フリオ/ウルフ・デッドマン

登録日:2021/12/20 Mon 06:26:49
更新日:2025/04/14 Mon 16:07:45
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いじめられっ子 ぱっつん アギレラ様の犬 ウィークエンド ウエスタンスタイル ウルフ・デッドマン ウルフ・デッドマン ライオット オオカミ カブトムシ ガンナー ガンマン ギフテクス ギラファノコギリクワガタ クワガタムシ コメディリリーフ スティラコサウルス ソンブレロ デッドマン デッドマンズ デモンズドライバー バイスタンプ フリオ ブルーバード プロトバイスタンプ ボディガード メキシカン ライオット ライダー怪人 ラテン系 不幸 不憫 久正人 令和ライダー 仮面ライダー 仮面ライダーオーバーデモンズ 仮面ライダーゲットオーバーデモンズ 仮面ライダーリバイス 健気 八条院蔵人 哀しき悪役 坊ちゃん刈り 太陽神龍トナティウ 好戦的 崇拝 幹部怪人 従者 忠犬 忠臣 怪人 悪魔 愛すべきバカ 憎めない悪役 折府環 改心 本編より先に立った項目 榮男樹 武闘派 毎週好感度を上げる男 涙もろい 熱血漢 燕尾服 献身 玉置豪 闇堕ち



アギレラ様、スマ~イル!


フリオとは、特撮テレビドラマ『仮面ライダーリバイス』の登場人物。
本項目では彼が変身するウルフ・デッドマンについても記載する。

演:八条院蔵人



【概要】

悪魔崇拝組織デッドマンズの幹部の1人で、アギレラのボディーガード的存在である青年。
前髪ぱっつんに坊ちゃん刈りが目を引き、常に青紫の派手な衣装を身に纏い、ソンブレロを被っている
主に犯罪者などギフの生贄に相応しい人間を拉致するのが役目。
本名は玉置(たまき)(ごう)で、後述の潜入捜査などの際にはこの名前を用いる。


【人物像】

冷静沈着な頭脳派のオルテカとは対照的に、熱血かつ好戦的な武闘派で、左手を右肩に置いてから首の関節を鳴らす癖がある。

自分より格下の者やデッドマンズに非協力的な者には容赦なく毒を吐き、威圧的な態度を取る傲慢な一面が多い。
その一方でアギレラに対する忠誠心は非常に強く、彼女と話す時は大体笑顔である。忠臣というより忠犬です
特に第8話の潜入捜査の際にはアギレラの肩を揉んだり、表情が硬い彼女に本項目冒頭の台詞と共に機嫌を取って癇に障ったアギレラ様にビンタされている。
だが典型的な小物というわけでもなく、人質を取ってバイスタンプを要求したり、組織の目的を優先させて撤退するなど戦闘面では冷静になる事が多い。

なお、第1話から登場している古参幹部だが、オルテカより地位が低い可能性があり、第14話で彼が「アギレラ」もギフの生贄に含まれている事を告げた時は明らかに驚いていた。
長らく別行動を取っていたカメレオン・デッドマンも知っていたので尚更不憫である。

ここに来てデッドマンズが一枚岩ではない事が判明したが、果たしてフリオはどのような行動を見せるのか……?


【フリオの潜入捜査】

第6話の終盤からは「リバイス五十嵐一輝)のアキレス腱を切る」べく、一輝の妹・五十嵐さくらが通う道場に体験入門という名目で潜入。
普段の不敵な笑顔とはうって変わって、にこやかな表情でさくらをマッサージする姿は一部の視聴者を驚かせた。
この時点では一部視聴者から「さくらに感化されて仲間になるのでは?」と思われていたが、第8話で「グラシアス!デッドマンズ!!」の掛け声と共に五十嵐家に堂々と正体を明かした事で光堕ちのフラグはぶった切られてしまった。残念。
とはいえ、さくらから「母・幸実の退院祝いに家族で温泉旅行に行く」事を聞き出し、そこでカゲロウが「正体を現して家族を幸せの絶頂から絶望のドン底に叩き落とす」という案に至ったので、フリオの捜査が全くの無駄だったわけではない。

なお、フリオの潜入捜査はこれっきりになってしまったようで、以後は道場に通う描写は無い。
さくらとは第14話で接触したが、特にこれといった絡みも無く、さくらがフリオの潜入に気付いたのかどうかは不明。


【ウルフ・デッドマン】



ウルフ!


ギフ様の復活の邪魔はさせん……!

見せかけの幸せは、終わりだァッ!!


バイスタンプ:ウルフプロトバイスタンプ
身長:200.7cm
体重:109.3kg
特色 / 力:銃撃 / 俊敏性
クリーチャーデザイン:久正人
スーツアクター:榮男樹


フリオがウルフプロトバイスタンプを胸元に押印して変身した姿で、悪魔獣「ウルフ・デッドマン」と上級契約を交わし、フェーズ2を超える存在となったギフテクスでもある。

狼のような獣の身体と、ウエスタンハットにカブトムシの角を混ぜたような装飾の頭部を持つガンマン風の怪人で、全身に備わった牙を覗かせる口と、白い燕尾服を羽織ったような風貌の持ち主。
なお、胸部から腹部にかけて生えた赤と青のチューブの下からピンク色のチューブが覗いているが、見ようによってはに腹を食い破られ、そこからはらわたがはみ出ているようにも見え、どこかグロテスクな雰囲気も醸し出している。

狼モチーフという事で優れた敏捷性を活かした戦闘を得意としており、金色のチューブを束ねたような片手持ちのライフル銃「ルヒール」から火球を撒き散らす遠距離攻撃も駆使する。
幹部怪人らしく実力は高い一方で特別強いわけではないのか、第8話ではオルテカが変身するダイオウイカ・デッドマンと2人がかりで戦っても仮面ライダーデモンズとほぼ互角の様子だった(とはいえ、2人が本気を出していなかった可能性もあり得るが)。


【余談】

  • 3幹部の名前はテキーラの銘柄に由来するが、彼の場合は「ドン・フリオ」から取られたものと推測される。

  • クリーチャーデザインの久正人氏のTwitterによれば、「頭部の角はカブトムシとスティラコサウルス、白い衣服は燕尾服がモチーフ」との事。



  • 当初は元警察官という設定だったが、『東映ヒーローMAX』VOLUME 64に掲載された柴﨑貴行監督と望月卓Pの対談によれば、オルテカの闇医者設定と同じく没になった事が明かされた。



項目の追記・修正の邪魔はさせん……!

見せかけの幸せは、終わりだァッ!!













以下、ネタバレ注意!




























【過去】

第17話の回想シーンで描かれた高校時代は今のような好戦的な性格ではなく、「小生」という一人称で眼鏡を掛け、カードゲームに興じる内気なオタク気質の青年だった。
日々同じクラスの不良グループから虐められていたものの、いつも自分を庇ってくれ趣味に理解もある親友・奥田陽介との絆が何よりの心の支えだった。
しかしある日、親友の証として渡したレアカードを陽介に破かれてしまう事件が起きてしまう。
陽介は不良グループの命令に逆らう事が出来なかったのだが、玉置は2人の友情より自分の身を優先した彼に絶望し、絶交。
その後、失意のまま引っ越して間もなくデッドマンズに入信すると共にアギレラに忠誠を誓うデッドマンズの幹部・フリオとして活動し、それと同時に裏切り行為に対して強い嫌悪感を抱くようになった。

なお、フリオが時折アギレラに掛けていた「スマ~イル」は元々は陽介の口癖であり、玉置は虐められる度にこの言葉に救われていた。


【デッドマンズ分裂後】

第15話ではこれまでアギレラと自分を騙していたオルテカに激昂し、ウルフ・デッドマンに変身して襲いかかるが、サーベルタイガー・デッドマン フェーズ3プラナリア・デッドマン フェーズ3に取り押さえられる。
その後、不本意ながらギフの復活の儀式を行っていたところに五十嵐三兄妹とフェニックスが突入し、混乱の最中アギレラの拘束を解こうとしたが、オルテカの一撃で昏倒してしまう。
気を失っていたままバイスの手でデッドマンズベースから救出されると、アギレラと共に逃亡生活を始め、オルテカとは完全に袂を分かったが、彼女を裏切ったオルテカへの憎悪は日に日に高まっていく。

そして刺し違えてでも必ずオルテカを倒すと心に誓ったフリオは、自分にもしもの事があった時にはアギレラを助けて欲しいとさくらに依頼する。
さくらはその願いを受け止める代わりに、フリオをかつての親友・陽介に引き合わせる。
過去の経緯から気まずい雰囲気になる2人だが、過去の裏切りを詫び、改めて友達になって欲しいと心から頭を下げて頼む陽介にフリオの頑なだった心も解けていく。
そして自らも不良グループにいじめられていた陽介を見捨てた事を告白し、謝罪しようとした矢先、ものすごいゲス顔のオルテカが現れて陽介を捕らえてしまう。

その手にはギフスタンプが握られており……そのまま躊躇なく陽介にギフスタンプを押印。
そのまま陽介はギフテリアンの生贄になって死亡し、フリオの怒りはとうとう頂点に達する……。


【ウルフ・デッドマン ライオット】



次はアギレラに押してやろうか?フリオ君。
ハハハハハッ……。ハハハハハハッ……!

フリオって言うな……

ハァ……。ハァ?聞こえないな―――


フリオって……

フリオって言うなあああああッ!!


フリオ、貴様ァ…!あぁッ……!!

オォォルゥゥテェェカァアアアアアアッ!!


バイスタンプ:ウルフプロトバイスタンプ
身長:200.7cm
体重:123.6kg
特色 / 力:巨大火球 / 凶暴性 / 俊敏性

フリオがオルテカに対する怒りの衝動に突き動かされるまま変貌した、ウルフ・デッドマンの暴走状態。
上半身を中心に赤い棘状の物体が生えた代わりに燕尾服の要素が失われ、食いしばった歯を剝き出しにした禍々しい姿と化した。
これに関して東映公式サイトの「ジョージ・狩崎のゲノムラボラトリー Vol. 18」によると「フリオの暴走はフェーズ3を遥かに凌ぐパワーを獲得したと推測される。さしずめフェーズ4といったところかな…」とされており、
少なくとも狩崎の知る範囲でこのような形態に至ったデッドマンは今までいなかったと思われる。

戦闘面においてはルヒールを一切使わなくなった代わりに各種能力が軒並み大幅なパワーアップを果たしており、ギフテリアンを拳の一撃で壁に叩き付けて屠り、ダイオウイカ・デッドマンとなったオルテカにも一瞬で深手を負わせたのみならず、
その直後には周辺一帯を焼き尽くす猛烈な爆炎を放出し、五十嵐三兄妹との戦闘においては赤黒いオーラを纏った徒手空拳や両腕の爪から放つ斬撃、無数に撃ち出される棘状の炸裂弾を絶え間なく繰り出している。

そのシルエットを含めた有り様は皮肉なことに目の前で陽介を食らったギフテリアン、そして2人の友情の架け橋となるかもしれなかった「太陽神龍トナティウ」のカードイラストにも似ており、
またオルテカへの怒りと憎しみを糧に、見境なく猛威を振るうその姿は「暴動、騒乱」を意味する「ライオット(riot)」の名に違わず、「辺り一帯に災いをもたらす鬼神そのもの」と言って差し支えないだろう。


【暴走の果て】

上記の力を以て自身の説得を試みる仮面ライダージャンヌと、彼女の助太刀に現れた仮面ライダーライブの制止をものともせず暴れ回るが、そこへ一輝とバイスがそれぞれリバイ ボルケーノレックスゲノム、バイス バリッドレックスゲノムに変身して参戦した事で形勢が逆転。
炎と氷の巧みなコンビネーションで戦う両者に終止圧倒され、最後は「ボルケーノフェスティバル」の一撃で遂にデッドマンと分離させられた。

デッドマンと分離したフリオ……もとい玉置は放心状態になるが、そこへ一部始終を見ていたオルテカが玉置を始末するべく急襲。
玉置は全てを諦めたような表情で死を受け入れようとしたが、アギレラに助けられる。


フリオ、私を独りにするの?

……アギレラ様、俺……

フリオ、スマ~イル!

直後、今は亡き友と同じ言葉を掛けられた事で堰を切ったように泣きじゃくりながら、クイーンビー・デッドマンに変身したアギレラに連れられる形でその場から去っていった。

その後

それ以降は入信以前の穏やかな性格に戻り、デッドマンのフリオではなく「玉置豪」という1人の人間としてアギレラをサポートする道を選ぶと共に、
さくらに対しては「僕は皆さんに命を救ってもらった身だ。もう敵対する意志はないよ」と明言するのみならず、アギレラ絡みでなんだかんだ協力し合う間柄となっている。

しかし、第22話で状況が一変。
アギレラと2人で街に繰り出し、2人分のソフトクリームを買ってきたところ、いきなり彼女から「だってもう戦えないし、私を守れないじゃん。そんな奴要らない」とクビを宣告されてしまう。
突然アギレラに突き放され、呆然とする玉置は路頭に迷った末、友人とスイーツ店に来ていたさくらをドロドロに溶けたソフトクリームを持ったまま訪ね、助けを求めた。
結局彼を放っておけなかったさくらは一輝に相談し、玉置をしばらくしあわせ湯で働かせる事に。

本日よりお世話になります、折府(おりふ)(たまき)*1です。
不束者ですが、よろしくお願いします。

五十嵐元太・幸実夫妻からはメチャクチャ怪しまれたものの、さくらのフォローもあってなんとか「住む所が決まるまで」という条件付きで承諾してもらえ、元太は玉置を娘の彼氏と疑い、さくらにパンをもらった。

……彼氏じゃないよね?
……(無言の腹パン)
おっ……!親の、ボディに…拳を打ち込む、娘ぇ……!

その後、第23話にてアギレラがデッドマンに変身出来なくなった自分を戦いから遠ざけるためにわざと冷たい態度を取った事をさくらから聞かされると、不器用過ぎる彼女の優しさに号泣するのだった。

ちなみに「しあわせ湯」での働きぶりはというと……
  • 引きつり過ぎて不自然な営業スマイル
  • 忘れ物を届けようとして誤って女湯に侵入してしまう
などの要領の悪さからバイスと同様に客足が遠のく原因になってしまい、バイス共々正座で大二から説教されていた。
玉置は笑顔が引きつり過ぎ。むしろ怖い。
あああ…めめめ、面目ありません……

更に第30話ではラフレシア・デッドマンの悪臭による幻覚で暴れ回っていた一輝を止めようとするも殴り飛ばされてしまい、思わず「ぶったね!?親父にもぶたれた事ないのに!!」と絶叫する羽目になった。
その反面、続く第31話ではデッドマンズ時代からの覚えから出現したラフレシア・デッドマンのプロトバイスタンプを見抜き、対策を講じる切っ掛けを作るなど、久々に切れる一面も見せている。

ウィークエンドの一員として

それからも空回りしながらも彼なりに自分に出来る事はないかと模索した末、牛島太助に「ウィークエンドに自分も参加させてほしい」と志願した。
当然最初は突っぱねられたものの、狩崎真澄の意向により、『最初で最後の試験』として「敢えてベイルの人質となり、赤石英雄の潜伏先を突き止める」と命じられ、見事にその役目を果たした。
その後、ベイル相手に窮地に陥ったさくらを助けようと、太助から渡されていたウィークエンドライバーとバッファローバイスタンプで変身を試みる。


待て!

お前を退治して、みんなを笑顔にする!!変身ッ!!

……が、あと一歩の所でバッファローバイスタンプをベイルに奪われ、変身に失敗した挙句、逆に彼を強化させてしまった。
最終的に覚悟を決めたアギレラ=夏木花がウィークエンドライバーで仮面ライダーアギレラに変身してベイルを撃退した他、玉置も赤石の潜伏先を引き出した功績を認められてウィークエンドの仲間入りを果たす事となった。


よかったね、玉置。また私が守ってあげる。

俺も変身したかったな……

なんか言った?
頑張ります。玉置豪、頑張ります!みんなを笑顔にします!

ウィークエンドでの主な役割は市民の避難誘導とオペレーター補助。ちなみにウィークエンドのスカーフはバンダナ(ハチマキ?)代わりに額に巻いている。
しかし、何故か戦闘には参加させてもらえず、現時点では仮面ライダーオーバーデモンズはおろか仮面ライダーデモンズトルーパーにすら変身出来ていない。
長らく玉置にとってはもどかしい状況が続いていたが、第46話で光からデモンズドライバーを託され、念願のオーバーデモンズへの変身を果たしたのだった。

劇場版 仮面ライダーリバイス バトルファミリア』では、本編に先駆けてオーバーデモンズに変身し、花が変身した仮面ライダーアギレラと共に悪魔軍団を打倒した。

また、もしもの時の為にと、ちゃっかりデッドマンズ時代の自身とアギレラの衣装も作り直していた事も判明した。「ただアギレラ様のドレス姿を見たかっただけ」とか言ってはいけない

第47話で仮面ライダージュウガに敗れ、デモンズドライバーが破損して使用不可能になってからは戦線離脱。
全ての戦いが終わってからは、保護観察処分も兼ねてフェニックスに代わる後進組織として設立された『ブルーバード』に所属し、贖罪の為に働いている。


項目を追記・修正して、みんなを笑顔にする!!編集ッ!!


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最終更新:2025年04月14日 16:07

*1 「折府」はフリオを逆から読んだもの。