バイアラン

登録日:2012/02/04 Sat 14:19:28
更新日:2020/02/04 Tue 21:09:37
所要時間:約 10 分で読めます




ティターンズは力だ!
力があってこそ、全てを制するんだ!!


機動戦士Ζガンダム』に登場するモビルスーツ(MS)。


目次




緒元


型式番号:RX-160
頭頂高:18.6m
本体重量:34.2t
全備重量:54.7t
ジェネレーター出力:1,760kW
スラスター総推力:64,000kg
センサー有効半径:9,890m
装甲材質:ガンダリウム合金

武装:
ビームサーベル×2
メガ粒子砲×2

パイロット:
ジェリド・メサ
ドナ・スター
ティターンズ一般兵


概要


ティターンズの拠点となったキリマンジャロ基地で10番目に開発された試作機
サブ・フライト・システム(SFS)や変形による飛行能力の付与がトレンドだった宇宙世紀0087年時において、あえて人型のままで単独飛行を実現させようと生み出されたのが本機である。
多数の熱核ロケットに加えて大気圏内用に熱核ジェット・エンジンを両肩に搭載し、ガンダリウム合金等当時の最新技術を使って徹底的な軽量化と空力特性の検証を行った結果、横幅は伸びてやや異形となってしまったものの、ついに人型を保ったままで飛行能力を得ることに成功した。

ただし、その代償として少数の武装しか装備しておらず、推進剤も少ないため航続距離が非常に短い。
そのせいで長距離移動の際は推進剤節約のためにSFSに頼らねばならないという何とも効率が悪い事態に…。
これなら実験機止まりもやむを得まい…。
また、機動性の方も良好だが運動性は低く、更に実験機なためパーツの共通点が多いマラサイやハイザック等と異なりパーツの流用もしくは整備も難しいと未だ制約の多い物となった。

一方で装備された武装は二種類だけと少ないが、どちらもなかなかの高威力である。
なお、肩の熱核ジェットエンジンを換装すれば宇宙でも運用出来る。

ちなみに一年戦争時にも旧ジオン軍がグフを使って同じような実験を行っていて、一応「飛行」する事にも成功してはいた。
しかし、当時は技術不足もあって実質的には単に「浮いてるだけ」であり、空中戦が出来る程ではなかったという。
開発に関してはガンダムTR-1のイカロス・ユニットやガンダムMK-Ⅲイグレイのデータが活かされている他、一部ではジュピトリス製モビルスーツとの類似性から、パプテマス・シロッコが開発に携わったとの説もある。


武装


  • メガ粒子砲
両手に内蔵。出力はアクト・ザクやハイザックマラサイビームライフルの2倍以上で速射性も高い。

  • ビームサーベル
腕の内側に格納。性能的には他の機体の物と大きな差は無いが、形状はかなり独特で、三本指の本機のマニピュレーターでも握れ(摘め)るようにグリップは三角形になっている。



劇中の活躍


キリマンジャロでの戦闘の最中、ジェリド・メサが独断で乗り込み起動する。
なお、この時はまだ整備員が付いてのテスト調整の最中で、ほぼグレー一色のロールアウトカラーのままであった。

そのままカミーユ・ビダンΖガンダムと交戦するが、割って入ったフォウ・ムラサメサイコガンダムを誤って撃破してしまう。
その後、塗装されてメロゥドを母艦としてダカールでも戦ったが、止めに入ったアッシマーごと議場を誤射してテレビカメラの前で悪行を2つもやってしまいクワトロ・バジーナの演説に説得力を持たせてしまうという大失態を演じた。汚名挽回。
更に宇宙へ戻るΖと百式を積んだシャトルに追いすがるが、ロケットエンジンに巻かれて吹き飛ばされた挙げ句アムロ・レイディジェに撃たれて海に落ちたりと地上ではロクな活躍も出来なかった。

エンジン換装後宇宙に上がり、ゼダンの門でアポリーのリック・ディアスを撃墜したりと奮戦したが、結局カミーユに撃退されてしまった。

ちなみに、ジェリド機の他にもパラス・アテネの護衛が何機か確認されている。


ティターンズ解体後はそのテレビの前でやった悪行から使用されることもなく、更に実験機故に互換性もなかったことから開発計画自体も頓挫し、残存する機体も表立って運用さることもなく放置される形になった模様。
時代に逆らい、人の姿のまま空を目指した者はこうして闇に消え去った……。












はずであった。













俺はずっと飛びたかった
戦いから隔絶されたこの場所で…
こいつで自由に青い空を
飛ぶのが夢だったさ、本当は!!


バイアラン・カスタム


緒元

型式番号:RX-160S
頭頂高:20.6m
本体重量:38.9t
全備重量:60.3t
ジェネレーター出力:1,840kW
スラスター総推力:98,300kg
センサー有効半径:11,290m
装甲材質:ガンダリウム合金

武装:
メガ粒子砲(ビームサーベル)×2
クローアーム×4

パイロット:
ディエス・ロビン(1号機)
ビア・キャトリエム(2号機)


概要

OVA版『ガンダムUC』に登場。
トリントン湾岸基地で開発されていた技術試験機。
両肩の熱核ジェット・エンジンを強化し、背部にはプロペラントタンクと一体化させたスラスターを増設。腕と踵も別のパーツに交換された。
ちなみにその影響で頭頂高が前より2m伸びた。

バイアランは元々グリプス戦役におけるティターンズ敗北の影響で廃棄予定だったが、それを惜しんだ整備兵のディエスが「機体を既存技術のみで現地改修し、単独飛行能力の向上を図る」という計画を発案。
これに対し、連邦上層部も(ゼフテラ・ベルク中佐による立案調整もあってか)割とあっさり計画を承認した。

この頃のトリントン基地は連邦軍にとって戦略的にほとんど意味をなしておらず、既に忘れ去られていた事が承認された要因の一つとなったようだ。
実際、基地の軍人達(殆どがティターンズのような左遷組や軍の問題児や厄介者や落ちこぼれ)の大半はディエスの熱意に感化され、また他にやる事が現地改修機の製作と基地の警備以外なくて暇だったからこの計画に自主的に協力している。

とはいえ、さすがに無条件とはいかず、ティターンズ系モビルスーツにアレルギーを持つ連邦軍に「センサーをモノアイからバイザー式に変更する」という連邦ではお馴染みの条件が出された。
また、計画に必要なパーツ等も色々なルートを駆使しては余剰、あるいは廃棄寸前もしくは使わない、旧式の物を自分達でかき集めてやりくりしなければならなかった。
ちなみにパーツはガブスレイやバウンド・ドックやギャプランとティターンズ系の物を多く使っている。

逆に言うと上層部も「バイザーだけ連邦らしくしてね。あとは好きにしていいよ」とやりたいようにやらせてくれたようだ。
また、ジム・ストライカーの件などを考えると、当時の連邦はどこでもこんな感じだったのかもしれない。


本機は1号機と2号機があり、前者は追加・改修したパーツと機体とのマッチング検証用である。後者は1号機のデータをフィードバックした後にギャプランのパーツを使ってスラスターを造り直し、コクピットも新型に換装した「完全版」になる予定であり、この経緯は機動戦士ガンダムUC 星月の欠片にて詳しく書かれている。

なお『機動戦士ガンダム U.C.0094 アクロス・ザ・スカイ』にてカスタム前のバイアランを入手する経緯が描かれており、少しだけバイアラン無双も見られる。



武装

  • メガ粒子砲
腕の内側に装備。高い速射性を維持しながら以前より出力がアップし、さらにビームサーベルまで出せるようになった。
ただゾゴックにダメージを与えたとはいえ倒しきれなかったり、ゼー・ズールのビームコーティングにビームを弾かれたりしたが。


  • クローアーム
ガブスレイの両脚部のクローを腕に転用。
また、踵もバウンド・ドックと同型の新造品に変更されており、これを空中での格闘戦でクローとして使用する事も可能。



劇中の活躍

OVA版『UC』

1号機が登場。
ジオン残党軍の襲撃を受け、1号機が出撃。搭乗したディエスが実は元ティターンズのエースだった事もあり、彼の高い技量によってその性能を存分に発揮、味方を大量に葬った敵機たちを次々と血祭りにあげていった。

起動の間、時間稼ぎとしてバーザム改(無人)を設置したが、侵入してきたザクマリナーがこれを撃墜。
しかし、その後ろにいた2号機が敵を撃破、2号機は1号機の出撃を援護した後にエラーを起こし機能を停止した。
そしてビアや皆が見守る中、1号機は格納庫の屋根を突き破り、『大空の支配者』そして「トリントン基地の希望」として雄々しく飛んでいった。

相手の殆どは一年戦争期の旧型であり、それに加えて水陸両用機と陸戦機ばかりで自由に空を飛べる本機との相性は最悪だっただろうとはいえ、
ほぼ孤立無援で周りは敵ばかりの中、あっという間に多数の敵機を撃墜したその圧倒的な活躍を前に、本機に惚れ込んだ視聴者は数知れない。
また、ほぼ10年前の技術の産物でありなおかつ大多数の敵に狙われていながら
  • ザク・マリナー2機の内1機を先述の通り2号機が撃破。その後もう1体を1号機がダメージを与える(撃破されたかどうかは不明)
  • ジムⅡ2機と葬ったゾゴックの左腕を破壊、そしてメガ粒子砲で大ダメージを与え撤退させる
  • アクア・ジムを倒したカプールを盾にし沈黙させる
  • ズゴック等多数のモビルスーツを撃破もしくは沈黙させる
  • ザクキャノンの弾幕を全て回避する
  • デザート・ゲルググ2機を返り討ちに
とバイアラン・カスタムと交戦した機体は殆どが撃破、もしくは大ダメージを負い、仮にも最新鋭機であるゼー・ズールすらも手玉に取った末に仕留めている事から、この機体のポテンシャルとコンセプトの優位性が窺える。

ちなみに本機の事をビアは「合成獣(キメラ)」、ゼフテラは「麒麟」と例えている。

最後はマラサイのウミヘビに捕らわれたところにザクⅠ・スナイパータイプにスラスターを狙撃されて損傷し更にマラサイに肩を斬られるが、ただでは終わらずマラサイを頭から真っ二つにしたところで出番を終えた。
アニメではその後どうなったかは不明だが、撃墜されずに生き残っておりディエスも生存していることが明らかになっている。


『袖付き』の機付長は詩詠う

トリントン戦での損傷を修復後、ジオン残党を襲っていた海賊達と、
「静観するつもりだったが相手が攻撃してきたので応戦する」という口実で残党の味方として戦っている(立場上堂々とジオンを助ける訳にはいかないため)。
その後逃走するジオン残党を「無害な漂流物」と報告して見逃した。基地を襲撃され同僚を数多く殺されただろうに、聖人である。




バイアラン・カスタム2号機


緒元

型式番号:RX-160S-2
全高:20.6m
重量:40.2t
ジェネレーター出力:2,040kW
装甲材質:ガンダリウム合金

武装:
ロング・ライフル(ロング・ビーム・サーベル)×2
ビーム・キャノン×2
エアロ・アーマー×2

パイロット:
ビア・キャトリエム(UC MSV)
リディ・マーセナス(バンデシネ)


概要

バイアラン・カスタムの2号機をさらに改造。ギャプランの技術を多数導入していて、稼働領域が同程度に拡大している。ギャプラン用の大型ブースター・ユニットも装着可能。
背中に増設されていたスラスターは武器とプロペラントタンク、スラスターを一纏めにしたムーバブル・バインダーへと変更。スラスターの数こそ減ってはいるが、推力は逆に強化されている。踵はクロー型から普通の形に戻った。
両腕はクロー・アームとメガ粒子砲を撤去し、通常の5本指のマニピュレーターとロング・ライフル、エアロ・アーマーを備える。

前のめりの姿勢でムーバブル・バインダーとロング・ライフルを前に向けることで高速巡航が可能となり、「大空を征する」ことを可能とするだけの性能を得ている。
ちなみにこれは「変形」ではなく、あくまで「姿勢を変化させているだけ」らしい。



武装

  • ロング・ライフル(ロング・ビーム・サーベル)
両腕に装備されたロングバレルのビーム・ライフル。普段は銃身を折り畳んでいる。
命中精度や射程の長さに優れ、銃口からビーム・サーベルも出せる。

  • ビーム・キャノン
ムーバブル・バインダーに1門ずつ装備されているジェネレーター直結型のビーム砲で、高出力と速射性を両立させている。
ギャプランのビーム・ライフルが基盤になっているとされる。

  • エアロ・アーマー
ロング・ライフルに装着されている。
空気抵抗を減らすための装備で、高速巡航する際に機首となるが、シールドとしても機能する。なお、最終装甲は耐ビームコーティングされている。



作中の活躍

『UC MSV』

ビア・キャトリエムが搭乗。カラーリングは青とグレーで塗られている。
ディエスの1号機と共にテスト飛行を行っていたが、緊急信号を受信したことでジオン残党と海賊の戦闘に参加し、イフリートシュナイド以外の海賊側を殲滅した。


『バンデシネ』

パイロットはリディ・マーセナス。カラーリングはかつてのティターンズを思わせる黒系。
デルタプラスに代わる乗機として与えられたが、ガルダ内でプルトゥエルブバンシィにボコボコにされた。



バイアラン・イゾルデ


型式番号:RX-160G

『機動戦士ガンダム Twilight AXIS』に登場したバイアランの改修機。
ブッホ・ジャンク社の私設部隊「バーナム」に所属する。カラーは紫系。
パイロットはヴァルター・フェルモ。

ボディはノーマルのバイアランに近いが、頭部はガンダム系のようなデュアルアイとフェイス、アンテナを装備。
バックパックには増加のブースターとプロペラントユニットが追加されている。

作中ではトリスタンなどと共にアクシズへと侵入。
アニメ版ではトリスタンと交戦中のザクⅢ改の前に現れ互角に立ち回るも手傷を負い、トリスタンに制止され撤退。
漫画版ではR・ジャジャと交戦。相手が不完全なこともあって優位に立つが、地の利を生かした作戦に接近を許し組み伏され、そのままボディを上下に切り分けられ戦闘不能に陥った。



立体化


ガンプラ

バイアランは1/220のガンプラが発売。
新訳Zでの登場に伴い同じΖ出身のアッシマーやガブスレイ、ハンブラビなどのティターンズ機が1/144のメジャーサイズで続々と発売される中、バイアランは音沙汰がなかった。

その後、『UC』でバイアラン・カスタムが登場し活躍した事によりキット化が期待されていたが、案の定HGUCバイアラン・カスタムが一般発売され、2号機もプレミアムバンダイで両カラーとも発売。
更にバイアラン・イゾルデもプレバンで発売された。

そして2018年には満を持してノーマルバイアランがHGUCで一般発売された。


ROBOT魂

カスタムのROBOT魂×Ka Signature版は魂ウェブ商店で受注販売されていた。



ゲーム


スーパーロボット大戦シリーズ

基本的にはザコ敵だが、『第4次』では副主人公(恋人)の搭乗機として登場し、条件を満たせば入手可能。『第2次Z再世篇』ではΖがいるだけ参戦ながら(UCのcp4が公開された時期と近かったからか)ザコ敵として登場していたり、当初から地味に優遇されていた。
『第3次Z(時獄篇/天獄篇)』ではカスタムがフォウの搭乗機。バイアランに殺された(Zシリーズでは生存が正史だが)フォウがその改造機に乗るという奇妙な光景に。
そして『V』では遂にジェリドが搭乗する。


Gジェネレーションシリーズ

UC前半では貴重な非可変状態での飛行能力と高移動力を持つ機体。
武装はビームサーベルにメガ粒子砲とシンプルだが最低限の火力と射程は確保できている。
ただしビーム耐性持ちを相手にする時は一点突破などアビリティによるフォローが欲しい。
カスタムも無印からそこまで強化されたわけではないので全体から見ると平凡な性能。

『ジェネシス』では参戦作品の都合上飛べない機体が多いため価値が大きく上昇し、空・宇宙適応もAに強化。
さらにステータスが上昇、武装が変更されたカスタム2号機が参戦。
連続攻撃属性のメガ粒子砲を失い火力が落ちたが、ビーム・キャノンの追加によって最大射程が7まで伸びた。
ビーム・サーベルもロング・ビーム・サーベルとなりEN消費据え置きで威力上昇、射程も2まで届くように。
近距離戦・遠距離戦どちらでも使い勝手の良い優秀な機体となった。


ギレンの野望シリーズ

「アクシズの脅威」に満を持しての登場。
編成は一機と系譜時代のアッシマー、ギャプランに近いポジションとなっている。
逆襲はもうこの時から始まっていたのかも知れない。


『SDガンダムシリーズ』

ガシャポンのSDガンダムワールドのおまけシールでは、「イカリ肩のゴキブリ」呼ばわりされて怒っているバイアランが描かれている
(カードダスのSDガンダムシリーズでは「ゴキブリじゃないぞ!バイアランは怒っている」。↑に対する反論?)。
SDガンダム外伝・ジークジオン編第2弾「伝説の巨人」にてバイアランをゴキブリ型のモンスターにしたコックローチバイアランというモンスターが登場している。
バイアランと聞いてこっちの姿を想像する人も多いだろう。





クワトロ「アニヲタWikiに来ることによって、自由に編集が出来ると、何故信じられないのか!」
ジェリド「ティターンズも、それをやっている!」

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