本条鎌足

登録日:2023/09/04 Mon 00:04:50
更新日:2025/02/15 Sat 21:41:45
所要時間:約 6 分で読めます






はーい 逃げたい人は逃げちゃっていいわよ

た・だ・し この死神の大鎌を潜り抜けられたらね



本条(ほんじょう)鎌足(かまたり)とは、漫画『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』の登場人物。


【プロフィール】

身長:160cm
体重:49kg
出身地:福岡
年齢:26歳(1852年3月生まれ)
血液型:O型
趣味:ダイエット
CV:竹内順子(平成アニメ版)/村瀬歩(令和アニメ版)
演:屋敷紘子(実写映画版)、奥野壮(ミュージカル版)


【概要】

志々雄真実配下の精鋭部隊・十本刀の一人で、通称「“大鎌”の鎌足」
左右にはねた襟足と着物の上に襷代わりに縄を掛けた美人。
髪色は原作のカラーページ等では赤味の強い茶髪だが、旧アニメ関連の映像作品では紫がかった黒髪になっている。
普段は明るく気さくなさっぱりとした雰囲気の姉御肌で、慣れればとっつきやすい人物だが、敵前逃亡しようとする部下を容赦なく斬り殺すなど、冷酷な面も見られる。
また、自分の容姿には自信を持っているようで、平成アニメ版では明神弥彦と戦う刈羽蝙也の爆撃の巻き添えを食う形で自分の体に火が点いた際には鎮火するとすぐさま、「ちょっと気をつけなさいよ! 珠のお肌が火傷したらどうすんのよ!」と蝙也に苦言を呈していた。




以下、重大なネタバレにつき、注意!!







一刻も早くみんなに加勢するためには この鎌女を倒すしかない!

鎌女?

やーねェ勘違いしちゃって 私はね…



鎌女じゃなくて カマ男♡


女物の衣服に女性らしい振る舞いをしているが、れっきとしたである。

もう一度言う。本条鎌足は男である
大事なことなので2回言いました。

葵屋での戦いでカミングアウトした際には大胆にも着物の裾を捲って股間を見せつけ毛の生えた象さんを直視してしまった巻町操や大勢の読者に色んな意味で衝撃を与えた(なお、本人はこの行為自体は少し恥ずかしがっている)。
しかも翁こと柏崎念至のそれよりも大きいらしく、中々のモノをお持ちらしい。
一応アジトでの駒形由美との会話でも「オカマの鎌使い」と呼ばれているのだが、如何せんこちらのインパクトが強すぎる。
旧アニメ版では同年代に放送されていた『こち亀』や後の『銀魂』のようなギャグアニメと違って、流石にゴールデンタイムのお茶の間にモザイクを晒すわけにもいかないため、会話でのやり取りで察する流れに変わっている。
果たして令和版ではどうなることやら。

佐渡島方治同様、主である志々雄に心酔しており、深く忠誠を誓っている。
しかし、男としての実力では十本刀最強の瀬田宗次郎、女としての寵愛は由美に到底敵わないと内心コンプレックスを抱いており、せめて戦いでは志々雄の役に立ちたいと考えている。
「半端な覚悟じゃオカマはやってられないのよ」という発言にも、彼(彼女?)の決意のほどがうかがえる。


【戦闘】

「本条流大鎖鎌術」の使い手で、自身の身の丈ほどもある巨大な鎌に鎖分銅が連結された「大鎖鎌」を得物としている。
神谷薫の見立てでは最低でも八貫(=30kg)はあると推測されているが、華奢な見かけながらこれを自在に操り、
威力が大きい分動きが読まれやすい大鎌の隙を鎖分銅で打ち消す波状攻撃を得意としている。
ただし、通常の鎖鎌と異なり鎖分銅が鎌の口金部分に繋がっている作りのため、仮に柄を折られてしまうと戦闘力が著しく低下する欠点がある。

なお「華奢」なのは見かけだけで、よくよく身長・体重のデータを見ると明治時代の人間基準では男性基準でも十分平均以上である。
もっとも、この作品のキャラ達のプロフィールでは身長が170cm台の男性や160cm台の女性が当たり前のように何人もいるので、現実の明治時代とは事情が異なるのかもしれないが。
実は158cm、48kgの緋村剣心よりわずかながら大きく、『北海道編』で両者が近くにいる場面で見た感じもほぼ差がない。


【技】

  • (みだれ)弁天(べんてん)
大鎖鎌を頭上で回転させ、鎌と鎖分銅との波状攻撃で周囲の物を斬り払う。

  • 弁天(べんてん)独楽(まわし)
小型の刺又状になっている石突で大鎖鎌を絡め取り、振り回す。
武器が破壊された時の奥の手。

  • (まわり)弁天(べんてん)
『北海道編』で使用。
相手に分銅をぶつけた後、それを軸に飛び上がって宙返りしながら相手を斬りつける。

  • 轟弁天(ごうべんてん)
PSP版ゲーム『再閃』のオリジナル技。
頭上で鎌を振り回した後、全力の振り下ろし。
発動時顔つきがヤンデレっぽくなる。


【作中の活躍】

召集された十本刀の面々と共に志々雄のアジトで初登場。
初めは京都方面の部隊に加えられ火計の援護に回るが、操達隠密御庭番衆の活躍により失敗。

後日、蝙也と夷腕坊らと共に葵屋を襲撃し、自身は薫と操の2人を相手取る。
薫が気を引いた隙を突いて、接近を仕掛けた操に鎖分銅の一撃を見舞って一時ダウンに追い込み、孤立した薫を防戦一方に追い込むが、
夢現の中で般若から四乃森蒼紫が戻ってくると告げられ、気力を取り戻した操が放った苦無の一本を楔代わりにした木刀の一撃で互いに得物が破壊されてしまう。
それぞれ得物がほぼ持ち手しか残っていないイーブンの状態で一騎打ちに臨むことに。


男としても 女としても 私は志々雄様の一番になれない半端者

だからこそ せめて与えられた任務は完璧に遂行する
愛しい思いをただただ込めて

志々雄様の力になる事がこの鎌足の全て!! ここは絶対に譲れないわよ!!


これ以上は手を引くよう促されるも、自身の覚悟を語り説得を拒み、弁天独楽で勝負に出るものの紙一重で回避され、「柄の下段・膝坐」によって左膝の関節を砕かれて*1敗北。
隠し針で自害しようとするも、操の当て身を食らって気絶、そのまま捕縛された。


そいつ嫌いだし オカマの気持ちなんかよくわからないけど…

大好きな人の力になりたいってトコだけは すごくわかっちゃったからね

…同感


目覚めた時には既に志々雄は亡くなっており、一時は後追いも考えていたが、
「実は十本刀には敗北した場合、政府に都合のいい事実を吹聴されないよう志々雄の戦いについて語り広めるという影の任務があり、志々雄様が『鎌足なら俺のいい語り部になってくれる』と言っていた」と沢下条張に吹き込まれ、改めて生きていく決意をした。
……張のウソなんだけど、再起できたんだから良しとしよう。
その後は政府との取引で女子留学生に紛れ、諜報員となっている。アラサーだとかカマ男だとかはこの際もう気にしないでおこう。

そして、5年後が舞台の『北海道編』にて張、蝙也と共に斎藤一から召集を受け、劍客兵器討伐隊の前座助っ人として再登場。
既に30代のはずだが、外見は依然として若々しい。
なお、3人それぞれ恩赦とは別に希望する報酬が提示されているが、彼(彼女?)のみ未だ不明。

普段は函館の兵舎に滞在しているが堅苦しいらしく、緋村一家が仮住まいにしている函館プレーリーハウスにさも当然のように上がり込んではくつろいでいる。


【人間関係】

かつて仕えた主。
志々雄の方も鎌足の実力は高く評価しており、『るろうに剣心 裏幕-炎を統べる-』では「十本刀で一番手に負えない化け物」と評している。
『北海道編』でも志々雄のことをなお慕っており、三島栄次が(彼の家族や故郷が志々雄一派から受けた仕打ちからすれば当然だが)「志々雄のクソ野郎」呼ばわりした際には得物を突き付けるなど、一触即発の空気になった。

  • 駒形由美
犬猿の仲で、顔を合わせる度に舌戦によるマウントを取り合っていた。
『-炎を統べる-』によるとまだ由美が志々雄の夜伽役になっていない初見から仲が悪かったらしく、志々雄はそれを見て「だから手に負えないんだよ」とぼやいていた。
一方で「女の身体を持たない自分には夜伽役にはなれない」という嫉妬を由美に抱えていたのだが、
実は対する由美も「戦闘力のない自分は志々雄にとって一番大事な戦いにおいて何の役にも立てない」という劣等感を持ち、志々雄の戦力になれる鎌足に嫉妬していたりする。
ただ、彼女が志々雄と共に散ったと聞かされた時には寂しげな様子を見せていたため、犬猿の仲ではあれど仲間意識はあった模様。

同胞の中でも特に絡みが多かった2人。
宗次郎のことは砕けた雰囲気の時は「宗ちゃん」「宗君」と呼ぶ一方で、「どんなに腕を伸ばしても宗次郎には敵わない(ので男としても志々雄の一番にはなれない)」とこちらにも内心嫉妬していた。
張は志々雄亡き後、何かと彼を気にかけており、とっさの嘘で後追いを思いとどまらせた。

京都で刃を交えた相手。
2人(特に操)からはやや苦手意識を持たれているが、形は違えど大切な人の力になりたいという想いには共感を示し、認めている。
『北海道編』では人懐っこさもあってか、平時は宗次郎や張共々、剣心と薫の息子の剣路のよき遊び相手になっている様子。


【実写版】

映画『京都大火編/伝説の最期編』2部作

上述の通り原作ではオカマだが、実写映画版ではアクション女優としても知られる屋敷氏が演じた。
原作からビジュアルが変わっているためにパッと見では鎌足だと分かりづらく、薫&操戦がカットされた事もあってイマイチ目立たなくなってしまった。
また、得物も大鎖鎌ではなくなり、普通の日本刀になっていた(一応、鎌らしきものは腰に下げていたが)他、
『伝説の最期編』終盤で十本刀の一部メンバーが警察に捕縛されるシーンを注意深く観察すると、生死は不明ながらも奥の方で倒れる姿が確認できる事から、少なくとも戦いの中で敗北した様子。
なお、同作のノベライズ版では蒼紫と戦うも、二振りの小太刀で大鎖鎌を砕かれた挙句に無言の腹パンで敗れ、その後に喉仏の存在と腰骨の位置で男と判明するという流れになった。


ミュージカル版

2022年から上演されたミュージカル版では、先述の実写映画版と違って男性キャストが担当した。


【再筆版】

金髪ないし茶髪にヘアバンドを付け、よりファンタジックで女性らしい容姿に。
鎌の刃のデザインがもろバルキリースカートになっている。
服装もかなり露出度が上がっているが、それ以上に衝撃なのが解説の最後の一文。
“モノは既にない。取っちゃいました”


【余談】

外見のモデルは『新世紀エヴァンゲリオン』の碇ユイ*2
苗字は新潟県越路町(現長岡市)本条地区に由来している。

また、設定を提案したのは当時アシスタントだった、ご存じ尾田栄一郎
後に氏が手掛けるオカマキャラ達の先駆け的存在ともいえるだろう。
こっちは真っ当な美形だったのに、あっちでは色々濃い面子揃いになっちゃったけどね!*3

初登場以降の人気投票でも上位*4にランクインしているが、これは予想外だった模様。
特に男子層からの支持が多かったらしい。どうやら尾田っちの青少年の性癖を歪める才能はこの頃から培われていたようだ。

薫に敗れた描写について、逆に最初期に登場した比留間伍兵衛には薫が歯が立たなかった(剣心が「薫殿よりはるかに強い」と断言)事から「鎌足が弱すぎる」「実は伍兵衛は十本刀レベル」などと評される事もあるが、
作中では言及されていなくても、東京編最序盤から京都編までで薫が成長していたと考えれば、そこまでおかしな話ではない*5
そもそも、操との共闘*6あっての勝利である上、鎌足自身が「かかってくるのは二人同時になさいな せっかく二対一にしてあげたんだし」と余裕を見せていたのもある。

鎌足役の竹内順子氏はRPG『十勇士陰謀編』の主人公である聖/輝も演じている。掛け声くらいしかないけど……



何言ってんの 私はいつでも真剣そのもの

嘘つけ!!

嘘じゃないわよ 半端な追記・修正じゃWiki篭りはやってられないのよ


この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • 本条鎌足
  • るろうに剣心
  • 竹内順子
  • 屋敷紘子
  • 奥野壮
  • 志々雄一派
  • 十本刀
  • 大鎖鎌
  • 残忍な美人
  • 姉御
  • 漢女
  • 男の娘
  • 大鎌の鎌足
  • 怪力
  • 美脚
  • オカマ
  • ×鎌女
  • 〇カマ男
  • こんな可愛い子が女の子なわけがない
  • 三十路
  • 忠臣
  • 一途
  • 留学生
  • 密偵
  • 碇ユイ
  • 本条流大鎖鎌術
  • 時代が追いついた
  • 美形悪役
  • 愛すべきオカマ
  • 毛の生えた象さん←むしろマンモス
  • 何故かなかなか立たなかった項目
  • 外ハネ
  • 残忍なイケメン
  • 濃すぎるキャラクター性
  • 美人
  • 美形
  • 美人悪役
  • 村瀬歩
  • 大鎌
最終更新:2025年02月15日 21:41

*1 とはいえ、「双龍閃」で右腕が使い物にならなくなった鵜堂刃衛と違って後に戦闘で問題無く動けている事を考えると、実際に粉砕骨折したわけではなく、あくまでイメージ像だったのかもしれない。

*2 ただし、髪型は『ヴァンパイアシリーズ』のヒロインの1人、レイレイの影響を受けているらしい。

*3 ただし厳密に言うと両者共に氏が直接会った事のある実在の人物がモデルであり、鎌足の発展系という訳ではないので似ていなくとも当然ではある。

*4 16位(第2回)→10位(第3回)。

*5 加えて東京編序盤の薫は、偽抜刀斎騒動で精神的に余裕がなかったのもあるが、逆に京都編では操を精神的に引っ張る場面が多い。

*6 鎌足ではなく武器である大鎖鎌を破壊するため、操が放って柄に刺さった苦無へ向けて、薫はさらに木刀をぶつけてへし折っている。