フォトン・トルピード

登録日:2023/11/25 (Sat) 00:43:59
更新日:2025/03/13 Thu 00:36:42
所要時間:約 8 分で読めます





フォトン・トルピードを試します

えっ、な、な、なっ、何が!?

出力は100%じゃなかったはずだけど

あれがフォトン・トルピードの威力だってのか!


フォトン・トルピードとは、アニメ『ガンダム Gのレコンギスタ』の登場兵器。


【概要】

主人公のベルリ・ゼナムが搭乗するG系統(ガンダムタイプ・モビルスーツ)・YG-111 G-セルフ(パーフェクトパック)に搭載されている戦略兵器

劇中で使用した時間は僅か数秒にしか満たないものの、意味不明なまでの破壊力と惨状からベルリとベッカーをドン引きさせ、即時に武装としての使用を禁じ、生死に関わる危機的状況であろうと一切使用しない程の扱いを受けた禁忌の武装
TVアニメ版では驚愕の描写と設定の割には深く触れず終わった場面だが、劇場版では別物として新規映像で作り直し、設定に負けないほどの悍ましい惨状をベルリのみならず戦場にいた全員と視聴者に刻み込み、メンタルを削り取った。
そのためパーフェクトパック実戦投入前に「絶対兵器」としてメガファウナ陣営でデータが周知され、マスク大尉はG-セルフを「悪魔」、使用したベルリを「殺人者」と称している。

直接的な被害の表現は相当抑えられているため、バグサイクロプスジェネシスといったグロさはないものの、破壊力と惨状、何より使用者本人に与えた精神的苦痛はそれらに勝るとも劣らない宇宙世紀の負の遺産、黒歴史の一部と言える。
宇宙世紀の末期はこんな兵器を使っていたのだから、人類が滅亡寸前にまで至るのも仕方ないのかもしれない。


【フォトン・トルピード】

正式名称は「光子対消滅反応魚雷(フォトン・トルピード)SF作品でお馴染みの「光子魚雷」にあたる。
圧倒的物量の宇宙怪獣を相手に奮闘するガンバスターが積んでいるような武装。

パーフェクトパックはヘルメスの薔薇の設計図を元に、ハッパを中心としたメガファウナ技術者がビーナス・グロゥブから資材の提供、協力を受けて製作。
使用時には空色の粒子が飛んでいるように描写され、パーフェクトパックで生成した反物質結晶体を散布し、触れた箇所を消滅させる。
大げさに表現している訳ではなく、当たった箇所は爆発すら起こさず空間が削れたように次々と消滅していく。
最早攻撃を受けたとすら感じ取れないため、パイロットは何が起こっているのか理解できないまま機体と共に消滅し、部隊を指揮する戦艦では交戦が確認できない状態で突然機体の信号が次々とロストするという怪現象に見舞われた。

劇中では散布からものの数秒でモビルスーツ小隊を消滅させたにもかかわらず、試し撃ちとして出力を抑えて使用した状態であった。万が一フルパワーで仕様していたらどうなっていたのだろうか…。
Gレコのモビルスーツはフォトン・バッテリーという光を圧縮してエネルギーにする画期的な動力を搭載しており、G-セルフにも搭載されている。
またパーフェクトパックはそれまで登場した全てのパックの能力を随時切り替える形で再現可能でその分エネルギー消費も大きいが、周囲のフォトン・エネルギーを吸収するフォトン・サーチャーがあり、フォトン・トルピードを散布する事で敵を殲滅かつ光子を発生させてバッテリーを回復するという永久機関的な運用が可能である。

その結果、ラストバトルであるカバカーリー戦では、ラスボスがほぼ無傷、主人公機が最強武装を封印&バッテリー切れ寸前というガンダム史上稀に見る縛りプレイで対決。
カバカーリーもジット・ラボラトリィ製最高傑作と称される程だったが、敵は全てのパックを合わせたG-セルフ(パーフェクトパック)と相手が悪過ぎた。
マスクはベルリの血筋を指して「独裁者」と糾弾したが、対象を消滅させるフォトン・トルピードの方がよっぽど独裁者。
ベルリはアイーダの想い人・カーヒルや、恩師・デレンセン教官を手に掛けた事がトラウマとなり、人の命を奪う行為を最小限に抑えているためその後使用していないが、もし何かの間違いで命を何とも思わない人間に渡ってしまう事を考えると末恐ろしい。

人やモビルスーツが消滅するという視覚上のインパクトは、文明すら崩壊させた∀ガンダムの月光蝶と並べて語られるほどだが、デザイナーのあきまんこと安田朗氏はX(旧Twitter)にて「ターンエーの月光蝶は人工的に作られたウィルスみたいなものなので命令によっては地球上の全ての物質を砂にするのは出来ると思いますがGセルフでは東京の人を丸焼けにするぐらいしかできませんよ。フォトントルピードを使っても消せる容量は限られてる」とコメントしている。「くらいしかできない」レベルの威力じゃない…

…尤も、終盤のメガファウナ陣営にはフォトン・トルピード有するG-セルフのみならず、月光蝶を有するG-ルシファーも肩を並べている訳だが。

当該シーンの演出を担当した吉沢俊一氏によると、劇場版ですら描写は抑えられ「本当はもっと沢山の人が死んでいたんですが(中略)、脱出してモビルスーツに乗っていない、戦う意思のないパイロットなんかも問答無用で命が奪われてしまう」といった欠番シーンがあり、戦闘シーンが長過ぎたため制作デスクの大橋圭一氏が富野由悠季監督にお願いして削ってもらったとのこと。
尚、富野由悠季監督の劇場版完結記念インタビューによると、「G-セルフのデザインを発注した時に安田朗がビッシリ性能表を描いてきた。能力論ではなく感性。スペックを作りたがって。却下しろ!って言いたかった。だけど、70歳も過ぎて、若い人向けに作ろうとしている時に、全部使ってみせるくらいのことをしないと。本当にしょうがなく使ったわけです」(意訳)と語っている。


【劇中での扱い】

TVアニメ版第22話「地球圏再会」

最終局面で全ての陣営が宇宙に出揃う中、遭遇したキャピタル・アーミィのモビルスーツ部隊に対し使用。
パーフェクトパックから空色のフォトン・トルピードが放たれた途端ウーシァの全身が次々と消滅
戦闘指揮官のベッカーは常識外れの光景に思わず冷や汗をかくほど動揺し、残存部隊を後退させた。
周囲にいたアイーダ、ラライヤといったメガファウナ陣営のフォトン・トルピードに対する反応は描写されていないが、ベルリは破壊力の大きさに強い怒りを示してコクピットをぶっ叩き、その後使用する事はなく強すぎる力として事実上封印した。

劇場版「激闘に叫ぶ愛」



何が…起きているんです?目の錯覚か!?

なんかみんな消えたみたい…後続部隊の敵がいなくなった

これが、ヘルメスの薔薇の設計図の奥にあったもの…

絶対兵器なんて…冗談じゃないよ!!

こんなもの、使っちゃならないんだ!!


TV版以上に各勢力入り乱れて収拾がつかない混戦状態に陥った事から使用を決断。
メガファウナ所属パイロットは事前に「絶対兵器」として危険性を認識していたため、ベルリはギリギリまで使用を躊躇する描写が追加されている。
放たれたフォトン・トルピードによりキャピタル・アーミィのウーシァのみならず、トワサンガのモラン、アメリア軍のジャハナムグリモアといった各勢力が巻き込まれ、後続部隊が全て消滅
ベルリ、アイーダ、ノレド、ラライヤ、ケルベス、クリム、ミック、スルガン総監など、その場を目撃・観測した敵・味方全員が凍りついた。
しかもベルリに至っては、かつて宇宙世紀に存在したニュータイプと同様に、フォトン・トルピードに巻き込まれた人間の思念を察知して無数の叫び声を聴くという現象に見舞われている。
咄嗟に自分の首を締めかけるという行動を起こし、その惨状を再認識すると後悔や嫌悪感からかパーフェクトパック自体をパージ。
そのためクライマックスでのマスクが駆るマックナイフとの対決はパック無しの状態で行われた。
なお、外したパックはG-ルシファーが回収、装備しており月光蝶とフォトン•トルピードをあわせ持つとんでもない姿になっていた。

劇場版完結編「死線を越えて」では再びG-セルフにパーフェクトパックを装備しているが、やはりTV版同様フォトン・トルピードを2度と使用していない。


【ゲーム作品での扱い】

G-セルフ(パーフェクトパック)が参戦している作品には総じて武装として登場。
アニメ劇中のベルリはあまりの惨状から最初の一度しか使用せず封印したが、ゲームではエネルギーや弾数の限り使用可能。

G-セルフ(パーフェクトパック)の武装として通常攻撃とMAP兵器の二種類。
シナリオではイスルギルート34話でパーフェクトパック初登場と同時にアイーダを助けるため使用。
破壊力の大きさに戸惑うもハッパや頼れる仲間たち、アイーダの激励を受け、原作より強力かつ多数の敵と対峙する必要性や、何より無人機のルーン・ゴーレムを相手に散布したため大きなショックを受けずに済み、仲間によるメンタルケアのお陰かその後も問題なく武装として存在している。
対人相手にも使用している自覚はあり、「変な所に当たってくれるなよ!」とは言っているが大丈夫なんだろうか。

一出撃に一度だけの武装として使用可能。
射出までのタイムラグこそあるが低視認性と高弾速、そして命中すると高威力を発揮するためキメ技としては中々有用的。
G-セルフ(パーフェクトパック)参戦当初は横一列の水平放射だったが、後継作品では前方一斉放射になったりとマチマチな感じになっている。

スパロボと同じくG-セルフ(パーフェクトパック)の武装として特殊射撃属性の通常版とMAP兵器版の二種類が登場。
通常版は髙POWかつ防御無視という強力な特性*1を持ち、相当な高ダメージが出る強力な武装。
しかも気力制限が無くMP消費もなしとなっており、この性能を初手から振り回せるという点で並の必殺武装とは一線を画している。
MAP兵器版は自機中心に17×17マスを碁盤の目に区切ったような独特かつ非常に広い範囲を持つ。流石に範囲内の敵ランダム6体までという制限はあるが、こちらはこちらで防御ダウンのデバフが付くので十分強い。
どちらも強力だが本体側のEN吸収アビリティをもってしてなお厳しい燃費だけが唯一の欠点。


追記、修正を試します

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最終更新:2025年03月13日 00:36

*1 フォトン・トルピード以外だと月光蝶ぐらいしか持っていないレア能力