全能(BORUTO)




「心せよ…その青き瞳はいずれ貴様から全てを奪い去る…」






※本記事は『BORUTO‐ボルト‐』に関する重大なネタバレが含まれています※






「まだだ…青き瞳の少年よ お前がその全てを……失うのは」






※本記事は『B■■U■O‐■ルト‐』に関する重大なネタバレが含まれています※





「だが間もなくだ……間もなくそれ(・・)は起こる…」






※本記事は『■AW■K■‐カ■■‐』に関する重大なネタバレががががががががが






















「終わりは既に 始まっている」








登録日:2023/03/27 Mon 17:30:00
更新日:2023/06/03 Sat 07:57:51
所要時間:約 16 分で読めます




全能とは、漫画BORUTO‐ボルト‐』第79話のタイトル。
今回のエピソードにおける重要なキーワードでもある。

一話冒頭の全壊した里の様子に始まり、不穏な未来を漂わせてきた漫画及びアニメ版の『BORUTO』。
劇場版の先の物語にあたるモモシキの撃破から月刊連載故になかなか進まず実に六年もの歳月を経て、今回の話では一話冒頭への転換点となり得る衝撃の展開が描かれた。
ボルトの未来を垣間見たモモシキが度々発してきた「全てを失う」という警告の真意…その想像を絶する全容が明らかになったのである。


◆これまでのあらすじ

」の残党であるコードの対処にあたり、その動向が把握できるエイダの協力を得る目的で始まったボルト・カワキ・サラダ・ミツキら新生第七班によるルームシェア任務。
そうしてエイダ姉弟との生活が行われる中で、カワキは何に代えてでも守りたいナルトの命を脅かすボルトの中のモモシキを排除すべく、任務を放棄して独断で動き始めた。
時空間忍術でうずまき夫妻を異空間に無理やり退避させると、突如としてボルトに襲い掛かったのだ。

しかし、チームメイトのサラダによる妨害やサスケシカマルといった木ノ葉の忍達に阻まれ、諸々の行為から「木ノ葉の敵」して処分されようとしていた。
そんな窮地を救ったのは命を狙われているはずのモモシキで、ボルトの体を一時的に乗っ取るとカワキを逃がしてしまう。
何故そのような行為に及んだのかサスケやカワキが訝しむ中、精神世界でボルトと対峙したモモシキは「全てを失う」時がついに始まった事を告げるのだった。


◆主な登場人物

「木ノ葉の誰が奴を殺せる…!? 火影の息子を…!」

大筒木イッシキの「器」。現在はイッシキの魂が消滅した事で武器としてののみを宿している。
実の親にも養父となったジゲンにも虐待され続けてきた「からっぽ」の少年であり、そんな自分に愛情を注いでくれたナルトを誰よりも慕っている…というより心酔している。
ナルトのためならどんな犠牲を払ってでも守る覚悟を決めており、息子のボルトを殺せば自分も死ぬほど恨まれ殺される事も承知の上で、「兄弟として」ボルトごと脅威となるモモシキを抹殺しようとした。

火影夫妻への襲撃に加えて火影の息子にまで手に掛けたため、結果として木ノ葉への反逆行為と見做され里中から狙われる事に。
ナルトを守るために動く中で、兄弟としての友情とモモシキとしての脅威がグチャグチャに入り混じったボルトへの愛憎相半ばする複雑な感情も吐露している。

  • エイダ
「心配しないでカワキ…あたしがついてる」

大筒木シバイのDNAを移植され、世界のあらゆる場所を見渡せる神術「千里眼」を発現した少女。
他にも性別を問わずあらゆる人間を惚れさせてしまう「魅了」なる能力も宿しており、肉親である弟のデイモンと大筒木化したボルト及びカワキのみが例外となっている。
その能力故に誰も彼もが無条件で自分に好いてしまう状況を憂い、「普通の恋愛」をしたいがために敢えて魅了の通じないカワキを好いている。

魅了については千里眼と同様に神術として扱われているのだが、神術に精通している大筒木一族のモモシキ曰く「あのような能力は聞いた事がない」との事で、その出自は謎に包まれていた。
また、以前交わしたコードとのやり取りの中では魅了と千里眼以外に更なる能力を秘めている事も仄めかされているが…?

  • ミツキ
「ボクもカワキを追う…ボルトの事頼んだよサラダ」

ボルトのチームメイトで、伝説の三忍・大蛇丸のクローンにして息子。
大切なボルトを傷付け殺そうとまでしたカワキには怒り心頭であり、いつもの冷静さを欠いてカワキの捜索に乗り出した。
ボルトに「全てを失う」時を体感させた最初の人物で、その衝撃的な光景はボルトに大きなショックを与えた。

「ボルトに何かあったのかも…!」

ボルトのチームメイトで、サスケサクラの娘。
前話では火影を目指す忍としてボルトを殺そうとするカワキが見過ごせず、二人の戦いに割って入ってボルトに助太刀したが、力及ばず逆に庇われてしまった。
怒りから興奮気味なミツキに付き添ってカワキを追う中で、ボルトの「全てを失う」時に立ち会う事となった。
前回と今回でヒロインらしさがかなり上がったとの声も

「一体何が起きるってんだよ…!?」

ナルトヒナタの息子にして大筒木モモシキの「器」。
モモシキに楔を刻まれてその身体を上書きされる脅威に晒されていたが、紆余曲折を経て転生を食い止める事に成功した。
以来、自分にだけ見える幻影として度々姿を現すモモシキと口喧嘩したり、楔の影響で互いの考えが筒抜けになったりする奇妙な共生関係を築いている。

前話にてカワキの攻撃からサラダを庇おうとして右目を刻まれ、一話冒頭と同じ傷を負った。
ついに訪れた「全てを失う」時を前にして、次から次へと起こる異常事態に翻弄される事となる。

「言ったろ……既に始まってるんだ…」

大筒木一族の直系に数えられる一人。
ボルトに楔を刻んでその身体から復活しようと企んでいたが、紆余曲折を経て転生は不可能となってしまった。
以来、ボルトの精神を折って身体を奪取しようと画策しながらも、死なれてもらっては困るので度々助太刀もするという奇妙な共生関係を築いている。

生前から己の白眼でもってボルトの運命を予見し、今回の出来事も断片的ながら未来視していた。
絶望し、生きる気力を失い、この世界から逃げ出したくなるという壮絶な未来からボルトの精神が死ぬ事を予期していて、その時が来るのを誰よりも待ち望んでいる。

前話ではボルトごと自分の抹殺を図るカワキに対し、何故かその逃走を手助けするという不可解な行動を取った。
青き瞳を失ったボルトに向けて、度々警告してきた「全てを失う」その時が訪れた事を伝えるが…?


◆話の流れ

チャクラ反応の消失と「少名毘古那」による自身の縮小で姿を眩ませるカワキに対し、シカマルは疲労によるボロ出しを見越して感知タイプの忍総出で捜索に当たらせていた。
サスケ木ノ葉丸がカワキの捜索に加わり、ミツキもまた「病院までボルトに付き添うように」という木ノ葉丸の指示を無視して単独でカワキの追跡に乗り出す。
冷静さを失っているミツキを不安に思ったボルトは、サラダにも捜索に同行するよう急かすと一人で病院へ向かっていった。

「くッ」

忍達が血眼で探す中、カワキはチャクラが尽きかけてきた事で少名毘古那を維持できなくなり、通常の大きさに戻ってしまう。
同時に肉眼で目視できるようになり、千里眼によってその姿を捉えたエイダは飛行能力でカワキの元へと急行する。

チャクラを消して何とか隠れているカワキの側に辿り着くと、味方になる事を申し出た上で魅了の自分がいれば手出しはされないとして、安心するように言い聞かせる。
しかし…カワキにとって自分の身の安全などどうでもよかった。

「オレの事なんかより……七代目の事を守ってくれよ…」

「…カワキ…………」

モモシキが再び自由になれば、ナルトも…ナルトが大切に守ってきた木ノ葉の里も…全てが蹂躙され、何もかも無くなってしまう。
そうなる前に手を打たなければ取り返しの付かない事になる。

だがモモシキは…ボルトはナルトの息子だった。
「火影の息子を殺す」等という行為を引き受けられる木ノ葉の住人など、自分を除いているわけがなかったのだ。

そんなカワキの脳裏を過ぎるのは、反目し合いながらも自分を"兄弟"として迎え入れてくれたうずまきボルトと、その姿に重なる大筒木モモシキ
ナルトを守らなければならない重責から追い詰められて二人の境界線が曖昧になっていき、エイダの両腕に掴み掛かると自身の思いをぶちまけていく。

「なんであいつなんだよ……」

「火影の息子なんかじゃあねェ……"兄弟"でもねェ…!」


「どこの誰でもねェよそ者だったらよかったんだ…!あいつが…!!」


「死んでも誰も悲しまねェ……」


「このオレみたいなよそ者だったらよォ……!!」



「… !?」

その時、エイダの身体から突如として膨大なチャクラが溢れ出すと、巨大なチャクラの柱として形成された。
エイダ本人は茫然自失とした様子でカワキと共に空中へと浮かび上がっていき、やがて光の波動を辺り一帯に拡散させると共にチャクラは消えてしまった。

「何だ……?今の『光』は…」

謎の現象に戸惑うボルトを余所に、モモシキは一人ほくそ笑んでいた…。



少しして木ノ葉の忍たちがカワキとエイダを発見するが、どうも様子がおかしい。
始末対象であるはずの「カワキ」を見つけても襲ってくる気配はなく、エイダと共にこのような場所にいるのかを不思議に思っているような態度だった。
直後、捜索に当たっていた忍全員にある情報が通達される。

──ボルトのチャクラを感知!!──

──顔岩付近…西へ3キロの地点!──

何故このタイミングにボルトの居所を共有するのかとサラダは疑問を覚えたが、その身に何かあったのかもしれないと思い直し、ミツキと共に指示された場所へと駆けていった。


そして病院へと向かう途中のボルトは、相も変わらずせせら笑うモモシキの幻影と対峙していた。
全てを失うとはどんな感覚かと煽りながら尋ねてくる上機嫌なモモシキに対し、逆に何が起きるのか教えてくれと聞き返すと…

「うしろを見てみろ」



「ミツキ!! いたよ!!こっち!!」

「お前ら…戻ってきたのか……?」

そこにいたのは、今さっきカワキ捜索に参加したはずのサラダとミツキだった。
互いに何か起きたのか困惑しながらもサラダが歩み寄ろうとすると、突然ミツキが制止をかける。
「ボルト」に向けたその眼差しは、「ボクにとっての太陽」と比喩する程に強く慕っているいつものそれではなく、殺意すら籠もった敵対心が表れていた…。


「…完全に怒らせたね……このボクを…」


額当てを剥ぎ取って仙人モードを発動し、眼前の"敵"に対して完全な臨戦態勢を取るミツキ。
理解が追い付かない現象を前にして、ボルトとサラダはただ茫然とするしかなかった。


同刻、「カワキ」とエイダを発見した忍達も位置が共有された事で「ボルト」の追跡を開始した。
残る一人はカワキの目に傷がない(・・・・・・・・・・)事を不思議そうに尋ね、一連の出来事から何が起きているのか大凡察したエイダは一つ鎌を掛けた。

「カワキは大丈夫よ…それより彼のお父さん(・・・・)……『火影』は見つかったの…?」

「いえ…今のところ手がかりナシです ボルトがやった(・・・・・・・)という事以外は」

この会話を聞いたカワキもまた、現象のカラクリを静かに理解した。


(上だ…枝へ飛び移れ)

モモシキの助言を聞いたボルトが咄嗟にジャンプすると、次の瞬間にはミツキの攻撃で元いた地面が抉られた。
サラダも必死でミツキを止めようとするが、警告を無視したのは向こうであり命の保証は最早できないとして攻撃の手を緩めない。

訳も分からず逃げ出すボルトに、モモシキはミツキ以外にも「ボルト」を殺すための追っ手が続々とやって来る事を告げ、この現象の原因を語り始めていく…。

「これこそがエイダの持つ『魅了』の力の正体(・・)…」

「やつ自身にも制御不能な神の力(・・・)…」

「神術『全能』がもたらした結果(・・)だ」


全能───それは全知全能ののみが操れる神術の中の神術。
かつてチャクラの実を幾度も食らい、度重なる進化の果てに神へと至った大筒木シバイに宿りし究極の力である。

何もかもを具現化する絶対の意志にして創世の過程でも用いられたというその力は、本来の持ち主である大筒木一族のシバイにこそ扱えれど、DNAの移植で偶発的に発現したただの小娘に過ぎないエイダでは到底コントロールできなかった。
結果として彼女の潜在意識にある願望が「全能」によって具現化され、全人類に愛される制御不能の能力「魅了」として発現していた…というのが事の真相だった。

そして今現在起きているこの現象もまた、全能によってもたらされた結果の一つ。
エイダを通してカワキが全能を発動し、「七代目を守りたい」「モモシキを始末したい」「ボルトによそ者であってほしい」といった複雑な心境が潜在的な願望として具現化されたもの。
すなわち、自身とボルトの立場の「逆転(・・)である。


一方で「ボルト」の元へと急ぐシカマルはその傍ら、未だに所在が掴めないナルトとヒナタの安否だけでも確認するために、「ボルト」が襲った状況を千里眼で今一度エイダに見てもらおうとする。
元々はカワキが時空間忍術で異空間に隔離しただけであり、その気になればいつでも出てこれるのだが…"火影の息子"でなくなった「ボルト」に対して容赦はなかった。
言われた通りに確認しようとするエイダに対し、それを遮るようにこう言い放った。

「七代目は死んだ…そう言え」


「ボルトの手にかかり七代目は死んだ」


「…そう伝えるんだ」

「死んでも誰も悲しまねェよそ者」と化したボルトを確実に殺すため、虚言すら重ねる「カワキ」がそこにはいた。


「…オレと……カワキが 『逆転(・・)した(・・)だと……!?」

「何なんだよこれ…!!」

そして状況が未だ飲み込めないボルトに向け、モモシキは追い打ちをかけるように現実を突き付けていく。

変化したのは人々の「記憶」であり「共通認識」。
これまでカワキとして認識されていた人物は「ボルト」に、ボルトとして認識されていた人物は「カワキ」に入れ替わり、互いを取り巻く環境が完全に反転してしまったという事を。
カワキへと向かうはずだったミツキが、木ノ葉丸が、シカマルが、サスケが、木ノ葉の忍全員が「ボルト」を殺そうとしている事を。


「いずれにせよ…奴は」



木ノ葉の里で生まれ育ち 父と同じく里を救った英雄


火影の息子 "うずまき"カワキ



「そしてお前は…」



恩を仇で返し 英雄の七代目火影を手に掛けた反逆者


孤独なよそ者 うずまきボルト



「…理解したか?」


里での暮らしも、家族も、仲間も。そして「うずまき」の姓すらも…カワキの願いによって全てを奪い去られたただの(・・・)「ボルト」。
木ノ葉の英雄であるナルトを殺した仇敵として、里中からその命が狙われようとしていた…。


◆能力としての全能

全ての神術を詳細に把握しているモモシキ曰く「創世のためのプログラミング言語」「何もかもを具現化する絶対の意志」との事。
神となった大筒木シバイが振るう本来の「全能」ならば、文字通りどんな願いでも叶えられる万能の力として機能したと推測される。
基本的にシバイの神術は異空間にも効力が及ぶ性能となっており、全能もとあるキャラが身体を張って犠牲になってくれたおかげで世界全域が術の範囲と判明している。

作中ではシバイの身体を離れて三途アマドの手でそのDNAがエイダに移植され、ランダムに発現されるシバイの神術の中で「千里眼」と共に宿った。シバイガチャSSR
千里眼をコントロール可能なエイダでも全能だけは全く以て制御できておらず、彼女の意志を離れて以下のような現象として具現化されている。

具現化された現象

  • 魅了
エイダの潜在意識が具現化された現象。モモシキは「色恋の力」と評している。
願望としては恐らく「誰にでも愛されたい」といった感情が反映されたものと思われる。

効果はシンプルに「他者を自分の虜にする」というもの。
術に嵌まれば無意識のレベルでエイダに魅了され、目眩や発熱といった形で様々な症状が表れる。
魅了の度合いには個人差があり、単純なタイプはあっさり落とされたり理知的な人間はある程度抵抗できたりするものの、共通してエイダに対して絶対に危害を加えられなくなる
魅了に抗ってエイダを攻撃しようとしても本能が拒否して身体を動かせず、最悪の場合は精神がやられてしまう。

エイダの前にはいかなる手練れも無力化され、火影や大名といった肩書きも全て無意味になる。
その規格外な影響力について、身を以て体感したシカマルは「エイダがその気になれば、木ノ葉どころか火の国を始めとした全世界を手中に収められる」と畏怖していた。

当初は神術の一種として紹介されていたのだが、全ての神術を知っているモモシキに否定された事でしばらくの間は出自不明の謎能力となっていた。
実際にはシバイの真価を知らない三途アマドが能力の結果だけを見てそういう神術だと勘違いしていたのが真相であり、種明かしされるまではアマドの信用ならない胡散臭さを利用した「本当は科学忍具絡みの能力なのでは?」というミスリードとして描かれている。

  • 記憶改変認識改変
カワキの潜在意識が具現化された現象。
その効果については「話の流れ」の項目で説明した通りで、立場の逆転という願望を叶えるに当たって使用された。

詳しいメカニズムについては作中でモモシキが解説しており、曰く「チャクラを通じて繋がっている人々の意識に手を加える」事でこのような芸当を可能にしているらしい。
何とも無茶苦茶な論理だが、神ともなれば不可能ではないようだ。

ただし変化したのはあくまでも人々の「記憶」「共通認識」だけであって、現実その物が改変されたわけではない。
実際、作中でもサスケがカワキ(ボルト)に託したはずの額当てを何故かボルト(カワキ)が持っている事に違和感を感じており、改変前後でも元の物証はそのまま残り続けている。
しかし全能が恐るべきは認識の改変力にあり、もし何らかの違和感を抱けても急激に薄れていってしまう

そのため、一度改変された記憶と認識を改めるのは殆ど不可能と言っていい。
例外的なのがサスケで、愛娘に起きた異常事態と一生の頼みを受けて違和感の揉み消しに遭いながらも自分の記憶を疑い、弄くられた認識はそのままで全能の改変に逆らった行動を取っている。

なお、この現象に関しては今回のカワキによる全能だけでなく、過去にも何度か「神」となった大筒木達の手で知らず知らずの内に人類の記憶が弄られてきた事がモモシキより語られている。

術の範囲外

絶対無敵のように思える能力だが、どんな術にも弱点となる穴は必ずあるもの
全能にもその効力が通じない例外が幾つか存在する。

まずはシバイの同族である大筒木一族
登場人物の中でこの条件に該当するのは、「」によって肉体が大筒木化しているボルトカワキの二名のみ。
他にも存命中の大筒木としてはカグヤに加え、ウラシキから同族扱いされていたカグヤの末裔であるトネリも一応の候補として挙げられる。
もっとも、前者は外道魔像として始球空間の巨石に封印されており、後者もウラシキの封印術に掛けられてから何の音沙汰もなく、両名とも実質無力化されているのであまり影響はない。

また術者と血を分けた肉親にも通じず、エイダは弟のデイモンを「大筒木以外で自分を殺せる唯一の人物」と評している。
しかし大筒木一族は一個体の劇的な進化を望む種族のため、カグヤのような現地人とまぐわう異常性癖者でもない限り基本的に生殖を行わず血縁も発生しない。
エイダという地球人が全能を発現した事で生じた、イレギュラーに近い例外と言える。

他にも原因は不明ながら、うちはサラダ筧スミレには何故か通じていなかった。
大筒木一族でもエイダの肉親でもない二人に効かない原因は作中でも明確な謎とされており、今後の解明が期待される。


◆関連忍術

  • 別天神
うちはシスイが開眼した万華鏡写輪眼の瞳術。
幻術の中でも頭一つ抜けた「無意識レベルで対象を操る」という絶大すぎる効力故に「最強幻術」の異名を持ち、全能との類似性が読者から指摘されている。
実際に「忍術は神術と同じ現象を再現したもの」との経緯が作中では明かされている他、時空間忍術を操る神威神樹の力である木遁といった大筒木一族の力に先祖返りしたかのような能力はカグヤの血統で他にも存在する。
別天神も無限月読に対する月読のように、全能の一端がうちはの血脈において発現したものと考えられる。

また、天照須佐能乎といった日本神話の神々から技名が取られる事の多い万華鏡写輪眼の瞳術の中でも、別天神の元ネタに当たる別天津神は「神の中の神」と注釈される程に位の高い原初の神である。
天之御中(カグヤ)に高御産巣日神(モモシキ)等の大筒木一族が扱う瞳術のモチーフ元をまとめて引っくるめた神格のため、別天神が大筒木の中でも最上位の力に相当する全能と近い能力なのに説得力を持たせている。

世界範囲のあちらと比べると、術に掛けられる対象は一人だけの上に一度発動すれば十数年ものインターバルを必要とするが、カグヤを飛び越えて大筒木の究極奥義染みた術を両目に開眼できたシスイは大した奴ということである。



追記・修正はナルトの息子が活躍する新連載『KAWAKI‐カワキ‐』を読んでからお願いします。

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最終更新:2023年06月03日 07:57