ホーリー・エルフ(遊戯王)

登録日:2025/02/16 Sun 13:30:23
更新日:2025/05/04 Sun 00:05:50NEW!
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ボクの次のカードは―「ホーリーエルフ」のカード!

(「ホーリーエルフ」は守備力は高いが、攻撃力では「ミノタウルス」にはかなわない…)
(ここは「守備」を選んでなんとかもちこたえるしかない…)

おっと……!「ホーリーエルフ」の守備力はボクのカードの攻撃ポイントより高いハズ…
うかつに手を出すとボクのライフポイントが削られてしまう…
ここはボクの「ミノタウルス」も「守備」にする


《ホーリー・エルフ》とは、高橋和希原作の漫画『遊☆戯☆王』に登場するカード、及びそれを元にした遊戯王OCGに存在するカードの1つである。


【性能】

通常モンスター
星4/光属性/魔法使い族/攻800/守2000
かよわいエルフだが、聖なる力で身を守りとても守備が高い。


【原作・アニメにて】

見た目は青い肌に金髪で、目を瞑って祈っているポーズが特徴的な穏やかなエルフの女性。
主人公武藤遊戯が使うモンスター。作中で初めて登場した女性モンスターである。
攻撃力は低いが守備力が非常に高く、海馬の《ミノタウルス》の攻撃力1700から身を守るために召喚された。
冒頭の台詞はその時のものであり、M&Wのルールを実践形式でわかり易く表現された形となる。
地味にセリフ的には後にサギーで明確に描写される「守備表示ではプリズム加工により相手からはステータスが見えない」が発揮されたようだが、
このゲームのエキスパートである海馬は普通にステータスを知っていたため、この機能は特に意味なく終わっている。

場は一瞬膠着状態になり遊戯は切り札を引こうとするが、ドローカードは能力の低いカード。対して海馬が魔法カード《巨大化》を引いた事で《ミノタウルス》の攻撃力を引き上げ、守備力を上回られた《ホーリー・エルフ》は斬首された。ついでに《ワイト》は片腕だけで握りつぶされた。
流石に残酷過ぎる為か、東映版では跳ね除けられて画面外に退場という描写になっている。

……と初登場時はやられ役だったが、実は彼女には隠された力があり、自らの攻撃力を他のモンスターに分け与えるという補助魔法が使えた。
特に原作では死の腹話術師戦の同時期に海馬が意識を取り戻し、《ホーリー・エルフ》の補助を受けた《青眼の白龍》がトドメを刺すというドラマチックな展開が描かれている。

また遊戯のデッキでは貴重な女性型モンスターであり、孔雀舞の《誘惑のシャドウ》の効果を受けなかった。
そっちの気があったらどうなってたことか。
とはいえ対抗できたわけではなく、ハーピィ三姉妹によって一方的に 熱殺!! されてしまった*1
他、「デュエルクエスト編」で登場したモクバそっくりの「メアリー姫」の正体がこの《ホーリー・エルフ》であり、TRPG的要素の強い王国編までは神秘的な存在かつ「カードにおけるヒロイン的立ち位置」として見られていた。CVは後にGXで早乙女レイを演じる仙台エリ

だがカードのルールが整備されたバトルシティ編以降ではディフェンダーの役目をより守備力の高い《ビッグ・シールド・ガードナー》に譲ったのか登場しなかった。
しかし遊戯のデッキには入りつづけていたらしくGXにて遊城十代と戦った際に召喚され《ディメンション・マジック》のコストとなり《ブラック・マジシャン》へ繋ぐという地味な活躍を見せた。


【OCG、ラッシュデュエルでの活躍】

Vol.2というかなり早い段階で登場した。ちなみにこの時はスーパーレア。同パック内で守備力2000の《ハープの精》がノーマルで収録されていたのは密に、密に*2
レベル4で守備力2000というのは第1期最強格の下級モンスターだった《ヂェミナイ・エルフ》や、彼女らを含む1900打点の下級モンスターでは突破できない数値であり、
彼女で耐え忍んでレベルの高いモンスターを用意するというのが最初期の戦い方であった*3
同パックのウルトラレアである《カース・オブ・ドラゴン》をも水際で止められると言えば守備力2000が重要な要素だったのは明らかだろう。
また攻撃力800というのも意外とバカにならない、《ホーリー・エルフ》に10回殴られたらデュエリストは敗北するのである。かよわいエルフ?
攻撃力の高いカードはそれだけ価値があり手に入れにくいが、守備力の高いカードは手に入りやすいという状況だったため、《ホーリー・エルフ》をはじめとしたレベル4守備力2000は当時の小学生デュエリストの間では貴重な戦力であった。
また融合モンスター《カオス・ウィザード》の融合素材でもあるが、その《カオス・ウィザード》も攻1300/守1100という弱小モンスターであり正規融合する価値はない。
レベル4の魔法使い族なので何かしらのコンボには使えるか。それと一部の昔のゲームでは大活躍した。

尤もすぐに《岩石の巨兵》という同じバニラでレベル3・攻撃力1300・守備力2000というほぼ上位互換が登場。
更に《幻影の壁》・《魂を削る死霊》・《マシュマロン》・《機動砦のギア・ゴーレム》と言った優秀な壁モンスターも次々と登場し、環境の最前線からは姿を消した。
とはいえ原作に登場したカードであることから手に入れやすくステータスも低いわけではないので、財力に厳しい若年層デュエリスト達のデッキを支え続けたのは間違いない。
よく見ると割と攻めた格好しているのでそういう意味でも世話になった少年達は多いかも知れない。

遊戯王ラッシュデュエルではステータスが高すぎるためLEGEND枠となっている。
だがステータスだけの採用は難しい。現状では属性と種族、そして使いやすいLEGENDというのを活かしたい場合のみに採用されている。

【関連カード】


《ホーリー・エルフの祝福》
通常罠
(1):自分はフィールドのモンスターの数×300LP回復する。

ホーリー・エルフの名前を関するカード。自分、相手フィールドのモンスターの分だけライフを回復出来る。
かつての環境では最大で3000、今だと3600回復できるが、相手に依存するしそもそもライフアドバンテージは余り重視すべき要素ではなく環境で使うには厳しいカード。
だが一瞬だけこのカードが注目されたことがある。それが《ビッグバンガール》を主体とした【キュアバーン】。
《ビッグバンガール》が回復する「たび」に500バーンを与えるというカードだが、当初の《ホーリー・エルフの祝福》は「モンスターの数だけ回復行為を行う」という裁定が出ていた。
要するにフィールドにモンスターが3体いたら「300回復を3回行う」=「《ビッグバンガール》のバーンも3回行い相手に1500ダメージ」という事となり、雑に大ダメージを与えられたわけである。
まぁそんなお手軽ワンキルが許されるわけもなく「どれだけモンスターがいても回復するのは1回」という裁定となった。
その直後、アニメDMにてレベッカ・ホプキンスが《ホーリー・エルフの祝福》を使うもバーンは1回しか与えておらず、「ルールが変わった」事を視聴者やデュエリストにアピールしたりもしていた。

『5D's』ではチーム太陽の甚兵衛が使用、ジャックが相打ち狙いで発動した《ショック・ウェーブ》で4000ダメージを受けあわやワンショットキルという所で発動、1800LP分回復したことでジャックを自滅に追い込みつつ凌ぎ切るというまさかの活躍を果たした。
この時、LPが1まで達した所でカウントが止まり、1800に回復して行くという演出が取られた。
演出優先の見せ方でこのようにしたと思われるが、実際の処理としては《ホーリー・エルフの祝福》でLPが5800になってから4000ダメージを受け1800LPが残る、という流れになるのが正しい。


原作でも「決闘者の王国編」で登場しているが、罠カードではなく魔法カードとなっている。
そして使用者は遊戯ではなく、なんと海馬である

《カオス・ウィザード》
融合モンスター
星4/闇属性/魔法使い族/攻1300/守1100
ホーリー・エルフ+黒魔族のカーテン
最初期の効果を持たない融合モンスターで、高い守備力が下がっておりホーリー・エルフを単独で使って壁にした方がよいと言うほど。
まともに融合召喚する意義はなく、《簡素融合》などで出した方が良いモンスターと言える。
さりげなく光と闇が融合したカオスモンスターではある。

《ダーク・エルフ》
効果モンスター
星4/闇属性/魔法使い族/攻2000/守 800
このカードは1000ライフポイント払わなければ攻撃できない。

《ホーリー・エルフ》の色違い。褐色肌と紫色の髪が色っぽい。
攻守も逆転しているが、流石にレベル4攻撃力2000は強すぎるためかデメリットアタッカーとなっている。
ただし他と違ってステータスのデバフやボードアドバンテージの損と言った厄介な効果が無く、当時としては使いやすい効果であった。
攻撃をしなければライフを消費しない為「壁」としても使われた優良モンスター。なんでこの子の後にもっとひどいデメリットアタッカーが出てきたのやら。
2025年2月現在は攻撃力2000の通常モンスターも多いが、魔法使い族ではまだ存在しておらず、リリース無しで通常召喚できる魔法使い続モンスターとしては使い出がある。
またライフを減らすことが利点となるカードもあるので。何かに使える可能性は無くはない。


《ホーリー・エルフ-ホーリー・バースト・ストリーム》
効果モンスター
星4/光属性/魔法使い族/攻800/守2000
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分フィールドにレベル5以上の通常モンスターが存在し、相手フィールドのモンスターが効果を発動した時に発動できる。
このカードを手札から特殊召喚し、その効果を無効にする。
(2):相手バトルフェイズに、自分または相手の墓地の通常モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを自分フィールドに特殊召喚する。
このターン、そのモンスターが自分フィールドに存在する限り、攻撃可能な相手モンスターはそのモンスターを攻撃しなければならない。

なんだか急にいかつい名前になった《ホーリー・エルフ》のリメイクカード。
というのも原作の部分で少し触れた「味方モンスターのサポート」だが、実はこれは《青眼の白龍》に使用した効果で、その際の技名が「ホーリー・バースト・ストリーム」なのである。
その事から通常モンスターのサポートという形で登場したのが《ホーリー・エルフ-ホーリー・バースト・ストリーム》。
自分・相手両方の墓地から蘇生させられるのは、原作で「蘇生させるのは(この場にいない)海馬のカードだ」と発言したのが由来か。
攻撃力上昇は持っていないが奇襲的に効果無効化が狙え、更に相手バトルフェイズにバニラカードを蘇生というサポートの鬼と言える。
レベル5以上のサポートなのであのモリンフェン様もサポート可能。【原石】に差しても面白い動きが出来そうだ。


《バブリー・エルフ》
星2/光属性/水族/攻800/守0
かよわい姿は過去のもの。
遊びが好きだが身持ちは固い。
ワンレン・ラムーンはベル友。

とまぁ原作、OCGでは真面目で清楚なエルフというイメージだったが、そんな彼女もハメを外したい時がある。
というわけでラッシュデュエルで登場した、バブル時代を満喫している《バブリー・エルフ》さん。身持ちは硬いが自慢の守備力は綺麗さっぱり無くなった。
レベルも下がってスリムになったが、単なるバニラなので使い道はそう多くはない。
「清楚なお嬢様が遊んでいる姿が見たい」という性癖でなければ採用しづらいカードとなっている。

使い手は勿論安立ミミさん。「ベル友」というのはポケットベルという1990年代に流行ったガジェットであり、今の携帯電話やスマホのプロトタイプとも言える存在である。


【東映版・バンダイ版】

東映版遊戯王およびカードダス版「デュエルモンスターズ」では緑髪・肌色・白いローブという姿であった。
こちらのデザインも根強い人気がある。

カードダスでの性能は以下の通り。

《ホーリー・エルフ》
星5/攻800/守2500
【白魔族】防御の呪文で猛攻に耐える!

東映版では王国編は描かれなかったが、カードダスでは原作設定を反映して防御の呪文を唱えるというテキストが書かれている。


【余談】

原作の味方の攻撃力を上げる効果は実は《青眼の白龍》にしか使ってない。
なので昔のゲームでは《青眼の白龍》専用のパワーアップカードとなっている。
だがDM4では《青眼の白龍》が海馬デッキ、《ホーリー・エルフ》が遊戯デッキにしか入らないというチグハグな状態となってたりして少し話題となった。
ぶっちゃけどの作品でも攻撃表示晒す・コスト重い・範囲狭すぎの三重苦なので、「《スーパースター》でおk」と切って捨てられる弱小効果なのだが。DM4に至ってはレベル6だったため生贄が必要だったし。


例外的に真DM2では「リバース時に光属性全ての攻撃力・守備力を800ポイント強化」とかなり強力な効果を持っている。
自身も強化できるのでレベル4でありながら実質攻撃力1600・守備力2800と破格のステータスとなり、複数並べたり《闇の訪れ》で再利用して何度も強化すると圧倒的パワーで相手を蹂躙する恐怖のモンスターとなる。かよわいエルフ?
単品でも十分強いため使うかは微妙だが、同作では《ローガーディアン》を儀式召喚するための生け贄に指定されている。




追記・修正は聖なる呪文を唱えながらお願いします。


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  • 原作出身
  • 守備力2000
  • ディフェンダー
最終更新:2025年05月04日 00:05

*1 一応このターンを守備でしのげなければ遊戯のライフが尽きていたので、時間稼ぎの役目は果たせている

*2 フィールド魔法《闇》の影響下だと《ホーリー・エルフ》は強化されるが、同じステータスの《ハープの精》は天使族なので弱体化してしまうため、そこを考慮された可能性はある

*3 Vol.2発売当時のルールではまだ生け贄召喚などの概念がなく、どんなレベルのモンスターも直接召喚できた