ジム・ストライカー

登録日:2011/04/14(木) 20:48:12
更新日:2020/04/28 Tue 17:02:50
所要時間:約 5 分で読めます




「RGM-79 ジム」(凸)のバリエーションのひとつ。

名称:ジム・ストライカー(GM Striker)
型式番号:RGM-79FP


機動戦士ガンダム』シリーズに登場するモビルスーツのバリエーションや新装備の設定、
そしてデザインのリファインを行うプロジェクトである『ハーモニー・オブ・ガンダム』の一環としてデザインされた機体。

ジオン軍の格闘能力が高い機体に対抗するために開発された。
格闘戦を得意とするエースパイロット向けの機体で、後期生産型(C型)である「RGM-79C ジム改」がベース。

型番のFPが何を意味しているのかは不明。
後述のように本機は「RGM-79F」系列のジムと関連性があり、もしかしたらFというのはそこから来ているのかもしれない。


▽全身に配されたウェラブル・アーマー

▽機動性の確保のために改造された脚部スラスター

▽ビーム・サーベルの2倍の威力とリーチを誇るツイン・ビーム・スピア

▽攻防一体のスパイク・シールドやグラップ・シールド

といった、白兵戦での近接戦闘に特化した強化がなされている。


通常の機体色がベースなため、オリジナルのジムとはなかなか違った印象を受ける。
初期の頃に発表された画稿や初登場の『ターゲットインサイト』では全体的に灰色が目立つ。

ちなみにツイン・ビーム・スピアを構えた姿がスキを持って農作業する農夫に見える事から、ファンからは別名「農耕ジム」とも呼ばれている。



【バリエーション】

色がデザート・ジムに似たの運用テスト機
特定の状況下を想定した特殊迷彩仕様の「森林型」「砂漠型」
バックパックが改修されビーム・サーベルを2本装備している「指揮官用」
一部の特殊部隊用に強化改良された「強化型」が存在する。

テスト機の中には、実戦に参加した記録が残っている機体もあるとされている。
指揮官用に乗るパイロットによっては、二刀流で接近戦に持ち込む場合もあったという。

仮想敵機としての訓練やデータ収集を行う教導隊「ネメシス」は強化型を運用しており、機体をダークブルー(紺色)に塗装している。


公式設定画は先述の初期のものと、通常機・テスト機・ネメシス隊仕様が描かれている。


また、一年戦争後は

RGM-79FP ジム・ストライカー改
RGM-79FC ストライカー・カスタム
FA-79FC フルアーマー・ストライカー・カスタム
新型ストライカー(詳細不明)

が開発されている。

詳細は後述の漫画作品にて。



【武装】

  • 頭部バルカン

  • 100mmマシンガン


  • ツイン・ビーム・スピア
ストライカーの主兵装で、伸縮可能なロッドにビーム・サーベルが2本装着されている。
RX-78 ガンダムの装備であるビーム・ジャベリンのリーチを受け継いでいる。
長いリーチを持つ「ロッドモード」、敵機をなぎ払うのに適した「サイズモード」の2形態がある。

  • スパイク・シールド
資料によっては「パイルバンカー装備型シールド」と呼ばれる。
汎用性が高く、防御の他にも格闘戦での使用が想定されている。
先端に装着されている2本のパイルバンカーは伸張機構があり、相手に突き刺す打突武器として使える。

  • グラップ・シールド
資料によっては「グラップル・シールド」「グラッブ・シールド」「大型クロー装備型シールド」と呼ばれる。
こちらも格闘戦に持ち込める設計にされている。
中には上に2本、下に1本のクロー・アームが折り畳まれており、展開することで相手を掴んで捕縛できる他、展開せずにぶつけることもできる。

スパイクシールドに比べ出番がやや少ないが、画稿は「MS大全集2009」等で確認できる。

『愚連隊』の外伝である『機動戦士ガンダム アッガイ北米横断2250マイル』では、3機の掃討部隊(ハイエナ野郎)がグラップ・シールドを装備し、キスノ兄弟のアッガイやネメシス隊たちと交戦した。
『カタナ』では、イットウ達を相手にグラップ・シールドとジム改のハイパー・バズーカを装備したジム・ストライカー改(ユージ機)が出撃している。

一年戦争直後を描く『MSV-R ザ・トラブルメーカーズ』では、元ジオン兵のディーン・ウエストが乗る陸戦高機動型ザク達が連邦のならず者の基地に潜入した際、グラップ・シールドを装備したジム寒冷地仕様が敵の一機として応戦した。



【装甲】

オリジナルよりもかなりゴツい。
頭部はまるでボクシングなどのヘッドギアのよう。
これはウェラブル・アーマーによる追加装甲である。


《格闘用バイザー》

頭部に装着された増加装甲。
センサーを保護し、メインカメラの機能を補助するセンサーが内蔵されている。
また、頭部バルカンと干渉しないつくりになっている。


《ウェラブル・アーマー》

資料によっては「ウェアラブル・アーマー」と呼ばれる。
耐弾性に優れ、敵の攻撃が命中するのと同時に装甲内部の炸薬を起爆させ、その爆圧によってダメージを軽減する特殊装甲。

「RGM-79F 陸戦用ジム」から派生した「RGM-79F(RGM-79SP) デザート・ジム」で採用された「リアクティブ・アーマー」の技術が転用されている。
「RX-78NT-1 アレックス」の「チョバム・アーマー」の親戚といったところ。
これまでと異なり、任意でパージすることができる。


重装甲による重量増加を、大推力ランドセルと脚部スラスターの増設でカバーしている。
その結果、高い防御性能と機動性の両立に成功し、卓越した瞬発力による敵機への素早い接近も可能となった。

なお、本機よりも前に『ジオニックフロント 機動戦士ガンダム0079』で初登場した「RGM-79F(RGM-79(GRS)) 装甲強化型ジム」はリアクティブ・アーマーや推進システムなどがあり、コンセプトに類似性が見受けられる。


パージした「アーマーレス状態」のジム・ストライカーは、ランドセル・肩・腕・脚の形状以外はジム改とほぼ変わらない。
この状態の画稿は「ガンダムエース」や愚連隊の単行本に掲載された。
なお、アーマーレス状態はあまりメディアに露出しておらず、知名度はあまり高くない。

(*1)     (*2)     (*3)

左からジム改、アーマーレス状態、ジム・ストライカー



このゴッツいMSが槍状のツイン・ビーム・スピアを構える図は非常に強そうである。
延長グリップもあってか、対接近戦では絶対的なリーチで優位に戦うことができる。
これによりジオンの機体を懐に入らせることなく装甲を貫いていったという。

遠距離戦最強のジムが「RGM-79SP ジム・スナイパーⅡ」なら、近距離戦最強のジムは本機であろう。
事実、一部の資料では「1G環境下最強の格闘機体」と記述されている。


以上のように高性能のカスタム機ではあるものの、機体の特性は結果的にパイロットを選ぶことになってしまった(よりピーキーな強化型に至っては熟練パイロットでも扱いが難しい)。
さらに大戦末期だったことも重なり、実戦ではなかなか大きな戦果を上げられなかった。

しかしそんな中でも、ネメシス隊のようにパイロットの高い技能もあって北米戦線のキャリフォルニア・ベース攻略戦などで多大な活躍を見せた例も少なからず存在しており、ストライカーという機体自体の有用性は証明されている。
そしてここから得られたデータは、大戦以降の改良型や新機体の開発にも大いに貢献し、近距離戦闘というコンセプトはそれらの機体に受け継がれている。



【登場作品】

◆ゲーム作品

ターゲットインサイト
この機体の初出となるゲームだが、PS3の初期に出た作品のせいか地味。
後述する『愚連隊』の読み切り版のタイトルでもある。


戦場の絆
以下の2種が登場。

  • 通常仕様
コスト180の格闘型
タックルから攻撃出来る「タックル追撃」が可能。

REV.1.02にて参戦した最古参に近い機体。
ちなみにこの時ジオン軍に実装されたのはギャン向こうに比べてマイナーとか言うな。

射撃
100mmマシンガンA/B/C

サブ
頭部バルカン砲

格闘
ビーム・サーベル(BS)orツイン・ビーム・スピア(TBS)
BS…3連撃
TBS…チャージ時間によって威力が変化するオート5連撃


  • ネメシス隊仕様
コスト200の格闘型
VER.3.12より、大幅な仕様変更が行われた。
全セッティングでロングダッシュ可能。

射撃
100mmマシンガンA/B/C
通常仕様とは性能が異なる。
TBSB…チャージ式5連撃

サブ
頭部バルカン砲
TBSC…投擲式のTBS

格闘
TBSA…3連撃、BSはオミット


ノーマル・ネメシス隊仕様共に、宇宙出撃時にはジム・ストライカー改となる。
その際、細部のカラーリングも多少変化している。


ガンダムエースに掲載された戦場の絆の漫画では、カタナと『ジョニー・ライデンの帰還』のキャラクターが共演を果たしている。

カタナ本編では『第07板倉小隊』とのコラボとして、インパルスの板倉俊之がモデルで「RGM-79Q ジム・クゥエル」が乗機の「ヨハン・イタクラ大尉」が登場。
(余談だが、ガンダムエースにて板倉さんが執筆する小説『機動戦士ガンダム ブレイジングシャドウ』が連載された)


スピリッツオブジオン 修羅の双星
ツイン・ビーム・スピアとグラップ・シールドを装備したテスト機カラーが敵として登場。
TBSのみで自機に襲い掛かる命知らずで、攻撃後に蜂の巣またはカウンターにされるなど不遇。


Gジェネ
ジム・ストライカーとストライカー・カスタムが登場。
演出はどれも非常に格好良いので一度見てみよう。

超一撃状態でシールドスパイクを使って敵ユニットを倒すと、なんと特殊演出が発生する。
おそらく特殊演出があるジムは後にも先にもコイツだけだろう…
ジェネシスでのツイン・ビーム・スピアは最後にユージを意識したような指差しを行う。


◇機動戦士ガンダムオンライン
通常機とネメシス隊仕様が登場し、アーマーやブーストチャージが強化されている。
ツイン・ビーム・スピアやスパイク・シールドを装備しており、射撃武器もバランスよく使用できる。

スピアは普通のものと、「改良型」「軽量型」「D出力強化型」がある。
そしてネメシス隊仕様はゴールド設計図専用武器として「DⅡ出力強化型」が追加され、最も性能が高い。


◇機動戦士ガンダム バトルオペレーション
マシンガンやツイン・ビーム・スピアを装備した通常機が登場。
一方でスパイク・シールドとグラップ・シールドは装備していない。
スピアはサイズモードへの切り替えはないが、長いリーチを生かした近接戦闘が得意。



◆漫画作品

機動戦士ガンダム オレら連邦愚連隊
ネメシス隊所属で、DEAD(意味は様々)が口癖の主人公、「ゾンビー・ジム」」が異名のユージ・アルカナ中尉が搭乗。
カラーリングは本作や戦場の絆ではダークブルーだが、公式設定画では黒/に近い。


元プロボクサーで、ボロボロになっても突き進み、必ず帰還する超インファイターであるユージは、この機体でザクⅠ・スナイパータイプアッグ、アッグガイ、ザクⅡ改など数々の強敵を撃破している。

特にコルテスが乗る「RX-78XX ピクシー」戦ではウェラブル・アーマーをパージしてアーマーレス状態でボクシングスタイルを取り、ビーム・ダガーを素手で掴むというストライクフリーダムガンダム並の無茶をしている。
しかも直後、そのダガーを持つ手首を引きちぎってしまった。

ストフリはワンオフのチート機体とはいえ白刃取りしただけであり(これだけでも充分凄いが)、少数とはいえ量産機であるジム・ストライカーはこれを越えるトンデモ戦術を披露したのだ。
すなわち、ジム・ストライカーは「ガンダムをも越える最強クラスのモビルスーツ」なのかもしれない…

そして、ピクシーの胴体に渾身のパンチを決め撃破している。
(しかし、この戦いにより、ユージはガンダムという存在がトラウマになってしまう)


劇中ではイーグル・ロック中尉が搭乗する大気圏内用SFS(サブフライトシステム)またはMSキャリアーの「ライトライナー」に搭載した飛行形態も披露している。
ライトライナーの資料は通常のジムがグライダーのように飛行している『MS-X』の画稿が存在するのみで、愚連隊での合体形態が初登場したガンダムエースの号に久々に掲載された。
その他、『GUNDAM LEGACY』では「踊る黒い死神」ことリド・ウォルフ少佐がライトライナーに搭載した量産型ガンキャノンに搭乗している。



◇機動戦士ガンダム カタナ
愚連隊の続編である本作では、発展機のストライカー・カスタムが活躍する。
パイロットは「連邦の懐刀」と呼ばれる組織「BGST(バーゲスト)」隊長のイットウ・ツルギ中佐。

また、ユージ専用の黒いストライカー・カスタムも存在する。


宇宙でも使用可能な機体になっており、独特な近距離戦用装備やガンダムタイプの頭部が特徴。
コンセプトとしては同時期にティターンズで開発された「RX-121 ガンダムTR-1[ヘイズル]」と類似している。

ビーム・サーベルの他、様々なナックル系の装備がある。
機体には「EXAMシステム」に類似した精神感応AI「妖刀システム」が組み込まれており、あの「MS-19ドルメル」の改修機である「MS-19 ドルメル・ドゥーエ」にも移植されている。


他にも一年戦争後の仕様として、0G環境下(宇宙)に対応しストライカー・カスタムとの互換性を高めた「ジム・ストライカー改」が登場。
バックパックと脚部スラスターの形状がカスタムと同一のものになっており、全領域に対応している。


後に「フルアーマー・ストライカー・カスタム(KATANA)」も登場。
コールド・サーベルの「フカサク」にはイフリートシリーズの技術が使われており、理論上どんなものでも斬ることができる。
フルアーマー化には「超妖刀」の自立起動を防ぐという側面もあり、コテヅの「FA-78NT-1 フルアーマー・アレックス」の外装パーツも組み込まれている。
後にアレックスはアンリ博士により「RX-78NT-X ネティクス」に換装された。

また、スーチー・オコンネル曹長の搭乗機で「NEO EXAMシステム」を搭載している「RX-79BD-2 ブルーディスティニー2号機・Ω」は戦場の絆でもエキストラMSとして支給されている。

「サイコミュ・チーム」として連携した3機は正に"無敵"と言えるかもしれない。


0084年から8年後である最終話の0092年では、ネメシス隊のユージのもとに、大戦から改修を繰り返し運用してきた愛機に代わり「新型ストライカー」が届けられた。



【ガンプラ】

ハーモニー・オブ・ガンダムの一環で登場。
種類は整形色がの通常版の他、特別仕様のターゲットインサイト版がある。

パワード・ジム(HGUC 067)の関節を流用しているため、可動域はなかなか。
ただ、色分けが不十分だったり関節がABSで一部がヘタりやすかったりするため、塗装と補強は必須。


ターゲットインサイト版はゲーム中の灰色に近づけられている。
「HGUC 1/144 ジム・ストライカー(オリジナルカラー)」として、2006年の「R&Gキャンペーン」のGコースに当選した955名に懸賞プレゼントされた。
ちなみに、他の5名には「機動戦士ガンダム DVD-BOX RX-78-2ヘッド付限定版」がプレゼントされた。


パッケージの脇や説明書の解説には、上記のユージ・アルカナ中尉が北米戦線で活躍したことについても記述されている。
また、トリセツのストーリーに出てくる「黒い同型機に乗った教導隊のアイツ」というのもユージのことである。


2012年に発売された、HGとRGに対応している「システムウェポン003」は、組み換えでスパイク・シールドとグラップ・シールドを再現できる。
特に後者の方は今回が初の商品化となり、まさかの立体化に驚いたファンも少なくない様子。


ストライカー・カスタムのガンプラは出ていないが、バンダイの「B-CLUB」からカバーキットが出ており、カスタムを再現できる。
ただしそこはやっぱりBクラブ、お値段が1万円近くするので普通の人は手が出せないだろう…



【その他】

「MS大全集2013」にはネメシス隊機のジム・ストライカーが掲載されなかった。
前はちゃんと載っていたのに何故…

2013年8月に発売された「ガンダム パーフェクト・ファイル」99号では、ネメシス隊仕様のストライカーも載っている。


PS3版『機動戦士ガンダム戦記』には「RX-81AS ジーライン・アサルトアーマー」が登場。
色や装甲はジム・ストライカーの流れを汲んでおり、バイザーなのでよく似ている。
また、フル装備状態も設定されている。


OVA版『機動戦士ガンダムUC』第4巻には「RMS-179 ジムⅡ・セミストライカー」が登場。
トリントン基地の現地改修機で、一部に増加装甲を施しツイン・ビーム・スピアを装備した機体。
その見た目からセミストライカーと呼ばれている。





またコイツに乗るハメになるたぁな
最後になるけど追記・修正頼むぜ、DEAD(おデブちゃん)!

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

(*1) 機動戦士ガンダム MS大全集2009、電撃ホビーマガジン編集部、アスキーメディアワークス、2009/8/21、P.229
(*2) 機動戦士ガンダム オレら連邦愚連隊(2)、曽野由大/クラップス、角川書店、2008/3/22、P.207
(*3) 機動戦士ガンダム MS大全集2009、電撃ホビーマガジン編集部、アスキーメディアワークス、2009/8/21、P.456