劍客兵器

登録日:2021/10/08 Fri 08:56:09
更新日:2024/10/24 Thu 20:34:03
所要時間:約 20 分で読めます






その形象は 剣客!


永世の継承の果て 剣力を極めし!


その本質は 兵器


永世の研鑽の果て 銃火を凌ぎし


我等

劍客兵器(けんかくへいき)



劍客兵器」とは、るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-の正式な続編である「北海道編」に登場する登場人物群及び組織を呼称する。

●目次


概要


北海道編から登場する本編の主な敵対勢力である謎の武装集団。
明治十六年の世に突如表舞台に現れ、北海道各地にある軍隊・警察の施設を襲撃した。

その勢力、規模共に歴代でも最大であり、史実をベースに描かれ比較的パワーインフレが少なかった本作に於いて、その強さは今までとは一線を画す存在として描かれており、
彼らとの闘いが本編の主な流れとなっている。剣心らが北海道に来た目的は、薫の父親・神谷越路郎を探すことのハズだったのに。


来歴


その正体はかつて二度に渡る元寇を戦い外敵の侵略を阻止した鎌倉武士の末裔達
元寇以降は外来勢力に備え日本国内の戦争には一切関わらず、北上した果てに北海道内に潜伏し、護国の切り札として鍛錬を重ねていた。
もっとも時代が経ちすぎて今となっては自分たちが本当に鎌倉武士の末裔達である証拠も確証も無いため、斎藤からは「自称」と呼ばれており、凍座も「古すぎてもはや真偽の確かめようがない」と言及している。

明治を迎えた日本が近い内に大国(清か露西亜)と戦争することを予見し*1、来るべく世界戦争に備え一騎当千の「猛者」達の発掘及び自分たちに足りない「実戦経験」を積むため北海道各地にて実検戦闘なる破壊活動を開始した。


組織


頂点である将君の下、七人の部隊将*2率いる七つの部隊で構成されており、各劍客兵器には「いろはにほへと」にちなんだ「○號」という異名を持ち、そのほとんどが銃火器をものともしない身体能力と未知の武器を操る圧倒的な戦闘能力を持つ。

技術力も並外れており、当時の日本ではまだ精錬されていなかったアルミニウムと鉄の43倍の強度を有する特殊な蜘蛛の糸を編み込んだ特殊金属を素材とした特殊武装も製造できる程。たった数個で戦艦を沈める超兵器も作れるかは不明。
加えて北海道産の砂金を大量に抱える資産力や、北海道に拠点を張りながらも日本各地の動乱を把握する諜報力を持ち、組織としては非常に強大。

だが劍客兵器の下に生まれた全員が強者になれるわけではなく、幼い頃から北海道各地に存在する修練場にて劍客兵器として修練を積まされ、その過酷な修練を耐え抜けた全体の五分だけが劍客兵器となり、劍客兵器になれずに諜報や工作に従事する構成員が一割、そして残りの八割五分は何にもなれずにそのまま死んでしまう
そして全体の10人にも満たない部隊将以外は組織全体での自分達の目的も本陣の在処も把握しておらず、実働部隊は部隊将の命令に従って行動している。

またいくら強大な組織とはいえ本陣の人員だけで全てを回そうとすればどうしても滞りが悪くなるため、少ないながらも外部の者も取り入れており、緋村剣心といった名だたる「猛者」達に勧誘も行っている。実検戦闘を前にして新たに3人の猛者が劍客兵器に迎えられている。




将君

劍客兵器の首領。本陣内の御簾でその姿を隠している。
女性のような口調で話すが性別は不明。
御簾の背後に巨大な機械を擁しており、冬が来て雪が深くなる前に自分たちの宿願の達成を目論んでいる模様。


【イ】凍座部隊

先鋒部隊として函館山を占拠、討伐に向かった軍を虐殺する。
凍座が投降して以降は、函館山に残留し函館山を要塞化している。

  • 凍座白也(イテクラ ビャクヤ)
異號(イゴウ)
作中で最初に登場した劍客兵器の構成員。劍客兵器の中でも七人しかいない部隊将の一人。
剣心の倍の巨躯を持つ男性。一人称は「儂」で古風な口調で話す。

相手の力量や本質を動物などの姿で捉える特性を持ち、彼はこれを「闘姿」と呼称している。
斎藤の闘姿は「刀を咥えた」、栄次の闘姿は「角を隠した小鬼」など)
猛者と闘うことを好み、その闘姿を視ることを何より楽しみにしており、強い闘姿を持つ者には子供でも敬意を払い笑顔で接する反面、愚にも付かない獣畜生(豚や牛など)などの闘姿が見えた人間は惨殺することも厭わない。
かつての自分の経験から「強靱な魂を持つ猛者とは地獄でしか生まれない」ということを持論として掲げ、
北海道各地で地獄を意図的に生み出し猛者を育むべく活動する。

猛者との戦闘とその闘姿を見ることをなにより好む、筋金入りの戦闘狂であり、自らの愉悦を満たすために命令違反に走るほど自由気ままな性格に加えて、奇行奇言が組織内では有名であるため、大半の構成員から良く思われてはおらず、クソ野郎と嫌っている者までいる。*4
於野も凍座のことについて聞かれたとき言葉こそ選んではいたものの遠回しに変人であるという印象を持っている。

戦闘能力は極めて高く、手に軽傷を負いつつも銃弾を素手で受け止める、剣心に追従するほどの俊敏な動きを見せて水面すらも走る、九頭龍閃を真っ向から受けてもビクともせずに逆に剣心を押し返す等、規格外の身体能力と堅牢さを持つ。
それでも本人曰く若い頃は惨めで死にたくなる程弱かったらしく、せめて一人前になるために毎日毎日手あたり次第あらゆる相手と闘っていったそうで、その結果現在の「闘姿」が見える様になったと本人は述べている。
尤もその闘姿の存在は本人が思いこんでいるだけであり永倉らは闘姿なんてあるわけないと一蹴しており、それは凍座の精神が喪失していることを意味している*5剣気はハッキリと存在する世界なのに?というツッコミは無し
猛者を判別できるこの能力は将君からも実検戦闘の先鋒に選ばれるほどに評価されている。

函館山での斎藤との闘いでは、攻撃がライフルより速くなければ自分を倒すことは出来ないと嘯きつつも斎藤の宣言通り実際にライフルを凌ぐ速度で放たれた牙突を素手でことごとく受け止め、左腕と刀を折って戦闘不能に追い込む。
直後、実力差が開いているにもかかわらず勇気と覚悟を持って飛び出し、自身の死を覚悟の上で自身にライフルを向けた栄次の闘姿を気に入り、栄次に敬意を払い、味方と敵との伝令役を務めるべくあえて捕まる。
その後は五稜郭の露天牢に投獄され、栄次以外とは話すことは無く、彼に斎藤に匹敵する猛者を要求し、剣心と左之助が自身の元に訪れると、彼らが北海道へ来た事を歓迎して伝令役として剣心達に自分たち劍客兵器の存在理由と目的を話した。

しばらくして次の実験戦闘が決まったことと、自身の命令違反による身勝手な行動を咎めるために将君から呼び戻しの命令が掛かってからは、撤退の前に最後に猛者と闘うべく、戦闘中なら尋問を受け付けると言う条件で剣心と交戦する。
こちらでは先に凍座と戦った斎藤のおかげで多少の情報があった剣心は比較的優位に立ち回る。
そして交戦中、十本刀と相対したことで激昂して彼らへの復讐心を持つ栄次から「角をむき出しにした」の闘姿を感じ取り凍座は歓喜するが、
これが復讐心を抱く栄次を案じる剣心の逆鱗に触れ、九頭龍閃の三連発(初撃と合わせて計36発の打撃)を受ける。その際剣心の闘姿「制止する龍巻」を垣間見て、動物などではなく自然現象の闘姿を持つ剣心を賞賛すると共に倒れた。
気絶する間際に次の実検戦闘の場所が札幌と小樽の2箇所同時であることを伝え気絶する。
土居によると、敗北と再起を幾度となく繰り返しその都度強さを増していった結果、劍客兵器となり部隊将にまで登り詰めた経歴の持ち主であり、そのため土居は気絶してある今殺さなかったことが最大の失策だと言い切っている。

意識を取り戻すと土居に自身が気絶していた間の状況を聞いた。そして剣心らが長旅で疲れているだろうから、札幌の決着が着くまで待つ事を決めた。札幌での実験戦闘が終わった後に自身を尋問しに来た山形有朋の影武者の闘姿を見て失望。
直後に土居から本陣への帰還命令が出た事で、退却ついでに一騎当千の本当の意味を改めて教えるため、五稜郭へ来た糸魚を除いた部隊のメンバーと共に、その場に居合わせた兵士らを殲滅することを決めた。

  • 土居潜具羅(ドイ モグラ)
地號(チゴウ)
岩のような肌と巨躯を持つ異形の人物であり、左之助からは「岩男」と呼ばれていた。
その名の通り地中を潜り進む技を持ち、この技で捕まっている凍座と連絡を行っていたり、ついでに酒や食料や日用品などを大量に差し入れている。
安慈に対し廃仏毀釈の地獄から猛者が生まれたとして死んだ子供も喜んでいると平気で言うなど非情な一面を持つ一方、戦闘力が皆無の天智の護衛を権宮に任せ天智の身を案ずるなど意外と世話焼きのお()ん気質も持ち合わせている。
凍座が倒れた際は捕虜を勤めており、捕虜になっても本人は部隊将ではないため他の実検戦闘の詳細も劍客兵器の目的も何も教えられておらず、常に「知らん!」の一言で通している。

その後、凍座が本陣から帰還命令が出され、その前に五稜郭で一騎当千の名の下の虐殺を見せつける中、安慈、左之助と対峙する。
地の利を完全に活かした戦型を用いて二人相手に互角に渡り合うも、左之助の猛者としての本質を見誤り、そこから二人による二重の極み同時撃ちが直撃。腹にも大穴が空き、これで完全に斃れたかに思われたが…


  • 権宮剛豪(ゴングウゴウゴウ)
偽號(ギゴウ)
サングラスをかけ、巨大な篭手をはめた男性。
皮肉気な言動に軽薄な態度が特徴で、相手のことは「○○ちゃん」と呼ぶ*6。部隊長である凍座が倒れた際は世のためにと言いつつも「このまま死なねぇかな」と漏らしており彼のことは気に入っていない様子。*7
銃弾を難なく防げると見紛う程の巨大な大剣が得物で、これを軽々と振り回すほどの怪力の持ち主。天智の能力による連携によって、自身へ放たられた弾丸を大剣で正確に相手に跳ね返せることも可能である。

凍倉、土居と同様に五稜郭で一騎当千の名の下の虐殺を見せつける中、十本刀鎌足と対峙する。
天智の能力を用いて、二人相手に互角以上に渡り合うもそれでも十本刀二人と相手するのは正直骨が折れるものがあり、本人も劍客兵器の実検戦闘に興味が無いのか自身を「悪党」と称し、他の劍客兵器にバレない内に引き分けという形で二人との戦闘を有耶無耶に終わらせるよう交渉する。しかし同じく「悪党」である二人は交渉に応じることはなく交渉決裂。そのまま自身の戦型を駆使して二人を追い詰める。
余談として雑誌で異名が最初に公開された際は「轟號(ゴゴウ)」であり後に偽號と判明したが、紛らわしいためか単行本では偽號と統一された。もしくは戦型の意図が理解できなかった校閲が勝手に編集してしまったか

  • 天智実命(アマチミコト)
恵號(エゴウ)
劍客兵器の中では一際小柄な体格で寡黙な子供で、喋る際も小声でボソボソと話す。特注の望遠鏡を用いての五稜郭の監視が主な仕事。友達がほしいらしい。
神通力かのような直感を頼りに、攻撃する相手の距離や居場所がわかる能力を用いて権宮を的確に支援する。半面自身の戦闘能力は皆無。

  • 伊差川糸魚(いさがわいとい)
右目に傷を負っている隻眼褐色の男で、嘗て斎藤一に殺された十本刀の一人であった魚沼宇水の弟弟子
元々は劍客兵器とは部外の猛者であったが、今回の実検戦闘を始めるにあたり劍客兵器として取り入れた猛者の一人。現在は凍座部隊の一人として劍客兵器に属しており、権宮からは「新入りちゃん」と呼ばれていた。
雹辺による第四の実検戦闘を阻止した斎藤らが函館に戻る際に宇水の仇を討つために斎藤と対峙する。
武器が不全のため本調子ではなかったとはいえ斎藤を圧倒し、凍座との闘いによる傷が開いたこともあり斎藤を一時戦線から離脱させる重傷を負わせる。
不全の状態の斎藤を斃しても意味がないとして宇水の名誉の挽回のために万全の状態での斎藤との再戦を布告し撤退する。

あの魚沼宇水に弟弟子がいたとしてその正体が判明したことで読者を大いに驚かせた…
と言いたいところだが、実は北海道編の連載初期にストーリー協力の黒碕氏がSNSで正体をリークしてしまっており、正体自体は連載初期から判明していた*8


【ロ】雹辺部隊

札幌を拠点に第四の実検戦闘として、明治政府に自分たちの実力を誇示するために札幌の役人を次々と斬奸する。
他の部隊とは違い雹辺単独で実検戦闘を行うが、外部の内通者からの情報を通じて役人の行動を把握している。

  • 雹辺双(ヒョウベフタツ)
髏號(ロゴウ)
髑髏の面を被った二刀流の使い手の男性。札幌にて政府役人のみを狙った斬奸を立て続けに引き起こす。
人の真価とは生き様ではなく 死に様にこそ顕現する」という信条のもと、新選組幹部の生き残りである永倉、斎藤と言った猛者から、取るに足らない雑兵を含めあらゆる命を刈り取らんとする。
明らかに途中から常人の倍はあろうかという巨躯をほこり、二刀流の出で立ちから永倉、斎藤は嘗て幕末に刀を交えた御陵衛士の猛者「服部武雄」を思い出すが、猛者であると同時に高潔な精神を持っていた服部とは「似ても似つかない」と一蹴する。

当初こそ己の力量を示すために敢えて目標の周辺の役人を斬奸していたが、本陣の命により札幌の役人を大斬奸するために道庁に襲撃をかけようとする。
その道中で地元警察や対劍客兵器特務部隊である北征討伐隊を圧倒する中、ついに猛者である永倉と斎藤と対峙する。
自らを「死神の化身」と称し永倉と斎藤を圧倒し、途中で乱入した御陵衛士の生き残りである阿部十郎には当初こそ苦戦を強いられたものの直ぐ様形勢を逆転する。特に御陵衛士の生き残りである阿部に対しては「新選組に負けた雑魚連中」と愚弄するが、その態度が嘗て幕末で刀を交え御陵衛士の強さを誰よりも知っている永倉の琴線に触れ、遂に本気を出した永倉と対峙する。
自身も赫力を用いて勝負に出るものの、永倉の策に嵌りそのまま必殺剣を受け縦一文字に一刀両断された。
死神の化身は北の都で最期を迎える…かに思われたが



【ハ】寒郷部隊

次鋒部隊として樺戸に現れる。樺戸集治監を襲撃し、囚人達を世に放った。その際に樺戸集治監に居る猛者である永倉と安慈の二人を劍客兵器に勧誘するつもりだった。
現在は放たれた囚人の動向と、樺戸集治監再建の監視をしている。その後増員する形で函館に集結。

  • 寒郷豪人(カンザト ゴウト)
覇號(ハゴウ)
八つ目の仮面を被っており、素顔は目元に模様のある男性。他の劍客兵器からは先生とも呼ばれている。
柏手一つで周囲を圧倒する覇気を持つ。将君に対し一人で敵を殲滅できると宣言するほど、自分の力には自信を持ってる。
かつての箱館戦争を見届けており、世界の貪欲なまでに進展する兵力と日本の絶望的な鈍重さを危惧している。
土方歳三のことは劍客兵器に成れる猛者として評価しており函館戦争時に直接勧誘していたが、断られている。

  • ギザ歯の男性
寒郷部隊の一人で本名は不明。
四肢に板バネのような刃を装着し、戦闘ではこれらを振り回し看守達を斬殺した。

  • 覆面の人物
飛號(ヒゴウ)
寒郷部隊の一人で本名は不明。
巨大な棒火矢「劍星(つるぎぼし)」を飛ばして、樺戸集治監を壊滅させた。

  • 田所
愛號(エゴウ)
寒郷部隊の一人。
メガネをかけた冴えない初老の男性に見えるが、小刀で銃弾をそらす神業の持ち主。
反撃を試みた看守を制圧した後、自分たちが去るまで死んだふりをしておくよう忠告するなど、無益な殺生を好かないようにも見える。
「家族」を持っているようで、任務後は速やかに帰宅した。
なお、その「家族」の話題をすると他の劍客兵器は微妙な反応をするも、寒郷は実検外のことで口出しは無用と容認している。
函館の方に向かっていた時も函館の中に入る際も民間人の格好で「家族」を連れてきていた。


【二】冬甲斐部隊

  • 冬甲斐(フユカイ)
仁號(ニゴウ)
甲冑を身につけた人物。


【ホ】霜門寺部隊

小樽に拠点を張っている部隊。
ナマクラだが量産性に優れた刀「万鉄刀(雅桐刀)」を小樽中にバラ撒き、市中を混乱に陥れる。

  • 霜門寺(シモンジ)瑠璃男(ルリオ)
宝號(ホゴウ)
ヘルメットのような仮面を被った男性*10
将君の謁見中でも平気で私語を話すような無礼な人物で、同胞のことを「(名前)の○○」と呼ぶのが特徴*11。任務に失敗した劍客兵器を躊躇無く始末する冷酷な性格。
また、自分たちのことを「碌な者じゃない」と呼称するなど、劍客兵器としての活動を特別正義だとは思っていない模様。
万鉄刀を雅桐に売らせながら、その市井の影響を監視する。
なお、身体は小さいようで左之助や小樽の市民からチビ助や小っこいのと言われたりしている。

  • 於野(オノ)冨鷹(トミタカ)
斧號(フゴウ)
霜門寺部隊の一員であるいかつい顔つきをした大柄で老頭児(ロートル)な男性。
寒郷と共に函館戦争を見届けており、日本を取り巻く残酷な現実に危機感を募らせる。
用済みとなった雅桐を始末すべく剣心達を襲撃し、左之助と交戦する。
左之助のことを当初喧嘩屋と軽視していたが、戦闘するうちにその実力を認め猛者として劍客兵器に取り入れようとするものの左之助は当然拒否。
その後戦いの中で成長した左之助の二重の極みの前に敗北。
短期間に赫力を何度も使用した負荷により身体は限界を迎えながらも日本の未来を憂い猶も左之助に劍客兵器になるよう迫るものの、世界各国を渡り歩き本当の残酷な世界を直に見てきた左之助*12に諭されて戦意を喪失。
最後はお互いに握手で喧嘩を締めようとしたものの、霜門寺に用済みと見做され致命傷を負わされる。
瀕死の最中、自分が知り得る劍客兵器の情報を左之助に伝えて最期を迎える。

  • 本多(ホンダ)雨読(ウドク)
記號(キゴウ)
霜門寺部隊の一員であるモノクルをかけた細身の長身男性。普段は丁寧な口調だが、怒ると一転して乱暴な言葉遣いになる。
万鉄刀が粗方出回った後、今度は拳銃や小銃を市内にばら撒くことで、小樽を更なる混沌に陥れようとした。
自分の身の潔白と雅桐紋の奪還を目論む雅桐らと対峙する。
商人の雅桐と非戦闘要員の阿爛を圧倒*13し、雅桐を小樽で稼いだ金を全て差し出すように強請り土下座をさせひれ伏せさせていたが、雅桐の両手を地面につけないという土下座のフリを見て、闘う覚悟、そして金を稼ぐ覚悟を決めた阿爛の機転により徐々に劣勢に陥る。
最終的に雅桐が見つけた雅桐愛しの回転式機関砲(ガトリングガン)と阿爛の連携によりまさかの敗北を喫する。
剣心に拘束されるが拘束を解いて阿爛達に襲い掛かろうとするものの、明日郎の無限刃に偶然火薬樽が落ちてきて大爆発を起こし、そのどさくさに紛れて逃走。爆発オチなんてサイテー!
逃走後は市井の人に交じり霜門寺と合流するものの、銃火器如きに敗れた「劍客兵器の恥晒し」として廃棄された。


【ヘ】冷泉部隊

  • 冷泉(レイセン)
変號(ヘゴウ)
立烏帽子を被った人物。
将君との謁見中に私語を話す霜門寺を叱責する厳格な性格。



関連人物

  • 陣抜けの男
於野が今わの際に左之助に伝えた存在。
本来なら劍客兵器であっても本陣の在処は最大の秘匿事項であるため部隊将のみがその在処を知っているが、その"陣抜けの男"がその在処を知っている模様。
本多は小樽での任務の前にその男の追跡抹殺が任務であったが予想以上に難航したとのことで任務を終える前に小樽に転属になった。
現状、その"陣抜けの男"が誰なのかは不明。

霜門寺と協力している謎の商人。
小樽に突如現れ、なまくらだが量産に特化した万鉄刀「雅桐刀」を市中のあちこちに販売しており、雅桐刀には雅一文字の紋が刻まれている。
当初こそは互いに利用し合う関係であったが、雅桐の紋が無断にあしらわれた拳銃や小銃が小樽にバラまかれたことで紋の奪還のために劍客兵器と離別する。
詳細は該当項目にて。

かつて人斬り抜刀斎と闘って敗れた幕府直属の暗殺集団。剣心暗殺に失敗して以降組織は凋落の一途をたどっており、今は金で傭兵を派遣する傭兵稼業に成り下がっている。
現在は劍客兵器に買われ実検戦闘に協力している。

  • 内通者
雹辺が札幌の役人の動向を把握するために通じていた外部の人間。役人の動向を教える見返りとして多額の報酬を受け取っていた。
自身も報酬のためだけでなく、北の都である札幌を鮮血に染めるべく劍客兵器に協力する。
雹辺による第四の実検戦闘が永倉、斎藤らに阻止されたものの内通者の特定にまでは至っていなかったが…


余談


劍客兵器の各員には何かしらの刀要素が含まれており、これは十本刀がその名前の割には刀をメインウェポンにするのが三人しかいなかったことの反省から来ているとのこと。




項目が良項目に成るに何よりも必要なのは何事にも屈せぬ強靭な追記・修正
そしてそれはWiki篭りでのみ育まれる

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • るろうに剣心
  • るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-
  • 北海道編
  • 劍客兵器
  • 異能集団
  • 兵器
  • 悪の組織
  • 剣客
  • スパルタ
  • 秘密結社
  • テロリスト
  • 赫力
  • 人間兵器
  • 極道兵器
最終更新:2024年10月24日 20:34

*1 明治二十七年に日清戦争、明治三十七年に日露戦争が開戦した

*2 部隊将には全員寒さや冷たさを連想させる苗字がつけられている

*3 赫力を駆使する際には目が赤く染まる。

*4 この点に関しては凍座本人も自覚しているが直す意思が希薄であり、他の部隊将らからの反応から命令違反の常習犯であることが窺える。

*5 そのためか、彼の視界は常にぼやけているエフェクトが入っている

*6 流石に明らかな年上である田所には軽口であるものの、「田所さん」と呼ぶ。

*7 本編で描かれているだけでも、本来捕虜役は権宮が務めるはずだったところを凍座が横取りしたようなものなので腹を立てるのは当然と言えば当然ではある。

*8 ただリーク時は「宇水の弟子」として記述されていたが、正体が公になった際は弟弟子に改変された。

*9 当然斎藤が手を抜いていたわけではなく、牙突を放つ際に使用した鎌刃刀の切っ先や重心が牙突に適していなかったため悪・即・斬と成らなかった。

*10武装錬金』に登場した『ルリヲ・ヘッド』に酷似しており、名前も含めてこれに由来していると思われる。

*11 「凍座のクソ」「寒郷のマジ」など。

*12 具体的な描写は無いが同作者の『GUN BRAZE WEST』世界=開拓期のアメリカ西部、『エンバーミング』世界=産業革命化の西欧にも行ってきた可能性が高い。

*13 流石に剣心相手には勝てないことは自覚している。

*14 女郎屋、遊女屋

*15 問い詰めたのは永倉であったが斎藤も内通者が前野であることには気づいていた。

*16 雹辺による斬奸は全て役人を対象にしており、役人の多くは元は士であり、士は常に覚悟を持って然るべきということで不問にされたが、市井に死人が出ていたらまた違っていた。更にメタな視点で言うと実在の人物であったため、史実に無い罪状を付けることができないからこのような結末になったと思われる。