エクソシスター(遊戯王OCG)

登録日:2021/09/15 Wed 00:24:31
更新日:2025/11/02 Sun 14:45:18
所要時間:約 32 分で読めます





終末に集え、救乙女(エクソシスター)

加護の奇跡で魔を祓え!!



「エクソシスター」とは遊戯王OCGに存在するテーマのひとつである。



概要

2021年8月28日発売のデッキビルドパック「グランド・クリエイターズ」で初登場。
所属モンスターの大半が光属性で統一されており、種族はメインデッキに入るモンスターが魔法使い族EXデッキに入るモンスターの大半が戦士族となっている。

モチーフは悪魔祓い(エクソシスト)修道女(シスター)であり、普段はシスターとして祈りを捧げ、悪霊が現れるとエクソシストとして戦いに赴くというコンセプトだと思われる。

また、X召喚を主体としているため、テーマ名は「エクシーズ」にもかかっているものと思われる。
修道女故に所属モンスターは全員女性。閃刀姫六花イビルツインなどでお馴染みの、デッキビルドパック恒例の女の子テーマである。

メインデッキに入るモンスターたちの共通効果も含め相手の墓地利用に対する効果が多く、悪霊=蘇生されたモンスターを祓うイメージだと思われる。
下級モンスター4人はそれぞれ名指しで別のエクソシスターを指定する効果を持っており、関連カードのイラストの通り二人一組で行動している模様。
ヴァリュアブルブックEX2によると「姉妹(スール)の契り」を代わした二人との事で、戦闘時の保険の為に常にバディで行動しているとの事。
特に戦闘が激しい地域では複数バディでチームを組むとの事で、初登場時のメインデッキに入る4人は「チーム・リリウム」を結成しているという。
「リリウム(Lilium)」はラテン語でユリの意味。つまり名実共に百合テーマという事。
また「スール(Soeur)」はフランス語で姉妹の意味。百合小説『マリア様がみてる』の上級生と下級生が交わす義姉妹の契約も「スール」である。つまり名実共に(ry

その他には800LPを支払って発動したり守備力の下3桁が800だったりと、「8」に関する効果やステータスを持ったカードが多く存在する
エクシーズ体では全員に数字の「8」を模した装飾が確認でき、ある種のシンボルマークとなっている。
ただしテーマとしてはレベル4・ランク4であり、これらの値に「8」を持つのは1体だけである。

当初は「墓地メタが刺さる相手には刺さる」程度の評価であったが、2022年4月の追加カードを得てからは少しずつではあるが環境でも結果を残し始めている。
以降は「攻防のバランスが良い」「効果が単純で理解しやすい」「デッキ枠が余るので自由枠も広い」などの理由から初心者から上級者までオススメしやすいテーマの1つとされている。
そのためか「TACTICAL-TRY DECK」第2弾ではR-ACEと共に選ばれている。
タイトル名は「退魔天使エクソシスター」。……昔のエロゲを思わせるようなタイトルである。

効果モンスター

シスターとしての彼女らの姿で、全員がレベル4・光属性・魔法使い族・守備力800で統一されている。
最初に登場した4人は特定のエクソシスターの存在で800LP回復する効果と相手によって墓地からカードが離れた場合にエクソシスターX(エクシーズ)モンスターを重ねてX召喚する効果を持つ。
条件は墓地から「離れる」なので蘇生以外にもサルベージや除外でもX召喚できる。
追加カードである《エクソシスター・マルファ》は回復効果を持っておらずX召喚効果も僅かに条件が違っていたりと趣が異なる。


《エクソシスター・エリス》

効果モンスター
星4/光属性/魔法使い族/攻 500/守 800
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分フィールドに「エクソシスター」モンスターが存在する場合に発動できる。
このカードを手札から特殊召喚する。
自分フィールドに「エクソシスター・ステラ」が存在する場合、さらに自分は800LP回復する。
(2):相手によって自分か相手のカードが墓地から離れた場合に発動できる。
「エクソシスター」Xモンスター1体を自分フィールドのこのカードの上に重ねてX召喚扱いでEXデッキから特殊召喚する。

金髪でロングヘアの少女。パートナーはステラ。
エクソシスターが自分の場に存在する場合に自身を手札から特殊召喚できる効果を持つ。
緩い条件で特殊召喚でき通常のX召喚やL召喚に繋がる他、下記の《エクソシスター・マルファ》の効果でも特殊召喚されるため、フル投入推奨の重要カード。


《エクソシスター・ステラ》

効果モンスター
星4/光属性/魔法使い族/攻 300/守 800
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分メインフェイズに発動できる。
手札から「エクソシスター」モンスター1体を特殊召喚する。
その後、自分フィールドに「エクソシスター・エリス」が存在する場合、自分は800LP回復する。
(2):相手によって自分か相手のカードが墓地から離れた場合に発動できる。
「エクソシスター」Xモンスター1体を自分フィールドのこのカードの上に重ねてX召喚扱いでEXデッキから特殊召喚する。

荷物を抱えた内ハネ髪の少女。パートナーはエリス。
《エクソシスター・エリス》とは逆に、手札から他のエクソシスターを特殊召喚する効果を持つ。
こちらも展開の軸となる優秀な効果である。


《エクソシスター・イレーヌ》

効果モンスター
星4/光属性/魔法使い族/攻 400/守 800
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):手札から「エクソシスター」カード1枚をデッキの一番下に戻して発動できる。
自分は1枚ドローする。
自分フィールドに「エクソシスター・ソフィア」が存在する場合、さらに自分は800LP回復する。
(2):相手によって自分か相手のカードが墓地から離れた場合に発動できる。
「エクソシスター」Xモンスター1体を自分フィールドのこのカードの上に重ねてX召喚扱いでEXデッキから特殊召喚する。

緑がかった長い茶髪の少女で、何やら大きな荷物を抱えている。パートナーはソフィア。
手札のエクソシスターをデッキボトムに戻し、1枚ドローする効果を持つ
基本的に手札にダブついたカードを戻すことが基本になるだろう。


《エクソシスター・ソフィア》

効果モンスター
星4/光属性/魔法使い族/攻 100/守 800
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分フィールドに他の「エクソシスター」モンスターが存在する場合に発動できる。
自分は1枚ドローする。
自分フィールドに「エクソシスター・イレーヌ」が存在する場合、さらに自分は800LP回復する。
(2):相手によって自分か相手のカードが墓地から離れた場合に発動できる。
「エクソシスター」Xモンスター1体を自分フィールドのこのカードの上に重ねてX召喚扱いでEXデッキから特殊召喚する。

何処かを警邏している帽子をかぶった少女。パートナーはイレーヌ。
他のエクソシスターモンスターがいる場合に1ドローできる効果を持つ。
《エクソシスター・エリス》や《エクソシスター・ステラ》の効果で複数並べる事は容易なので効果は楽に発動できる。


《エクソシスター・マルファ》

効果モンスター
星4/光属性/魔法使い族/攻1600/守 800
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分フィールドのモンスターが、存在しない場合またはXモンスターのみの場合に発動できる
(この効果を発動するターン、自分は「エクソシスター」モンスターしか特殊召喚できない)。
このカードを手札から特殊召喚し、デッキから「エクソシスター・エリス」1体を特殊召喚する。
(2):自分か相手のカードが墓地から離れた場合に発動できる。
「エクソシスター」Xモンスター1体を自分フィールドのこのカードの上に重ねてX召喚扱いでEXデッキから特殊召喚する。

2022年4月発売のレギュラーパック「POWER OF THE ELEMENTS」で登場した追加カードの1枚。イラストはピンク髪でポニーテールの女性。
自分の場にモンスターがいない、もしくはXモンスターだけの場合に自身を手札から特殊召喚し、《エクソシスター・エリス》をリクルートする効果を持つ。
《エクソシスター・エリス》以上に緩い条件で特殊召喚出来る上にデッキから《エクソシスター・エリス》を連れて来るため、このカード1枚ですぐさまX召喚が出来る強力な初動カード。
ただし、この効果を使うターンはエクソシスターしか特殊召喚できなくなるという重い制約がある。
テーマ外の展開効果持ちカードでX素材を揃える事はおろか除去カードとして壊獣を使う事さえ許されないため、デッキ構築の段階から意識しておこう。

また、このカードのみ共通効果から“相手によって”の一文がなくなっている
そのため自分の《エクソシスター・ミカエリス》や《死者蘇生》などで墓地からカードを移動させてもX召喚ができるようになっている。

ヴァリュアブルブックEX2によると、かつてエリスには「姉妹の契り」を結んでいた行方不明の姉がいるとの事。
効果でエリスを指定している事から、明言されてはいないが恐らく彼女がエリスの姉にして元パートナーなのだろう。
そして、墓を荒らす事を許さないコンセプトのエクソシスターでありながら自ら墓荒らしする自作自演が可能な効果に不穏な物を感じる決闘者も少なくない。

エクソシスターのモチーフからして、名前の由来はおそらく「ベタニアのマリア*1」の姉、マルタ(「マルファ」は正教会での読み方)であろう。
後にドラゴンを倒したという伝説が語られているが、新約聖書や伝説の限りではマルタには裏切り者などといった不穏な要素やエピソードは無い。



エクシーズモンスター

彼女らのエクソシストとしての姿で、ほぼ全員が光属性・戦士族で統一されている。
守備力はメインデッキエクソシスターとは異なり統一されていないが、下3桁はやはり共通して800である。
ランク4モンスターのカード名は「変身者」と「天使」の名前を捩ったもので揃えられているのが特徴。


《エクソシスター・ミカエリス》
エクシーズ・効果モンスター
ランク4/光属性/戦士族/攻2500/守1800
レベル4モンスター×2
このカード名の(1)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):「エクソシスター」モンスターを素材としてこのカードのX召喚に成功した自分・相手ターンに、相手のフィールド・墓地のカード1枚を対象として発動できる。
そのカードを除外する。
(2):このカードは墓地から特殊召喚されたモンスターとの戦闘では破壊されない。
(3):このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。
デッキから「エクソシスター」魔法・罠カード1枚を手札に加える。

《エクソシスター・エリス》のエクソシストとしての姿。
由来は秤を持つ断罪の大天使「ミカエル」。
白い剣を武器としており、後述の《エクソシスター・リタニア》でもそうだが他の3人と比べると険しい表情が目立つ。

X召喚されたターン中に相手のカードを1枚フリーチェーンで除外できる効果と、X素材を取り除いてエクソシスター魔法・罠カードをサーチする効果を持つ。

(1)は言うまでもなく強力な除去効果。X召喚されたターン中ならいつでも発動できるので相手の動きを待って発動させることもできる。
(3)も強力な効果であり、状況に応じた魔法・罠カードを持ってくることができる。


《エクソシスター・カスピテル》
エクシーズ・効果モンスター
ランク4/光属性/戦士族/攻2300/守 800
レベル4モンスター×2
このカード名の(1)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが「エクソシスター」モンスターを素材としてX召喚した場合に発動できる。
このターン、お互いに墓地からモンスターを特殊召喚できない。
(2):このカードは墓地から特殊召喚されたモンスターとの戦闘では破壊されない。
(3):このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。
デッキから「エクソシスター」モンスター1体を手札に加える。

《エクソシスター・ステラ》のエクソシストとしての姿。
由来は諸説あるが、「ステラが土の星を守護する神の速さを持つ使者の力を纏った姿」という公式の記述から、土星を支配する天使「カプジエル」だと思われる。
巨大なパルチザンに近い槍を武器としている。
お互いの蘇生を封じる効果と、エクソシスターモンスターをサーチする効果を持つ。

(1)はこちらの蘇生も阻害してしまうが、エクソシスターは蘇生を主としていないのでそこまで大きな被害は受けない。
(3)は《エクソシスター・エリス》をサーチすると即座に特殊召喚でき更なる展開に繋げることができる。


《エクソシスター・ジブリーヌ》
エクシーズ・効果モンスター
ランク4/光属性/戦士族/攻1400/守2800
レベル4モンスター×2
このカード名の(1)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが「エクソシスター」モンスターを素材としてX召喚した自分・相手ターンに、
相手フィールドの効果モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターの効果をターン終了時まで無効にする。
(2):フィールドのこのカードは墓地から特殊召喚されたモンスターが発動した効果では破壊されない。
(3):このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。
このターン中、自分フィールドのXモンスターの攻撃力は800アップする。

《エクソシスター・イレーヌ》のエクソシストとしての姿。
由来は天啓を伝える大天使「ジブリール(ガブリエル)」。変身ヒロインでジブリールだからって変な事考えてはいけない。
白い銃を武器としている。
彼女のみ公式で設定画が公開されており、衣装や武器の詳細や、4人の中では彼女が一番背が高い事などが明かされている。
銃は聖水ないし聖水が持つ力を凝縮・圧縮して形成される弾丸を発射するものであるとの事。

相手モンスターの効果を無効にする効果と、Xモンスターを強化する効果を持つ。
(1)は相手の妨害に有効。こちらもX召喚したターン中ならいつでも発動できる。
(3)はこのカード自身を含む全てのXモンスターを、しかも効果発動後に出したXモンスターをも強化できるため高い爆発力を秘めている。


《エクソシスター・アソフィール》
エクシーズ・効果モンスター
ランク4/光属性/戦士族/攻2100/守1800
レベル4モンスター×2
このカード名の(1)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが「エクソシスター」モンスターを素材としてX召喚した場合に発動できる。
このターン、お互いに墓地のカードの効果を発動できない。
(2):フィールドのこのカードは墓地から特殊召喚されたモンスターが発動した効果では破壊されない。
(3):このカードのX素材を1つ取り除き、相手フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを手札に戻す。

《エクソシスター・ソフィア》のエクソシストとしての姿。
由来は諸説あるが、「ソフィアが金の星を守護する神の優美さを秘める使者の力を纏った姿」という公式の記述から、金星を司る天使「アナエル」だと思われる。
巨大な弓を武器としている。
深淵に潜む者》を思わせる墓地発動の効果を封じる効果と、相手モンスターを手札にバウンスする効果を持つ。

(1)はこちらの墓地の効果も封じてしまうが「エクソシスター」カードに墓地で発動する効果はないので被害は少ない。
(3)は言うまでもなく強力かつ汎用性の高い除去効果である。



奇跡と奇跡結ばれし時、もたらされるは希望の光。その輝きで、全ての魂を救済せよ!

集え!

《エクソシスターズ・マニフィカ》!


《エクソシスターズ・マニフィカ》
エクシーズ・効果モンスター
ランク8/光属性/戦士族/攻2800/守2800
ランク4「エクソシスター」Xモンスター×2
このカードは上記のカードをX素材にしたX召喚でのみ特殊召喚できる。
(1):このカードは1度のバトルフェイズ中に2回攻撃できる。
(2):自分・相手ターンに1度、このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。
相手フィールドのカード1枚を除外する。
(3):相手が効果を発動した時に発動できる(同一チェーン上では1度まで)。
このカードがX素材としている自分のXモンスター1体をEXデッキに戻す。
その後、そのモンスターを自分フィールドのこのカードの上に重ねてX召喚扱いで特殊召喚できる。

FNo.0 未来皇ホープ》や《No.100 ヌメロン・ドラゴン》のような、Xモンスターを素材に要求するXモンスター。
その中でも、ランク4のモンスター2体を指定するランク8で、あくまでこの正規の方法で出す必要があるという、筋は通っているのだが逆に珍しいタイプのテキスト
イラストでは《エクソシスター・ミカエリス》と《エクソシスター・カスピテル》が共闘している。並んだだけ融合ならぬ並んだだけエクシーズ。
「マニフィカ」の由来はキリスト教の聖歌「マニフィカト」からだと思われる。
ちなみに上記の召喚口上はこのカードの情報が初公開された公式の配信動画「遊戯王OCGタイムズ」で披露されたものである。

召喚条件は厳しいうえに蘇生もできないが、強力な効果を3つも持った【エクソシスター】の切り札というべき存在。

(1)は2回攻撃。シンプルながら強力な効果であり、イラストの2人が協力して戦う様が想像できフレーバー的にも悪くない。
(2)は相手カードの除外。対象を取らず破壊でもないために除去性能は高く、毎ターンフリーチェーンで発動できるため巻き返しも妨害も熟す事ができる。
(3)はX素材のXモンスターを自身に重ねる効果。サクリファイス・エスケープが可能なうえランク4エクソシスターの効果もちゃんと発動できる。
専用デッキ寄りの構築になるが、《ゼアル・フィールド》とコンボするとエクソシスター以外のXモンスターも出す事ができる。


《エクソシスター・カルマエル》
エクシーズ・効果モンスター
ランク4/闇属性/天使族/攻2600/守1800
レベル4「エクソシスター」モンスター×2
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードがX召喚した場合に発動できる。
このターンのエンドフェイズに、自分のデッキ・墓地・除外状態の「エクソシスター」魔法・罠カード1枚を自分フィールドにセットする。
(2):相手がモンスターの効果・通常魔法・通常罠カードを発動した時に発動できる。
このカードのX素材を全て取り除き、その効果は「相手の墓地からカード1枚を相手の手札に加える」となる。

2025年10月発売のレギュラーパック「BURST PROTOCOL」で登場した追加カードの1枚。
由来は火星を司る天使「カマエル」だと思われる。
《エクソシスター・カスピテル》と同じく巨大な刃先を持つ槍を武器としている。

X召喚したターンのエンドフェイズにエクソシスター魔法・罠をデッキ・墓地・除外ゾーンからセットする効果と、X素材を全て消費して相手のモンスター効果・通常魔法・通常罠の効果を「相手の墓地からカード1枚を相手の手札に加える」に書き換える効果を持つ。

(1)はタイムラグはあるものの幅広い範囲からセットできるため非常に強力。発動するのはX召喚時だが処理するのはエンドフェイズであり、その間に《エクソシスター・マニフィカ》の素材になるなどして場からいなくなっても適用されるのが地味にありがたい。
(2)は相手の行動を阻害しつつ墓地のカードを回収し、更に「相手によってこちらのカードが墓地から離れた」のでエクソシスター達の共通効果のトリガーになると言う一石二鳥どころか一石三鳥の結果をもたらす非常に強力な妨害効果。誰が言ったか「冤罪コンボ」「美人局」。

非常に強力なモンスターであるが、ランク4エクソシスターとしては初めて墓地から特殊召喚されたモンスターに関する耐性を持っておらず、更にX素材にエクソシスター縛りがついているためテーマ外のモンスターを採用する際は注意が必要。

《エクソシスター・マルファ》のエクソシストとしての姿。
……なのだが、他のエクソシスター達と違い天使族・闇属性と堕天使を思わせる種族・属性をしており、イラストでもエクソシスターの紋章がひび割れていたり、持っている槍が《エクソシスター・リタニア》で相対している悪魔の槍と同一だったり、効果の書き換えによって「相手に墓荒らしを強制させる」とエクソシスターと真っ向から対立している様に見える姿勢は闇堕ちを連想させる。
また、《エクソシスター・ミカエリス》の様な魔法・罠にアクセスする効果と、偶然にも手にした武器が《エクソシスター・カスピテル》と同じく槍な辺りからどことなくエリスへの執着とステラへの対抗心の様な物が窺えるが……?



魔法・罠カード


《エクソシスター・アーメント》

速攻魔法
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できず、墓地から特殊召喚されたモンスターが相手フィールドに存在しない場合、相手ターンにしか発動できない。
(1):800LPを払い、自分フィールドの「エクソシスター」モンスター1体を対象として発動できる。
同名カードが自分フィールドに存在しない「エクソシスター」Xモンスター1体を、対象の自分のモンスターの上に重ねてX召喚扱いでEXデッキから特殊召喚する。

相手の場に墓地から特殊召喚されたモンスターがいない場合には相手ターンにしか発動できない制約のある速攻魔法。

エクソシスターモンスターに重ねてエクソシスターXモンスターをX召喚する効果を持ち、フリーチェーンで不意を突いてXモンスターを出すことができる。

速攻魔法であることを考慮すると、カード名はお祈りで使われる言葉「その通りです(アーメン)」と「緊急、早急」を意味する「アージェント」の掛け詞か。
イラストでは《エクソシスター・エリス》が《エクソシスター・ミカエリス》に変身している姿が描かれており、悪霊が現れた現場に急行し、変身して戦うイメージなのだろう。


《エクソシスター・パークス》

速攻魔法
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):自分・相手のメインフェイズに、800LPを払って発動できる。
デッキから「エクソシスター・パークス」以外の「エクソシスター」カード1枚を手札に加える。
この効果でモンスターを手札に加え、
そのモンスターにカード名が記された「エクソシスター」モンスターが自分のフィールドか墓地に存在している場合、
さらに手札に加えたそのモンスターを特殊召喚できる。

エクソシスターカードをサーチする効果と、モンスターをサーチした場合にパートナーがフィールドか墓地に存在している場合に特殊召喚できる効果を持つ。
言うまでもなく便利なサーチカードである上に特殊召喚効果までオマケでついている。
速攻魔法なので相手が墓地のカードを動かすタイミングに合わせてエクソシスターを特殊召喚し不意を突いたX召喚も狙えるが、出せる枚数も少なく状況も限定されるので、その役割はどちらかといえば《エクソシスター・バディス》向け。

イラストでは崩壊した建物に慰問に訪れたエクソシスターたちが描かれている。
エクソシスターたちに声援を送る人影らしきものも確認でき、彼女らも笑顔(《エクソシスター・ソフィア》のみ照れ顔)で応えている。
空の部分に巨大ロボを合成しロボットアニメの1枚絵のようにしたコラ画像が有名。


《エクソシスター・カルペディベル》

永続魔法
このカード名の(2)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分フィールドの「エクソシスター」モンスターをお互いは墓地から特殊召喚されたモンスターの効果の対象にできない。
(2):自分が「エクソシスター」モンスターをX召喚した場合、カード名を1つ宣言して発動できる。
ターン終了時まで、宣言したカードと元々のカード名が同じカードの効果は無効化される。
(3):自分の「エクソシスター」モンスターが戦闘を行う攻撃宣言時、
相手フィールドの魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。
そのカードを破壊する。

限定的な耐性付与、宣言したカードの無効、エクソシスターの攻撃時の魔法・罠除去と、3つの効果を持つ永続魔法。

(2)の効果は相手のデッキのキーカードなどをピンポイントで封じることができる。
(3)は戦闘をすればするほどアドバンテージを稼げるが、《サイクロン》などと同様にチェーン発動には注意。

イラストでは《エクソシスター・ジブリーヌ》と《エクソシスター・アソフィール》が悪魔らしき敵と戦っており、下記の《エクソシスター・バディス》から続く場面だと思われる。


《エクソシスター・バト・マーテル》

永続魔法
このカード名の(1)(2)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードの発動時の効果処理として、以下の効果を適用する。
●デッキから「エクソシスター」モンスター2体を手札に加える。
その後、自分の手札を1枚選んで捨てる。
(2):自分フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターにカード名が記された「エクソシスター」モンスター1体の召喚を行う。
(3):モンスターが相手の墓地へ送られた場合に発動できる(ダメージステップでも発動可能)。
相手はその内の1体を除外する。

「BURST PROTOCOL」で登場した新規の永続魔法。

発動時の効果処理でエクソシスターモンスター2体をサーチしつつ手札を捨てる効果と、自分の場のモンスターにカード名が記されたエクソシスターを手札から召喚する効果、モンスターが相手の墓地に送られたら相手にその内の1枚を除外させる効果を持つ。

(1)の発動時サーチの強さは言わずもがな。しかも2枚サーチなのでエクソシスター達の特殊召喚効果を起動させやすくできるのが非常にありがたい。
(2)の効果も展開を伸ばしたり特殊召喚効果を潰された際のリカバリーに役立つ。(1)のサーチで召喚先のエクソシスターを用意できるためスムーズに発動が狙える。
(3)は相手の墓地利用を防げる上に「相手によって相手のカードが墓地から離れた」のでエクソシスターの共通効果のトリガーになれるためこちらも強力。

カード名はカトリック教会の聖歌の一つである「スターバト・マーテル」からか。
イラストでは《エクソシスター・カルマエル》が倒れている《エクソシスター・カスピテル》に槍を突きつけている。
まるで降伏を促している様にも見えるが……? 決して元カノと今カノの修羅場ではない……はず。


《エクソシスター・バディス》

通常罠
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):800LPを払って発動できる。
デッキから「エクソシスター」モンスター1体を選び、さらにそのモンスターにカード名が記された「エクソシスター」モンスター1体をデッキから選ぶ。
そのモンスター2体を特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターはエンドフェイズに持ち主のデッキに戻る。
この効果の発動後、ターン終了時まで自分は「エクソシスター」モンスターしかEXデッキから特殊召喚できない。

エクソシスターモンスターをコンビでリクルートすることができる罠カード。

《エクソシスター・パークス》と違って一気に2体展開できるのは強力だが、罠ゆえに発動が遅れやすいため、どちらかといえば奇襲的な目的で使うのが主となる。
特に相手が墓地のカードを動かしたタイミングにチェーンして発動するのが強力で、2体のエクソシスターが着地後即共通効果によりX召喚を行い、そのまま最大2妨害として機能する。

必然的に相手は伏せカードがこれである可能性を想定して動くことになるため、伏せカードを置いておくだけで相手が墓地のカードを動かしづらくなる副次的な影響もある。

イラストでは《エクソシスター・イレーヌ》と《エクソシスター・ソフィア》の「バディ」が、悪魔らしき敵と対峙している。


《エクソシスター・リタニア》

通常罠
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):自分フィールドのモンスターが「エクソシスター」モンスターのみの場合、
800LPを払い、相手のフィールド・墓地のカード1枚を対象として発動できる。
そのカードを除外する。
その後、以下の効果から1つを選んで適用できる。
●「エクソシスター」Xモンスター1体のX召喚を行う。
●このターンに自分がモンスターをX召喚している場合、相手フィールドのカード1枚を除外する。

場のモンスターがエクソシスターのみの場合にライフを支払って相手の場か墓地のカードを除外出来る通常罠。
更に追加で自分の場のモンスターを素材にエクソシスターをX召喚するか、このターンに自分がX召喚しているなら相手の場のカードを追加で除外するか選べる。

対象を取るとは言え場か墓地からなんでも除外出来るのは汎用性が高く、墓地のカードを除外したなら《エクソシスター・マルファ》のトリガーにもなる。

後半の効果の内、前者が行えるのはあくまで通常のX召喚であるため、下級エクソシスター共通効果のものとは混同しないよう気を付けたい。
後者の条件は下級エクソシスターの共通効果以外に《エクソシスターズ・マニフィカ》の(3)でも満たせるため、《エクソシスターズ・マニフィカ》→《エクソシスター・ミカエリス》の流れを踏めば、このカード含めて最大4枚の除外を狙えるのがポイント。

攻守ともに役立つ便利なカードだが、発動条件がエクソシスターのみ存在する場合なのが最大の欠点。
汎用モンスターを場に出していると、それだけで使えなくなってしまう。

イラストでは《エクソシスター・ミカエリス》と《エクソシスター・カスピテル》の2人が姿の異なる悪霊2体と交戦している。



相性のいいカード


レベル4モンスター

《幸魂》
手札から効果の形で召喚できる光属性レベル4天使族のスピリットモンスター。通常召喚権はそのまま残るため、他のレベル4を召喚すればX召喚に繋がる。
「召喚」なので《エクソシスター・マルファ》のデメリットに引っかからないのが最大の利点。
また《エクソシスター・マルファ》同様にフィールドで効果を発動するわけではないので着地狩りもされづらい。

《荒魂》
闇属性レベル4の悪魔族スピリットモンスター。
上記の《幸魂》をサーチできるので併用すれば《エクソシスター・マルファ》の制約に引っかからずにX召喚まで持っていける。
また、下記の《スモール・ワールド》で《幸魂》→《荒魂》→《エクソシスター・マルファ》などのエクソシスター全般をサーチできる利点もある。

《斎キ狭依姫》
自分フィールドに攻撃力か守備力が800のモンスターがいるときに手札から効果で自身を召喚できる光属性レベル4天使族のスピリットモンスター。
さらに召喚成功時、攻撃力か守備力が800の光属性か闇属性のモンスターをサーチできる。
下級エクソシスターは全員が守備力が800の光属性モンスターなため、召喚効果の発動条件にもサーチ先の条件にも合致する。
さらに《幸魂》同様、《エクソシスター・マルファ》の制約を回避しつつ場に出せるという完璧なかみ合いを見せている。

《絶火の大賢者ゾロア》
EXデッキは圧迫するが、エクソシスターを含むレベル4魔法使い族を特殊召喚できる魔法使い族モンスター。
チューナーなのでS召喚ギミックを組み込む事もできる他、彼自身は通常召喚によって場に出る事が多いため《エクソシスター・マルファ》のデメリットを回避しやすい。

●特殊召喚が可能なレベル4モンスターたち
下級エクソシスターと共にランク4X召喚に繋ぐ事ができる。
しかし《エクソシスター・マルファ》などが持つ「エクソシスター以外の特殊召喚を封じるデメリット」が発生してしまうと機能しなくなってしまうため《幸魂》と比べると優先度は落ちる。
+ 一例
《デーモン・イーター》
《ジゴバイト》
《稲荷火》
《ランリュウ》
ご存じ霊使いの使い魔たち。魔法使い族が場に存在すると特殊召喚できるレベル4モンスター。
下級エクソシスターは全員レベル4なので即座にランク4X召喚に繋ぐ事ができる。

《Emハットトリッカー》
場に2体以上モンスターが存在すると特殊召喚できるレベル4魔法使い族モンスター。
Emには他にも同胞の絆対応のトリック・クラウンやレベル4魔法使い族2体で出せるトラピーズ・マジシャンなど、エクソシスターと相性の良いカードが存在する。

《クロノダイバー・ベゼルシップ》
X素材を1つ取り除くと自己蘇生するレベル4モンスター。ハットトリッカーなどと同様比較的緩い条件で特殊召喚でき、X素材に活用できる。
【クロノダイバー】もランク4メインのXデッキであるため、混合デッキの構築も可能。

墓地に触るカード

●「ビーステッド」モンスター
D.D.クロウ
墓地のカードを除外する手札誘発モンスター。相手のカードを除外できれば墓地利用を妨害しつつ、《エクソシスター・マルファ》をXモンスターに変身させる事ができる。
シスター側が墓荒らしをするという点に目を瞑れば相性は良く、特に「ビーステッド」出張構築は近年の環境でも結果を残している。
ビーステッドはレベル6闇属性モンスターが主流のため、シンクロモンスターのカオス・アンヘル-混沌の双翼-の召喚条件を満たせる。
美少女とドラゴンのシンクロでマッシブな悪魔が降臨するのは文字通りカオスだが、高い打点と戦闘&効果耐性持ちが出てくるのは魅力的。

《俊足なカバ バリキテリウム》
《浅すぎた墓穴》
共に相手に墓地のモンスターを蘇生させ、エクソシスターの効果を誘発できるカード。前者はその相性の良さから「教会で飼ってるカバ」呼ばわりされる事も。
蘇生が任意だがランク4Xを狙えるカバと蘇生が強制で確実にX召喚できるが裏守備モンスターの利用に一考を要する墓穴、どちらを使うかは構築次第。

Xモンスター関係カード

天霆號アーゼウス
●《旋壊のヴェスペネイト》
もはや説明不要なX主体テーマのリーサルウェポンと、簡単な条件でエクシーズチェンジの出来る蜂型ロボ。
どちらも強力なカード(特に前者)で、エクシーズチェンジにより《エクソシスター・アーメント》の特殊召喚対象を増やす事もできる。
特に《天霆號アーゼウス》は高いカードパワーや上記のコラを公式が認知したのか、タクティカルトライデッキにてエクソシスター達に混ざって同時収録されている。

《時空の七皇》
EXのオーバーハンドレッドナンバーズを公開してそのランクと同じレベルで種族か属性の一致するモンスターをサーチしつつ手札をデッキトップに戻す。
No.102 光天使グローリアス・ヘイロー》か《No.104 仮面魔踏士シャイニング》を公開すれば《エクソシスター・マルファ》にアクセス出来る。
《スモール・ワールド》とは手札にモンスターが居なくても発動できる点と素引きした《エクソシスター・エリス》を戻して《エクソシスター・マルファ》のリクルート先の確保になる点で勝る。

《オーバーレイ・ネットワーク》
2つの効果でXデッキをサポートする永続魔法。
どちらの効果も有効に活用でき、Xモンスターにデッキの比重を傾ければデメリットも響かない。

その他

灰流うらら増殖するGなどの手札誘発モンスター
環境デッキと戦う際には必須級となる手札誘発モンスター。強力なカードではあるがエクソシスターとの直接的なシナジーは無い。
しかし、これらのメタカードである《墓穴の指名者》が墓地除外を行うため、エクソシスターが《墓穴の指名者》の発動を躊躇わせて安心して手札誘発が使える……かも。

《閃刀姫-アザレア》
L召喚時に場のカードを1枚破壊できるLモンスター。ただしその後墓地に魔法カードが4枚以上存在しなければ自壊してしまう。
L素材に光・闇属性が指定されているがエクソシスターなら全員条件を満たしているため問題は無い。
自壊デメリットのおかげで効果使用後は場からいなくなるため、《エクソシスター・リタニア》の発動条件を阻害しない点が最大の特徴。

《照耀の光霊使いライナ》
霊使いリンクの光属性担当。このカードから《神聖魔皇后セレーネ》→《アクセスコード・トーカー》と繋げば攻撃力5300(&除去効果持ち)のフィニッシャーを出せる。
また、《接触するG》や《飛翔するG》などのX召喚を妨害するモンスターを送り付けられた場合の対策にも使える。

《金満で謙虚な壺》
ご存じ金券……改め金謙。発動時の除外コストや複数のデメリットを持つが、キーカードの《エクソシスター・マルファ》を手札に加えるための手段としてよく採用される。
デメリットで《エクソシスター・ソフィア》の効果を潰してしまうのが嫌な人は下記の《スモール・ワールド》が代用カードとしてオススメ。

スモール・ワールド
手札・デッキのモンスターを裏側で除外して特定のモンスターのサーチを行う魔法カード。
幽鬼うさぎ》や《ディメンション・アトラクター》などの手札誘発モンスターを経由すれば相手へのメタカードを搭載しつつキーカードの《エクソシスター・マルファ》をサーチできる。



余談

  • 「墓地から離れた」というテキストを持つ初のテーマである。

  • 素材を揃えずに素材付きのX召喚を行い戦うという点は、既存のテーマである十二獣と共通する。
    無条件で重なってくるあちらよりは自重している感はあるが。え、マルファから勝手に重ねられた? 知らん、そんな事は俺の管轄外だ

  • 海外版イラストは衣装が全体的に明るいカラーリングになっている。軍服をイメージしてしまうためか、特定の宗教・宗派を連想させづらくするためだろうか。
    修道女関連のイラスト変更では《慈悲深き修道女》《儚無みずき》といった前例がある。
    マスターデュエルでは言語を変えるだけでイラストを確認できるので興味あったら見てみると良いだろう。
    ただ《エクソシスター・リタニア》のみ、《エクソシスター・ミカエリス》と《エクソシスター・カスピテル》のカラーリングが修正されておらず、元のまま。



追記・修正は悪霊を祓ってからお願いします。
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最終更新:2025年11月02日 14:45

*1 新約聖書には多数の「マリア」が登場するが、こちらはイエスの足に高価な香油を塗ったエピソードを持つ方のマリア。