アルティメットフォーム(仮面ライダークウガ)

登録日:2012/09/10 Mon 16:47:37
更新日:2025/06/19 Thu 13:27:43
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一条さん……

俺、なります……


聖なる泉 渇れ果てし時

凄まじき戦士 雷の如く出で

太陽は闇に葬られん



アルティメットフォームとは、特撮テレビドラマ『仮面ライダークウガ』に登場する仮面ライダークウガの変身形態の一つ。


【概要】

五代雄介が変身するクウガの最強形態
明確に数値化されたパンチ力・キック力が共に一期平成ライダー中最も強いため、
いわゆる『ライダー最強議論』において、『基本スペックでは歴代最強』*1という肩書きを持っていた。
後に『仮面ライダーディケイド』にて後述する上位互換フォームが登場したが……。

劇中での出番が最終決戦の最初だけと極めて短い(約2分)ことでも有名で、実際に画面に映っている時間はさらに短い。
後にクウガがサブライダーとして『ディケイド』で再登場したこともあり、『クウガ』本編より『ディケイド』の方が登場時間は長かったりする。



【アルティメットフォーム】

身長:202cm
体重:150kg
パンチ力:約80t
キック力:約100t
跳躍力:一跳び90m
※測定不能とする書籍もあり。

アームドグローブの手の甲に刻まれたリント文字:“戦い”


戦士“クウガ”の最強にして最凶の姿。
劇中では「凄まじき戦士」「黒の四本角」「黒い戦士」「究極の闇をもたらす者」「なってはならない戦士」などと呼称される。

碑文によれば“心優しき戦士であるクウガが優しさを失い、怒りや憎しみに支配された時に発現する暴走形態”であり、ン・ダグバ・ゼバと同じく人類を滅亡させかねない危険な存在とされる。
アマダムから延びる神経状組織に(恐らく脳を含む)全身を侵食され切っており、椿が当初から懸念を見せていた「戦うためだけの生物兵器」に成り果ててしまった状態とも言える。


憎しみや闘争本能が剥き出しになっている本形態の各部位にも、それを思わせる特徴が表れている。

見た目は禍々しい四本の角(コントロールクラウン)と身体の随所にトゲを持ち、全身に血管状組織が浮き出てのラインが走っている。
ほぼ真っ黒で複眼(コンパウンドアイズ)も額の器官(シンボルポイント)も黒い
ライジングアークル(ベルト)の形状も変化しアマダムも黒いなど、他のフォームとは全く異なる姿を持つ。
リント族はこの形態を表すためだけにわざわざ別の文字(四本角の戦士)を用いており、やはり彼らも他の形態とは本質的に異なる存在だと考えていたようである。


《能力》

これらの設定は『週刊 仮面ライダー オフィシャルデータファイル』にも記載されている(『週刊 仮面ライダー オフィシャルパーフェクトファイル』にも同じページが一部レイアウトなどを変えた上で流用されている)が、大半が劇中未描写なのが災いしてか東映公式のWebサイト『仮面ライダー図鑑』には記載されていない。

マイティ及びライジングマイティフォームでは、各フォームの必殺技で発する『封印エネルギー』を右足に存在する血管状組織から放出する「マイティキック」を繰り出していたが、
アルティメットフォームはこの血管状組織が全身に表出しているため、全身から『高エネルギー』を放出できるので、
ただのパンチキック3kmを焦土と化す封印エネルギーを込めたライジングマイティキック以上の威力(つまり普通のパンチやキックが必殺級)を誇るなど、全能力が戦闘向けに強化されている。

クウガの各形態は「こんな能力を使える」と言うよりは、アマダムによってもたらされた肉体と感覚の強化を必要なパラメーター毎に極端に割り振った結果と言えるのだが、
アルティメットフォームの場合はそれが全て開放された状態と言える。
ただし、劇中で何度も指摘されている通り本来は制御出来ない完全な生物兵器と呼べる状態になってしまう為、変身ベルトであるアークルにはアルティメットフォームに至らない為の安全装置が備えられていた。

肩部のショルダーブロッカーは鋭い角状の構造になり、ショルダータックルにより相手を一撃で貫く。
エルボースパイクや脚部の突起は伸縮自在のカッターであり、肘打ちや回し蹴りの際に高エネルギーを放出して相手を切り裂く(切断する)ことができる。
また、これまでの形態では口を保護する役割だったアーマードマウスも、クラッシャー(口)の牙が鋭利になり、噛み付き(噛み切り)攻撃も行える。

手首のハンドコントロールリングからは黒色のライジングフォームの武器3種類を生成し使用することが可能。
以上の能力は全て物質を原子レベルで分解・構成出来る力の応用であり、もはや全身凶器である。

◆プラズマ発火能力/超自然発火能力

掌をかざす事で物質の分子・原子を操る能力を用いて対象をプラズマ化・炎上させる能力。
要するに相手は身体の内部から発火させられる鬼畜能力で、能力範囲内であれば必中かつガード不可。
ぶっちゃけチートも良いところであり、劇中描写からしてアメイジングマイティはダグバのこの能力によって惨敗を喫したと思われる。

最終決戦ではダグバとお互いを燃やし合うもののすぐ鎮火し、素手で殴りあっている。
この鬼畜能力でもダグバとアルティメットフォームの戦いでは決め手にならなかった。

自然発火という珍しい内容かつ唯一劇中で使った明確な能力のため、アルティメットの代名詞となっており、
最近のゲームでは必殺技として扱われる場合がある(劇中では必殺技どころか牽制技のような扱われ方だったが)。
おかげで“燃やす”というかもはや爆破することもしばしば。

後に映画『劇場版 仮面ライダージオウ Over Quartzer』客演時はこれを応用したものと思しき火球を飛ばす新技を披露している。

◆アルティメットキック

劇中未使用のライダーキックであり、クウガのキックでは唯一威力が不明になっている。
ただし、必殺技に使われる高エネルギーが常に全身から放出される為か、書籍によってはダグバとの戦いで放った通常の蹴りがアルティメットキックと呼称される事もある。
当時のゲームではモーション流用で片足蹴りになっており、現在でもゲームや映像で片足蹴りとして扱われることがある。



劇中での描写がかなり少ないため、能力としては未知数……というより何でもできそうだから恐ろしい。
『ダグバと等しい』という設定上、アマダムの持つ“使用者の意志を具現化する力”を最大限に発揮出来るとされるため、発現出来る超能力に限界は無いと思われる。
実際、『小説 仮面ライダークウガ』ではプロトタイプがアルティメットフォームに変身したとはいえ、東京タワーそのものをモーフィングパワーによって覆い、『怒りの塔』なる超巨大光線兵器を錬成するという、
特撮でやったら予算が死にかねない凄いシーンとんでもない事を起こしている。


《劇中の描写》

心停止時に雄介に施された電気ショックと、強化される敵に対し更なる力を望む雄介の意志の相互作用によって、
イレギュラーな強化形態『ライジングフォーム』が発現する時期に、黒の戦士の碑文にある『雷』が電気的な強化に関係があるのではないかと考え、
沢渡桜子がアルティメット発現の前兆ではと危惧していたが、五代は彼女を安心させるためか“戦士が雷の如く現れる”と“戦士に雷が出る”は無関係と強弁した。
五代の電気ショックに携わった椿医師も「このまま変化が進めば、戦うだけの生物兵器になってしまうのでは」と危惧していた。

その後、ゴ・ジャラジ・ダ戦であまりにえげつない殺人行為に、劇中で初めてキレた雄介が発現しかけた。
この影響でドラゴンでも追い付けないジャラジをマイティで捕獲したりとクウガが一時的に異常に強くなり、同時にアマダムが雄介にアルティメットの幻影を見せて警告した。

これ以降、雄介は怒りや憎しみに注意するようになるが、ダグバにはアメイジングマイティですら全く歯が立たなかったため、変身を決意。
万が一自分が暴走した場合は、先のダグバ戦で破損したアークルのヒビを撃って射殺するよう一条薫に告げたが、無事制御に成功。
幻影として登場した全身が黒い戦士ではなく目が赤い姿になり、
優しさや自我を保ったままダグバと対決。壮絶な殴り合いの末に勝利を掴んだ。
後に沢渡桜子はこれを「伝説を塗り替えた」としている。


伝説は

塗り替えるもの


このため赤目アルティメットは雄介専用として特別視されている。
その証拠として、アルティメットフォームが理性を失い暴走すると同時に砂となるシステムの「装甲機ゴウラム」が消滅しなかった。


ちなみに商品展開上アルティメットフォームはレッドアイダークアイ(ブラックアイ)と分けられており「レッドアイズ」・「ダークアイズ」と表記されることもある。


《関連碑文》


聖なる泉枯れ果てし時


凄まじき戦士雷の如く出で


太陽は闇に葬られん


アルティメットフォームの発現条件と危険性を記した碑文)


心清き戦士


力を極めて戦い邪悪を葬りし時


汝の身も邪悪に染まりて


永劫の闇に消えん


黒目のアルティメットフォームのアークルに記された碑文)


清らかなる戦士


心の力を極めて戦い邪悪を葬りし時


汝自らの邪悪を除きて


究極の闇を消し去らん


赤目のアルティメットフォームのアークルに記された碑文)



【『仮面ライダーディケイド』以降の活躍】

ディケイドの登場によって旧作ライダーが再び日の目を見る事になり、『ディケイド』本編や劇場版、更にゲームにも登場した。

小野寺ユウスケ版》

原典への配慮からか、こちらは理性の有無に関係なく常に黒目

初登場は光夏海の中(第2話)で、ディケイドに蹴散らされた平成ライダー達の中からクウガだけが起き上がり、マイティフォームから強化変身。
ディケイドに殴りかかり、互いにエネルギーを込めた拳を打ち付けあって爆発の中に消えた。

その後、最終回門矢士を庇って倒れたユウスケがキバーラに噛まれて暴走。
夏海の予知夢が現実となるシチュエーションで実際に変身したが、戦いは未遂に終わった。

そして映画『仮面ライダー×仮面ライダー W&ディケイド MOVIE大戦2010』の『仮面ライダーディケイド 完結編』において、
世界の破壊者」として自分以外の仮面ライダーを倒して来た士に対して遂にユウスケが独力で変身し、ディケイド激情態に挑んだ*2
友を止めるために「アルティメットゴウラム」へと変形し、相討ち狙いで特攻するも、ディケイドを倒せなかった。
しかし、これが士の孤独な戦いの終着点であり、今度は夏海の変身した仮面ライダーキバーラと対峙する事に……

歴代最強ライダーの代表格という事もあってか、賛否はあれども重要な役回りであった。


《召喚版》

ディケイド コンプリートフォームが召喚するアルティメットフォーム
原典(五代)準拠のため、こちらは赤目

ただし、本編ではクウガ本人がいるためか召喚した事はなく、登場は上記の超アドベンチャーDVDのみ。
なお、『クウガ』本編以外で赤目アルティメットの実写映像が見られるのはこれと下記の映画だけである。


《ゲーム版》

仮面ライダーバトル ガンバライド』や『仮面ライダー クライマックスヒーローズシリーズ』『オール仮面ライダー ライダージェネレーション』『バトルドッジボール3』などに参戦。
だいたい五代準拠の赤目。小野寺verは『ガンバライド』『バトウォ創世』などで使用可能である。
特撮キャラが集うTCG『レンジャーズストライク』ではシークレットレア・スーパーレアとして登場。
特に初登場時のシークレットレア版は、迫力あるイラストとフレーバーテキストにより人気のある一枚だった。
また『バトライド・ウォー』シリーズでは五代クウガの最強形態として登場する。


究極へと至る道は一つではない。
ただ人の為に己を高め
と成しを得よ。


劇場版 仮面ライダージオウ Over Quartzer

終盤に登場。
次々と最終フォームへ変身する平成ライダー達のシーンでは仮面ライダーゴーストやディケイドとほぼ同じタイミングで変身。
巨大化した仮面ライダーバールクス相手にライダー達がそれぞれの得物から斬撃や銃撃を飛ばす中、
先述のようにこれといった武器を持たないクウガのみ、目に見えるタイプの超自然発火能力を披露している。



【関連フォーム・ライダー】

アルティメットフォームの力を宿した、あるいは「アルティメット」の名前だけを借りたフォーム、及びライダー達。

《アメイジングマイティ/黒の

2回目の電気ショックで発現した“限りなく黒に近い姿”。
財団B的にもイレギュラー形態の準最強フォームだが、ン・ダグバ・ゼバには全く歯が立たなかった。
ネタバレを完全回避したまさにアメイジングなフォームだが、その裏には色々と複雑な制作秘話が…(後述)


ライジングアルティメット

身長:210cm
体重:150kg
パンチ力:100t
キック力:120t
ジャンプ力:ひと跳び110m
走力:100mを1秒

映画『劇場版 仮面ライダーディケイド オールライダー対大ショッカー』に登場した小野寺クウガ専用の新形態。
アルティメットフォームの強化版で、見た目はより刺々しく、すらりとしたアルティメットに比べてかなりマッシブな体型になっている他、
枝分かれした角、肩や手足、胸の金色の装甲など、よりダグバに近い姿になっている。
大神官ビシュムこと門矢小夜(士の妹)によって「地の石」を埋め込まれたことによって発現した。

設定上基本スペックはアルティメットフォームを超えるはずだが、シャドームーンにボロ負けするなど活躍の場面が殆どなかったためか、いまいち最強扱いされない。
それでも、近年は小野寺ユウスケのクウガとして特にファンから支持を集めている部分もあり、
ユウスケ役の村井良大氏も「オダギリ(ジョー)さんとは違う自分だけのクウガ」として気に入っているとのこと。
ちなみに藤沢真行氏の漫画版では映画よりも活躍シーンが多い。

アルティメットフォームのシンプルさから離れた派手な姿と、小野寺クウガの存在感の薄さによって、何かと叩かれがちな形態。

ちなみにライジングパワーは黒の力の一部であるというのはファンの考察に過ぎず、原典の設定とも矛盾は生じない。公式が明言していない情報で公式のキャラクターを否定するのはやめておこう。

このフォームの金の力については、地の石の力を強引に上乗せされて暴走した姿なので強化の過程は原典とは別のものであり、「ライジング」という名前を冠することもあって色々と混同されがちである。
また、五代クウガのライジングフォーム発現の経緯と併せて「アマダムは外的要因の影響を受けやすいのでは?」と言われることもある*3


まあこちらは「パラレル設定のクウガの姿」であるので、玩具はディケイドと並べておこう。

仮面ライダーウィザード』の特別編「終わらない物語」では、クウガの最強形態として登場。


スーパーライジングアルティメット

HERO SAGAオリジナルの、ライジングアルティメットから更なる強化を遂げた姿。
よりパーツが大型化したほか、胸にはアルファベットのSのような模様が追加されている。
作中でも少し触れられているが、胸に浮き出るSはスーパーではなく「ストロング」の意味合いなのかもしれない。

ちなみに、スペックについては最強議論に名前が挙がる仮面ライダーエグゼイド ムテキゲーマーを僅差で上回っている。


《アルティメットゴウラム》

クウガ アルティメットフォーム(小野寺ユウスケ版)がディケイドの介入無しに単独でファイナルフォームライドした姿。
本来、アルティメットフォームが誕生した時点で消滅するはずのゴウラムにアルティメットフォーム自身が変身するという、何とも皮肉な形態である。


《アナザーアルティメットクウガ / アナザークウガアルティメット》

映画『平成仮面ライダー20作記念 仮面ライダー平成ジェネレーションズFOREVER』に登場。
クウガ アルティメットフォームのアナザーライダー
スーパータイムジャッカーティードが、特異点である久永シンゴとアナザークウガウォッチを取り込んで変身した姿。
腕が四本に増えるなどして更に異形の姿になった。

最強フォームのアナザーライダーとしては『仮面ライダージオウ ファイナルステージ』に登場したアナザーオーマジオウと並んで2体しかいないという希少な存在だったりする。


タイ焼き名人、アルティメット・フォーム

仮面ライダー剣』に登場。
クウガ以外にアルティメットフォームの名を持つ唯一の存在。スペシャルターボもあるでよ。
正直なところ、ライジングアルティメット普通のアルティメットフォームより活躍したのは内緒。上級アンデッドへの決め手がこれって……
なお、『仮面ライダー図鑑』などでは「アルティメット・フォーム」という記述となっている。


仮面ライダーアルティメットリバイ&仮面ライダーアルティメットバイス

仮面ライダーリバイス』に登場。
ギファードレックスバイスタンプで変身する、仮面ライダーリバイ仮面ライダーバイスの最強形態。
アルティメットの名を関するのは、仮面ライダーの大ファンであるジョージ・狩崎の趣味……もとい意向と思われる。


《仮面ライダージュウガ》

こちらも『リバイス』に登場。
アルティメットフォーム、ひいてはクウガそのものをコンセプトに盛り込んだ仮面ライダー。
ジョージが作り上げた「悪魔の力を必要としない人類の人類による人類の為のライダーシステム」で、10体分の最強生物の力で戦う。



【余韻をぶち壊しかねない話】

今でこそ人気があり、評価されているアルティメットフォームだが、当時はいろいろと批判されまくっていた。

クウガの最終形態という触れ込みで登場した黒い異形の姿。
尖った肩や腕・足の装甲と、むき出しの牙と鬼の角を連想させる形相のマスク……
その姿はまさしく悪魔と言った感じでヒーローらしからぬデザイン…はどちらかというと関係は少ない。
そんなこと言ったら初代仮面ライダーなんてバッタと髑髏(初期案はもっと髑髏要素が強かった)である。


実はこのフォーム、2000年の10月発売の児童誌に初めてその全体の姿が発表されたのだが、
下記のように雄介が見た幻影、放送開始前のジャンクション、OP映像を除けば実際にTV本編内に登場・活躍したのはなんと翌年の1月。つまり最終回の一つ前の第48話だけだった。

挙句の果てにアルティメットフォームが登場した場面での戦闘はダグバとただ延々殴り合うというもの。
しかも途中で変身が解けてしまうため、実質的な活動はほとんどなかったに等しい。
つまり、出番の少ないライジングフォームやアメイジングマイティよりもさらに少なかった訳だ。

普通、児童誌に新しい要素が発表されるとだいたいその月の内にそれは登場するというのがセオリーだった。
そしてどのような登場をするだろうかという注目を一身に集めた話題のアルティメットフォームであったが、
この月の放送におけるアルティメットフォームは「五代雄介が見る幻影」として登場しただけで、
それから第48話に登場するまで、ひたすらその存在を引っ張り続けたのだ。


少し話題がずれるが、アルティメットフォームは他のクウガと同じく装着変身のフィギュアが売っていた。
メインのクウガ商品ではほぼラストの時期に発売されたものだが、本編登場よりもはるか前から発売されていた。

実はこの商品、先のライジングフォームセットをも凌駕する不人気で、更なる在庫過多状況を作り上げてしまった。

理由はいたって単純で、当初アルティメットフォーム自体が「正体不明の存在」という扱いで発表されており、「五代雄介ではない、まったく別のクウガ」とも取れるような表記がされていた。
ところが商品宣伝媒体ではしっかり素体の顔部分が公開されており、雄介が変身する姿だという事を堂々とバラしてしまっていた。
スタートがこんなんだったうえに、全体的にどこかおかしな宣伝がまかり通ってしまった感があった。

当然アルティメットフォームはこの時点でまだ画面にまともに登場していない存在だった。
商品が店頭に並んでも、本来のターゲット層である子供も、そしてマニア・コレクター達も今回ばかりは躊躇したのだ。


ところでこれを見てほしい。
これは「装着変身 仮面ライダークウガ アルティメットフォーム」のパッケージに
記述されているキャッチコピーの一部である。


“最強にして最悪の正義をその身にまとえ!”
“心清き戦士、力を極めて戦い邪悪を葬る時 汝の身も邪悪に染まりて永劫の闇に消えん”
“ゴ集団最強の怪人「ゴ・ガドル・バ」をクウガと同スケールで再現! 劇中シーンが君の前に!!”



……気づいていただけたであろうか?

実はアルティメットフォームは当初、最強のゴ怪人ゴ・ガドル・バと戦う予定だったのだ。

「あれ?アメイジングマイティは?」と思う人もいるかもしれない。
ちなみにアメイジングマイティは当時日本国内では正式には発売されておらず(装着変身は香港版のみ)、登場したのもアルティメットフォームよりである。


改めてガドルの能力を見直すとクウガ同様に4つの形態を使いこなし、さらにその能力は基本形態の時点でライジングフォームをも上回る化物中の化物。

対してアルティメットフォームは前述した通り、手首のコントロールリングからは黒色のライジングフォームの武器3種類を作り出し使用することが可能。
ガドルの強さを示したうえで、それと互角以上に戦うのにこれ以上ない能力である。

しかし実際に戦ったのは言い方は悪いが、ぽっと出のアメイジングマイティだった。


髙寺成紀Pのツイートによると、アメイジングマイティの登場自体は既定ラインだったのだが、当初はライジングマイティのリペイントでソフビを発売する予定が、「ガドルを倒すのは両足キックの方が理にかなっている」との判断から、両足にアンクレットを追加。
結果金型の変更を余儀なくされ、この辺りでバンダイとモメた……というのが真相の模様。
よって、よく言われる『アルティメットの正体を上述の装着変身の素体という形でネタバレしたバンダイにキレた公式が、急遽予定を変更してアメイジングマイティを登場させ、寝耳に水の形態にバンダイが逆ギレした』という話は間違いである。

ちなみにアルティメットフォームの登場が最終回まで引っ張られたのはシナリオの都合が大きく、そのために「過渡期」の形態が必要になった結果、既に出番を終えていたグローイングフォームのスーツを改造して生まれたのがアメイジングマイティである。







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荒らしは闇に葬られん



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汝自らの邪悪を除きて

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最終更新:2025年06月19日 13:27
添付ファイル

*1 各ライダーは様々な能力を持つため、その辺りも考慮すると甲乙つけられなくなるため。

*2 この時のアルティメットフォームはブラックアイだが、変身直後には目が赤く光っている。

*3 また、アマダムには「使用者の願いを具現化する」能力がある為、地の石なしでもライジングアルティメットに進化出来る可能性が無い事もない。