登録日:2026/09/24 Thu 23:30:01
更新日:2026/09/25 Fri 05:02:31NEW!
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ロマンチックウォリアー(Romantic Warrior)とは、2018年生まれの香港の競走馬。
恐らく本項目を足を運んでくれた方の大半の中では最も記憶に新しく、印象的な海外馬の一つだろう。
何故なら、彼(?)は香港に君臨した絶対王者であり、挑戦をやめない浪漫の騎士であり、
日本競馬の、最大の敵だったのだから。
中華名は「浪漫勇士」。カッコいいなぁおい
データ
誕生:2018年3月18日
父:Acclamation
母:Folk Melody
母父:Street Cry
調教師:ダニー・シャム
馬主:劉栢輝
主戦騎手:J・モレイラ→K・ティターン→J・マクドナルド
生産国:アイルランド
生産者:コーダフスタッド
セリ取引価格:30万ギニー
通算成績:31戦24勝 [24-5-0-2](引退時)
主な勝鞍:
'22香港クラシックマイル(LR)・香港ダービー(LR)・クイーンエリザベス2世カップ(GⅠ)・ジョッキークラブカップ(GⅡ)・香港カップ(GⅠ)
'23クイーンエリザベス2世カップ(GⅠ)・コックスプレート(GⅠ)・香港カップ(GⅠ)
'24香港ゴールドカップ(GⅠ)・クイーンエリザベス2世カップ(GⅠ)・安田記念(GⅠ)・ジョッキークラブカップ(GⅡ)・'香港カップ(GⅠ)
'25ジェベルハッタ(GⅠ)・ジョッキークラブカップ(GⅡ)・香港カップ(GⅠ)
'26香港スチュワーズカップ(GⅠ)・香港ゴールドカップ(GⅠ)・クイーンエリザベス2世カップ(GⅠ)・チャンピオンズ&チャターカップ
特記事項:'23 香港スチュワーズカップ(GⅠ)2着、香港ゴールドカップ(GⅠ) 2着
'25 BCサウジカップ(GⅠ) 2着、ドバイターフ(GⅠ) 2着
主な表彰歴:2021/22シーズン 香港最優秀中距離馬・最優秀4歳馬
22/23シーズン 香港最優秀中距離馬
23/24シーズン 香港最優秀中距離馬・最高人気馬・香港馬王(年度代表馬)
24/25シーズン 香港最優秀中距離馬
25/26シーズン 香港最優秀マイラー・最優秀中距離馬・最優秀ステイヤー・香港馬王
獲得賞金額:2億8874万5967香港ドル(世界歴代賞金王)
血統
父は欧州の短距離戦線でGⅡ含め10勝をあげたスプリンターで、スプリント志向でマイナー血統のトライマイベスト系を復興させた名手。母父アホヌーラの影響も有ってか複数の短距離GⅠを取る産駒を送り出しており、特にダークエンジェルはGⅠを取るだけでなく2024年にリーディングを獲得。バターシュ、マッドクール等を送り出すなど親父と共に血統の普及に貢献した。
母そのものは特にいうことも無いが、母の父ストリートクライはアラブ・アメリカ調教のダート馬。ドバイワールドカップやスティーブンフォスターハンデキャップ等のGⅠを勝つなど本馬自身も世界で指折りのダートホースであった上に繁殖成績も超優秀。代表的な産駒はデビューから19戦全勝、唯一の敗北も2着1回のみのアメリカの怪物女傑ゼニヤッタ、GⅠ25勝&33連勝を成し遂げた豪州の誇るメスUMAウィンクス、ブルードメサイアーとしてもここで紹介するロマンチックウォリアーやその同期のGⅠ9勝をマークしたレベルスロマンス等を輩出するなど中々にとんでもない。
浪漫の誕生&男への別れ〜
2018年、アイルランドのコーダフスタッドで誕生。その後2019年には香港ジョッキークラブのマイケル・キネーンのお眼鏡に留まり30万ギニーの価格で落札され、次いで香港インターナショナルセールでも上場。馬主の劉栢輝によって同日で2番目に高い落札額となる480万香港ドルで購買される。そして、この購買を推薦した調教師ダニー・シャムが、「ロマンチックウォリアー」と名付けられた本馬を手掛けることとなった。
ちなみに馬名の由来は冠名のロマンチック(浪漫)に、劉栢輝が自身の性格が大胆勇敢であるからとして、ウォリアー(勇士)とつけたもの。自己肯定感高〜!となるが、今思うとこの馬を大金はたいて落札したその決断はまさしく大胆勇敢と言わざるを得ないだろう。
さて、そんな訳で香港へとやってきたロマウォだが、着いて早々一生の別れが彼を襲う。
……ここで香港の競馬事情を少し紹介するが、香港は基本的に馬産をやらない。狭い土地では広々とした牧場なんて作ってられないので、通常競走馬は海外から輸入しているのだ。そして、これが何を意味するか?
日本の様に種牡馬価値なんかを考えなくていいということは、遠慮無く競走特化の馬として使い倒していいと言うことなのだ。
そういうわけで、気性を穏やかにする、競走能力の全盛期を長くする等の為に、香港の牡馬は基本的に
去勢一択。もちろんロマウォも例外では無く、
オスとしてとても大切なものを失うハメとなった。当時からしても今からしても勿体ないと言うべきか……まぁそんなこんなで、また一頭この地でオスが死に、オカマないし
宦官が生まれたのであった。
オカマキャラが強キャラとはよく言ったものである。
2021/22シーズン〜世代一の浪漫を求めて〜
さぁなんやかんやありながらも2021年10月20日、ジョアン・モレイラを背中に迎えてデビュー。特筆すべきこともなくハンデ戦を楽々3連勝してこの年を終えた。
香港4歳三冠
そして2022年、記念すべき新年初勝負も勝利すると、いよいよ次走を2週間後の香港クラシックマイル(LR 芝1600m)…香港4歳三冠の第1戦へと挑むことになる。
香港競馬にも複数『三冠』と呼称されるものはあるがこれは唯一、一生に一度のみの3つのレース。日本で言うならクラシック三冠に近いもので、海外馬の参戦を受け付けていない故グレード制での格付けはリステッド扱いであるが、世代最強を決めるレースとしての価値と重要性はなんら劣らない舞台。
さていよいよレース当日、ロマンチックウォリアーはここまで無傷の4連勝で来ており高く評価はされたものの、ここまで1400mまでしか走っておらず、いきなりの200m延長、更にモレイラからカリス・ティータンへの乗り替わりが不安視されたか単勝オッズ4.6倍。パッキングヴィクトリー、カリフォルニアスパングルに次ぐ3番人気に推される。
しかし、このレースでも今まで通り中団に控え、全く伸びないパッキングヴィクトリーを尻目に直線で抜け出すと、抜群の手応えでもって逃げ粘ろうとするカリフォルニアスパングルを半馬身ほど差し切ってまず一冠。世代最強を競えるほどの馬が相手であっても、そのパフォーマンスが通用することを示してみせた。
そして唯一の三冠への挑戦権を手にしての第二戦、香港クラシックカップ(LR 芝1800m)。前走から更に200mの延長といえど、先述の勝利で誰もが彼を見直し今度こそ1番人気…とはならず、リベンジを誓うカリフォルニアスパングルに次ぐ屈辱の2番人気。
ならばもう一度、実力を示すだけ……と臨んだ本戦。中団につけたロマンチックウォリアーに軽快に逃げるカリフォルニアスパングルという前走と同じ展開で進む。後は前の様に直線でまとめて抜かすだけ……だったのだが、外を回ったのが効いたか最後まで伸びず、数頭交わすのが精一杯の4着という苦い結果。連勝数は5で止まった。この敗戦はカリフォルニアスパングルにまんまと逆襲されるのを許すと同時に、三冠馬となるチャンスを失わせ、さらに競馬民からは『マイルまでの馬』としての懸念を広がらせるものだった。
このまま勝ち逃げされては終われないロマンチックウォリアー。
このまま世代最強を示したいカリフォルニアスパングル。
2頭の陣営の思いが交差する3月20日、三冠目の香港ダービー(LR 芝2000m)。
更なる距離延長も重なって、やはりカリフォルニアスパングルに次ぐ2番人気。
コロナ禍により誰一人いない無観客、馬主の劉栢輝すらも家のテレビからパジャマ姿で見守る静かな競馬場で、レースは始まった。
本馬の鞍上ティターンが選んだ位置取りは…………中団やや前目。
唯一のライバルカリフォルニアスパングルもやはり逃げ。
お互い勝つために大きな冒険はせず、ほとんど今まで通りの戦法を選んだ。全てはこの舞台で、正々堂々と決着をつけるために。
そして最終直線。やはりカリフォルニアスパングルが先頭で、後続との差を徹底的にキープ、いやむしろ離していく。「ダービー馬は決まったな」そう思われたが………
1頭、外から抜け出てくる影がいた。ロマンチックウォリアーだ。前走とは比較にならない手応えの走りで前との差をみるみる縮めていく。
だがカリフォルニアスパングル鞍上のザカリー・バートンは、この事態を想定していた。迫るロマンチックウォリアーにわざわざ馬体を併せにいき、叩き合いに持ち込んだのだ。
単純な身体能力勝負ではマイルの時の様に分が悪い。だが、スパングルの高い勝負根性を活かせれば或いは……そんな策略はピタリとハマり、快調なロマウォですらすぐに抜かせない。後続を引き離しての2頭のマッチレースの勝負は分からなくなった。
………かに思われた。
Z・バートンの策は確かに効果があった。しかし、そこに1つ、決定的な誤算があったとするならば。
ロマンチックウォリアーにも、多大なる勝負強さがあったことだろう。
死闘の果てにアタマ差で競り合いを制したのは、ロマンチックウォリアーだった。タイム差0.04秒の大接戦の末に、2016年のサンジュエリー以来の香港4歳2冠の栄光、そして世代最強馬の威光を世に知らしめてみせたのだ。またシャム調教師およびティータン騎手はともにこれが香港ダービー初勝利で、北半球産馬による勝利は2014年のデザインズオンローム以来。また、香港インターナショナルセール出身馬の同競走勝利も史上初と、記録づくめの勝利だった。
さて、その力を示したロマンチックウォリアー。自世代最強となったなら次の敵は別世代。
そんな訳で次走は約1ヶ月後の
クイーンエリザベス2世カップ(GⅠ 芝2000m)に決定。
地味に初の重賞&GⅠ&
古馬対決であり、特に強敵と目されたのが
ロシアンエンペラー。前走で沙田競馬場芝2000mという本レースと同条件のGⅠで
2着に5馬身半差つけて圧勝&初GⅠ制覇を達成してきており、まったく油断ならない相手であった。しかし、ロマンチックウォリアーの強さが知れ渡っていたのもまた事実であり、単勝オッズ1.8倍の1番人気に推される。ロシアンエンペラーは2.9倍で3番人気を16倍台まで引き離しており、
事実上2強対決であった。
だが、そんな観客達の予想もお構いなし。本番では3番手辺りに取り付くと徐々に中団に位置取りを下げ直線へ。後方から並びかけてきたロシアンエンペラーも突き放すと、横並びでゴールした2着以下に2馬身差つけての快勝。2強では無く一強であることを示す。ダービーからQE2世Cを連勝した史上5頭目の馬という記録、今シーズンでのシャティン競馬場芝2000メートルにおける最速タイムの勝ち時計2分0秒13と共に、並み居る古馬すらも一蹴してみせた。
これらの優れた戦績を認められ、同年7月の香港年間表彰では最優秀中距離馬と最優秀4歳馬を受賞。好調のままに今シーズンを終えた。
2022/23シーズン〜浪漫の勇士、大海を知る〜
当初10月のマイル戦シャティントロフィーで始動する予定であったが、軽度の怪我でこれを回避。改めて初戦として11月のジョッキークラブカップ(GⅠ 芝2000m)が選ばれたが、現在までの主戦騎手のティータンが甲状腺の病気で療養中のため、鞍上には新たに、と言うよりもようやくここで生涯の友にして正夫のジェームズ・マクドナルド騎手とのコンビ結成。レースでは、他馬より5ポンド重い斤量を負わされたにも関わらず2.2倍で1番人気となった。当時重賞連勝で勢いのあったビューティージョイや、また挑んできたロシアンエンペラーらを全て退け、コンビの相性の良さを証明してみせた。
そして次走は、香港中距離の一年の総決算レース香港カップ(GⅠ 芝2000m)。そしてここで、ロマンチックウォリアーは初めて海外馬と対決することとなる。
なんとこのレース、日本馬が5頭も殴り込みをかけてきており、しかも誰もが決して低レベルとは言えないメンツであった。
・前走こそ振るわなかったものの、あのイクイノックスを振り切って皐月賞を制していたジオグリフ
・今年の大阪杯の勝ち馬であり、宝塚記念でも3着と好走していたレイパパレ
・後先考えない大逃げを武器にドバイターフ等を制し、前走でもイクイノックスと激闘を繰り広げた令和のツインターボ改め世界のパンサラッサ
・金鯱賞をレコード勝ちし、札幌記念もパンサラッサを捉えて勝利したジャックドール
・一昨年のホープフルステークスを勝ち、それ以降も3着4回2着1回と惜しい戦いをしていたダノンザキッド
と、5頭中4頭がGⅠ馬と豪華な布陣。
…………ところで、この戦いをリアタイしていたアニヲタはいるだろうか?もしいるならこう思った人もいるのではなかろうか?
(ロマンチックウォリアーとかいう強いのがいるのは聞いてるけど、これだけいるし誰かは勝つだろ……)と。
そして、(そもそも、所詮香港馬だしなぁ……)とも。
……どう見ても香港を舐め腐っている。が、実際それに足る理由は確かにあった。
香港は競馬においては世界的に見てもにレベルの高い短距離マイル大国である。実際、
龍王が降臨するまでは数多の日本のトップスプリンターが短距離GⅠではことごとく跳ね返され、マイルGⅠでも日本馬は現在までに4頭しか勝利経験がない。
だが、それらに比べると香港の中距離馬のレベルは一段落ちると言わざるを得ないだろう。
中距離GⅠでは勝ち馬の名前に日本馬を始め海外馬が刻まれることも珍しく無く、例えばこの時点でのクイーンエリザベス2世カップは国際競走となってからの27回中海外馬が優勝した回数14回、香港カップは35回中27回、香港ヴァーズ(GⅠ 芝2400m)に至っては32回中29回である。かつ香港カップとQE2世Cはそれぞれ日本馬の三連覇を許してしまっている有様。中距離路線の香港が『海外馬の狩場』扱いをされてしまうのもまぁ仕方ない話ではあった。
そんな訳で、日本の競馬ファンの中にはロマンチックウォリアーの実力を測りかねている者も多く、このレースは彼のレベルを知る絶好の機会。日本でも取り敢えずオッズでは1番人気に推され、ジャックドールやパンサラッサがそれに続く形となった。
しかし、レースではまず逃げ馬以上のロケットスタートを決め、パンサラッサら先行勢に行き足を使わせるとスルスル後退して5番手に収まり追走。4コーナーで並んでいたジャックドールを交わすと、直線で逆噴射して後方に消えていくパンサラッサと入れ替わるようにハナに立ったマネーキャッチャーも楽々突き放す。ダノンザキッドが何とか追い込んでくるも………
海外からの刺客も、地元のライバルも、全て蹴散らして4馬身半の大圧勝。
しかもマックがスクリーンよそ見&50mからはほぼ流し&ゴール前から立ち上がってのお決まりの煽り早すぎるガッツポーズをするほどの余裕の勝利であり、それほどの舐めプを決めながらもタイムは1:59:7のレースレコード。
一部の日本競馬民の舐めた考えを爆砕、上記の様な恐怖を刷り込ませてみせた。
この走りは世界でも高く評価されWBRRではレーティング124を獲得。これは世界8位タイであり、1900m〜2100mの距離帯では
フランケルの再来と謳われたバーイードに次ぐ2位もなった。また、マクドナルド騎手もこの走りを見て惚れ惚れしたらしく、
「依頼をくれれば地球上の何処からでも駆けつける!」と
ラブコール声援を送った。
そして、これほどの走りを見せたロマンチックウォリアーに更なる期待がかかるのは当然のことであり、次なる目標は香港スチュワーズカップ(GⅠ 芝1600m)……つまり、香港三冠となった。
香港三冠
香港三冠。以前の4歳三冠と違い何度でも挑戦出来るにも関わらず、30年以上の歴史の中で達成者は未だ1頭のみ。その事実が三冠の難易度を如実に表す。しかし、だからこそ達成さえ出来たなら文句なしの現役最強を宣言できる……!
そんな気持ちで挑んだ第一冠、香港スチュワーズカップ(GⅠ 芝1600m)。香港中のトップクラスの馬が軒並み集まったこのレースだが、明らかに抜けた存在が3頭いた。1つはやはりロマンチックウォリアー。そして、
・これまでにGⅠ6勝&重賞13勝と16連勝を記録、更に史上2頭目の香港4歳三冠を達成した香港史上最強マイラーゴールデンシックスティ(金鎗六十)
・ロマンチックウォリアーと激闘を繰り広げ、ここまで全て2着以内。前走ではマイルでゴールデンシックスティを破って駒を進めてきたカリフォルニアスパングル
と、もはや怪獣総進撃。やっぱり香港馬ってカッコいい名前多いよな。同じくゴールデンシックスティに勝利経験のある名馬ワイククやロシアンエンペラーですらもオッズ40倍台以上に押しやられての4番人気となる戦場であり、そんな中でもロマンチックウォリアーは2.0倍の1番人気に支持される。治療から帰還したティターンも再度鞍上に迎え万全の状態。
レースでは逃げるスパングルを見るように2番手で追走するも、ここでゴールデンシックスティがまさかの先行策、3番手でロマウォをマークして進めていく。そして直線ではゴールデンシックスティにただ1頭抜け出され、それを差し返さんと加速。スパングルこそ差せたものの、マイル王の意地を見せつけられての1馬身差2着。まぁ流石に最強マイラーの庭で戦うのは些か分が悪かったと言えよう。
リベンジの二冠目、香港ゴールドカップ(GⅠ 芝2000m)。スパングルはここを回避したため、他のことは考えずゴールデンシックスティとの一騎打ちに持ちこめる。しかも今回は2000m。この距離の実績はロマンチックウォリアーが上回っており、次はチャンピオンとして挑戦者を迎え撃つ形となった。実際、前走の負けも評価を落とす要因にならずオッズはむしろ下がっての1.5倍で1番人気。ここまでの条件が揃ったならもう負けられない。そんな状況だった。
そしてスタート。今度はいつもの後方待機を選んだゴールデンシックスティより5,6馬身先行してレースを進める。更にティターン騎手に促され、残り600m地点で加速し早々と先頭を奪取。
完全に勝ちパターン。そのまま後は押し切って終い。中距離最強を証明する……
だが、ゴールデンシックスティもまた"最強"だった。
相対的に不得意な距離を走っているにも関わらず、ヴィンセント・ホー騎手の渾身の鞭に応え鋭い末脚を炸裂。粘るロマウォをアタマ差し切ったところでゴール板通過。得意な距離での完敗、ロマウォにとっては本当の最強は誰かを念入りに分からされる屈辱の2戦であった。
敗因は早仕掛け…つまりはティターン騎手の騎乗ミスとされ、ここでマックに乗り替わりとなった。
次はクイーンエリザベス2世カップ。今回は香港カップぶりに強力な海外馬も出走してきており、
・オーストラリアへの遠征でGⅠを連勝してきており、ノリに乗っている英国馬ドバイオナー
・オールカマーとエリザベス女王杯を連勝、有馬記念でも3着と好走したジェラルディーナ
・前走で金鯱賞を勝ち、ようやく重賞を制覇してきていた出遅れ芸人プログノーシス
・前走、前前走で因縁のホー騎手を背に香港カップの雪辱を果たさんとするダノンザキッド
らが主な対抗馬になると目されていた。
だが既に2連敗。ここは絶対に落とせないロマンチックウォリアーはやっぱり出遅れたプログノーシスを含む彼らも難なく叩き潰し香港魔王エイシンプレストン以来の史上2頭目、香港馬では初の連覇を達成。
最後に
三冠目、チャンピオンズ&チャターカップ(GⅠ 芝2400m)に出走。カリフォルニアスパングルの鞍上Z・パートンとの初コンビを組んで挑むここには前年の本競走を勝利したロシアンエンペラー程度しか強豪らしい相手はおらず、そのロシアンエンペラーも既に4回先着している、とうに格付けは済んだ馬。懸念点は400mの距離延長だけというまぁまぁ勝ち確ムードだった。後は「どのように勝つか」だけだったのだが……ロケットスタートを決めた本馬、思い切って
ペースを落とさず逃げの一手を打つ。しかしマネーキャッチャーにしつこく突つかれて気持ちよく逃げれず、最後の50mでロシアンエンペラーに差し切られまたも2着。
こうして三冠戦全てにおいて2着という、これだけ見ればシルコレにしか見えない、今ひとつピリッとしない戦績で今シーズンを終える。最優秀中距離馬は受賞できたけど……何だかなぁ……
陣営も危機感を覚えたか、授賞式の際に次シーズンでの、しばらくの放牧の後にオーストラリアに遠征すること、南半球最強馬を決めるコックスプレートを大目標として調整していくことを発表。香港馬はあまり遠征せず国内に引きこもる傾向が強い故、香港の有力馬が世界に出向いてくるとあっては話題になり競馬界を沸かせた。
2023/24シーズン〜世界を渡る浪漫旋風〜
挽回をかけた今シーズン、短い休養の後9月にオーストラリアへ渡る。
陣営内での話し合いの末、まずはコックスプレートの前哨戦としてターンブルステークス(GⅠ 芝2000m)を選ぶ。しかし、ここでロマンチックウォリアーを困難が襲った。多重の検疫、飼い葉の手違いによる食いの悪さ等によってコンディションを落としてしまったのだ。しかもレース本番でも初の左回りが影響したか、それとも環境に慣れていなかったか4着。陣営からすればあくまでも前哨戦。「満足してはいないが失望してもいない」との声明を出すも、これにより国内では香港以外での適性を疑問視する声も上がってしまうこととなる。
そして3週間後、満を持して本番のコックスプレート(GⅠ 芝2040m)へ向かう。調子そのものは上向いてきたものの突貫工事もいいとこであり、豪州での適性が疑問視されるなかで前走から競馬場も変わる。かつ南半球最強を決めるレースとあって出走馬も豪華であり、
・現時点でGⅠ7勝、マイル戦線での活躍が主だったが前走のマイトアンドパワーステークスで2000mでも一線級であることを証明してみせたアリゲーターブラッド
・「開催日は国家が止まる」と言われるほどの人気と格式を持つ長距離GⅠメルボルンカップやロマンチックウォリアーが勝てなかったターンブルSを勝ち、高い中長距離への適性を示すゴールドトリップ
・1400から1600mまでのGⅠを4勝、アリゲーターブラッド相手にも2勝し、前回は不良馬場に泣かされ7着となった時の雪辱を果たしに来たミスターブライトサイド
というメンツ。他にもGⅠ勝利馬が何頭かおり、全体的にマイラー寄りの面々でありつつも地元トップの強豪達が集まってきていた。
ロマンチックウォリアーからすればただでさえアウェーでの戦いな上にいくつもの不安要素が積み重なったキツイ一戦であったはずである。
実際1番人気は取れたがオッズ3.6倍と、今までの戦績と比べれば些か低評価であったことが分かるだろう。
しかし、浪漫の勇士はそんな逆境にも抗った。
首尾よくスタートを決めると位置を落とし、ミスターブライトサイドを内に従えての4番手に収まる。4コーナーでエンジンを入れると先頭で直線に入ったアリゲーターブラッドを猛追し、これを捉えて先頭。ミスターブライトサイドも内から急襲してくるが、尚余力を残していたのかロマウォももう一度加速し、2頭が並んだ所でゴール。写真判定にもつれこむ。
そして結果は…………
ほんの僅か、鼻面を突きだしていたのはロマンチックウォリアーの方だった。
全ての困難と試練を乗り越えての大きな勝利。それもウィンクスのレコードに0.2秒差まで迫る文句なしの内容であり、その力が決して井のなかの蛙で無いことを示した。また、香港馬の本競走勝利は2005年のケープオブホープ以来の快挙であり、かつマックに『異なる馬でコックスプレートを連覇した史上2人目の騎手』、シャム調教師に『本競走を制覇した4人目の調教師』の栄誉を授けるものでもあった。
復活の海外GⅠ制覇。馬主の劉栢輝氏は後にこう語る。
「あれは複雑な長編映画の様だったよ。最初は困難に苦しめられる酷い展開だったけど、最後はそれを乗り越えてのハッピーエンドだったのさ」
無双という浪漫
さて、そんなこんなで大目標も勝って香港へ帰ってきた本馬だが、次なる目標は香港カップの連覇。今回も海外からの有力馬がいくつか来ており、
・愛チャンピオンステークスやタターソールズ金杯等を制し、前走はオーギュストロダンの2着だったアイルランドの雄ルクセンブルク
・前回のQE2世Cから札幌記念を勝ち、天皇賞でもドウデュースらに先着したプログノーシス
・函館記念やオールカマーを連勝し、ここでGⅠ初挑戦のローシャムパーク
・中山記念連覇に中山金杯勝利、勝った重賞は全て中山競馬場の中山巧者ヒシイグアス
なんかがいたが、海外遠征より帰ってきてから出走間隔1ヶ月弱のキツイローテもものともせず、ルクセンブルグをハナ差振り切って史上2頭目の連覇達成。日本勢もヒシイグアスは3着には来てたが………
そして年を跨いだ2ヶ月の休養を経ての、一年振りの香港ゴールドカップへ。前回はゴールデンシックスティにやられたが、その馬は脚部不安で休養中。なら「勝ったなガハハ」と行きたいところだったが…そうは問屋が下ろさない。というのもロマウォと同じ香港4歳2冠を達成、更にスチュワーズカップを勝って一冠目を手にしていた一世代下の最強馬にしてロマウォ被害者の会会長ヴォイッジバブルが2冠目のために出走してきていたのだ。新たなスター候補と現スターの対決に現地も沸き、ロマウォ1.6倍バブル4.0倍の2強対決となる。そしてレースは3番手のロマウォをすぐ後ろでマークするバブルという形になり、直線でも抜け出したところをバブルに絡まれ叩き合いに持ち込まれる。
しかし、カリフォルニアスパングルも打ち倒した勝負根性は新参の先着を許さず、前年の雪辱を果たす。バブルの不幸はここから始まった。これによってGⅠ3連勝…だけでなく、ヴェンジェンスオブレインとデザインズオンロームに続く、香港に存在する2000mGⅠレースを全制覇したグランドスラム馬ともなった。どれだけ偉業を重ねれば気が済むんだ?
更に、ここの勝利のすぐ後にまた遠征の計画を発表。しかも驚くなかれ、今度は俺たち日本の安田記念への出走を強く示唆されたのだ。既にロマウォに倒された日本馬は10頭近くおり、この頃には彼の強さが痛いほど分かっていた日本の競馬民は戦々恐々と言った様子だったとか。ちなみに、この後でヴォイッジバブルも参戦を表明。香港の強豪馬が2頭揃って殴り込みと相成った。
そして、安田記念前の景気付けとばかりにクイーンエリザベス2世カップに突撃。海外からはこれで3度目の対戦となるプログノーシス、2度目の対戦となるドバイオナー、ヒシイグアスに、
・アメリカンジョッキークラブカップやエプソムカップの勝ち馬ノースブリッジ
なんかも参戦した。
スタートすると本馬にしては珍しく中団やや後ろめに控える、差しの形を取る。が、久しぶりの戦法を取った程度のことハンデにもならず、お馴染み出遅れの後に捲る形で前方にいたプログノーシスも逃げ粘るノースブリッジも直線でまとめて抜き去り、その後じわじわ迫ったプログノも封じゴールイン。史上初のクイーンエリザベス2世カップ3連覇を軽くやってのけ、やはり日本勢を震え上がらせた。
さぁGⅠも4連勝、景気良く5月に検疫を終え、安田記念めがけてヴォイッジバブルと共に日本へ乗り込んできた本馬。今度は何事も無く調整を進められた。オーストラリア遠征の時よりは調子が良いことが明かされ、更に当日の馬場は稍重。香港の芝のそれに近いものとなってしまったが故に日本、香港共に1番人気に推される。
しかし日本勢にもプライドはある。絶対王者ロマンチックウォリアーといえど東京競馬場は未経験。オマケにマイル戦は去年のスチュワーズC以来、つまるところ約1年と5ヶ月ぶりであり隙は十分あるように見えた。もちろんロマウォ討伐戦線を構成するメンバーもまた粒揃いであり、つい最近まで現役最強マイラー張ってたソングラインは故障で引退してしまってたものの
・昨年のマイルCSの勝ち馬で、香港マイルやドバイターフでも善戦しており名手武豊を背負うナミュール
・昨々年のマイルCSの勝ち馬で、その後はソングラインの2着に入ったりするもパッとしなかったが、前走のマイラーズCで2着に入り向上の兆しを見せたセリフォス
・マイルCSでナミュールの2着に入り、前走ではそのセリフォスを抑えてマイラーズC2勝目を取ったソウルラッシュ
・2200mのセントライト記念を勝ったと思えばマイラーズCで2着に入り、先行勢不利の天皇賞秋で2番手追走から掲示板確保したかと思えばダートのフェブラリーSで何故か2着に入ったりと良く分からんシェケナガイアフォース
・高齢ながら未だに好走を続ける、『今は』ただの衰え知らずの7歳馬ウインカーネリアン
これらに代表される日本馬16頭が香港からの刺客2頭を迎え撃つ用意を済ませていた。
そして、香港の力と日本の意地がぶつかる戦いが幕を開ける。
ドーブネとウインカーネリアンがレースを引っ張る中、今まで通りに好位につけ、起伏に富んだ東京競馬場の地形も意に介さず進んでいく。ペースも普通でバイアスも無さそう。このままいけば勝てる…と思われたがアクシデント発生、馬群に包まれ、最終直線でも進路が見つからない。
まさか、ロマウォピンチか!?
前が壁になりながらも一瞬の隙を突いて抜け出すと、グングンと加速し日本馬を置いき去りにしていく。
外からはナミュールとソウルラッシュが並んで追い上げ、内からはガイアフォースが迫るが…
勝ったのは!勝ったのは!!ロマンチックウォリアーァァァァァァァァ!!!!
後続達を半馬身差で完璧に封じ、これでGⅠ5連勝&海外GⅠ2連勝。安田記念を海外馬が勝つのは2006年のブリッシュラック以来の史上4頭目、香港馬に限れば3頭目かつ、陣営のJRA主催GⅠ初勝利であった。更にシャム調教師の師匠アラン調教師はフェアリーキングプローンで2000年の安田記念勝利を飾っており、そういう意味でも感慨深い勝利であった。ちなみにヴォイッジバブルはシレッと17着に。
ウイニングランでは何万人もの日本の競馬ファンに歓声で迎えられたのだが、特に取り乱すことも無く彼らの前で綺麗なトコトコ横歩き&お辞儀を披露。ちなみにロマンチックウォリアーと画像検索すると必ず出てくる「ジョジョ立ちの様に前足を交差させたロマウォに乗り、耳に手を当てて煽るマクドナルド」の写真はここで取られたもの。
このまま宝塚記念も走るプランもあったそうだが出走取消して無事帰国。本国では6戦5勝&類稀なる海外実績が評価され初の香港馬王(年度代表馬)、最優秀中距離馬、ファン投票による最高人気馬に選出され、前シーズンから一転、絶頂の中で今シーズンを締めくくった。
そして、2024年4月を以てゴールデンシックスティが世界記録の賞金額&GⅠ10勝で引退。リベンジの機会は残念ながら永久に失われてしまったものの、ここからは名実共に現役香港最強馬として君臨することとなる。
2024/25シーズン〜浪漫の勇士、土の世界を駆ける〜
今シーズンはジョッキークラブカップから始動。今更GⅡの顔ぶれなど相手にもならず、残り70m辺りからマクドナルドが流して首を撫で撫で、最後はやっぱり早すぎるガッツポーズ決めながらの4馬身差圧勝。好スタートを切る。騎手の煽りも初っ端から絶好調。
そして次走の香港カップに向けて調整を……という所で、陣営からとんでもない計画が表明された。
香港カップを終えた次はドバイ遠征を計画している、というものだったのだがこれだけならまだ良い。遠征の頃には7歳だから良くはないんだけどな……しかしその内容が問題だった。
なんと目標レースはサウジカップ、ドバイワールドカップだと言うのだ!!
この2レースはどちらも世界最高峰の
ダートGⅠ。そこに芝の、しかも世界最強クラスの馬が殴り込みをかけてくるとなっては競馬界は大騒ぎ。
この判断は決してただの酔狂なものでは無く、ある世界を股にかけた名馬がきっかけなのだがそこは
当該項目で確認してもらいたい。
まぁ、今は香港カップに集中だ。話を戻そう。
今回の香港カップは日本からの顔ぶれがガラッと変わり、長年のライバルだったプログノーシスが有馬出走を選んだのと入れ替わる様に、
が来ていた。
特にリバティアイランドは前走ではらしくない走りを見せたもののその潜在力は現役最強クラスと見られており、復活を強く期待されている馬であった。
全盛期の走りが出来れば、あのロマンチックウォリアーだって差し切れる……そう思っていた彼女のファンは多かったのではなかろうか。
レースが始まるとタスティエーラは2番手、ロマンチックウォリアー4番手、リバティアイランドは最後方から4番手の後方で進む。タスティエーラが最終直線でハナを奪うも、4コーナーで勝手に加速したロマンチックウォリアーが残り200m地点であっさりかわして先頭へ。
しかし、独走を許さないリバティアイランドが大外から追い込んでくる。その豪脚はまさしく強い時のリバティのそれ。この大一番で復活を遂げてきた彼女が一完歩ごとに差を詰めてくる……!
…………ただ、競馬の神様は残酷だった。
やはり強い!1番ロマンチックウォリアー突き放した堂々と!!
タスティエーラも内で頑張っていてリバティアイランドも追い上げましたが全く関係無し!
「復活など有り得ない」とでもいうかの様に。
必死に追いすがる後続を嘲笑うかの様に。
誰が最強なのかを念入りに見せつけるかの様に。
決して埋められない1馬身半を叩きつけてのゴールイン。着差だけ見れば惜しい様にも見えるが、この時のマクドナルド騎手は100mを切った辺りからターフビジョンによそ見し、後方振り返り&思いっっっっきし立ち上がっての減速をかけており、こちらからすれば見た目以上に余裕のある楽勝。香港最強馬の貫禄を見せつけての史上初の香港カップ3連覇達成&ゴールデンシックスティの賞金額を上回って世界賞金王の座に着いた。ちなみに本馬は来年で7歳になるくらいには競走馬として高齢である。何だこのジジ…おカマか。
ちなみに今回リバティアイランドの鞍上だった川田騎手、インタビューでマックの最後の煽りにはやはりムカついたことを語っており、かつ今年のQE2世Cのロマンチックウォリアーはあまり調子が良いようには見えなかったこと、今回の香港Cでは見違えるほどに調子が上向いている様に見えたことを語っている。あの、調子悪かった上で国境超えてGⅠ連勝してたわけじゃないですよね?……ですよね(震え声)
そんな栄光を手にしたロマンチックウォリアー、宣言通りドバイへ渡る。
当初は前哨戦としてのマクトゥームチャレンジ(GⅠ ダート1900m)→サウジカップ(GⅠ ダート1800m)→ドバイワールドカップ(GⅠ ダート2000m)と行くつもりだったが、陣営内での協議の末、始動戦は芝のジェベルハッタ(GⅠ 1800m)となった。
・どちらも低人気の伏兵という立場から2022、23の本競走を連覇したアルファリーク
・米国や英国でのマイルGⅡGⅢを勝ち、念願のGⅠ制覇を追い求めるオスマンフリート
・欧州での重馬場の様なタフな馬場で真価を発揮する屈指の重馬場巧者マイラーポーカーフェイス
などの様な決して侮れないメンバーが攻めてきていたものの、やはりもっとも警戒すべきなのは、
・前年のジェベルハッタやマンハッタンステークスの勝ち馬であり、本競走と同条件のアルラシデイヤ(GⅡ 芝1800m)を連覇。うち昨年は7馬身差圧勝&ジャスタウェイのコースレコードを0.4秒更新する破格のパフォーマンスを見せたメジャードタイム
だっただろう。
今回はあくまでも前哨戦。シャム調教師も8割仕上げ程度と公言しており、メジャードタイムの強さも相まって今回ばかりは「勝てなくても良い」という雰囲気が漂っていた。
しかし、本馬はここでもその特異な実力を見せつける。
まずは最内枠からとんでもないロケットスタートを決めると、スルスルと速度を落としてメジャードタイム、オスマンフリートに次ぐ3番手に収まる。前のメジャードタイムはなんと単騎での大逃げに打って出た故に1000m通過58.3のハイペース。
更にメジャードタイムの大逃げは留まることを知らず、オスマンフリートは4コーナー時点で交わしたものの直線手前でロマウォとメジャードタイムには10馬身以上の差が出来ている。これだけの差を今から埋めるのは困難と思われた。
しかし、ロマンチックウォリアーは止まらない。マック騎手の渾身の押しに応えて急加速、メジャードタイムを捉えにかかる。
Measured Time six lengths in front of Romantic Warrior who's coming with big bound in the Jebel Hatta!
Measured Time is leading! but here is the champ over from Hong Kong, the global racing sensation and G1 champion!
残り100m付近でメジャードタイムを捉えると、後は着差を広げるばかりで後続に4馬身半つけての圧勝。連勝数を8に延ばしての記念すべきGⅠ10勝目を達成し、オマケにタイムは1:45:10。メジャードタイムのそれを更に上回ってのコースレコードを樹立した。ちなみに大事なことなので何度も言うが本馬は御年7歳。いかに騸馬といえど既に衰えて引退しててもおかしくない年齢である。
それが今までと同等……いや、進化しているとすら思えるパフォーマンスで勝ってみせたのだ。この怪物は何なのだろうか?香港の英雄?いや、魔王とかの方が合ってないか?というか馬なのか?
まぁとにかく8割仕上げの前哨戦でこの結果なら上々、安心して本命のサウジカップに送り出されるのであった。
そうしてサウジカップ(GⅠ ダート1800m)に突っ込んできたロマンチックウォリアー。本来ならばいくら強くても初ダートとなれば人気は落ちるものだが……このサウジカップは以前から芝馬の好走例が多く、かつロマウォも血統的にはダートでの走りも見込めることから香港では数多のダート馬を押し退けての1番人気、それ以外でも2番人気に推される。
しかしここは世界最高賞金額のサウジカップ。当然10億に上る賞金を狙って数多の強豪達が顔を揃えており、
・現在GⅠ級競走2勝、ダートの本場アメリカでもケンタッキーダービーやBCクラシックでそれぞれ3着と好走し、国内最強ダート馬として名乗りを上げていたフォーエバーヤング
・日本馬初のドバイワールドカップ制覇、東京大賞典連覇などの偉業を達成し、最近は衰えを囁かれながらも復活を期すウシュバテソーロ
・新設された3歳ダート三冠の二冠目東京ダービーを取り、前走の東京大賞典でも3着にいたラムジェット
・前走の東京大賞典を始めここまで2着6回、ビッグタイトルを取ってシルコレの名を返上したいウィルソンテソーロ
・芝では出なかった芽を土の上で覚醒させ、マクトゥームチャレンジを勝利して臨んできたウォークオブスターズ
・ロマウォと同じく芝馬なのだが突如参戦、初ダートのマクトゥームチャレンジでも3着に食い込んできたファクトゥールシュヴァル
と、日本馬4頭を含む世界の馬がやってきていた。
そしてレーススタート。横に広がる様な隊列になり、ロマウォの前に4頭の馬が広がる。その内、ちょうど真ん前にはフォーエバーヤングもいた。
そのまま進んで第三コーナー。ここで世界最強馬が動く。マック騎手一気に外に持ち出すと、大外4頭分ぶん回して持ったままの捲りを敢行。
第四コーナーを曲がる頃には先頭へと躍り出ていた。
そして、運命の最終直線。
さぁ!ロマンチックウォリアー先頭で直線コースへ向かいました!2番手から追っている5番のフォーエバーヤング!
そこには、歴戦のダート馬達を馬なりで突き放す化け物がいた。
辛うじてフォーエバーヤングだけが食らいついているが脚色は僅かにロマンチックウォリアーが勝る。1馬身半から2馬身リードを広げ栄光のゴールへ。
また日本馬は負けるのか?ダートに引き込んでも尚勝てないのか?
もしかしたら一生、日本馬はコイツの背中を見せ続けられることになるのか?
そう思った人は多かったろう。もう完全にロマンチックウォリアーの勝ちパターン。希望はない。
……いや。
ただ1人、ただ1頭だけが、諦めていなかった。
フォーエバーヤング、一度外に持ち出すと何処にそんな物を隠していたのか、強烈な二の足を解放。脚色を完全に逆転させ差を詰めにかかる……!
200を切りました!離れた3番手はウィルソンテソーロ!ウシュバテソーロラムジェットも追い込んできているが!?
後ろからは何も来ない2頭だけの世界。
お互いに鞭が入り、本気を出し尽くし、そして………
日本勢の宿敵ロマンチックウォリアーを……遂に倒したッ!!!
僅かにクビ差、フォーエバーヤングが差し返したところでのゴール板通過。タイムは1:49:09。今までのレコードを0.4秒弱更新するレコードタイムである。
これまで何十頭もの日本馬が挑み、そのことごとくに超えられない差を見せつけてきたロマンチックウォリアー。
そんな彼に、初めて日本競馬が一矢報いてみせた瞬間だった。
こればかりはロマンチックウォリアー陣営も揃って完敗を認め、愛馬とそれに勝ったフォーエバーヤングを祝福することになった。
とはいえ、ロマンチックウォリアーは今回が初ダートでありながら、後のBCクラシック馬…つまり世界最強馬にクビ差のレコードタイムで駆け抜け、更には3着のウシュバに10と1/2馬身の大差を叩きつける圧巻のパフォーマンスを見せつけたことにより格を落とすことは無く、むしろ「最強クラスのダート馬の土俵に持ち込んでようやく僅差とか、芝ならどう勝てばいいんや?」と我々を戦慄させた。この走りは世界的にも高く評価されて127ポンドを獲得。世界からの認識を大きく変える名勝負であった。
次走は予定通りドバイワールドカップ……とは行かず、ここで方針を変更。ドバイターフ(GⅠ 芝1800m)へと向かうことになる。
そして迎えた遠征最終戦。対戦相手も中々見どころがあり
・あの3着だった安田記念から一転、マイルCSを勝ってGⅠ馬となり香港マイルでもヴォイッジバブルの2着に食い込んだソウルラッシュ
・ジェラルディーナらを抑えたエリザベス女王杯の勝ち馬であり、調子の良くない1600m走から本競走で得意な1800mに戻ってきたブレイディヴェーグ
・前年の香港Cから約5カ月振りの出走、リベンジを狙うリバティアイランド
・去年はナミュールを退けてのドバイターフ制覇、前走のサウジCでもしれっと7着に入り、今度は得意の芝で連覇を狙う前年覇者ファクトゥールシュヴァル
などだったが、得意の芝コースに戻ってきたことからどのブックメーカーでも単勝1倍台の1番人気に推される。
レースではメイショウタバルの2番手で追走。陣営の苦労が実り、暴走癖を抑えられたタバルのハイペース逃げに巻き込まれ先行馬の彼にとっては厳しい展開に。しかしそんな不利も押し退けて直線で先頭に立つ。後はいつもの様にセーフティーリードを作って終い……の、はずだった。
しかし、ここでまさかのソウルラッシュが馬群を切り分けて襲ってきたのだ。
外からジワッジワッと詰めてくる相手と、粘ろうとするロマウォ。奇しくも前走と同じ形。
しかし今回の舞台は芝、しかも相手は一度負かした格下。なら負ける道理はない、いや、王者として負けられない。
しかし、ロマンチックウォリアー!!ソウルラッシュ!!ロマンチックウォリアー!!!ソウルラッシュ!!!!
最後は並んでの際どいゴールイン。勢いはソウルラッシュが勝っているように見えたが……結果は写真判定に委ねられた。
そして………
王者の意地を破ったのは、奇しくも同じ7歳馬の、魂の勇進であった。
その着差何と8ミリ。あの有名な大接戦ドゴーン!!!すら超えるほどの超接戦だったのだ。
ロマウォ陣営もこれには打ちのめされていた。事前のインタビューでもリバティアイランド、ファクトゥールシュヴァル、ゴーストライターらをライバルとして挙げており、ソウルラッシュのことは恐らく意識していなかったのだろう。まさしく衝撃で屈辱の惜敗だった。
敗因としてはペースもそうだし後はサウジCのレコード激走だろうか。というのも、このレースで掲示板枠に入った5頭は次走で軒並み負けており、かつ後述の事実を加味すると激闘のダメージが体に残っていた可能性は十分あり得る。そもそもジェベルハッタ→サウジC間で約1ヶ月、サウジ→ドバイターフ間とで1ヶ月と2週のみとそもそもこの遠征事態過酷なものであり、頑丈なロマンチックウォリアーといえど陰りが見えても仕方がない。
しかしそれでも陣営は頑張ってくれた愛馬のことを称え、しっかりと休養させるとのコメントを残し、長かった遠征を終えて帰国した。
しかし、本馬を襲う逆境は久しぶりの敗北だけでは無かった。
なんと、左前肢の球節に故障発生。
1年に遠征込みで7戦できるほどに頑丈な彼の体も休みを必要としていた。
早急に治療が行われ、5月28日に負傷個所をスクリューを埋め込んで固定する手術を実施。無事それは成功したものの、長期休養。レースからはしばらく離れることとなった。
今シーズンは5戦3勝内GⅠ2勝。十分高い成績なのだが流石に前シーズンと比べると見劣りすると言わざるを得ず、年度代表馬の座はシーズン中8戦全勝うちGⅠ4勝&12連勝継続中&史上5頭目の香港スピードシリーズ三冠を達成した怪物カーインライジングに譲ることになってしまった。
ただ4年連続で最優秀中距離馬は受賞、更にファンの人気投票ではそのカーインライジングを遥かに上回る過半数の票を獲得、圧倒的な支持を集めて最高人気馬に選ばれた。
2025/26シーズン〜史上最高の浪漫を求めて〜
長い休養を経て、調子も整ってきた本馬。次走はお馴染みジョッキークラブカップ。本来なら「勝った」とだけ書いて次に行きたいところだが……そうもいかない理由があった。ヴォイッジバブルが出走してきていたのだ。
既に2回勝った、格付けの済んだ馬と侮るなかれ。この馬、香港の王者がいなかった前シーズンで
謎の12着があった以外は無双を続け、その果てに何と
{
{
香港史上2頭目の香港三冠を達成していたのだ!ゴールデンシックスティが距離不安を理由に挑戦を諦め、ロマンチックウォリアーが一冠すら取れなかったあの三冠路線で、である。年度代表馬争いではカーインライジングに負けたものの間違いなく新たな香港競馬界の大スターとなっており、
間違いなく今がこの馬の絶頂期。
それに比べてロマンチックウォリアーはどうだろうか?直前では2連敗。更に故障からの長期休養。お世辞にも絶好調なんて言えない。
そんな訳で、流石に今となっては大衆もヴォイッジバブルの方を支持…………
ロマンチックウォリアー:単勝オッズ1.4倍
ヴォイッジバブル:単勝オッズ3.2倍
………………あれ?
そう、香港の競馬民は新たなスターよりも、落ち目の英雄の復活を、勝利を信じたのだ。
もうこうなれば負けられない。ヴォイッジバブルに、ライバルに、ファンに、競馬界に、いや香港全土に必ず知らしめてみせる。
その王座が、誰の物であったのかを。
レーススタート。初めて見るヴォイッジバブルの逃げにも慌てず4番手で追走。4コーナーに入ると持ったまま加速し、内のヴォイッジバブル、真ん中ソードポイント、そして外のロマンチックウォリアーで3頭並んで直線へ。
shaken up Voyage Bubble!Romantic Warrior went fast between them!Sword point back to third!
ここは王者同士の勝負。分不相応にも割って入ってきた邪魔者を蹴散らし、ヴォイッジバブルとの一騎打ちに。
Then came straight Aaron!
ヴォイッジバブルも中々先頭を譲らない。それは三冠馬としての実力か、それとも現王者としての意地か。
…………それでも、
It is Romantic Warrior taking the lead!!Half a length over Voyage Bubble!
香港の英雄は、全てを踏み潰して先頭に立った。
Take a Bow!DAM !He's back and He is back in style!What's a horse!!
最後は流しながらの1馬身半。史上初のジョッキークラブC3勝と共に、三冠馬相手にすら余裕と隔絶した実力を見せつけての鮮烈な復活劇であった。
さぁ、そして次走は偉業がかかった香港カップ。今回の海外馬も強敵がおり、
・5歳になってから覚醒しジャンロマネ賞を含む怒涛の4連勝。凱旋門賞や英チャンピオンフィリーズ&メアズステークスでは重馬場に泣くも得意の良馬場で巻き返しを図るキジサナ
・大阪杯をレコード勝ちで連覇、宝塚記念も連続馬券内に絡みターフの主役に躍り出たベラジオオペラ
らが主な相手となる。
しかしあんな前走を見せられてはロマンチックウォリアーの勝利を疑う者はおらずオッズ1.1倍の割のいい銀行圧倒的1番人気に。
レースでもキジサナの後ろの3番手で競馬を進める。4コーナーでベラジオオペラが最後方から上がってきた馬に左右を塞がれた時、図った様な位置取りで蓋をし、前後左右進路を無くさせる巧すぎる立ち回りを決めてから直線で進出。キジサナらも突き放し、不利を受けながらも追い込んできたベラジオオペラ追い込んでくるが……
絶望感たっぷりな実況と共に、マックお決まりの後方確認&最後は追うのをやめての舐めプで全員粉砕。ベラジオオペラも3番手以降を3馬身以上離す驚異の足を見せたが、それ以上に、生物種としての格の差を見せつけられる形となった。
これにてGⅠ11勝目。これはゴールデンシックスティのGⅠ勝利数を超え香港馬史上最多。更に、史上初超えて空前絶後、その領域に手をかけた馬すら存在しない香港カップ4連覇。
あまりにも隔絶し過ぎた『史上初』を2つも叩き出す圧巻の走りっぷりで2025年最後のレースを終えた。とてもそろそろ8歳になる馬がやって良いことではない。
そしてこの数日後、シャム調教師からの衝撃の宣言が香港を揺るがした。
それはリベンジ。忘れもしない屈辱を、今こそ晴らしに行くという宣言。
今度こそ誰も文句をつけられない実績と実力を以て、新たな伝説を作りに行く。
さぁ、いざ─────香港三冠へ。
浪漫の勇士よ、伝説たれ
2026年1月25日、一冠目、香港スチュワーズカップ。
安田記念から1年と7ヶ月振りの1600m。いくら最強馬といえど、そんな舐めた考えの馬にマイルは譲らないとばかりに香港の精鋭が集結。
・史上3頭目の香港マイル連覇、更にはこれまた史上3頭目の本競走連覇。3連覇をかけ、現在GⅠ6勝の現役最強マイラーとして堂々と挑戦状を叩きつけてきたヴォイッジバブル
・香港4歳三冠のクラシックマイルで1着、ダービーでは2着となるもラスト400mでシャティン競馬場の歴代最速ラップを記録した小さな巨人マイウィッシュ
・短距離マイルの大舞台で2着3着を頻発、プロコレと言われながらも走り続け、去年のチャンピオンズマイルで遂にGⅠタイトルを掴んだレッドライオン ちなみにその次の香港マイルは3着
・史上3頭目の香港スピードシリーズ三冠馬にして、カーインライジングのせいで勝てなくてマイルに活路を求めてやってきた稀代の短距離馬ラッキースワイネス
彼らが揃ってロマンチックウォリアーを止めに来た。しかし、それらを押し退けての1番人気に立つ
レースでは好スタートを決めての4番手、その後ろからヴォイッジバブルがマークするという形で進むが、残り900mほどでペースを上げてハナを進むラッキースワイネスのすぐ後ろに取り付く。ヴォイッジバブルもそれを追うように外から進出。最終直線では並びかけてきた。
しかし関係無し。叩き合いに持ち込ませる間もなく全て突き放し、やはり最後はマックが舐めプ仕草をするほどの快勝&レースレコード。3年前は強敵に阻まれた一冠目を制し、現役最強マイラーであることすら証明してみせた。
続けての二冠目、香港ゴールドカップ。
シャティン競馬場の芝2000m。オッズ1.0倍]と遂にただのコインロッカーと化したこの競走はただでさえロマンチックウォリアーが最も得意とする条件であるうえに、ここには前走ほどレベルが高い馬は集まらず、精々が去年の勝ち馬ヴォイッジバブル程度のもの。それも前走を見るに問題外と言ってよく、ハッキリ言えば敵はいなかった。そしてそれを証明するかの様に、残り100mからは独走&オールウェイズハイパー舐めプ仕草で4馬身差楽勝。スチュワーズカップに続いてのレースレコードで三冠に王手をかけた。ま〜た金の出る公開調教か。
次走は三冠目…では無くクイーンエリザベス2世カップへ。
前走とは打って変わって日英仏の強豪と鉢合わせ。参戦を予定していた日本の皐月賞&有馬記念馬ミュージアムマイルこそ跛行で出走を回避していたものの……
・愛チャンピオンステークス3着からのバーレーントロフィー、ネオムターフカップを連勝してやってきたロイヤルチャンピオン
・パリ大賞、ガネー賞、イスパーン賞と欧州のビッグレースを複数制し、凱旋門賞も3着、更に去年の香港ヴァーズでは前年覇者ジアヴェロットとの競り合いを制してシャティン競馬場への適性も示したソジー
・同期の皐月賞馬のミュージアムマイルを抑えて天皇賞秋を勝利すると、続くジャパンカップでは世界最強馬カランダガンのクビ差2着と激戦を繰り広げたマスカレードボール
シャム調教師が「ここ10年から15年の中では最も強いメンバーが揃った」とまで評価するイカつい布陣であり、その中でも特にマスカレードボールは日本の競馬民か競走ら注目されていた。
何せ前走の天皇賞秋、ジャパンカップ合わせて
日本の主要な中距離勢全てに先着したことから当時は半ば現役最強馬扱いであり、文字通りの日本総大将。更にレーティングでもロマンチックウォリアーを上回る唯一の馬であったことから、ホームのロマウォ相手でも通用すると期待されていたのだ。
しかし、王座はその程度で揺らぐほど軟では無い。レースでは好位につけ、ナンバーズらが作るスローペースを追走。最後はやはり直線で全て交わして先頭に立ち、マスカレードボールやソジーの追撃もいつもの舐めプで楽々凌いでゴールイン。またまた
空前絶後のクイーンエリザベス2世カップ4勝を達成してみせた。マスカレードボールも出遅れから上がり最速で1馬身差まで詰めてきており大したものだったが、今回ばかりは相手が悪かった。
そして世界最強馬相手に2度僅差の2着となる珍事も。というかこの流れ何処かで……
さぁ、自信を持って三冠目、チャンピオンズ&チャターカップ。
実に3年ぶりとなる2400m。この距離は流石に不安要素であったし
・未去勢で7歳になるも今更京都大賞典で重賞初制覇、更に8歳で国外遠征してアミールトロフィー(GⅡ 芝2400m)を勝ってきた存在が大怪奇の老兵ディープモンスター
・豪州時代は未勝利ながらもスプリングチャンピオンステークス(GⅠ 芝2000m)で2着に食い込むなど潜在力を覗かせ、香港に移籍すると未勝利のまま香港ダービーを制覇、前年の本競走も3着と健闘していたキャップフェラ
の様な、遥か格下とは言えながらも距離を考えると侮ってはいけない相手に当たる。しかし、皆が三冠への期待を込めての1.1倍の1番人気。
レースではまたナンバーズや同厩舎のロマンチックトール、ディープモンスターらに先を譲っての4番手。幸運にもまたゆったりとしたペースで推移し、しっかりと折り合いをつけて体力を温存しながらの追走が出来た。
4コーナーで促されると、流石に400mの距離延長はキツかったかキレは無いがジリジリ伸びる脚でディープモンスターを交わして前の2頭を捕まえにかかる。それに呼応するようにディープモンスターも加速、差し返さんと迫り直線半ばで叩き合いに突入。最後の三冠戦はまさかの接戦へもつれ込んだ。
だが、ここで事件が発生する。何とロマンチックウォリアーここに来て内に大斜行。それによってディープモンスターを更に内側に押しやる形になってしまった。そして、何とか態勢を立て直したディープモンスターの前にいたのは……未だ粘っていた前の2頭。ディープモンスター前が壁!
そうしてライバルの伸びを封じると本馬も態勢を立て直すと加速、そして………!
A Romantic Ending to a flawless campaign!
Three jewels in the crown for Hong Kong's ultimate Warrior!!
He sweeps the triple crown with victory!!!
すんでの所でナンバーズも差し切って、遂に史上3頭目の香港三冠を達成。一冠とて届かなかったあの時から3年、怪我も、ライバルも、それら含めた全ての試練も乗り越えて、遂に栄光を掴んだ。
とはいえ流石に最後の斜行は問題視され、特に日本では賛否別れることに。勿論香港ジョッキークラブも黙ってはおらず、マックは不注意騎乗として3日間の騎乗停止と12万香港ドルの過怠金処分を科される羽目になった。とはいえ着順に変更は無く、ロマンチックウォリアーの栄誉は何とか守られた。
さて、これで今シーズンも終わり。というわけで今年も年度代表馬受賞の頃がやってきた訳なのだが………ある議論が話題を呼んでいた。年度代表馬選考に関してだ。
というのも、今シーズンは甲乙付けがたい馬が2頭いたのだ。勿論片方は我らがロマンチックウォリアーだが、もう片方は前年の年度代表馬カーインライジング。今シーズンの2頭を比べてみると……
・ロマンチックウォリアー:6戦無敗うちGⅠ5勝。35年前後続く歴史の中でで史上3頭目の香港三冠達成。更にマイルでも中距離でも世界最上位レベルのメンバーを完全に粉砕。
・カーインライジング:8戦無敗うちGⅠ5勝&20連勝継続中。オーストラリアに遠征して芝の最高賞金額競走ジ・エベレスト(GⅠ 芝1200m)を制覇。更に伝説の名馬サイレントウィットネス以来史上2頭目の香港スピードシリーズ三冠2周目達成。
Q:さぁ、あなたはどちらを選びますか?
…………うん、そりゃ悩むわ。
だってどっちか選べばもう片方は切り捨てられることになるんだよ?どっち選んでも荒れること確定じゃない?
競馬ファンはどちらが相応しいか予想(という名のレスバ含む)を繰り広げながら、発表の時を待った。
そしてとうとう香港ジョッキークラブからの表彰日。激しい年度代表馬争いの結果は…………
&footnote(カーインライジングの中華名。
何と、「1頭にしか与えてはならないなんてルールねぇよなぁ〜〜〜〜」「あぁ?前例が無いだぁ?じゃあ作るんだよ馬鹿野郎!!」とばかりの前代未聞2頭同時受賞の荒業を披露。
これによってロマンチックウォリアーは年度代表馬へと返り咲き、更に最優秀中距離馬に加えて最優秀マイラー、最優秀ステイヤーにまで選出。表彰と栄光づくめの最高の形で今シーズンを締めくくった。
陣営もこれには大喜び、更に記者会見で今後衰えが見えたら引退させるであろうこと、逆に調子が良さそうなら海外遠征も検討すること、そして、次走は香港カップの予定であることを発表。つまるところ、現在衰えは見られないこと、そして来シーズンも現役続行することを表明した。
さぁ、道は開けた。なら後は進むだけ。あのロマンチックウォリアーなら、もっと上にだっていける。
香港カップを勝って史上初の同一GⅠ5連覇だって。
ウィンクス超えのGⅠ25勝だって。
あのロマンチックウォリアーなら、史上最高の香港の英雄なら、全部成し遂げてくれる。
そう、誰もがその先を夢想した。
誰もが、彼の更なる躍進を信じて止まなかった。
実際に、ロマンチックウォリアーはそれに応えられるはずだった。
…………………はずだった。
永遠なれ、浪漫を追い求めた英雄よ
8月25日、香港ジョッキークラブが検査の結果ロマンチックウォリアーの関節に異常があることが認められたこと、更なる詳細な検査が必要であること、その詳細な結果は追ってお知らせすると発表。この知らせは香港を始めとした競馬界をざわつかせた。何せ衰えが見えたら引退させる予定であることを公表している陣営のことだ。厳密には衰えとは違うが、それでも嫌な予感が背中を駆け巡った人は多かったろう。
そして、運命の9月2日。公式のXが更新された。
「香港ジョッキークラブは、世界的なチャンピオンホースであるロマンチックウォリアーの近況を、世界中のファンの皆様にお伝えします。同馬の関係者は、クラブの獣医師団と協議を重ねた結果、クラブが誇る最新の獣医病院で行った前脚の精密な画像診断の上で、競走馬として引退させる決断を下しました」
ロマンチックウォリアー、引退決定。
この衝撃の発表は大きな反響を呼び、突然の幕引きに驚く声、その引退を惜しむ声、その偉業を称える声、血を残せないことを惜しむ声が各国から数多く寄せられることとなった。
正直、建て主は心の何処かで彼はまだまだ走り続けるものだと思っていた。
最後まで衰えを見せず、それこそ後1年2年は走り回ってその強さを日本馬に、世界に示し続けるのだと。
ひとつの時代の終焉、とはこういうことを言うのだろう。
4カ国GⅠ制覇。史上3位タイのGⅠ15勝とジョンヘンリー(16勝)のみ)。史上最多タイの同一GⅠ4連覇。史上最多の獲得賞金額。
あまりに多くの栄光を抱えながら、香港の英雄は静かにターフを去っていった。
いつかは彼の座を継ぐ者も、超える者も現れるだろう。
それでも、彼が幾度も見せつけてきた背中を私達が忘れることは決してないと信じている。
さようなら、ロマンチックウォリアー。
能力
……………………いや、マジで。
レーススタイルはほとんどが王道の先行抜け出し型。
このタイプの最強馬に有りがちなほぼ全てのステータスカンスト型のパラメータであり、最高速度、瞬発力、根性、知能、操縦性、テン中終い、倒してきた相手のレベル、どれをとっても隙がない。
脚質も自在……とまでは言わないがある程度融通は利くのも魅力。
特にスタートの良さは驚異的で、幾つものレースで本職逃げ馬以上のロケットスタートを決めてはハナを取りたい相手に行き足を使わせ、消耗させたらサッサと好位につける光景がよく見られた。
また、距離さえ適当なら戦場を選ばない適応力も最高クラス。左回り右回り、馬場、レース展開全て不問で、挙句の果てにダートですら世界最強馬に勝ちかけるほど。そして計3回の海外遠征を含め31戦し、時に年内7戦する様な厳しいローテでも大きな故障は2回しかない体の頑強性もまた本馬の大きなストロングポイントであった。
あえて弱点を挙げるとするなら2400m以上を走るにはスタミナが足りなさげな所だろうか。引退までにこの距離は2戦したが1戦は粘りきれずギリ負け、もう1戦は実績だけなら遥か格下相手にダーティな手を使い最後までガチ追いしなければならないほど追い詰められる等、これ以上の距離への適性は疑問視される所ではある。
しかし、この弱点さえ克服した時のロマンチックウォリアーはまさに完璧。
特にシャティン競馬場芝2000mは庭と言ってよく、最高のスタートを決め、トラブル無く追走し、最後は直線で抜け出るとセーフティリードを確保、後はマック騎手がハイパー舐めプモードに移行してのゴール。それほどまでの余裕を見せておきながら上がり最速&時々レコードでの完勝。こんなデタラメな競馬を数多の挑戦者に叩きつけるのがお決まりのパターン。それでいて最後の舐めプのおかげであまり着差はつけない傾向にあるため実力差を低く見積もられることが多く、「あいつはダメでも、俺ならお近づき(物理)になれるかも……」と勘違いする奴を量産し、また着差をつけずに勝ち、それを見た奴らが……(以下ループ)させる罪なおカマ馬さんなのであった。しかもやろうと思えば'25サウジカップや'22香港カップの様に着差もつけれるため尚更始末に終えない。
ここでの戦績は15戦14勝2着1回、唯一の2着も全盛期前の時期にゴールデンシックスティという同格のチートに襲われる+騎手の騎乗ミスでようやくといったレベルであった。
そして、これらの強み以上の本馬の最大の特徴。それは衰え知らずの肉体である。
確かに騸馬だから長持ちしやすいとはいえど、普通それでも7歳辺りでピークを過ぎるものであり、ましてや8歳半ばの馬がレコード連発して相対的に不得意な距離のGⅠで勝つなどほぼ有り得ない話である。ゴールデンシックスティも後輩のヴォイッジバブルも7歳には衰えの兆しを見せているのに、ロマンチックウォリアーだけがお元気いっぱいに「香港カップ五連覇狙うわw海外も行けそうなら行くわw」なんて抜かしてたのだ。引退理由も衰えによる連敗では無く怪我によるものであった辺り底が知れな過ぎる。もうお前フォーエバーヤング名乗れ。
そして、これら全ての強みを遺憾無く引き出せる最愛の夫マック騎手との相性は最高。年単位で培った人馬一体の走りはお互いの能力を120%発揮させ、ただでさえ困難なロマンチックウォリアー攻略をさらにハードモードにしていた。
……え?いい加減長い?じゃあ他の馬で分かりやすく例えるなら……
…………といった所か。どうやって勝てと?
総評としては、ほぼ間違いなく香港史上最強中距離馬にして香港史上最強馬の一角。そして、現役時世界最強中距離馬の内の一頭であったと言えるだろう。
日本競馬最大の天敵
さて、本馬が海外馬の中でも日本で特に高い知名度を誇るのは、やはり倒してきた日本馬の数故であろう。
この馬名の羅列、お気づきの方も多いだろう。
何を隠そう、ロマンチックウォリアーが討伐した日本馬リストである。
しかも長くなりすぎない様、現在GⅠ級競走の勝ち鞍がある馬のみに絞らせてもらった。そのため、もし、単に負けた日本馬を全部挙げたならこのリストに載る名前は倍近く増える。
そして、これだけの犠牲を払いながら、逆にロマンチックウォリアー討伐に成功した日本馬は
この2頭のみ。いかに壮絶な戦いを日本とロマウォが繰り広げてきたか分かるだろう。
また、これだけでも日本馬の天敵足りえるが、さらに厄介なのはロマンチックウォリアーの2着に入った馬が非常に多いこと。
何とこれだけの数がいる。これらの馬はロマウォがいない、つまり例年通りならば勝っているパフォーマンスだったということであり、その分彼らが新たな栄光を掴む機会をその脚で踏み潰してきたのだ。
特にプログノーシスは2年連続でロマウォの2着であり、このせいでGⅠタイトルには手が届かずに競走生活を終えてしまった。日本馬の中では最大の被害者と言ってよいだろう。
余談
香港の英雄
さて、そんな訳で日本競馬の天敵であったロマンチックウォリアーだが、香港ではとてつもない人気を誇った馬でもあった。
香港の中距離馬のレベルは短距離マイルと比べると一段落ちる、海外馬に負けることも多い、という話を覚えているだろうか。
それは香港の競馬ファンは幾度となく地元総大将が海外馬に容赦無く叩き伏せられ、レベルの差を見せつけられてきたということであり、それが屈辱的なことだということは想像に難くないであろう。
そんな香港競馬界に、いつもの様にやってきた海外馬も全て返り討ちにし、それどころか今までの借りを返すかのように敵地に乗り込んでは大将格を討ち取って凱旋してくる馬が現れたら、ファンはどう思うかもまた想像に難くないはずだ。香港の英雄、なんて呼び名はそれだけの意味があるのだ。
また、彼の馬生は非常に魅力的な物であった。クラシックにカリフォルニアスパングルと世代最強を賭けて戦い、勝ってみせたと思えば初めての格上相手とライバル関係に、海外を飛び回って活躍し、怪我からの復活三冠エンド。何とまぁ波乱万丈でロマンチックな競走生活ではないか。
特に、海外遠征を積極的に行うのは今どき貴重だろう。トップホースの戦績を守る様なローテーションが増えるなか、相手も戦場もあまり選ばず戦いを挑んでいくのはやはり見ていて気持ち良いものである。馬主の劉栢輝氏のチャレンジ精神と、シャム調教師の馬の状態を維持する確かな腕が私達を楽しませてくれたのだ。彼らに敬意を。
大手競馬サイト『idol horse』の編集長マイケル・コックス記者の記事の記述でも、
『ロマンティックウォリアーが出走した日にゴールポストまで歩いていくと、まるでサッカーのスタンドから迷い込んできたようなサポーターの集団を見かけた。手描きの看板。風になびく旗。頭上に掲げられた馬のぬいぐるみ。
静かに出走表を読んだり、ボックス席でシャンパンを飲んだりしたい人向けのスポーツにおいて、彼らは実際に声援を送っていた。
彼らは周囲の人々よりも若く、女性が多かった。
競馬界が注目すべきはそこだ。このスポーツはマーケティングキャンペーンや派手なリブランディングで人々を惹きつけたのではない。馬を通して彼らを惹きつけたのだ』
…………と記されている。
まぁつまるところ彼は『単なる香港の強い馬』に留まらない、それこそ香港競馬にとっての『英雄』であったのだ。
三日天下の賞金王?
さて、現在歴代世界賞金王として君臨しているロマンチックウォリアーだが、この地位は既に危機に晒されている。というのも、今現在時点ですら彼の賞金額を超える可能性が高い馬がいるのだ。
最有力候補は2頭。まずは
フォーエバーヤング。世界最高賞金額のサウジカップ連覇を始めとした数々のGⅠ制覇or入着で一気にロマウォに肉薄してきた本馬。項目作成時の2026年は少なくともBCクラシックには挑む予定であり、仮にここを勝てれば僅差で世界賞金王の座を奪取出来る所まで来ている。BCクラシック連覇は未だアメリカの
ティズナウしか成し遂げていない偉業、その困難は察するに余りある。今年中の引退もほぼ確実であるため次は無いのも事実。それでもフォーエバーヤングなら……と思わずには居られない。新たな伝説を作ることが出来るか注目しよう。
そしてもう1頭は香港の怪物UMAカーインライジングだろう。本項目でも何度か名前だけ登場し、ロマンチックウォリアーと年度代表馬争いを繰り広げたこの馬だが、現在短距離レースで無双を超えた蹂躙を続けている。かつて香港の短距離界に君臨していた伝説的UMAサイレントウィットネスの連勝記録も軽々と塗り替えて現在21連勝中。短距離レースの平均的な賞金額の低さもその連勝でカバーして追い上げてきており、このままのペースを保って連勝を続ければ、来年のジ・エベレスト連覇時に超える見積もりである。当然の様に連勝前提なのは気にしてはいけない。
前走では他馬より9kg重い斤量、軽度の打撲、最後まで追わない、と全力には程遠い状態であったにも関わらず何と7馬身3/4差とスプリントでついてはいけない着差&自身が作ったコースレコードを1秒近く更新で大圧勝を決め、レーティングも135ポンドと歴代短距離馬最高の値を獲得した本馬。今や史上最強クラスのスプリンターの一角であることは確実視されており、負けることが想像できないその走りは同様に要注目だ。
関係者からの評価
ザック・パートン騎手「彼は非常に手強い馬で、 何度か勝ったと思った時でも、必要な時に最後の力を振り絞って勝った。彼はゴールがどこにあるかを知っていたんだ。そして、1マイルから2400メートルまで、最高レベルの走りをこなせた。私がこれまで見てきた中で、彼ほど多才な馬はいないと思う」
カリス・ティータン騎手「正直言って、彼がこれほど素晴らしい馬だとは思っていませんでした。彼のこれまでのキャリア、シーズンごとに見せてきた実績…怪我から復帰して、以前よりもさらに良い成績を残しているんです。だから、彼が非常に優れた馬であることは分かっていました。乗った時、本当に特別な存在だと感じました」
ヒュー・ボウマン騎手「彼は本当に特別な馬です。気性が穏やかで、心根も素晴らしい。2000メートルでは誰も彼に勝てません。
ウィンクスと同じ文脈で語れる唯一の馬だと言えるでしょう。彼がウィンクスに勝つか、彼女が彼に勝つかは無意味な議論ですが、この2頭を比較するのは妥当だと思います」
ジェームズ・マクドナルド騎手「ヒューイ(ボウマン騎手の愛称) とウィンクスのときのことを話していたんですが、まさに僕はロマンチックウォリアーで同じことを経験しているんです。この馬には畏敬の念を抱いていて、乗っている瞬間を大切にしています。彼のような馬に再び出会うことはないと思うんです。ロマンチックウォリアーは生涯最高の馬です。私にとってのウィンクスです」
「(ウィンクスとロマンチックウォリアー比較して)公平に見ればウィンクスの方が上だが、それでも私はロマンチックウォリアーの方が優れていると思う」
劉栢輝氏(サウジ・ドバイへの遠征検討中のインタビューにて)「こんな素晴らしい馬と出会えるのは、一生に一度かもしれません。もし、香港だけに留めておくなら、それは国内大会で金メダルなのにオリンピックを辞退するようなものです」
(引退を決断する前のインタビューにて)「(デビューした)あの日から今までに、この馬が与えてくれた喜び、誇り、そして思い出は、私が夢に描いた最大の期待さえ、すでに10倍以上も上回っています」
「たとえ明日引退したとしても、私は自分を世界で一番幸運で、世界一ハッピーな馬主だと思うでしょう。それが今の気持ちです」
ダニー・シャム調教師(通算900勝達成の際の記念インタビューにて)「もちろん、ロマンチックウォリアーを管理できるのは光栄で、喜びでもあります。でも彼がケガをしたときはつらかった。本当に苦しくて、私もその痛みを感じました。まるで息子のようなんです。
世界中の親なら、自分の子どもが熱を出したりケガをしたりしたら、こちらのほうがよりつらく感じますし、『その痛みを代わってあげたい』と思うでしょう。だから難しかったんです。彼は私にあまりにも多くを与えてくれた馬でしたから。
厩舎で彼を見ると、彼は私のところへ来るんです。まるでキスでもしたいみたいに。だから私は結局、『君が引退したら、私も引退したほうがいい』と言いました」
ジョン・サイズ調教師「彼はゴールポストがどこにあるかを知っていて、そこに一番乗りする方法も知っていたようだ。彼は私がこれまで所有したどの馬よりもはるかに優れている。彼に匹敵する馬はいない」
マイケル・コックス記者「ロマンチックウォリアーは、香港競馬に彩りが必要だった時期に登場し、彼が去った後、競馬場は以前よりも賑やかで若々しく、人で溢れかえる場所となった。その功績は、賞金の額をはるかに超えて長く語り継がれるだろう。その証拠は既に出ている。『私は永遠に香港競馬のファンです』と、同じ競馬ファンは書いている。その点についても、後悔する必要はない」
フォーエバーヤングのアニメでは
サウジカップでフォーエバーヤングと歴史的対決を演じたロマンチックウォリアーであるが、そのサウジカップと言えばフォーエバーヤングの紹介PVで専用アニメが作られたことで有名である。このアニメ、「どう見てもアルプス山脈のようなノーザンファーム」「伝説の名馬
リアルスティール(しかも星座にされる)」「セレクトセールで馬具フル装備のエバヤンを9,800万(23,562万)で競り落とした上に大地が彼のキャンバスになると言ったらしい矢作師」
「怒りのケンタッキーダービー2着主張」など愛は感じるが数えればキリが無いほどの突っ込み所満載なアニメなのだが、ドバイワールドカップ直前にサウジカップの激戦が追加されたバージョンが放映されていた。そこにはライバルとしてロマンチックウォリアーの紹介が追加されたのだが
リヤドの砂漠にて、銀色に輝く2月の月の下、勇敢なる王者が立ちはだかった
計り知れぬ富をもたらし、競馬史上最高の栄誉を手にした覇者
これほど何一つ誇張のない完璧でカッコイイ説明も他にないだろう。この後矢作師が最大の試練が待ち受けていると言ったらしいが真偽は不明
追記・修正は彼にシャティン競馬場で勝ってからお願いします。
- ロマンチックウォリアーは強いけどまだワンチャンありそうな雰囲気あるけどカーインライジングはワンチャンすら感じねぇ -- 名無しさん (2026-09-24 23:34:08)
- ちんちん無いのが勿体ない -- 名無しさん (2026-09-25 00:54:40)
- マジで弱点が「セン馬だから繁殖出来ない」しか無いの、無敵だけどあまりに惜しい。 -- 名無しさん (2026-09-25 01:50:27)
- 日本馬は不慣れな初ダートの時か度重なる海外遠征でヘトヘトな時にしか勝てなかったもんな -- 名無しさん (2026-09-25 05:02:31)
最終更新:2026年09月25日 05:02