ジム・スナイパーカスタム

登録日:2012/07/29 Sun 14:18:48
更新日:2025/04/23 Wed 16:56:47
所要時間:約 5 分で読めます




「さぁて、ジオン狩りとしゃれこむか。テネス・A・ユング、行くぞ!」
テネス・A・ユング(声:大塚芳忠)
ヤザンではございません。

ガンダムシリーズ』のメカニックデザイン企画「MSV」に登場するモビルスーツ(MS)。

なお、『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』に登場しケルゲレンを撃ち落としたり、HG08小隊やMGが発売されているのは「ジム・スナイパー」であり、色こそ似ているが別物である。





◆性能諸元

型式番号 RGM-79SC
所属 地球連邦軍
シュテンドウジ
GBG
開発 地球連邦軍
生産形態 量産機
全高 18.5m
本体重量 47.0t
全備重量 75.3t
ジェネレーター出力 1,390kw
スラスター総推力 68,000kg
センサー有効半径 7,300m
武装 60mmバルカン砲 ×2門
ボックスタイプ・ビームサーベルユニット
R-4タイプ・ビームライフル
スナイパー・ビームライフル
ビームスプレーガン
2連ビームガン
折り畳み式ハンドビームガン
ハイパーバズーカ
ミサイルランチャー ×2基
シールド
主なパイロット フランシス・バックマイヤー
ロン・コウ
テネス・A・ユング
コルテス
エルネスト・ギロー
カイン・ラグナード
ディル・ライダー(リヴ・アンゲリカ)
地球連邦軍一般兵士



◆概要

RGM-79 ジムの強化型であり、「ジム重装型スナイパーカスタム」と呼称される事もある。
本機から発展した機体として「ジム・スナイパーⅡ」がある。

ジムは連邦初の正式量産型MSとしてロールアウトしたが、生産性を優先したため性能的にはジオンの最新鋭MSに劣っている所もあり熟練パイロットから不満の声が上がっていた。
(ジムの性能については未だあやふやな点が多いためここでは割愛するが、性能に満足できないパイロットが現れるのは何も珍しくはない)
こうした声に応える形でエース向きの改修案がスタートした。

まず背部ランドセルを大推力のものに換装し、腰に冷却装置、両脚にサブスラスターを追加。
流石にルナ・チタニウムは採用していないものの、ジェネレーター出力等の基礎性能はRX-78に匹敵する。
これが「ジム重装型」であり、この機体をベースに様々な用途に応じた改修機が作られた。


そして派生機の一つである「スナイパーカスタム」は、これに精密射撃用のR-4型ビームライフルを装備した機体である。
また頭部に開閉式バイザーを付けている。ぱっと見で無印ジムと顔つきが違う印象を受けるのは、バイザーで凸顔が部分的に覆い隠されている為であろう。
なおこのジム改修機は全体で50機程に留まったが、その大半がア・バオア・クー攻略作戦に参加し多大な戦果を挙げたため、戦後にそれぞれの装備型に正式な型番と名称が与えられている。


独自改修および活躍

エース向けの機体なため独自の改造を施していた人は多く、中でも有名なのが自称「天才」で知られるフランシス・バックマイヤー中尉である。
腕にボックスタイプビームサーベル(ユニコーンガンダムのビームトンファーをイメージしてくれればわかり易い)とハンドビームガン、脚に2連装ビームガン、腰にバズーカを持った重装型であった。
彼がこれで大活躍したため、他の機体も約半数はこの仕様に倣った装備となっている。


他の改修型としてはシモダ小隊の機体もあり、こちらは白色のバイザーの他、バックパックに陸戦型ガンダム等が使用したミサイルランチャーを改造して装備している。

更にテネス・A・ユング少佐も本機とGS型に乗りMS149機、戦艦3隻を撃破した。
これはアムロ・レイ以上のスコアであり、連邦軍トップの成績である。
彼については(アムロが一番でなければイヤな)一部ファンの間ではアムロをトップにしたくなかった上層部の捏造説もあったが、後のある書籍では共同で空母ドロスを沈めた事で搭載されていた機体をすべてカウントしていたための爆発的スコアで、正式に認定された単独のMS撃墜数は52(+6)機という説が取られている。
それでも連邦のMS撃墜スコアでは第3位なのは流石である。

ガンダムエース」の漫画『オレら連邦愚連隊』ではコルテスの機体として登場し、始末屋として動いていた。
また、ジャンのジムスナⅡやホークさんのジム改も左腕サーベル等で苦しめるが、ユージのジム・ストライカーの助けで撃破された。
コルテスは「オマエみたいなポンコツのせいで負けた」と八つ当たりし、Gファイター付きのガンダム・ピクシーに乗り換えてくるのだから大した贅沢振りである。


機動戦士Ζガンダム』ではジャブローの護衛として数機登場しており、銃もジムⅡが使う狙撃銃になっていた。
しかし、既に型落ちだからなのか、普通のパイロットが操縦しているからか、エゥーゴのMS部隊にあっさり撃墜されていた。



◆武装

  • R-4タイプ・ビームライフル
    型式番号:BOWA BR-M-79L-3
本機専用に開発された精密射撃用ビームライフル。
長い銃身とセンサースコープを備えた中~長距離戦用の兵装で、有効射程はガンダムをも上回る。
主にアウトレンジからの支援攻撃で威力を発揮した。

生産コスト削減の為にC-1型ビームスプレーガンと共通のフレームを持つが、こちらにはより高価なパーツが用いられている。

使用しない時はバレルとストックを折り畳んでリアアーマーのラッチにマウントする事が可能。


  • スナイパー・ビームライフル
    型式番号:BOWA BR-S-85-L3
ジムⅡなどが使用するBR-S-85-C2型ビームライフルの狙撃仕様。
設計自体は一年戦争末期だが、当時の技術では安定性に欠けていたために完成は戦後となった。

通常型に比べてビームの収束率が40%高く、最大射程からザクのモノアイを撃ち抜ける命中精度を誇る。

主にグリプス戦役の頃まで残存していたジャブロー防衛隊機が使用していた。


  • 2連装ビームガン
    型式番号:BOWA XBR-M-79W-2
ビームスプレーガンを上下2連に重ねた物。
単純な構造だが、交互に撃つことで銃身の過熱を抑えつつ高い連射力を発揮した。

しかしビームの関連技術の急速な進歩により、ダブルバレル式ビーム兵器は急速に廃れていったという。


  • 折り畳み式ハンドビームガン
    型式番号:BOWA XBR-S-79b
拳銃型のビーム兵器。
MS用としてはかなりコンパクトで火力も最低限とサイドアームの域を出ない火器だが、ラッチを介して腕部やサイドアーマーにマウント出来るなど携行性に優れる。


  • ボックスタイプ・ビームサーベルユニット
グリップを手で持つタイプではなく、前腕部に直接装着して使用するビームサーベル。
固定式なので使い勝手は落ちるが、抜刀の動作が必要ないので即応性が高い。

配置がシールドと競合するので主に右腕に装備されるが、パイロットの好みで左腕にも取り付けられる。


  • ビームサーベル
シモダ小隊機はボックスタイプではなく、サーベルグリップを直接腕にマウントしている。
ボックスタイプ同様そのままでも使用できるが、こちらは普通に手に持って使うことも可能になっている。


  • ビームスプレーガン
    型式番号:BOWA BR-M-79C-1
  • 380mmハイパーバズーカ
    型式番号:BLASH HB-L-03/N-STD
  • バルザック式380mmロケットバズーカ
  • 対MS戦用シールド
    型式番号:FADEGEL RGM-M-Sh-003、FADEGEL RGM-M-Sh-007
ジムからの流用。
ビームスプレーガンは脚部の、ハイパーバズーカはリアアーマーのラッチに懸架が可能。

シールドはオーソドックスな6角形のラージシールドを使用。
連邦マーク入りのオーソドックスな前期型とマーク無しの廉価版後期型の両方を用いている。


  • 頭部60mmバルカン
ジムからそのまま装備しているが、スナイパーカスタムはバイザーを降ろさなければ使用出来ない。


  • ミサイルランチャー
    型式番号:YHI 6ML-79MM
第3艦隊のシモダ小隊所属機に見られた装備。
本来は地上用の携行火器だが、バックパック側面にアームを介して接続している。
即席の改造だったのかFCS(火器管制システム)への対応が容易ではなかったらしく、モニターでの直接照準による近距離攻撃で使用されたという。

また、装備位置の関係でミサイルコンテナは1基減らされた4連装となり、重量増に対応する為かバックパックのスラスターも強化されている。


  • その他
連邦軍規格のMS用火器は大体運用出来ると思われる。



◆関連機体

◇ジム・スナイパーカスタム(Ver.Ka)

カトキハジメ氏によるジム改(カトキジム)をベースとしたアレンジデザイン版。

変わったことに出典はガンダムシリーズではなく、『超劇場版ケロロ軍曹』にて架空のマスターグレードの箱絵デザインとして登場したのが初出。
その後ガンダムシリーズには『GUNDAM FIX FIGURATION』で立体化したのを契機にゲーム『機動戦士ガンダムバトルオペレーション』や『A.O.Z Re-Boot』の解説などに脇役としてちょくちょく登場しているが、あくまでアレンジされたデザインとしてであって派生機として登場したことはない。

……が、『機動戦士ガンダム外伝 ミッシングリンク』に登場したスレイブ・レイス(MSの方)の頭部装甲がコイツに酷似しており、正史にも存在していた可能性が浮上した。あくまでパーツだけ製作されていただけかもしれないが。


◇ジム・スナイパーカスタム(シモダ小隊仕様)

メカニックデザイン企画『MSV-R』に登場。
地球連邦宇宙軍第3艦隊所属のシモダ小隊がア・バオア・クー攻防戦で使用した現地改修仕様。
地上戦で手持ち火器として使用されていた6連装ミサイルランチャーを4連装の固定式ショルダーランチャーに改修して取り付けている。
これはFCSを含むアビオニクスの書き換えが容易ではなかったため、直接照準による近距離攻撃用として使われた。
この他、ビームサーベルがボックスタイプから直接グリップを取り付ける方式に変更され、重量増加の為かバックパックに丸形バーニアを増設して推力を強化している。
一部の機体の尻には「Kick Your Ass!」と落書きされていた。

終戦後に最低でも1機確認されており、生き延びた人がいた模様。

何となくスコープドッグに似ている気がする。


◇ジム・ガードカスタム

型式番号 RGM-79HC
所属 地球連邦軍
生産形態 量産機
全高 18.0m
全備重量 90.0t (シールド含む)
ジェネレーター出力 1,390kw
武装 60mmバルカン砲 ×2門
肩部バルカン砲 ×2門
ビームダガー ×2
ビームサーベル ×2
E-2ビームスプレーガン
ガーディアンシールド
シールドバルカン ×2門
主なパイロット コーマック・ブラックウッド
地球連邦軍一般兵士

上記の改修型の一つで、防御力を重視して専用の「ガーディアンシールド」を装備している。
このシールドは4種の合金の5層構造に対ビームコーティングが施され、前面にはバルカン砲が2門装備されており、機動隊のように機体が盾に隠れた状態で攻撃が可能。
戦艦の砲撃も防げるらしく「ガード」の名は伊達ではない。

また操作性が低く、腕利きパイロットがよく乗っていたらしい。そのせいか戦後の機体残存数も多かった模様。
固定武装として頭部バルカン砲とランドセルに接続された胸部バルカン、ボックスサーベルの他、携行武器としてビームダガー、E-2ビームスプレーガンも持つ。

ガードカスタムの機体のカラーリングはゲーム戦場の絆』の黒、雑誌ガンダムエースの企画「GAME'S MSV」の灰色、同誌の「MSV-R」の水色と、これまでに3種が確認されている。


◇ジム・インターセプトカスタム

型式番号 RGM-79KC
所属 地球連邦軍
FSS(Federation Survey Service)
生産形態 量産機
全高 18.0m
本体重量 40.3t
全備重量 51.7t
ジェネレーター出力 1,390kw
武装 60mmバルカン砲 ×2門
ビームサーベル
ビームスプレーガン
R-4タイプ・ビームライフル
バルザック式360mmバズーカ
フェロウ・ブースター
ハイパーメガランチャー
シールド
主なパイロット ジル・ブロッケン・フーバー
ホープ・ギャロウェイ
レービー・マートル
ハッティ・ドルングス
ダニリー・マウンチ
地球連邦軍一般兵士

こちらは迎撃機として改修されており、機動性と火力の強化が重視されている。
最大の特徴としてオプション武装である「フェロウ・ブースター」の使用を前提にしている。
このブースターはGアーマーの簡易型と言ってよく、多数の大型ブースターとミサイルを内蔵。
モノ自体は大気圏内用の「コルベット・ブースター」をベースにしているため生産性が高い。

スナイパーカスタム50機の内10機がこれになったらしいが、活躍等については不明。
ただ、戦後にフェロウブースター45基が新規に注文された事から一定の戦果は挙げたと思われる。
ちなみに追加生産分は武装追加用のステーションを増設し、エンジン部には装甲が取り付けられた。

設定等(ガードカスタム/インターセプトカスタム)

両機とも設定だけは大分前からスナイパーカスタムと共に存在しており、インターセプトは「インターセプター」だった。

ガードカスタムは『戦場の絆』用に一度描かれた後「GAME'S MSV」で詳細設定と共に紹介され、その後「MSV-R」にて2機とも大河原邦男氏により描き起こされている。
また、大河原氏はガンダムエースのポスター用にも新たに描き下ろしている。

「電撃ホビーマガジン」では両機とも作例が製作されている。


妖精(エルフ)ジムスナイパーカスタム


SDガンダム外伝にも第1作から登場。恐らくはもっとも有名なジム・スナイパーカスタムで、その名を子供たちに大いに広めた立役者。
『MSV』自体が子供層には無名だったこともあり、ジムスナイパーといえば、08小隊のアレが出るまでは彼の代名詞だった。
武器はボウガンで、森を荒らすジオン族に強い怒りを感じて騎士ガンダム達の味方となる。
味方からは一貫して「ジムスナイパーカスタム」とフルネームで呼ばれる。
OVA版『ラクロアの勇者』では森で襲撃を受けるガンダム達を矢の連射で援護、戦士ドムを撃退してそのまま仲間になった。たかが妖精と侮るなかれ、彼の放った矢は石段に突き刺さるほど威力が高い。
伝説の巨人編でも続投。妖精族の言い伝えなどに詳しく、OVAでは光の弓矢の伝承やマッドゴーレムの撃破などでパーティの勝利に貢献した。
光の騎士編ではOVAの冒頭に登場。武闘家ネモと一緒に戦闘訓練を行っていた。

この妖精ちょっと好戦的すぎない…?
また意外とシビアな考えの持ち主らしく、自分を助けようとする騎士ガンダムが敵に襲われた際にはその助けを拒み「我々の事は気にするな!」と励ます名シーンもある。(後に囚われていたが脱出した)

妖精だけあって長寿らしく、ラクロアの勇者から何十年以上も経っている黄金神話の時代でも当時の姿で登場した。

ちなみに伝説の巨人編のEDでは同じ妖精族のキッカとツーショットがあったが、当時のキッカの声はかないみか。後のガロードティファである。



◆ゲームでの活躍

初代ジム系列ではスナイパーⅡと並んで最強クラスの機体として扱われる事が多い。量産機のカスタムは男の子の心を熱くするのだ。

戦場の絆

スナイパーとガードが使用可。
ここではREV.3の仕様について記述する。

スナイパーはコスト200の狙撃型
メイン武器はR-4ビームライフルでこの機体のみの専用武器となっている。
トリガーを引くとチャージが可能であり、MAXで放すと大ダメージ。
それ以外は小ダメージとなる。
サブは頭部バルカン、格闘はビームサーベルユニットでの一撃。
ザクT・スナイパータイプが対の機体となる。

ガードはコスト220の近距離型
メイン武器はビームスプレーガンorハイパーバズーカorシールドバルカン
サブ武器は頭部バルカン
格闘はビームサーベル(&シールド)となる。


●SDガンダムワールド ガチャポン戦士4ニュータイプストーリー

「ジムスナイパー」の名称で登場。
ややこしいが本作は1991年発であり08小隊よりだいぶ前なのでSC型であると考えられる。スナイパーⅡの可能性もあるにはあるが…。
立ち位置はグリーンカラーの高級量産機。性能的にはジオンのドムとほぼ同等とぶっちゃけ大して強くないのだが、
ファースト時代シナリオはジムもボールもコスト激安かつほぼ最弱なため、連邦陣営にとっては大事な戦力となっている。
またネームドではスレッガーが搭乗しており、パイロット補正のおかげで貴重な前衛役として活躍する。
キャンペーンでは撃破されなければソロモン以降も使用可能…どころか、いないとファーストラストの前後編マップがかなりキツい。

本作の通常MSは1ユニットが4機編成で、「リーダー機1+部下機3」もしくは「同機体4」という内訳になる。
前者は例えば「ガンダム1+ガンキャノン3」であったり「ガンキャノン1+ジム3」「ガンタンク1+ジム3」という風になるのだが、
本機は後者の「ジムスナイパー4」構成となっているため、部下機の火力も重要になる直接戦闘ではカイ・ハヤトより役立つ事が多い。

例外はポケ戦マップで、ここでは「ジムスナイパー1+ジム3」編成に弱体化。(スナカスⅡではないがこの時代のゲームにはよくある事である。)
おかげで拠点に居を構えても頼りにならず、迫りくるサイクロプス隊に物凄い勢いでガリガリ潰されていく。
スカーレット隊の弱さが反映されていると評判。


●SDガンダム外伝シリーズ

こちらは当然ながら妖精の方のジムスナイパーカスタムが登場。
FC版ではところどころに現れては助言をくれるお助けキャラ的な存在…なのだが妖精だけあって戦闘はせず、黒い三連星の根城に単身殴り込みをかけては逆に捕まったり
口調が随分荒々しかったりシュバルツ・ブルーダー並に神出鬼没だったりといろいろネタにされる。

SFC版『大いなる遺産』では第2章にプレイアブルキャラとして登場する。OVAのようにサイコゴーレムの撃破に戸惑うキッカを説得したりと重要な役割を担うのだが、仲間になるのが第2章のラストダンジョン突入寸前の上に加入レベルがなんと初期の1。流石にパーティとのレベル差が開きすぎており、戦力にならないどころか確実に足手まとい。
光の弓矢はガンダム専用だわ自身は大した武器も魔法もないわでサイコゴーレムからの猛攻の盾にする以外使い道はほぼない。



ガンプラ・玩具

MSV及びZシリーズのキットが1/144で発売。
以降はメディアでの露出が少ない地味な存在ということもあってか、立体化の機会に乏しかった。
しかし2017年にMGが一般で発売されて以降はMSDの始動もあり、派生機も含めて豊富に発売されている。

1/144 ジム・スナイパーカスタム
MSV全盛期の1983年発売。
ダクトやバーニア類が別パーツ化されており、かつカラーリングもホワイトで塗装もし易い。逆に言うと塗装必須。

1/144 ジム・スナイパーカスタム(Ζ版)
上記のものの再販だが、パッケージと付属デカールが異なり、成型色もグリーンに変更された。

MG 1/100 ジム・スナイパーカスタム
Ζ版以来32年振りの新規キットにして初めての1/100。
先に発売されたMGジム Ver.2.0(遡ればMGガンダム 2.0)をベースに新規パーツを追加したもので、胴体は従来のカセット式コックピットブロックを廃して新たな可動軸を採用しており、MGジム・スナイパーⅡと同様に狙撃ポーズをとらせる事が可能。
色分けもシールなのはセンサーくらいでバーニア内が足りない程度と優秀。

だが、そんなことよりも特筆すべきは圧巻の武装類。
設定上の装備はほぼ全て網羅しており、ガンダム/ジムから流用のハイパーバズーカ、十字マーク無しのシールドに加えて2連ビームガン、ハンドビームガン、R-4タイプビームライフル、ボックスタイプビームサーベルなどが新たに追加され、ビームスプレーガンもマウント出来るように一部が新規造形に差し替えられているなど、非常に高いプレイバリューを誇る。

MG 1/100 ジム・スナイパーカスタム(テネス・A・ユング機)
MGジム・スナイパーカスタムのバリエーションキットでプレミアムバンダイ限定品。
成型色をカーキグリーンに変更、武装は新たにL-3スナイパービームライフルが追加された。

HG THE ORIGIN 1/144 ジム・ガードカスタム
正史の機体ではなく、機動戦士ガンダム THE ORIGINの世界観におけるMSVに相当する企画『MSD(Mobile Suit Discovery)』にて立体化。
本家デザインに比べて肩部バルカンとE-2ビームスプレーガンが無く、簡素なデザインとなった。

オリジン世界では当キットのデザインを初期型としており、改修によって正史版デザインとなるとのこと。

HG THE ORIGIN 1/144 ジム・スナイパーカスタム
同じくMSD名義でHG化。
丸形バーニアのバックパックやボックスタイプではないビームサーベルなど、正史のシモダ小隊機に近いデザインになっている。

残念ながらMGのような豊富な武装は無く、R-4タイプビームライフル、ビームサーベル、ビームスプレーガンのみ。ボックスタイプ・ビームサーベルも無し。
ハンドパーツも武器持ち手以外は右銃持ち手のみで平手がないのでライフルを支えることも出来ない。
MGのようなものを期待するとやや物足りなさは否めない。MSD重装型3種の中で唯一プレバン限定なのもマイナスポイントか。

HG THE ORIGIN 1/144 ジム・インターセプトカスタム
デザイン自体は正史と殆ど変更無し。
しかしなんと最大の特徴である本体フェロウ・ブースターが付属しておらず、非常にシンプルなキットとなっている。
どう見てもプレバン前提です。本当にありがとうございました。

HG THE ORIGIN 1/144 ジム・インターセプトカスタム(フェロウ・ブースター装備)
案の定プレミアムバンダイ限定。
フェロウ・ブースターが追加されたのみで、成型色の変更や本体側のパーツの追加などは一切なし。

HG THE ORIGIN 1/144 ジム・スナイパーカスタム(ミサイルランチャー装備)
プレミアムバンダイ限定。
カラーリングを渋めに変更してミサイルランチャーを追加する等、シモダ小隊機を再現したキットとなっている。
武装以外にも平手が追加されている他、配色を再現する関係で太腿が新規造形となっている。
概ね痒い所に手が届く内容になっているが、やっぱりボックスタイプ・ビームサーベルは無し。

HG THE ORIGIN 1/144 ジム・ガードカスタム(E-2ビームスプレーガン装備)
プレミアムバンダイ限定。
設定通りの改修型ということで前2機に比べて変更点が多く、カラーリングはMSV-R版の設定画に近い薄く青がかったものに変更。
武装も肩部バルカンとE-2ビームスプレーガンが復活してハンドパーツも追加。バックパックと胴体部、肩部バーニア、太腿が新規パーツなど納得のボリュームとなっている。



玩具・フィギュアでは、1/144サイズでVer.Kaの「GUNDAM FIX FIGURATION」が発売されている(オリジナルカラーガンダムとのコンパチ)。

「FW GUNDAM STANDart」のジム・スナイパーカスタムはVer.Kaを基にしつつ、デザインが多少アレンジされている。
全体的にスタイリッシュで格好良く、可動改造した人もいる。

ROBOT魂にて、プレミアムバンダイ受注限定で発売された。



◆余談

MSVの設定を担当した小田雅弘はコラムインタビューにて当機に付けられている「スナイパー」の由来は狙撃手ではないと明かしている。
ジム・ガードカスタム、ジム・インターセプトカスタム共々、アメリカンフットボールのガード、インターセプター、スナイパーから成るフォーメーションから取られているという。

ただ、この資料では同じコラムでアメフト由来としておきつつも
  • 「僕の言っているスナイパーとは、コンバットコマンダーカスタム」
  • 「ジムをコルトガバメントと考えていただくと分かりやすいかも」
  • 「ジムのバリエーションというのは、当時のウエスタンアームズのモデルガン、コンバットコマンダーカスタムそのもの」
……と、ぶっちゃけ何を言っているのか非常に分かりづらい。というかスナイパーがどこから来たのか説明になっていない。

まずガードはともかくインターセプターはアメフトのポジションを指す単語ではない。
スナイパーは特定の守備戦術とセットで用いられる限定的な役割(ラインバッカーの派生)とされるのだが、
今のところ確認されている元ネタを探るとソースとされる記事は2021年である。なお同サイトの発祥は2009年。
加えて、当該ブログでは名コーチ「マーカス・フリーマン」の守備戦術を解析し便宜的にそう呼んでいるものにすぎず、
スナイパーというポジション名がMSV設定当時に既にアメフト界で通っていたというには(現在見つかっている資料だけでは)無理がある。
内容もラインバッカーとの縦深ある連携による徹底したディフェンスなのだし…つまり新ジム・ラインバッカーカスタムがあればいいのだな?

このため、一説には「スナイパーはラグビー用語ではないか」とされる事も。
まあラグビーであってもスナイパーはまた役割のイメージが異なるが……。
そもそもポジション・フォーメーションが由来であるなら、役割分担でなくエースパイロット向けの強化型のコンセプトもいまいちネーミングが噛み合っていない。
アメフトにせよラグビーにせよスナイパーに「狙う・狙わせる」戦術感を求められる点では変わらないのだし、結局本機は狙撃銃を持っているわけで……。

そんなこんなで今一つ意図を掴みづらいネーミングとなっている。
小田氏の語り口からすると、「モデルガンのカスタマイズに着想を得たジムのバリエーション3種にフォーメーションらしい名前を付けた」といったところだろうか。
もしくは単純に「狙撃専門じゃないよ」というだけなのかもしれない。


「一撃で追記・修正してみせる!」
フランシス・バックマイヤー(声:飛田展男)
カミーユではございません。


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