登録日:2025/02/09 Sun 16:04:45
更新日:2025/04/17 Thu 07:07:48
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485系電車は、国鉄が開発した交直流対応の特急電車である。
概要
そのため、直流・交流両区間でも運行可能な特急電車として、すでに東海道・
山陽本線で好評を博していた151系「こだま」をベースに開発された。
国鉄末期からJR化以降、主に新幹線延伸による輸送体系の変化に伴い様々な改造車およびカラーバリエーションが誕生し、2010年代まで第一線で使用された国鉄形特急電車の代表格である。
本項では初期の複周波数非対応の481・483系、
信越本線横軽協調対応の489系、そして
JR西日本で改造された183系についても解説する。
車両解説
基本設計は151系に準じているが、床下機器の都合から車高が高くなった。
そのため、後年登場した181系の改造車と連結した際には凸凹が目立つ編成も現れた。
また、国鉄の電車では側面に電動サボを本格的に採用した車両でもある。
先頭車の形状は3種類あり、
○151系を踏襲したボンネット車(0・100番台)
○183系をベースに、正面に貫通扉を装備した200番台
○200番台をベースに貫通扉を廃止した「電気釜」(300番台以降)
に大別される。
200番台以降の増備車はクーラーの形状が異なり、初期は151系と同じキノコ型だったが、中期型はパンタグラフ付きモハが集中式、それ以外が分散式となっている。
151系は試作的要素が強かったせいか多数の形式が起こされたが、本形式ではクハ・モハ・サロ・サシの4形式に集約され、485系からサハ・クロが追加された。
主電動機はMT54形を採用し、歯車比は1:3.50となっている。
同時期に落成した
581・583系と混結が可能で、営業列車ではJR西日本のスキー列車「シュプール号」にて実績がある。
最高速度は120km/hだが、後年特例で130・140㎞/hで運行された列車もある。
形式別紹介
本項では新造車について解説する。
北陸・九州地区用に導入された60Hz対応のグループ。
落成当初はスカート部分が赤に塗られており、更に「ヒゲ」と呼ばれる赤塗装も入っていた。
このヒゲは後年九州地区以外の各地に採用され、485系の象徴的なデザインとなっている。
東北本線の盛岡電化時に導入された50Hz対応のグループ。
こちらはスカート部分がクリーム色に塗られている。
信越本線の12両編成運転に向け、EF63形との協調運転を可能とした系列。
見た目に関しては485系とほとんど変わりなく、485系との混結も可能(ただしEF63との協調運転は不可能)。
函館本線の特急列車向けに、1974年に登場した酷寒地向けのグループ。
元々同区間では交流用の特急電車が計画されていたが、それまで変圧器の絶縁に使用していたPCB(ポリ塩化ビフェニル)の有毒性が判明して使用が禁止されたことで開発が中断。再開までのつなぎとして導入された。
それまでの各形式と異なり、前面のライトが2灯式となっているのが最大の特徴で、北海道時代は先頭部の連結器が
機関車と同じ自動連結器になっていた。
このグループから食堂車の新造が無くなっている。
しかし本州や道南と性質の違う道央の雪に苦しめられ運休が頻発。先述した特急電車(→781系)の開発が再開され導入目途が立ったため、1980年に本州へ転属した。
奥羽本線の秋田電化開業に合わせて導入された寒冷地向けのグループ。
1000番台と名乗っているが登場は1500番台よりも後。
183系1000番台をベースとしたもので、これが485系の最終増備車となった。
ちなみに、同時期には上越線181系用のグリーン車としてサロ181-1100が落成している。
既に
上越新幹線の開業が決まっていたため将来の485系編入を前提に設計されており、新幹線開業後全車485系に編入された。
改造車
冒頭にも記したように、本形式は多数の改造車が存在する。
そのバリエーションは番号変更を伴うものから伴わないものまであまりにも莫大なため、代表的なものをピックアップする。
国鉄時代
東北本線の電化で生まれた先頭グリーン車で、新造車とともにサロ481から2両改造された。
数ある先頭化改造車の中では唯一、ボンネット型の先頭形状を持つ形式である。
サシ181を改造した食堂車。
車高はサシ489に合わせられたが、181系準拠のために489系とは微妙に車体断面が異なっていた。
1980年にクハ481形を改造して九州地区に導入された。
その名の通り映画や観光案内などのビデオを車内で放映するもので、座席を雛壇化した映画館のようなレイアウトとしている。
外観や車両番号の変更はなく、ドア部分に「ビデオ特急」のロゴが貼り付けられていた。
1985年に運行を停止。
余談だが同種の装置は同時期に
七尾線用のキハ58系にも「ロマンスカー」の名称で導入されたが、
やはり鉄道は車窓を見る人が多いせいか需要がなく、こちらもほぼ同じ時期に運行を終了している。
1984年のダイヤ改正で不足する先頭車を補充するため、なんと余剰となった181系の先頭車をそのまま改造した車両。
九州地区に2両配置された。
運転台に交直流切り替え設備を装備しておらず、1986年11月改正で設定された下関発着の「にちりん」運用に間違えて充当され、小倉で運転を打ち切られたこともある。このトラブル後に交直流切り替え設備が後付で設置された。
485系と181系は制御方式がほぼ同じであることから、先述したサロのように485系への編入を前提とした形式もあるのだが、181系として落成して485系に編入されたのは前述したサシ489-100と本形式のみ。
また、113系のグリーン車に編入されたサロ110形とともにJRグループに承継された数少ない181系である。
1984年(ryで登場。こちらも九州地区に配置された。
クロ481の格下げ車で、例によってシートピッチと窓割があっていない。
JR化後、1両だけクロに再改造された強運を持った車両がある。
1985年3月改正で
鹿児島本線の特急「有明」5両化に合わせ誕生した485系初の制御電動車。
最初に落成した0番台は運転台直後に機器室が設けられ、前面も電気釜ながら581系等で見られたスリット式のタイフォンという物々しい姿が特徴。
1986年には九州・東北地区の特急短編成化に伴い100番台・1000番台が登場しているが、こちらの見た目はおとなしい。
なお、スーパー雷鳥向けに登場した200番台については後述する。
1985年3月(ry
グリーン車を先頭化改造したものだが、種車に初期型も含まれていたため、史上初となる電気釜+キノコクーラーの組み合わせが登場した。
それまで特急のグリーン車は中間車に連結される例がほとんどだったが、先頭車をグリーン車にすることで普通車客の通り抜けを防止するというメリットが生まれ、以降後述のクロハを筆頭に、新車・改造車では一部を除き先頭車にグリーン席を設置する例が急増することとなった。
なお、JR化後に北陸地区でも同種の改造車が登場している。
1985年3月改正で北陸本線の特急「雷鳥」に導入された和式グリーン車。
食堂車のサシ481を改造したもので、ビュッフェと畳敷き和室にリニューアルしたもの。
「だんらん」の愛称がつき、車体には金帯が追加された。
1989年の「スーパー雷鳥」導入と同時に廃止され、一部の車両はそのままスーパー雷鳥のサロに再改造された。
西村京太郎の「
十津川警部シリーズ」には、多摩の住宅地にある本形式の保存車を描いたエピソードがある(なお、本形式の保存車は実在しない)。
1985年3月改正で
紀勢本線の特急「くろしお」に485系普通車4両編成が導入されたが、クハ481-200とともにコンビを組んだ先頭車がこの形式である。
最大の特徴が前面形状で、電気釜の顔だが貫通扉は開き戸式、幌枠もむき出しで
特急マークが平面というなんとも露骨なコストダウンが図られた。
ちなみに、後年381系も先頭化改造車が本形式と同様のいで立ちで落成している。
肝心の「くろしお」運用は速度が遅すぎると不評だったことから381系への統一が図られることとなり、1986年11月改正で全車九州及び北近畿・北陸地区に転出しわずか1年ほどで終わってしまった。
余談だが紀勢本線には
南海電車の難波駅から直通する列車「きのくに」が存在し、南海が気動車の置き換えとして485系を購入する計画が持ち上がっていたが、車両限界や和歌山市駅の連絡線問題があってとん挫している。
国鉄時代末期に登場した半室グリーン車。
当時発売されていたフルムーン夫婦グリーンパスへの対応策として、1986年に登場。
東北・北近畿・九州地区に導入され、地域によって微妙に改造メニューが異なる。
国鉄末期に余剰となったグリーン車を東海道線・横須賀線の113系に編入させたもので、化けサロの通称がある。
車体が113系のそれよりも大きく低く目立ったため、昔のグリーン車と言えばこれを思い浮かべる人も多いだろう。
内装もそのままなので快適性は抜群だったが、座席定員が少ないためラッシュ時には不評で、2階建てグリーン車導入とともに淘汰された。
因みにサロ110-302・303は485系から181系に改造されてから格下げされ、実に3形式を渡り歩いたという奇妙な経歴の持ち主。
JR化後
青函トンネル開業に伴い運行される
ブルートレイン用の食堂車として余剰になっていたサシ481・サシ489を24系に編入したもの。
改造点は塗装変更と簡易運転台の撤去程度で、車体や台車はそのままだったため他の24系の中では車高が低く目立っていた。
JR北海道・東日本の改造車が500番台、JR西日本の改造車が0番台を名乗る。
常磐線「ひたち」用のボンネット車置き換えのために導入されたサロ改造の先頭車。
見た目はクロ480そっくりだが普通車なのでシートピッチと窓割が見事に揃っていなかった。
種車は前述したサロ181出身組が大半を占め、中にはこの後お座敷電車に再改造された車両もある。
1988年に登場した「北越」「いなほ」用の改造グループ。
外観は白にマリンブルー・プレイングリーンのカラーとなり(通称「上沼垂色」)、以降同エリアの485系の標準色となった。
指定席車については先に登場した183系のグレードアップ車と同様側窓が拡大され、床面もハイデッキ化されている。
1989年3月のダイヤ改正で運行を開始したグループ。
最大の目玉はパノラマ型グリーン車のクロ481-2000・2100番台で、流線形かつ大型曲面ガラスを採用したため、先頭からの展望が可能になった。
種車は2000番台がサロ、2100番台がサハ。そのため、窓配置や車体長など様々な違いがある。
「だんらん」用のサロも再改造されクロの次位に連結されている。
1991年には七尾線電化に際し分割併合が可能な3両編成が新たに改造され、シリーズ初となる低運転台の先頭車クモハ485-200が登場した。
スーパー雷鳥廃止後は「しらさぎ」と後述する183系に転用され、前者はパノラマグリーンの国鉄色というウソ電なビジュアルまで現れた。
寝台特急「なは」の指定席車「レガートシート」用にサロ481から改造された形式。
車内は一人用リクライニングシートが3列配置されていた。
「なは」が2005年3月改正で「あかつき」との併結編成になり連結から外され廃車。
JR東日本が乗務員訓練用として改造した4両編成で、中間車にテーブルやモニターなどを設置して形式がモヤ484に改番された。
車体は国鉄色のままで、側面に「訓練車」の文字が入っている。
最後まで残った初期車ということで見事鉄道博物館入りを果たした。
1993年に登場した改造車で、番台区分はない。
外観はシルバー+黒のカラーリングとなり前頭部のライトが撤去されているほか、車内には観光案内のフリースペースが設置された。
JR東日本が経年20年を経過した485系をリニューアル改造した車両で、既存車両と比べて見た目が大幅に変わっている。
前面ロゴマークや行先表示器がLED化、前照灯もシールドビームに加えHID灯を搭載、尾灯もLED化された。
車体塗装は青森所属編成が白と紫のツートンに前面部は黄色、上沼垂所属編成は塗り分けは青森と同じだが、配色は先に挙げたグレードアップ車と同じものになっている。
基本6両編成だが、上沼垂所属車は「はくたか」用に9両編成も存在した。
その名の通り
東武日光線・
鬼怒川線直通特急用に改造したものだが、車両番号の改番はない。
元々は仙台運転所所属編成で、
新宿駅発着の臨時特急「あいづ」用として第1次改造を実施し、その後小山車両センター転属後に2次改造を実施している。
JR西日本183系
特急「北近畿」で使用していた485系の交流機器を七尾線向けの車両(415系800番台)に転用するために登場したグル-プ。
主幹制御器や歯車比が同じことからに183系を名乗っているが、千葉や信越で走っている本家183系とは一切無関係。
分類は
○113系への交流機器捻出のため、1990年に登場した初期グループ
○1996年の山陰線電化に伴い登場したグループ
○2003年の「まいづる」併結運転開始に伴い登場した元「スーパー雷鳥」グループ
○2009年のATS-P設置工事に伴う予備車確保を目的としたグル-プ
に分かれ、100両以上の大所帯となった。
番台区分は800番台で、2003年改造車は200番台を名乗る。
塗装は当初国鉄特急色の窓下に一本ラインが追加されたものだったが、1996年に増備された編成はベージュとブラウンの西日本標準色となり、2009年グループについては国鉄色そのままだった。
余剰車を手当たり次第に転用したせいか、貫通型・非貫通型・キノコクーラーと形態がカオスぶりを誇る。
ジョイフルトレイン
いずれもJR東日本の車両で、ジョイフルトレイン全般が衰退傾向にあった90年代後半以降も改造車が数多く登場し、末期にはジョイフルトレインを観光列車に仕立て直した車両も登場した。
なお、これらは485系を名乗っているが「彩」を除き車体は全て載せ替えている。
新潟車両センター所属。1990年9月から2001年6月まで「シルフィード」として、2001年10月から2018年1月まで「NO.DO.KA」として運用。
先頭車両は
名古屋鉄道のパノラマカーや
小田急ロマンスカーを思わせる2階運転台となっている。
ディーゼル発電機を装備し、非電化区間も走行可能でカラーリングを合わせた専用機関車(DE10 1701)も用意された。
勝田車両センター所属。1991年5月から2018年1月まで運用。
当初は洋風の座席車だったが、需要の高さから1998年にお座敷に改造された。
4号車はディスコ風の内装を持ったイベント車となっている。
非電化区間入線用の電源車(マニ50 2186)も用意され、双頭連結器を装備していることから本家廃車後も機関車で電車を回送する際の控車として使用された。
お座敷改造電車第1弾。1994年6月から2019年2月まで運用。
車両限界を大きくとった車体と非貫通式の前面形状が特徴で、以降485系ジョイフルトレインはこの形態を踏襲することとなる。
6両編成の車両ごとに、頭文字がいろは歌順になるよう名前が付けられ、1号車から順に、「いこい」、「ろばた」、「はなやぎ」、「にぎわい」、「ほほえみ」、「へいあん」。
お座敷改造電車第2弾で、1997年4月から2022年10月まで運用。
ジョイフルトレインの電車列車統一を目的に導入された。
165系「なのはな」置き換え用に導入されたお座敷電車第3弾で、1998年2月から2016年8月まで運用。
座席車としても、掘りごたつ式のお座敷車としても運用可能。
高崎車両センター所属。やまなみは1999年6月、せせらぎは2001年3月に運用を開始。
やまなみ・せせらぎは掘りごたつ式のお座敷車両。2編成を併結した運用も想定されており、やまなみに1~4号車、せせらぎに5~8号車が割り振られていた。
両編成とも2010年12月までに運用を終了し…
そして、そのやまなみ/せせらぎを再改造したもの。
先頭車はせせらぎのそれが使われ、座席車への改造し2011年8月から2022年12月まで運用された。
姿形は変われど485系として最後まで運用された列車である。
羽越本線の同名の快速列車用として、2001年11月から2019年9月まで運用された。
基本構造はお座敷電車に近いが、全車普通席のため700番台を名乗っている。
長野総合車両センター所属。2006年1月から2017年9月まで運用。
簡易的な個室車を中心とした6両編成で、各車両のイメージカラーはそれぞれ異なる長野名物に合わせられている。
前面には液晶モニターが取り付けられ、特徴的な正面部分から誰が呼んだか通称
フリーザ様。
盛岡車両センター所属。2012年4月から2021年10月まで運用。
「やまなみ」の先頭車と余剰となっていた3000番台の中間車で組成した究極の寄せ集め編成。
カラーリングは2011年に世界遺産に登録された平泉をモチーフにしており、
東北本線の一ノ関~盛岡間を走る「ジパング平泉」として運用された。
運用
北海道
1975年7月から前述した1500番台が特急「いしかり」にて運用されていたがいったん撤退し、1988年3月の青函トンネル開通により特急「はつかり」が函館まで延長運転が実施されることとなり、再度北海道内での運用が行われるようになった。2002年12月からは列車名を「白鳥」に改め、
北海道新幹線が開業する2016年3月まで運用された。
東北地区
東北新幹線開業までは上野発着の「やまびこ」「ひばり」「つばさ」「やまばと」で使用され、新幹線開業後は新幹線接続列車(「はつかり」「あいづ」「いなほ」「かもしか」)を中心に運用された。
また、2006年3月から2011年6月まで、東武鉄道直通特急「日光」・「きぬがわ」にも使用。485系では数少ない全区間直流区間の特急運用である。
老朽化及び
東北新幹線の延長開業に伴い、2016年までに全車引退。
常磐線
国鉄末期には北陸地区とともに各地から大量のボンネット先頭車が集約する形で配属された。
これは常磐線特急は比較的長編成が多く、座席定員の少ないボンネット車の運用には適していたことや、分割民営化後は新会社(=JR東日本)が真っ先に置き換えに着手することを考慮し、わざとボロを回したともいわれている。
その意向からか1989年に651系「スーパーひたち」登場後置き換えられたが、一部の編成はグレーベースの新塗装化も実施され、14両連結運転のためにスカートを改造する工事も実施された。
E653系導入に伴い1998年で引退。引退前には国鉄特急色のボンネットリバイバル車も登場し有終の美を飾った。
信越地区
最晩年まで金沢~新潟間の「北越」や首都圏~北陸圏直行の夜行列車「能登」として定期運用が存在したほか、ディズニーリゾート臨や大阪方面のイベント列車への充当、後述する日本海縦貫線時代の「はくたか」の予備編成(実際に代走充当された記録がある)としてなど稼働率・入線実績のある範囲はかなり大きかった。
また、1997年3月に特急「みのり」で高田~新潟間で運用されていたが、2002年12月に快速「くびき野」に格下げした上で運行区間を新井~新潟間に変更。北陸新幹線の長野~金沢間が延伸開業した2015年3月まで運行された。
489系は上野~金沢の「白山」に使用。JR時代は白い車体に窓回りを赤く、下部は青く塗装していたが、のちに国鉄色に戻された。上越線経由の急行「能登」にも使用。さらには、「はくたか」の代走で北越急行線内を走行したことも何度かあった。
北陸地区
常磐線と同様の前述の理由からJR化後もボンネット車が多数運用されていた線区。
京阪神発着の「雷鳥」や名古屋発着の「しらさぎ」をはじめ、
東海道新幹線・
上越新幹線に接続する特急で使用された。
分割民営化後は新幹線接続特急「かがやき」「きらめき」用に485系では初となる塗装変更車が登場し、以降北陸地区では数多くのカラーバリエーションが誕生し彩を添えることとなる。
「雷鳥」では、1986年12月から当時非電化だった
七尾線に直通する気動車特急「ゆぅトピア和倉」との併結運転を開始。
これに伴いボンネット車ではスカートの切り欠き工事が実施され、後にライトカバーも撤去され著しく原型を損ねることに。
ちなみに「しらさぎ」編成は置き換えまで原型のまま残されており人気を博した。
「スーパー雷鳥」編成は2001年以降、青と黄色の新塗装に塗り替えて「しらさぎ」「加越」で運用されたが、2003年に683系に置き換えられ、国鉄色で「雷鳥」として運用された。
「雷鳥」からは2011年3月に681系・683系に置き換えられ、列車名もすべて「サンダーバード」に変更される形で引退した。
ちなみに一部の「雷鳥」には先述した上沼垂色の編成が「白鳥」との運用の兼ね合いで使用されることもあり、日によっては「雷鳥」編成の間合い運用のホームライナー列車「びわこライナー」に新潟色の編成が充当されることもあった。
九州地区
当初は京阪神地区から乗り入れる「つばめ」「はと」を中心に活躍し、山陽新幹線博多開業後は島内列車として九州全域で活躍するようになった。
1976年の
長崎本線・
佐世保線電化開業時には肥前山口駅(現:江北駅)で分割併合を行うため「みどり」向けに4両編成が登場。当時としては珍しい短編成列車であった。
民営化後の1990年からは水戸岡鋭治デザインによるリニューアル、いわゆる「赤い485系」が登場。
従来の塗り替えとは一線を画す大胆なデザインが大きな話題を呼んだが、ボンネットへの塗装変更については否定的な見解を示す人も多かった。
このリニューアルでは「ハウステンボス」向けの編成は赤・緑・青・黄色の4色のブロックパターンを、「きりしま」向けの編成は緑色の塗装を採用している。
分割民営化後には特殊な運用が多かったのも特徴で、
- 783系とともに当時非電化だった豊肥本線水前寺駅までディーゼル機関車の牽引で直通。
- キハ183系「オランダ村特急」と併結し、世界初となる電車と気動車の協調運転。
は特筆されよう。
九州新幹線の開業後余剰となった783系・787系の導入で徐々に運用を狭め、2015年に引退。
保存車
以下の他にサシ481・489から24系の食堂車に改造されたスシ24形にも保存車がある。
過去には余剰となった食堂車が民間に払い下げられ飲食店などとして多数活用されていたが、サシ481-48を除き現存していない。
2両連結した状態で埼玉県の鉄道博物館で保存。現役時代は勝田車両センターで乗務員訓練車として使用されていた。
新潟県の新潟市新津鉄道資料館で保存。
羽越本線を中心に使用されたが、転属回送の控車として西鹿児島(現:鹿児島中央)まで入線経験があり、北海道から九州まで唯一走行経験のある485系として保存されている。
小松駅前にある土居原ボンネット広場で保存。
屋外保存ということもあり、保存団体による定期的な再整備が実施されている。
EF63と連結する側なので連結器カバーが付いていない。
京都府の京都鉄道博物館で保存。前述のクハ489-501とは現役時代同じ編成に組み込まれていた。
福岡県の九州鉄道記念館で保存。
246は先頭部分のカットモデルで、現役末期のRED EXPRESSカラーで保存。
福岡県の小倉総合車両センターで保存。
岩手県の盛岡市立太田スポーツセンター近隣で喫茶店→倉庫として利活用されていた。今後保存団体に引き取られて修繕と石川県への移設が予定されているとか。
余談
電化区間ならどこでも走れる本形式だが、JR電化路線のあった
鳥取県・
島根県・
愛媛県には最後まで入線実績がなかった。
四国では2001年5月12・13日に臨時急行「サンポート高松」として
香川県の高松駅まで入線したのが唯一の事例である。
非電化区間では1991年のGWに「ひたち」を延長する形で第3セクター・鹿島臨海鉄道大洗鹿島線に乗り入れる計画があり、同線内での訓練運転も実施されたことがある。
ところが、直前に発生した信楽高原鉄道線の列車衝突事故で3セクへのJR列車乗り入れが自粛される事態となり、この運用はお蔵入りとなってしまった。
関連作品
70年代後期より「L特急」の名で販売。1980年代後期~2000年代初頭ではヘッドマークが「あさま」であり、489系(189系の可能性もあるが)がラインナップ入り。
1990年代にはJR九州の改造車「KAMOME EXPRESS」が単品ラインナップ入り、セット品限定で上沼垂色とハウステンボス色が登場。但しハウステンボス色は
大人の事情で「カラーそのまま+『TOMICA EXPRESS』というロゴ」のそれっぽいデザインとなっている。
2003年以降は北陸新幹線(当時は長野新幹線の呼称を使用)の長野以南開業後の時勢であり、時代に合わせて北陸本線の特急「雷鳥」にヘッドマークを変更。品番はS-24で「485系L特急」とついに商品名に485系の名前が登場。2009年、雷鳥のL特急の指定解除前年に「485系特急電車」に商品名を変更更に金型を新規のリアルなものに変更し、2018年まで販売された。
その他きりしま&ひゅうがや日光号、3000番台がセット品限定、レッドエクスプレス色がショップ限定品で発売された実績がある。
そして2023年からは『リアルクラス』でも各種カラーバリエーション含め展開されている。
品番ト-08で国鉄色の「485系L特急雷鳥」が、ト-09でJR九州の「485系L特急レッドエクスプレス」がポケトレイン展開開始と同時期の2001年9月に発売、時期を置いて2002年にト-18で2001年~2003年のしらさぎでのみ採用された青色塗装で「485系L特急しらさぎ」が発売された。
また、キャンペーン記念品として白色1色のものも存在する。
いずれも300番台以降の485系がモデルとされていたため、しらさぎのみパノラマグリーン車を連結していないY23編成を除いてモデルと合致する編成が存在しない。
上述のポケトレインの販促アニメ。3種類ともすべてオープニングに登場はしているが、本編での扱いに差があり、レッドエクスプレスは初期の車両解説、後期のストーリーの両方に登場しているが、雷鳥も同じく両方に登場するが、
E3系0番台と並び数少ない女性キャラクターという個性があったもののセリフがあったのは車両解説のみ、しらさぎに至っては放送時期の関係もあるが、本編への登場を果たしていない。
- 高速編では「はくたか」を西日本色と3000番台で運転可能。
- プロ仕様では高速編に加えて、「こまくさ」(専用色)、「雷鳥」(国鉄色の14号と3000番台の22号)、「スーパー雷鳥」(リニューアル車)、「白鳥」(ボンネット)、「ソニック1号・にちりん」(RED EXPRESS車)
- プロ2では「雷鳥」(国鉄色、上下線収録)、「白鳥」(ボンネット)
とシリーズ全部で7種類の名前の列車を運転可能。もちろんシリーズ最多である。
登場するでんこの内『きらきらうえつ』がモチーフの象潟いろは、『NO.DO.KA』がモチーフの粟生津しいらが登場。後者は『シルフィード』から名前が取られている。いずれもリリース当初の2014年から実装されている。
尚通常の485系は不在。リリース当初時点で通常の485系は風前の灯だったから仕方無いものの、殿ふじこ(モチーフは20系客車というか文化としての「ブルートレイン」)や為栗メロ(初代ED30形)、新阪ルナ(583系)のようなケースが存在することを考えれば将来的に登場する可能性はあるだろう。
まあ10年やってて限定キャラ含めても0系新幹線や500系新幹線のキャラがまだいないゲームなんで…。
追記・修正は莫大なバリエーションの解説を中心にお願いします(懇願)。
- 置き換えが早いイメージのJR東日本車よりもJR西日本・JR九州車の方が先に運用終了した代表格。何もしなかったから先に運用終了したとも言う。 -- 名無しさん (2025-02-09 20:58:15)
- もう全部あいつ一人でいいんじゃないかな(なお北海道) -- 名無しさん (2025-02-09 22:04:54)
- ↑1・2 まさに「あいつひとりでいい」を地で行き過ぎた結果、JR東がJTで最後まで擦り倒すとはだれも思わなかったろう。 -- blackboshi3700 (2025-02-10 17:38:28)
- 過剰な記述削減が確認されたため、2025/02/16 (日) 22:23:24の版に差し戻そうと思っていますが、どうお考えですか? -- blackboshi3700 (2025-03-17 10:22:46)
- ↑ 賛成。 -- 名無しさん (2025-03-18 01:59:28)
- 差し戻し案に賛成意見が入ったため、↑2の通りの差し戻しとコメント欄の復帰作業を行いました。 -- blackboshi3700 (2025-03-18 10:18:42)
最終更新:2025年04月17日 07:07