一度効果を使える
  • 聖霊獣騎は融合召喚でしか特殊召喚できないが何度でも出していいし無理やり出す方法もある
上記の通り、テキストに記されていない仕様を悪用することでハックできる要素が多いのが大きな特徴。

ゆえに、自分のターンでは制約の穴を突いて突いて突きまくることでリソースを荒稼ぎし、相手ターンではフリーチェーンの融合解除でひらりひらりと相手の攻撃をかわすことで、何ターンもかけてじわじわとスタミナ切れに追い込んでいくのが【霊獣】の基本戦法。

墓地に落とされても除外されても何度でも復帰できるため、明瞭な耐性こそないが立て直し能力がひたすら高く、一般的なデッキで使われる除去はほとんど通用しないという驚異の防御力が売り。
また、除外リソースをアドバンテージに変える特性から、一般的なデッキにとって致命的な弱点になる除外は全く通用しないどころか逆に利用される傾向にあり、
「トリシューラ撃たれたら逆にアドになる」というホントかウソか判断つきにくい冗談まで囁かれる始末である。



霊獣コンボ集


霊獣の展開ルートはとにかく難解で脳がとろけること請け合いである。
そこでこの項では、霊獣で頻出となるコンボパターンをいくつか紹介したいと思う。
特に、騎カンナホークによるアドバンテージ獲得パターンと初手からの展開ルートについては最初は丸暗記でいいので頭に叩き込んでおくと良い。

基本パターン
基本となるアドバンテージ獲得の手段は以下の通り。

初手展開パターン
初手の展開パターンには色々あり、
しかも誓還やキムンファルコスの登場によって難解な事になっているが、基本の考え方は以下の通りである。

・長老+カンナホークパターンの挙動



弱点

霊獣の弱点となるのは主に2つ、初動の不安定さ、致命的なメタカードの存在である。

弱点その1 初動の不安定さ
霊獣は、初手に長老+カンナホークが揃った場合の強さは折り紙付きだが、
この動きを安定させる手段が無く、ほとんどの場合引きに左右されてしまうという欠点が存在している。
これは霊獣が、
  • 増援やテンキ、エマージェンシーコールなどのようなサーチ手段が存在していないこと
  • サーチがないにも関わらず、精霊獣と霊獣使いのセットが揃わないと聖霊獣騎になれないため、初動が安定しないこと
という2つの欠点を持っているためであり、霊獣の初動は霊獣使いの永遠の課題といえるだろう。
最近ではウィンダや誓還のおかげでだいぶ初動も動きやすくなったが、それでも手札事故による「何もできずに負ける」危険性は他のデッキと比べて高い。

弱点その2 霊獣に刺さるメタカードたち
特殊召喚による展開を封じられると厳しいのは他のデッキも同様だが、霊獣は騎カンナホークによるサーチができなければまともに動けない関係上特にその影響を受けやすい。
また、他のデッキにおいてはメリットとなりうる場合もある「除外を封じる」や「場外領域からのカードの移動」といった効果が強烈に突き刺さる。トリシューラがアドになる分、エリクシーラーが天敵なのである。
前者なら《虚無空間》、後者なら《王宮の鉄壁》が代表的なメタカードであるため、サイクロン等の魔法・罠カードの除去手段は用意しておきたい。

なお、騎カンナホーク自体はヴェーラーやブレスル、無限泡影に対してある程度耐性を持っているが、当然のことながら普通の霊獣たちはそうではないため効果無効も刺さる。
中でも威光魔人やスキルドレインなんかは騎カンナホークすら機能不全を起こすためゲームにならない。
したがって由緒正しきメタビート相手はとにかくキツい戦いとなる。
特にサーチ妨害効果と特殊召喚妨害効果を併せ持つライオウは不倶戴天の天敵であり、相手にすると辛い。
他にもフォッシル・ダイナ パキケファロなども居座られるどうしようもないことが多い。

真の弱点

さて、ここまでデッキとしての弱点を紹介してきたが、
最も忘れてはいけない最大の弱点は何と言ってもこのデッキ自体の難解さ・複雑さである。

すべての霊獣には1ターンに1度までの特殊召喚制限が課せられているため、
正しいゲームプレイのためにはすでに特殊召喚してしまったモンスターの把握が必須である。
コンボが止まるだけならまだしも、それでプレイミスをしてしまうと対戦相手にも申し訳がない。

さらに1ターン内にすさまじい回数の特殊召喚と効果発動を繰り返すために動き方も複雑怪奇で、基本の考え方はあれどもアドリブ性もとても強い。
イラストの可愛らしさにつられて迂闊に手を出した結果、あまりの複雑さ・難解さに挫折しそうになるのは多くの決闘者が通る道だろう。
少なくとも初心者が気軽に扱えるレベルの代物ではない。扱い方を理解した上級者向けのデッキテーマだと言えるだろう。
にもかかわらず、女の子が可愛いため使いたがる決闘者が後を絶たない魔性のテーマでもある。

霊獣への対策

基本的に霊獣デッキは融合⇔融合解除のループコンボがアドバンテージに直結するため、
(1)フィールドから霊獣モンスターをどかす
(2)除外領域にモンスターを貯めさせない(できれば墓地にも置かせない)
この二点を徹底することが重要である。

そのため、騎ペトルフィンやウィンダなどの破壊に対して耐性・カウンターのあるモンスターを破壊以外の方法で処理し、
それ以外の霊獣モンスターは再利用できないように墓地に叩き落とすのがひとまずの基本の動きとなる。
これ以外にも霊獣デッキと戦う場合には、ループコンボへとつながらないような立ち回りを心がけ、将来のアドバンテージを減らすようにすると良いだろう。
(無論、騎襲を打たれてリカバリや、レラが通常召喚されてリカバリなども十分ありうるが、そこは読み合いの範疇ということで……)

相性のいいカード

・封印の黄金櫃
言わずと知れた好相性カード。だが、便利故についに制限を受けてしまった……。
基本的な運用はカンナホークとほぼ同一だが、こちらは手札から即使用できるという点が極めて重要。
ウェンと組み合わせてダイレクトに展開へと繋げられるだけでなく、召喚権を消費せずにその時一番欲しい霊獣をデッキから用意できる。

緊急テレポート
霊獣使いの多くはレベル3以下のサイキック族なので、このカードでリクルート出来る範囲は非常に広い。
霊獣使いの効果はどれも特殊召喚には対応していない・特殊召喚制限が存在するという点には注意しないといけないが、
霊獣デッキは性質上霊獣使いと精霊獣を並べないと始まらないため、その片方を補えるこれは便利。合体失敗した後の除外デメリットもあまり痛くない。
霊獣以外にも、幽鬼うさぎちゃんを引っ張って来るのにも使えるナイスガイである。

・嵐征竜-テンペスト
まさか帰ってくるとは思わなかった征竜の一角。
墓地の霊獣を除外しつつ毎ターン湧いてくる2400打点という頼りになる相棒である。
特に、騎カンナホークのサーチのコスト捻出が目に見えて楽になるのは嬉しい限り。
ドラゴン族のサーチ効果は少々活かしにくいが、ペトルフィンを釣り上げてランク4を作れるデブリ・ドラゴンを1枚差しておくと役立つこともあるだろう。

・激流葬
聖霊獣騎の分離効果は自身をエクストラデッキに戻すことが発動条件のため、
相手の召喚・特殊召喚にチェーンして、融合解除効果→激流葬とチェーンを組むことで相手のモンスターだけを全滅させた上で、
素材だけががら空きになった自分のフィールドに戻ってくるというえげつないコンボが実現できる(ブラックホールにはできない芸当である)。
なお、騎ペトルフィンがいる状態で撃っても強い。

・マクロコスモス、次元の裂け目
墓地依存デッキを殺す嫌らしいメタカードだが、除外ゾーンが第二の墓地(ナニカがおかしいが気にしてはいけない)な霊獣では気にならない。
レラやピリカと相性が悪いが、騎カンナホークで墓地に戻したカードを利用する等してカバーすることは可能。
ちなみに、これらのカードが貼ってあっても騎カンナホークのサーチ効果は問題なく発動できるという裁定が出ているので安心して使おう。
ただし増殖するGエフェクト・ヴェーラー、幽鬼うさぎ等のメタゲームに有効な汎用手札誘発カードの多くと相性が悪い点には留意しておく必要がある。

・魂吸収
1ターンに何度も除外と特殊召喚を繰り返すデッキである為、相性は抜群。
1枚貼るだけでも毎ターン数千ライフを回復、気付いたら数万を超えてることもザラである。

・無限泡影
最近流行りのモンスター効果無効系罠カード。
激流葬の項で書いたように聖霊獣騎の効果発動時に場を空っぽにすることができるため、そのタイミングで手札から発動できるという点で相性が良い。
シンクロ召喚の可能性やレラ同様に一枚でリンクリボーに繋げられそうという理由から、ヴェーラーの方がよくない?などの声も聞こえてきそうだが、
ヴェーラーは相手メインフェイズでしか使えないという点と、このコンボが決まった時のびっくり具合で言った場合にはこちらの方に軍配が上がる。

▼デッキの種類

霊獣デッキはメインデッキ・エクストラデッキ共に霊獣カードの比率が非常に大きいため、
別のカードをチョイ足しして、デッキのオリジナリティを高めることが求められる。
以下は、その一例である。

墓地メタ型
相性の良いマクロコスモスをメインから投入し、相手に墓地アドを稼がせないように立ち回る。
昨今では墓地を利用しないデッキなど存在しないと言い切っても良いが、その度合はデッキによるため刺さる相手と刺さらない相手がまちまちなのが難点。
マクロコスモスから原始太陽ヘリオスを引っ張ってくる動きもランク4エクシーズに絡めやすい。(いつか炎族*2を素材とするリンクモンスターが出た際には更に重要になるだろう)

リンク召喚型
霊獣デッキは基本の動きがEXモンスターゾーンを空けながらの展開になるため、エクストラデッキの枠を割くだけでリンク召喚を無理なくデッキに追加可能。
抜群の相性を誇るキムンファルコス、リンクリボーに始まり、自分で出した霊獣モンスターを除外しつつ魔法・罠を除外できるトポロジック・トゥリスバエナ、
分離から打点向上に貢献できるアークロード・パラディオンなど、比較的相性の良いモンスターは多い。
テーマの性質上、やろうと思えばライトロード・ドミニオン キュリオス、ヘビーメタルフォーゼ・エレクトラムなども出せなくないので、今後のカードの登場如何ではこの辺が霊獣デッキの強化に一役買ってくれることだろう。

エクシーズ召喚型
デッキに別のカードを加えるまでもなく、ウィンダ+精霊獣で容易にランク4に繋げることができるため高相性である。
その場合には、ホープ+ライトニング、電光千鳥、ヴェルズビュート、カステルあたりが候補となるだろうか。
ランク4だけで十分対応可能な状況が多いが、デッキ構築によってはそれなりにランク3も出しやすいのでそちらに目を向けても良いだろう。
余談だが、簡易ノーデンが現役だった頃は簡易融合からランク4に繋げるのが主流であり、
その結果、霊獣が強いというより簡易ノーデン(とテンペスト)が強いから霊獣が強いという、霊獣的に嬉しいんだか嬉しくないんだかよくわからない時期となっていた。

シンクロ召喚型
最もシンプルなのは幽鬼うさぎを3枚取り入れて、召喚権の余るタイミングで、クリアウィング2種やブラックローズ2種などを展開していくパターン。
チューナーを入れないといけないこととエクストラデッキの枠の関係上、かなり明確に意図してカードを選別しないといけない。
なお、エクストラデッキの枠の関係上構築難易度は上がるが、SRとWWのカードに相性の良いものが多いため、そちらとの混合構築も可能である。
  • SR型
SRを用いる場合にはベイゴマックスとドミノバタフライが重要なカードになる。
前者は霊獣デッキの立ち上がりの重さをリカバリー可能なカードであり、後者はカンナホークや封印の黄金櫃と組み合わせることで霊獣モンスターによる展開をサポートしてくれる上に、場合によってはP召喚もやりやすい。
  • WW型
WWを用いる場合には、言わずもがなアイス・ベル、スノウ・ベル、グラス・ベルの3体を使用して耐性つきクリスタルウィングを立たせる事に特化することになる。
アイス・ベル→グラス・ベルと展開した場合の「風属性しか特殊召喚できず、エクストラからレベル5以上のモンスターしか出すことができない」というデメリットが霊獣デッキではあまり気にならないのもポイントが高い。
あと女の子モンスターがさらにデッキ内に増える。

▼その他補足など

○霊獣の裁定やルールに関する補足

霊獣デッキを使用する上で知っておくと得をするかもしれない裁定をまとめて記述する。

1.霊獣の特殊召喚制限の適用について
霊獣の特殊召喚制限であるが、特殊召喚が成功しなかった場合でも、
特殊召喚制限が適用され、再度の特殊召喚が不可能となる場合がある。
おおまかにまとめると、特殊召喚に関わるカードの発動が無効化された場合には再度の特殊召喚が可能だが、
特殊召喚に関わる効果解決時に特殊召喚効果が無効になったり、特殊召喚そのものが失敗すると再度の特殊召喚が不可能になる。

1-1.再度の特殊召喚が可能な場合
霊獣を対象とした特殊召喚を行うカードの発動が無効になった場合。
(ex.自分の墓地のアペライオを対象に死者蘇生を発動した際に、死者蘇生の発動に対して神の宣告を撃たれたケース)

1-2.再度の特殊召喚が不可能な場合
霊獣を対象とした特殊召喚を行うカードの発動は無効にされず、カードの特殊召喚効果そのものが無効になった場合。
(ex1.自分の墓地のアペライオを対象に死者蘇生を発動した際に、死者蘇生に墓場からの呼び声を撃たれたケース)
(ex2.自分の墓地のアペライオを対象に死者蘇生を発動した際に、相手の場に魔轟神獣ユニコールがおり、手札の枚数が同じであったケース)

霊獣を対象とした特殊召喚を行うカードの特殊召喚効果の解決時に、霊獣がその効果の対象として不適切になった場合。
(ex.自分の墓地のアペライオを対象に死者蘇生を発動した際に、D.D.クロウでアペライオが除外されたケース)

霊獣を対象とした特殊召喚を行うカードの特殊召喚効果の解決時に、一時的に特殊召喚が不可能となった場合。
(ex.自分の墓地のアペライオを対象に死者蘇生を発動した際に、虚無空間を発動され特殊召喚に失敗し、その後虚無空間を破壊したケース)

2.聖霊獣騎の融合および融合解除について
聖霊獣騎の融合および融合解除は実はかなり融通のきいた裁定をもらっている。

裏側表示の霊獣モンスターを融合素材として使用可能。
(剣闘獣などと同じ裁定である。)

聖霊獣騎の融合解除の発動の際に対象にしたモンスター2体の内、
片方が異次元からの埋葬などの効果で除外領域から消えてしまった場合でももう片方の特殊召喚は可能。(霊獣の騎襲も同様)

聖霊獣騎の融合解除の発動の際に、おジャマトリオなどを撃たれてモンスターゾーンの空きが1つになってしまった場合には、
対象に取ったモンスターの片方を空いたモンスターゾーンに特殊召喚し、もう片方は墓地に置かれる。(霊獣の騎襲も同様)

また、聖霊獣騎の融合解除効果は「効果発動のコストとして聖霊獣騎自身をエクストラデッキに戻す」関係上、
効果の発動そのものはフィールド上で行われたが効果を発動した聖霊獣騎はエクストラデッキにいるという、
剣闘獣ガイザレスのターン終了時効果とよく似た少々特殊な状況になる。このため、以下の様なルール上の解釈が生じる。

発動の時点でフィールド上に聖霊獣騎が存在しないため、聖霊獣騎の効果発動にチェーンしてエフェクト・ヴェーラーやブレイクスルー・スキルを撃つことがそもそもできない。
逆に、これらの効果を別のタイミングで撃たれた場合でも、その発動にチェーンして融合解除すれば無効化効果を不発にすることができる。
そのため、騎カンナホークはサーチ効果の発動に対応してヴェーラーを撃たれても、されにそれに対応して融合解除をするだけで効果無効化スルーできる。
つまり、霊獣デッキで重要な騎カンナホークの融合サーチ融合解除の流れはその動きそのものがヴェーラーなどに対して耐性を持っていることになる。

発動はフィールド上で行われるため、蟲惑の落とし穴やジャスティス・ブリンガーの効果にもれなくひっかかる。
また、蟲惑の落とし穴を聖霊獣騎に対して撃った場合については、
剣闘獣ガイザレスに天罰を発動したケースと同じようにエクストラデッキに戻るが破壊はされない。
(E・HERO アブソルートZeroのようなエクストラデッキで効果が発動する裁定のカードは破壊されて墓地に行くため、違いに注意されたし)

▼余談

遊戯王のテーマでは珍しく別のテーマの後継テーマとなっており、霊獣テーマはガスタの後継テーマとなっている。
これはリチュアの後継テーマとなる影霊衣も同様だが、リチュアと影霊衣がどちらも儀式モンスターを軸にしているのに比べるとシンクロテーマから乗っただけ融合テーマへのイメージチェンジはかなり大胆と言える。
ガスタとは、カード名にアイヌ語を含み風属性で統一、さらに人型がサイキック族、ついでに相棒のモンスターに乗る、という点で共通している。
なお、かつてリチュアとガスタは敵対関係にあったが、いろいろすったもんだの末に和解したらしく、霊獣と影霊衣は共闘関係になっている上に初収録パックも一緒だった。

また、"霊獣"使いであって、"霊"使いとは分類が異なるが、
霊使いの一人ウィンちゃんがガスタ出身であることから間接的に霊獣テーマとは親戚テーマということになる。ややこしい。

あと、本当にどうでもいい話なのだが、初期の精霊獣が鷹・ライオン・イルカと、某忍風戦隊と一致している。
また、親友が敵になったりするシチュエーションからこの戦隊に近いフィールも感じるテーマである。
シャドールと戦うときなどは「友よ、君たちはなぜシャドールに魂を売ったのか?」などと妄想を膨らませても楽しいかもしれない。

追記・修正はガスタの末裔の皆様でお願いいたします。


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最終更新:2025年09月16日 00:53

*1 アペライオのみフリーチェーン

*2 召喚条件じゃないので、「召喚条件を無視して」の範囲外