赤石英雄

登録日:2022/07/02 Sat 15:07:41
更新日:2025/03/28 Fri 03:10:13
所要時間:約 6 分で読めます






『人間万事塞翁が馬』、だな……。



赤石(あかいし)英雄(ひでお)とは、特撮テレビドラマ『仮面ライダーリバイス』の登場人物である。

演:橋本じゅん



【概要】

初登場は第17話。
政府特務機関フェニックスの長官を務める男性。
常に白いスーツにベージュのチョッキと黒のネクタイ、黒革の手袋を着用しており、会話の節々にことわざや故事成語を織り交ぜる癖がある。


【人物像】

厳格な性格で、デッドマンズの基地からギフの棺が手に入っても、その解析よりも幹部であるアギレラオルテカフリオの抹殺を優先させている。
しかし……。


正体

その正体は現代人類が生まれる数千年前から生き永らえている古代人であり、デッドマンズの創設者にしてギフの末裔の1人。
恐らくは「赤石英雄」という名前も世を忍ぶための偽名と思われるが、本名は不明。

かつてはとある文明のとして君臨していたが、その中でギフと遭遇・交流してその真意を知ると同時に圧倒的なまでの力に惚れ込み、そのままギフの細胞を与えられて不朽不滅のギフテクスとなり、更に人類の監視者兼ギフの代弁者という役目を与えられた。

彼曰く「ギフは人類との共存を望んでいた」らしいが、人類は得体のしれないギフを「悪魔」と忌み嫌い、時代が進むにつれて科学力を手にして増長。
遂にはギフの存在を軽視するようになった状況に赤石は激怒し、「人類が種として存続するにはギフに隷属すべき」という身勝手な考えに凝り固まった末に「全人類の戦略的退化」を目論見、それを達成すべく気の遠くなるような年月をかけて現在まで行動してきた。
フェニックスもデッドマンズも、その過程で利用すべく生み出したに過ぎない……つまり、この男こそ『仮面ライダーリバイス』という物語における全ての悲劇の元凶である。
また、狩崎真澄によればかつて存在した科学研究組織ノアの構成員の一人でもあり、真澄の上司であった事も判明している。

そんな前歴故に「人類は進化し過ぎたのだ。科学を武器に地球史上最悪の脅威となり、宇宙の害悪と化した!」「人類こそ―――真の“悪魔”だ」と唾棄する程の人間嫌いと化しており、自分やギフの力で脅して無理矢理従わせた末に、用済みとなれば無慈悲に消し去る酷薄さを持つ。
一方、自分と同じくギフの末裔である五十嵐家に一方的な親近感を覚えており、当初は彼らを勝手に家族扱いしていた。
やめて気持ち悪い!!

その為、自分と同じ考えに至った五十嵐大二に対しても理解を示し、以後彼に対して異常とも取れる偏愛を向けていくようになる。

他にも本当の家族を喪い、死の間際まで家族写真を肌身離さず持ち続けていた牛島太助の心情を察し、「…愛していたか?」とどこか皮肉抜きに同情的な姿を見せるなど、どうやら「家族」というものに対するこだわりがある模様。
……もっとも、太助の家族を手にかけたのは他ならぬ赤石自身が結成させたデッドマンズなので、余計に不気味さが増したとも言えるのだが。


【能力】


疾きこと風の如く、徐かなること林の如く……

侵略すること火の如く!

動かざること山の如し……!

風林火山!!


ギフの細胞を宿しているだけあって、生身の状態でも常人を遥かに凌駕する能力を持つ。
目にも止まらず音も立てない瞬間移動パイロキネシスとも言える自然発火誘発能力、生身の人間では殴っただけで出血する程の硬度に変化させての防御といった芸当をこなし、第33話ではこれらを使って生身の大二を完封した。

純粋な戦闘能力に加えて、ギフの棺と同じ目のような物体が埋め込まれた右掌を通じてギフの潜む異空間にアクセスする事により、ギフとの会話やギフジュニア、ギフテリアン(TRUE)・ヘルギフテリアンを召喚・使役する事が可能。
この他にもフェニックス長官という立場や権力を背景に、自身の影響力を巧みに利用しての人心掌握術人々を扇動する話術も決して無視出来ない。


【ギフデモス(赤石英雄)】



『出る杭は打たれる』……。世の常だ!


疾きこと……風の如く、侵掠すること……火の如く!

知り難きこと…陰の如く、動くこと雷霆の如し!!


バイスタンプ:不明(そもそも対応するバイスタンプが存在しない)
身長:218cm
体重:160.9kg
特色 / 力:格闘 / 衝撃波 / 超修復能力

スーツアクター:藤田慧

赤石がギフの力の恩恵を受ける事で変化した戦闘形態。
変身前から身に着けていた白いスーツを思わせる外装を身に纏っているが、どこかボロボロに引き裂かれたような見た目になっており、表面からは赤紫色の棘が幾つも生え並んでいる。
また、三葉虫に酷似した頭部や、ウミウシやイカのような海洋生物を彷彿とさせる要素が入り混じった黒と紫色の胴体部など、全体的に「普段の整った身なりを内側から破って露わにしたドス黒い本性」を体現したかのような姿になっている。

戦闘形態なだけあって特殊能力も生身の時から更に強化されており、手から放つ衝撃波や光線、瞬間移動に自然発火、を帯びた分身殺法などの豊富な攻撃手段を使いこなす。
当然戦闘能力も劇中トップクラスであり、仮面ライダージャンヌ仮面ライダーオーバーデモンズ仮面ライダーアギレラの3人を同時に相手取って圧倒してしまう程。

またギフと正式に契約している為か、時間経過と共に自我を喪失していった御子柴朱美と異なり常に自我を保っており、加えてこの姿と赤石の姿を自由に行き来する事も可能。


ギガデモス



いよいよ人類滅亡のカウントダウンだ……。

ギフ様、お願い致します!!


ウッ、アァッ…アアアアアアアーーーッ!!

ハァーーー……!


ハハハハハッ…。雑魚どもが、小賢しい……。


バイスタンプ:不明(そもそも対応するバイスタンプが存在しない)
身長:218cm
体重:186.2kg
特色 / 力:格闘 / 衝撃波


赤石がギフから授かった不老不死の肉体を返上する事と引き換えに獲得した更なる戦闘形態。
姿自体はギフデモスからほとんど変わっていないが、全身が返り血を浴びたかのように真っ赤に染まっている。

不死身の力を返上した事でギフデモス時代の超修復能力を失ったが、その代わりに全ての力が桁違いに強化されている。
一方その力から来る余裕なのか、後がなくなった事への焦りなのかは不明だが、ジャンヌから「いいの、それ?“倒せる”って言っちゃってるんだけど?」と煽られた際には、
「逆だねぇ!!お前ら如き不可能だから教えてあげたんだよぉッ!」と煽り返すなど、従来とは正反対の口調となっている。


【劇中での動向】

物語序盤から中盤にかけてはデッドマンズやフェニックスの裏に潜んでいたが、第28話にてオルテカが仮面ライダーリバイスに敗れ、その命を喰らったギフが完全復活すると遂に自ら行動を開始。
自分を嗅ぎまわっていた朱美を捕らえ、自分やギフの力を見せつけて恐怖を植えつけると彼女を無理矢理従わせた挙句にギフの力でギフデモスに変えてしまい、
そんな彼女を助けに行こうとした五十嵐三兄妹とジョージ・狩崎にも自分の本性を明かした上に、圧倒的な自軍の戦力で彼らを蹴散らした。

第35話では警告と称して日本国民に対し、「自分やギフの本当の関係を隠しつつ、ギフへの服従を促す」旨の野外演説を敢行。
当然、五十嵐三兄妹……特に大二はそんな演説を中断させて赤石の本性を暴こうとするが、そんな事など既にお見通しだった赤石は偶然に見せかけてギフジュニアやギフテリアン(TRUE)、更にはギフデモス(朱美)や協力関係にあったベイルをけしかけて彼らを否応なしに戦わせた。
しかも、その戦いすらも利用してギフの危険性を周知させた挙句、スカイベースもギフの力で墜落・崩壊した事で、目論み通り国民にギフの力を見せつける事に成功した。
なお、その一連の出来事の中では迫力満点ながらもヒーローショーの司会めいた白々し過ぎる演技を爆発させており、橋本氏の技量を実感すると同時に一種のシリアスな笑いを覚えた視聴者もいた模様

上記の演説の最中に死んだように見せかけるも、「ギフの力で復活した」という大嘘を垂れ流して復帰すると、
人間の中の悪魔を取り除くための「バイスタンプ押印義務」や「国家安全保障特区アララトへの移住推進」といった施策を実行する傍ら、ギフジュニア達を市街地に放つというマッチポンプを行いつつ、
ギフの強大さに心が折れた大二に理解を示すと彼に寄り添い、まるで家族のように接するようになっていく。
それに加えてギフデモスとなった朱美を用済みとみなし、リバイとバイスがヘルギフテリアンと交戦中の背後で朱美をギフに抹殺させると即座に退散。
これにより、五十嵐一輝が朱美を始末したとしか思えない状況を作り出し、大二と一輝・さくらとの決別をほぼ確定的にしていった。

そうして着々と事を進めていった赤石だが、一輝とバイスの最強の力である仮面ライダーアルティメットリバイ&仮面ライダーアルティメットバイスの登場によって計画に歪みが生じ始め、
そしてその力を象徴に反撃に出ようとするウィークエンドを壊滅させようと、自らもギフデモスとなって牛島光オーバーデモンズを庇った太助を手に掛けるなど新たに行動を起こしていく。
さらには大二への偏愛を拗らせた末に、何とか彼を取り戻そうとする五十嵐家の抹殺も目論み、第41話ではアルティメットリバイ&アルティメットバイスのコンビ相手に(舌戦も含めた)戦闘を繰り広げるも、その力に徐々に圧倒された上に危うく止めを刺される寸前にまで追い詰められた結果、
今まで散々見下してきた相手に手痛い反撃を喰らい、不死のはずの自分が倒されかけるという屈辱を味わったのみならず、ここに来て初めて「死」への恐怖心を意識せざるを得なくなる事態となった。
そして第42話で五十嵐元太とベイルが決着をつけようとする傍らで遂にアルティメットリバイ&アルティメットバイスに敗れ、石化。
これで彼の命運も尽きたと思われたが……?


決着

なんとギフから力を注ぎ込まれて復活を果たした……が、力を与えたにもかかわらず二度に渡って敗れた赤石をギフは用済みとみなし、切り捨ててしまった。
長きにわたって自らの心の拠り所としていたギフを失う事を恐れた赤石は不老不死の肉体を返上してでもギフと共に歩む道を選択し、自ら築き上げた平和を自らの手で壊す事を憂いながらも人類の滅亡へ舵を切ったギフに応えるべく、アララトの破壊活動を開始した。

その後は上記のギガデモスの力を獲得すると、駆け付けた仮面ライダー達と交戦。
ただでさえギフデモスの時点で高い戦闘能力を有していたにもかかわらず、桁違いのパワーアップを果たした事でジャンヌ・アギレラ・オーバーデモンズの3体を同時に相手取りながらも互角どころか圧倒するが、
義理の両親の命を奪った赤石を打倒すべく、血の滲むような特訓を重ねた光が最大出力のゲノミクスチェンジを試みた事で戦況が一変。
ジャンヌとアギレラ、そしてアルティメットリバイによる時間稼ぎの末にフルゲノミクスとなったオーバーデモンズの猛攻に押され、止めを刺す事は叶わなかったものの、遂に倒れる。


お前のせいで犠牲になった人々の悲しみと!父さんの命を奪った、お前への怒りだ!!

食らえーーーーッ!!


おのれぇ…!ただの人間の分際で……!!

もはや自力で立ち上がれなくなったギガデモスは、地べたを這いつくばりながらその場に現れたホーリーライブに助けを求めたが……


あぁっ、大二……!

大二……!

必殺承認!

ホーリージャスティスフィニッシュ!

あんたじゃ、人類を救えない……。

ゼロ距離から「ホーリージャスティスフィニッシュ」を撃ち込まれて赤石の姿に戻り、肉体が朽ちながら消滅して果てたのだった。


そうだ、悪くないぞ……。

聖なる男よ、また……会おう……。

そして東映公式サイトの「第43話 あとがき」でもサブタイトルに「(もう蘇るな…)」と書かれてしまった。


【余談】

  • 演じる橋本氏だが、実はジョージ・狩崎役の濱尾ノリタカ氏に負けず劣らずの仮面ライダーファンであり、毎回現場にはノリノリで臨んでいたとのこと。
    加えて、その服装は氏のお気に入りキャラであるアポロガイストを参考にしたという。

  • 本編では度々ことわざや故事成語を多用していたが、これらの設定は橋本氏の提案によるものであり、脚本家達の間では辞書が手放せなくなっていたらしい。

  • あまりに印象的な「風林火山」の使い方から、一部では「風林火山おじさん」なるあだ名で呼ばれている。
    それに加えて本作に登場するラブコフの中の人と相俟って、本作と全く関係ないキャラに一種の風評被害が起こったとか起こらなかったとか



『一将功成りて万骨枯る』。
私は追記・修正して良項目を生み出す功績を独り占めするつもりはない。


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最終更新:2025年03月28日 03:10