ズゴックE

登録日:2010/03/04 Thu 06:50:29
更新日:2025/04/28 Mon 22:35:58
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『で、俺の新しい機体は何なんだ?』
『すごっく良いよ』
『凄く良いのは解ったから、何なんだ?』
『だから、すごっく良いだってば!!』

小説版『機動戦士ガンダム戦記 Lost War Chronicles』より



●性能諸元

型式:MSM-07E
全高:18,7m
本体重量:69,5t
基準排水量:311,0t
出力:2,570kw
推力:112,000kg
装甲:チタン・セラミック複合材
武装:腕部ビームカノン×2
頭部魚雷発射管×8
バイスクロー×4(片腕)

搭乗者
ハーディ・シュタイナー
ガースキー・ジノビエフ
テッセラ・マッセラ



●機体解説

機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』に登場したジオン公国の水陸両用機。
Eはエクスペリメント(試験型)の略。
名機「MSM-07」ズゴックを統合整備計画に基づきリファインした機体。

ズゴックの実戦投入によって新たに見つかった問題点を解消する為の機体で、部品の共通化によるコストダウンを図りつつ、設計の見直しによって操縦性の緩和と性能の向上を果たした。

最大の変更点は背部にあった推進装置が下半身に移設されたことで、代わりに背部には陸上用の本体内蔵型スラスターが設けられた為に陸上での機動力が大きく向上、水陸両用機としては破格の地上戦闘能力を発揮した。


同時期に開発されたハイゴッグに比べて生産数は多くないが、その分特殊任務中における隊長機として運用されたという。
本機は実戦への参戦記録が少なく、その量産は疑問視さえされるほどであるが、北米各沿岸、南アフリカ、インド亜大陸沿岸、豪州南岸などを調達先とする資料も発見され、その詳細は不明となっている。




●兵装

  • バイス・クロー
ズゴックのアイアン・ネイルから爪が1本増えて4本爪となった。
バイスとは万力の意。「掴む」ことが可能な準マニピュレーターとして機能し、格闘戦への対応も可能。


  • ビームカノン
ハイゴッグと同じくE-CAP技術の導入によって連射・対空性能が向上した。


  • 6連装魚雷発射管
原型機と同じく頭部に内蔵。
両腕部ビーム砲の性能向上に伴い、対地・対空兼用のロケット砲から純粋な魚雷に変更された。
ハイゴッグと違って完全な水中用とされ、主に対艦攻撃で威力を発揮したという。


  • ジェットパック
ハイゴッグのものと共用の、背部に増設する使い捨てのオプション。
実際には科学燃料式のロケットブースターであり、背部のスラスターと併用する事で地表面での滑走や飛翔が可能なほどの推力を持ち、上陸地点から数十メートルの断崖絶壁であっても垂直方向からの上陸が可能であった。



●アニメでの活躍


ハイゴッグを引き連れるシュタイナー大尉の乗る隊長機として、連邦軍の北極基地から打ち上げられる機密物資のシャトルを破壊する任務につく。

アンディのハイゴッグと共に潜水艦ドックから侵入したシュタイナーは順当にシャトルを発見するもジム寒冷地仕様の激しい抵抗によってシャトルには接近出来ず、焦ったアンディ機が強攻突入に失敗して撃破されてしまった。

結局、シャトルは基地の壊滅と引き換えに打ち上げられ、シュタイナーはアンディの亡骸を抱きかかえて絶叫するしかないのであった……

ここまでの解説でおわかりいただけたように、一年戦争のMSとしては高性能機であるにもかかわらず、『0080』本編での出番はこれだけ。つまり目立った戦闘シーンもなく第1話アバンのみで以降は一切登場しないのである。

ゲームでの活躍


少々高コストながらも、水陸ともに強力で『大海原の覇者』と紹介される傑作機。
モビルスーツが苦手とする空に対する攻撃適正が高く、高威力の主武装も相まって対空迎撃も得意とする。
地上の大半を占める森や、山岳地帯の移動は苦手。戦艦による輸送でフォローしたい。
アルビオンやザンジバルにズゴックEを詰め込み、上空からばら撒く若干シュールな戦法で敵を圧倒しよう。
だが「アクシズの脅威」ではアクシズのカプールや、陸戦型百式改といった新規参入機体に押され気味。
しかし、上記の機体は第一部では開発・生産出来ないためやはり王の座は揺るがない。

バージョンアップ版である「アクシズの脅威V」では、更に強化が入った。
全体的な性能向上に加え、コストダウンも施されたおかげで量産性が高まった。
具体的にはグリプス戦役の機体であるザク・マリナーと、ほぼ同等のスペックを誇る。
量産機の中でも破格のスペックを誇り、一年戦争が主な勢力では地上の主力機となりうる。
水中や対空での優位性も増しており、グリプス戦役以降のサブフライトシステムで飛行するMSすら一方的に殲滅できてしまう。
支援や制圧を任せるなら、型落ちになっても補給ライン確立や、戦艦への妨害等で長期的な活躍が見込める。

ジオン系勢力はもちろん、レビル率いる連邦軍*1やテム・レイ軍でも多くの量産機を抑え、主力として活躍できる。
エースはガンダムやゲルググに乗り、量産機はズゴックEという混沌とした布陣がかなり強力。
ズゴックEが量産できず、ザク・マリナーを使わざるを得ないティターンズは、水中戦で非常に苦労させられる程。

コスト200の地上用格闘機として登場。ジオン同コスト帯のMSの中では最もバランスがいい機体である。水中用の機動5セッティングにすれば水の中ではケンプファーギャンを凌ぐ速度を誇る。
ベルファストでジオンの勝率が良い原因の一つ。

0079時代のバージョンアップで排出。
ジェットパックを装備し、開幕直後は高機動を持つ水陸両用機体。
機体の特性から、水中にいる的に対して攻撃力が上昇。更に、既存の水陸両用機体にはついていなかった武器スロットが(限定的ながら)付き、ハンドミサイルユニットを装備可能。
ハンドミサイルユニットは装填数こそ少ないものの、並のMSならば一撃で屠ることができる火力を持つ。
また、固有武装自体、内蔵火器の乏しジオンでありながら「ビームカノン(連射式)」「連装魚雷」「アイアンクロー」と、隙の無い組み合わせ。
地上であれば水がなくても十分に戦える高性能機となっている。
弱点といえばが持てないこと、旋回が若干重いこと。

以上の様な素晴らしい性能から排出直後から価格が高騰。更に次のバージョンアップで排出から消えてしまったことで、一時期7000円台という高値をつけたこともある。

後に、救済措置として、ジェットパック無し版のプロモカードの配布が行われた他、『0083両雄激突』にて再録され、値段は落ち着いた。

マップに水中があるステージが少ないため手に入れても活躍する機会がない
さらに、一年戦争の機体のためスペックも低い仕様。
だが魂ではサイクロプス隊を使用するステージがあり物語冒頭の活躍を再現できる。

同じく水中マップが少ないが自軍の武器の地形適性次第では苦戦を強いられる。
とはいえ、近年ポケ戦どころか宇宙世紀のガンダムが目立たなくなってしまった…

かつて驚異的な強さを発揮した水ランデスデッキとサイクロプス隊デッキで大活躍。

水ランデスでは水を持つユニットで部隊を組めば相手が防御に出れず、直接破壊効果を持つシャア専用ズゴックと共にキーカードとなった。
しかし、19弾のガンダムエクシア収録以降戦闘エリアに直接飛び込むユニットが増えたため現在は弱体化
現在は水デッキに強力なユニットも増えたため水デッキのユニット選択肢には入るレベルを維持している。

一方、サイクロプス隊デッキでは自爆してオペレーション破壊をする担当であった。
チームテキストでケンプファーと一緒に出てダメージを与えることもできる。

ちなみに微妙にパイロット名が違うため両方合わせて6枚デッキに投入できる。

クロニクルから登場。
ズゴックに対してビームカノンの威力は下がっているが弾数は増えた。
魚雷と格闘は強化されてる。遠距離ではとりあえず魚雷をばらまいておくとよい。
魚雷以外はシャアズゴックの方が強いことが多い(特に機動性)。

条件を満たせば解禁。対戦時コストは50とコスパが良い。
水陸両用MSの中では総合的に最高の性能と言ってよい。サブの魚雷をとりあえずばら(ry



●小説での活躍

ゲームでの高性能っぷりに作者も惹かれたのかジオン側の機体として大活躍。
カリフォルニアベースに保管されていたが「水陸両用=水がなければ性能を発揮できない」と勘違いされた*2挙句、基地陥落の際に所有権が有耶無耶になる。
そんな中ジオンが地球からの撤退を決定した為
「連邦に奪われるくらいなら地上に残る外人部隊に使い潰してもらった方がいい」ということで、ちょうど前乗機のドムを失っていたガースキー・ジノビエフに新たに与えられる。
なお外人部隊と一言で表されるが、その実態はジオン国外の人間で構成されている為半ば捨て駒のような扱いが成されている部隊。
故に補給もままならない状態だったが、状況のせいで「いらない部隊にいらない機体」として腕利きのパイロットに高性能機が与えられるというは皮肉であろう。
ちなみにこの機体を渡す代わりに困難な依頼を要求され「聞こえていたのなら手をあげて」という言葉に対し両手でお手上げのポーズをする笑い話も披露したが、これは基地の中にいる人間の言葉を拾い上げる収音性の良さの表れとも言える。
塗装も迷彩カラーに塗り替えられていたとか。
項目冒頭の台詞はそのシーンのもの。なお文面では「すごっく良い」になっているがこれはガンスの聞き間違えで、発言者のメイはちゃんと「ズゴックE」と言っていた。
強力なMSであるが上記の聞き間違いやお手上げ以外にも
  • 優れたセンサー類で天体観測
  • 連邦軍基地の貯水池に潜入し、敵が前線に出たところで背後を突く形で登場、相手を無血開城させた
  • 戦意が無い事の証明がしたいが全身が武器なのでとりあえず腕を下ろした。(味方のザクも武器を捨てた事もあってかなんとか意図は汲み取ってもらえた)
  • 穴の下に閉じ込められた人物をこれまたセンサーで感知、救出した
…とどこか平和的だったりコミカルな使い方がされていたのが印象的である。

●漫画での活躍

ジオン残党軍・カークス隊の一員、テッセラ・マッセラ中尉の駆る隻腕の機体が登場。本機はテッセラがゼー・ズール2番機に乗り換えた後も保管されており、トリントン基地襲撃後は海賊撃退の為に再び出撃した。








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最終更新:2025年04月28日 22:35

*1 本来はジオン系統の機体だが、勝利ボーナスでほぼ確実に生産可能になる。

*2 ズゴックタイプは空冷式も併設してるとは言え、水泳部の当時として圧倒的な高出力は海水などを利用する水冷式ラジエータに依るところが大きいので、決して間違いではない