ゾゾギガ星人プロフェッサー・ギベルス

登録日:2023/03/02 Thu 00:00:06
更新日:2025/01/01 Wed 13:40:55
所要時間:約 9 分で読めます







余はギベルス。全宇宙を支配する最後の天才。
日本は我らが占拠した!

地球人よ。スフィアを打ち破った勇敢な種族よ。

諸君の精神エネルギーと怪獣の精神エネルギーを融合させ、肉体に戻し、さらに優れた存在へと進化させてやろう。
そして、余の配下となるのだ!フハハハハハ……!!



ゾゾギガ星人プロフェッサー・ギベルスとは、TSUBURAYA IMAGINATIONオリジナル映画『ウルトラマンデッカー最終章 旅立ちの彼方へ…』に登場する敵キャラクターである。

CV中尾隆聖
スーツアクター:岡部暁

【データ】

身長:2.5m
体重:250kg


【概要】

今作のメインの敵役にして黒幕。
ダダを思わせる黒をベースに白いラインが走る体を持ち、頭部は赤い鉱石のような外骨格にゼットンのような口部の発光器官を持つ。
また、両目は青色で、背中には黒いマントを羽織っている。

様々な種族の宇宙人で構成された混合編成部隊を従えて宇宙の各所を巡っており、スフィアの脅威から逃れた地球人の強さに着目し、侵略兵器に改造すべく地球に降り立った。


【人物像】

上記の台詞のように自らを「全宇宙を支配する最後の天才」と称するマッドサイエンティストであり、宇宙に存在する全ての知的生命体を自らの道具や兵器としか思っていない傲慢な人物。
「最高の知能と最強の肉体と最上の美を持つ命こそが宇宙を支配するのに相応しい」という歪んだ思想を持っており、ただ武力を行使するだけでは飽き足らず、
「最も美しい侵略方法」を求めてその確立のための実験として宇宙中の星に降り立ってはそこを勝手に実験地にした挙句、自身の発明品やその恩恵を受けた部下の宇宙人達に蹂躙させて何の罪もない現地民や原生怪獣達の命を奪う事を繰り返してきた、まさに悪逆非道を体現しているかのような存在。
過去にはこの実験によって滅ぼされた星も当然存在しており、ディナスの故郷であるラヴィー星もターゲットにされていた(幸いにもウルトラマンダイナの活躍によって壊滅には至らなかったが)。


【保有戦力】

≪銀河皇獣ギガロガイザ≫



地球人!その強靭な精神力、やはり最強の実験材料だ……。

フフフフフ…ハハハハハハッ……!

身長:61m
体重:4万8千t

ギベルスの戦闘形態とも言うべきもう一つの姿。
宙に浮いて大きなワームホールを開いてそこに一度入り込んだ後、怪獣としての姿へと変貌しながら出現する。

レッドキングにも似通った小さな頭部と、それとは正反対の屈強な両腕と両脚、刃物のように鋭利な尻尾の持ち主で、
その外骨格は青を基調としながらも赤いラインや白い鋭い棘のような物体が見られ、カラーリングはスフィアザウルスの両腕に似たものとなっている。
なお、この姿になると言葉を発さなくなるが、ギベルスとしての自我は残っており、テレパシーで語り掛けてくる。

武器は全身から放つ赤い電撃と、エネルギーを纏った尻尾から繰り出す斬撃。
そして、口から発射する紫の竜巻状の光線で相手を吹き飛ばす。
また、GUTS-SELETの総力を挙げた攻撃も難なく耐えるなど、防御力も決して低くはない。
しかし、ギベルスが戦闘は本分ではないせいか、ウルトラマンディナスの連続攻撃やテラフェイザーとの連携にはやや怯んで後退する事もままあるなど、全く勝ち目が見えないレベルの強敵というわけではない模様。


≪実験要塞艇ゾルガウス≫


全長:50m

ギベルス一派の移動拠点。
内部で操縦する他、AIを搭載しているのか、それともギベルスが遠隔操作しているのかは不明ながら自立行動も可能な性能を持つ。
巨大な2つの砲門を備えており、その中央に座している艦橋部分は兜のような形になっている。
内部にはギベルスが発明した特殊装置が搭載されており、それによって地球人の精神と肉体を切り離してそこへ幽閉している。

武装は砲門から放つ赤い光弾。
また、機体そのものの強度も非常に硬く、劇中ではそのままウルトラマンデッカーに体当たりして物理的に攻撃する場面も散見された。

そして、これらの戦力にはまだ秘密があり……


≪銀河要塞獣ゾルギガロガイザ≫


全長:70m
体重:6万3千t

ゾルガウスとギガロガイザが合体した姿。
ゾルガウスが一度分離した後、砲門が両肩に装備され、艦橋はそのままギガロガイザの頭部に覆い被さる形を取る。

ゾルガウスの火力も追加された事で戦闘能力は大幅に上昇しており、両肩の「ゾルギガロキャノン」からは周囲に拡散する赤い光線や、敵を追尾する黄色と紫のビームといった複数の種類の攻撃を繰り出す事が可能となっている。
また、赤と青のバリアを張る事も可能で、ナースデッセイ号のネオマキシマナースキャノンとGUTSグリフォンのハイパーソーンレーザーの同時攻撃、
さらにはテラフェイザーのTRメガバスターやウルトラマンディナスのゼットンカードによる火球の一斉射撃すらも容易に防ぎきってしまう防御性能を誇る。
他にもエネルギーを纏った爪から繰り出す斬撃も強力で、それぞれ一撃でテラフェイザーとウルトラマンディナスを弾き飛ばした程。
しかも合体と分離も瞬時に行えてしまう為、状況に応じては元の状態に戻って手数で攻め直す事も容易い。


≪混成異星人部隊≫

ギベルス配下の宇宙人軍団であり、そのほとんどが改造実験によって強化されている。
  • 策略宇宙人 ペダン星人
CV:団長安田(安田大サーカス)

ご存知キングジョーを駆る宇宙人。
本来なら前線に出て戦うような宇宙人ではないが、ギベルスが施した強化実験によって身体能力が強化されているようで、GUTS-SELECTのメンバーと格闘戦で互角に渡り合っている。
また、人々の精神エネルギーを吸い取る特殊装置の操作を一任されており、格闘戦においてもリーダー格のように振る舞っていた事から、ギベルスからはそれなりに信頼されていた様子。

ご存知ぺダン星人の操るロボット
テラフェイザーのTRメガバスターを分離して避けたり、ウルトラマンディナスとの戦いも優勢に進めていたが、
テラフェイザーの攻撃を受けて生じた隙を突かれる形で、ディナライズバーンを受けて撃破された。

  • 昆虫宇宙人 クカラッチ星人
CV:HIRO(安田大サーカス)
  • 宇宙怪人 ゼラン星人
CV:クロちゃん(安田大サーカス)
  • ガルメス人
CV:荒井義久

ぺダン星人指揮の下、ディナスやTPU本部を襲撃した。
やはりいずれもギベルスの手で能力が強化されている様子。

CV:よなはら伊織
ディナスの故郷・ラヴィー星を襲撃したが、いずれもダイナに討伐されている。
このうち、バド星人は別個体が地球侵略に参加している。
なお、バド星人は『ジード』で作られたものの使われず仕舞いだった首から下の着ぐるみが使われている。

CV:関智一

ご存知タイラントの耳。
囮役を買って出たが、その割にはディナスをかなり苦戦させている。
劇中ではいつも通り「イカイカ」と喋っていた他、ダメージを受けると「ルス!」とこぼすようになった。

TSUBUYAYA IMAGINATIONで配信された『関智一のウルトラクラブ』によると、今回イカルス星人が「イカイカ」と喋るのは武居正能監督の指示だったとのこと。
また、これ以外の関氏が担当したイカルス星人も「同様の指示を受けていた」と明かしている。
関氏はこれに関して「イカの怪人をやったからでしょうね」と円谷的にはだいぶ危ない推測しているが、実際のところは不明。

CV:本郷章

ナースデッセイ号への侵攻に参加している。

  • 幽霊怪人 ゴース星人
ご存知パンドンの飼い主だが、パンドンが既に『ウルトラマンデッカー』TV本編に登場していた事もあってか、今回はゴース星人のみが登場した。
バド星人と共にTPU本部を襲撃した。

  • 憑依宇宙人 サーペント星人
  • グローザ星系人
  • 殺戮宇宙人 ヒュプナス
  • 電波怪人 レキューム人
いずれもギベルスの強化実験を受け身体能力が向上しており、TPU本部襲撃に参加した。
どいつもこいつも首の下が防弾チョッキとジャージなのはご愛嬌。


【劇中での動向】

物語序盤、自ら開発した怪しげな装置を起動させ、クラマシティの人々から精神エネルギーを奪って昏睡状態に陥れた。
クラマシティに姿を現したその装置はGUTS-SELECTとディナスの共同戦線により、護衛に付けていた混成部隊を掻い潜られて破壊され、奪った精神エネルギーも取り返されるが、特に気にした様子も見せず、次なる行動を開始。

今度は新たな装置を投下するだけでなく、GUTS-SELECTとディナスの注意を引き付けるための囮としてイカルス星人を送り込んで町中で騒ぎを起こさせた。
装置はまたも破壊され、イカルス星人も倒されてしまうが、ギベルスは戦力が手薄になった隙を突くと部下の宇宙人達を引き連れてTPU本部を強襲し、ナースデッセイ号諸共そこを占拠してしまう。
さらにはイカルス星人との戦いを終えたばかりで既に疲弊していたウルトラマンディナスの前にギガロガイザの姿で現れ、一方的な戦闘の末に下すと同時に、
TPU本部の上空に出現させたゾルガウスの内部の装置を発動させ、GUTS-SELECTの隊員を除いた日本国民全員から精神エネルギーを奪い、昏睡状態にしてしまった。

そしてその直後、世界中の上空から自身の姿を投影し、本項目冒頭にある脅迫声明を送りつけた。


それから程なくして、TPUを解放しようと乗り込んできたアスミ カナタ、ディナス、リュウモン ソウマ、キリノ イチカを部下の宇宙人達に捕らえさせ、彼らの目の前で自身の実験終了を見せつけようとする。
もはや万事休すと思われたが、突如配下のペダン星人が裏切り、そこへ捕らわれの身だったはずのムラホシ タイジとカイザキ サワが駆け付け、カナタ達の拘束を解くという事態が発生。
実はムラホシはメトロン星人 ナイゲルグレゴール人グレースによって救出されており、ペダン星人もグレースがグレゴール人としての変身能力を活かして本物と成り代わっていたのだ。
カナタ達も既にそれを知っており、内部に乗り込む為にわざと捕まったふりをしていたに過ぎなかった。

こうして全ての占拠を破られて一気に形勢逆転されるも、むしろその精神力を身勝手に再評価するとギガロガイザへ変身。
GUTS-SELECTとウルトラマンディナスの総力戦を迎え撃つ。

やはり強力無比なパワーを振るって優勢に振る舞うも、モンスディメンションカードを使うディナスやカナタがマニュアル操作で操るテラフェイザーの頑丈さにはやや手こずり、戦況をより有利にすべくゾルガウスを召喚して合体。
ゾルギガロガイザになるとビームやバリアーを駆使して敵の攻撃をことごとく無力化してしまい、あっという間にナースデッセイ号とGUTSグリフォンを撃墜してみせた。
そんな状況でも向かってくるウルトラマンディナスに痺れを切らし、「そんなに死にたいか!? ならお前からだ!」と吐き捨てると、高出力のビームで止めを刺そうとする。

……しかし、そこへテラフェイザーが割って入り、ウルトラマンディナスを庇った。


守ってくれディナス!

地球を……宇宙を!!


直後、テラフェイザーはTRメガバスターを失う程に大破。
ウルトラマンディナスも怒りに任せてゾルギガロガイザに立ち向かうも、冷静さを失った上に既に体力も残り少ない状態で敵うはずがなく、いとも簡単に変身解除に追い込まれてしまう。

辛うじて救出されたカナタもHANE 2をもってして死亡が断定されてしまい、高笑いを上げるギベルス。

だが、カナタは仲間達の思いとそれらが顕現させたダイナの力によって復活
そして、それと同時にウルトラマンディナスのカードがデッカーのカードへ変わり、ウルトラDフラッシャーも新たに出現。
ウルトラマンデッカーの完全復活を許してしまう。

それでも一切怯むことなく強大な力を振るうも、既にスフィアとの戦いを制し、何より仲間達の思いを秘めたデッカーの前に押されていく。
これを受けてゾルガウスを分離させ、手数の多さで優位を取ろうとするが、GUTS-SELECTも残った戦力をかき集めて攻撃を開始。
そんな彼らを撃ち落さんとゾルガウスが飛び立つが、GUTSグリフォンとナースデッセイ号のコンビネーションの前に敗北。
ネオマキシマナースキャノンを至近距離から打ち込まれ、ゾルガウスが破壊されると同時に、船内に囚われていた人々も意識を取り戻して地上に戻っていってしまう。

自身の拠点や兵器を丸ごと失い、流石に分が悪いと判断したギベルスはギガロガイザの姿で宇宙へ撤退しようとするが、当然デッカーがそれを許すはずはなく、
大気圏外にまで追跡されると、セルジェンド光線と自身の光線の撃ち合いを展開し、始めは競り合っていたものの、徐々に押され始めていく。


くっ、何故!? 余が地球人如きに……!

貴様は何だ!? 地球人? ウルトラマン……!?

貴様は……貴様はぁッ!?


俺は……アスミ カナタ!

ウルトラマンデッカーだぁぁぁぁぁ!!


そんな問答の直後、セルジェンド光線に飲み込まれ、ギガロガイザの姿のまま断末魔の叫びと共に爆発して果てた。
地球に残されていた部下達も全員拘束され、ここに傲り高ぶったマッドサイエンティストの地獄の実験は完全に幕を閉じたのだった。


【余談】


  • 『デッカー』TV本編で圧倒的な強さを誇示したマザースフィアザウルスに比べてやや迫力不足を感じるファンは少なくないものの、(恐らく)殆ど独力で日本一帯を制圧してしまう兵器を開発したり、母艦であるゾルガウスの高性能さから見るに、少なくともプライドに見合っただけの技術力を持っている事は間違いないだろう。
    結局のところ、見下していたはずの地球人がスフィアとの戦いを通して手に入れた強さを真に引き出して立ち向かってきた事から、ある意味では「相手が悪すぎた」のかもしれない。

  • ウルトラ怪獣シリーズではゾルギガロガイザのみ発売されている。



Wiki篭り!その強靭な追記・修正力、やはり最強の実験材料だ……。

フフフフフ…ハハハハハハッ……!


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最終更新:2025年01月01日 13:40