登録日:2011/03/16(水) 23:08:31
更新日:2024/08/20 Tue 08:28:55
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『
サンリオタイムネット』とは1998年に発売された
ゲームボーイカラー(※全GB対応)用ソフトである。
サンリオのキャラクター達を交えつつ、「ときのかけら」と呼ばれるモンスターを捕まえバトルしていく
RPG。
「2バージョン同時発売」「モンスターによっては進化する」「通信交換や対戦が売り」と、この時期よくあった
メダロットや
ロボポンのような
モンスター収集ゲームの一つ。
ちなみに発売元はメダロットのイマジニア。
でも、
- 最初に貰えるモンスターを3匹の中から選んだり、
- 通信交換や特定アイテムで進化するモンスターがいたり、
- モンスターが全部で161種
というのはちょっと意識しすぎじゃないか?
しかし、
BGMは良曲ぞろいで、遭遇した敵の属性、戦局や遭遇済みか否かでSEやBGMが変わるというアイデアが光る。
ちなみに本家の方では
20年経って戦局でBGM変化をするようになったが、本作にあるそれ以外のBGM変化パターンはまだ無い。この点は間違いなく評価できるだろう。
特に
ラスボス戦の評価は非常に高い。
クソゲーには良曲が多い法則とか言うな
ストーリー
ある日、タイムネットという世界にある「ときのはしら」が何者かに壊されてしまい、世界が過去と未来の2つに分かれ『現在』が失われてしまった。
主人公は「ときのはしら」を修復するため過去世界と未来世界を冒険し「ときのかけら」を集めることになる。
システム
モンスターを捕獲するには、相手を弱らせて「ゲットカード」か「デジカメ」というアイテムを使う。
ただし「ゲットカード」はレベル10までのモンスターしか捕まえることができず使い捨て。
これに対しデジカメはレベル制限も回数制限も無し。
よってデジカメ入手後はゲットカードの存在意義がなくなる。
NPC(トレーナーと呼ばれる)戦で勝利した場合、相手の手持ちのモンスターを1体貰える。
この方法でしか入手できないモンスターもいるが、作中そのことについて説明は無い。
手持ちは6匹まで。それ以外は
パソコンに預けることになる。
ポケモ○と違ってパソコンに預けているモンスターにも
経験値が入るのは便利っちゃ便利なのだが、おかげで知らない間に勝手に進化してたりすることも。
また、中盤あるアイテムを手に入れることによってマップ上でも手持ちを入れ替えることが可能となる。
どんなモンスターにも付け替え可能な「スキルパック」と「パワーマーク」というアイテムがある。
スキルパックは技を追加でき、パワーマークは耐性を付加できる。
難点?
最終マップに進むにはモンスターを161体捕まえ「ときのはしら」を完成させる必要がある。
……のだが、「161
種類」ではなく「161
体」集めることで修復するというのがミソ。
つまり本来ならどんな奴でもいいからひたすら捕まえれば完成するのだが、総モンスター数が161種のためかなり紛らわしく、ここで詰んだと勘違いするプレーヤーが続出した。
しかも当初の予定では「161
種類」にするつもりだったらしい。
この案が通っていたら、
ラスボス戦にすらまともにたどり着けず、実質クリア不可のゲームになっていたことは想像に難くない。
RPGとしては非常に珍しく、街の中でもモンスターと普通に
エンカウントする。
マップそのものもやたら広く、消耗に拍車をかける。
また、スタート地点のすぐそばにレベルの高いモンスターが出現するエリアが存在する初見殺し的な配置も。
ついでにこのエリアの名前、過去編だと「地下洞窟」である。
どう考えても強敵が出るエリアとは予想がつかないだろう。
当時の開発スタッフによると、市街地でも平気でモンスターとエンカウントし、なかなか逃げられない仕様は「ほとんど人気タイトルの模倣しかできないくせにくだらないところで無意味なオリジナリティを出したがった」というプロデューサーK氏の指示によるものらしい。
Kというイニシャルのプロデューサーは一人だけ……後は言うまでもないだろう。
- 効果がよくわからなかったり、凶悪だったりする状態異常
「麻痺」や「眠り」などよくある状態異常だけでなく、「爆笑」や「無我夢中」といった、ぱっと見では効果がよくわからないものも。
特に凶悪なのが「貧血」で、要は戦闘不能と同じである。
このため、追加効果で貧血にする「ライトビーム」などの攻撃技が壊れ技と化している。
特に状態異常回復アイテムの名前が壊れている。ついでにカタカナで見にくい。
眠り回復は「オキロー」、麻痺回復は「ウゴケー」、無我夢中は「レイセイニナレー」……。
まだ「まひなおし」とかの方が直感的で視認性もいいだろう。
ポ○モンでも特定のレベルに達した時に新技を覚えるが、本作では技にもレベルが設定されており、技経験値がたまると覚える仕組み。
技を多く使うほどたまるのだが、これのせいで進化前で強力な技を覚えさせたい場合、進化レベルに達するまでに必死に技経験値を稼ぐハメになり、
レベル上げが二重苦に。
一応「パワーかいほう」や「れんきんじゅつ」 など補助系のスキルパックがあれば稼ぎやすくなるが……。
前者は早い段階で入手できる上に効率がいいこと、後者はいざという時の金策に使える点で差別化されている。
- 明らかに進化系にしか見えないのに無関係なモンスターが多数存在する
殆どが
ゲーム内のイベント関係。
特にレクスウォーカーの入手条件は鬼畜。
過去・未来両編の御三家モンスターの中間形態全種を連れて過去世界の新大陸にある「なぞのほこら」に行く。
ただでさえノーヒントな上に両バージョンと通信機能必須、「パソコンに預けていても経験値が自動的に入り、結果的にレベルが上がり進化する」という仕様、入手場所が隠しダンジョンと、まさに鬼畜の四重奏である。
とあるシナリオ進行に関わる重要アイテムは質問が相次いだらしく、当時の公式サイトで入手方法が載せられた。
もっともメイン層である小学生が自力で公式サイトまでたどり着けたかは大きな疑問が残る。
本作のリリースは一応Windows 98登場後ではあるが、当時インターネット環境のあるパソコンが低学年まで広まっていたとは言えない時期だった。
直前に戦う
ライバルはレベル40代前半なのに、
ラスボスは堂々の
99。
それだけならまだ良かったのだが、3ターン(初回は4)ごとにしもべのモンスターと交代し、しもべを一撃で倒せないと
回復してくる。
もちろん、こんな戦法を取ってくる敵はラスボスのみである。
そしてやっとの思いで倒しても、まさかの
連戦……心を折られたプレイヤーも少なくないだろう。
一応レベル表示はあくまで演出で、最初にもらったモンスターをレベル60くらいにしてれば倒せる調整にはなっているのだが……。
そんな鬼畜ラスボスの詳細は
こちらの項目で(
ネタバレ注意)。
- 幻ポジションの所謂『幻のモンスター』が4体も存在する
そのため161種類全て集めるのは至難の業。
配布イベントも4回しかない上多くが抽選だったため、おそらく
正規手段でコンプできた人はほぼゼロに近い
と思われる。
いくらなんでもこの知名度でこの数はあまりにも無謀すぎる。
特にパッケージに堂々と載ってるタイムサーファーが手に入らないのは痛い。
しかも全種コンプしないと、図鑑完成と見なされない。
本家の場合、この手の種ははじめから含まれていないのだが……。
発売からおよそ21年の時を経て、上記の4体を入手するための隠しコマンドが発見された。
……がしかし、回数制限がなく無限に増殖させられるところを見るに、正規な手段というよりデバッグの消し忘れのようなものであり、正規にコンプできるようになったとは言い難いと思われる。
また、「マシン属性がひかり属性にこうかばつぐん」「ボム属性がかぜ属性を半減」など、イメージじゃ分かりにくい相性も。
「ほのお」と「ヒート」、「ひかり」と「レーザー」もぱっと見では少々紛らわしい。
今作に付けられるモンスターのニックネームはミドルネームである。
ミドルネームは語尾に付き、例えばスノーダルマンに「ゆきのキング」と付けると「スノーダルマン・ゆきのキング」となる。
つまり元の種族の名前を変える事は意地でも出来ない。
「さいこ・キネシス」「Ms.ターマリー」「ホイ・チン」といった・付き名称のモンスターも少なくないのに…。
腹いせに「ホイ・チン」に「コ」とでも名付けてやるか。
イーピーやバサディアン、ドルフィなど良デザインも多いが、それ以上に色々な意味でインパクトに残るモンスターが多い。
ここではその一部を紹介しよう。
ウンチンボーヤ
あまりにも直球すぎる名前と姿で、このゲームを語る上で外せないと言っていいモンスター。
糞ゲーたる所以。
ネタモンスターならギリ許されるかもしれないが、なんとこいつは過去編で最初にもらえる、ポケモ○で言う
御三家ポジションなのである。
さらに戦闘に出した時のセリフは
「……ぷりぷりぷり ぷーっ!」。
進化すると
ウンチンライダー (ウンチンボーヤがゴーグルつけておまるに乗っている)
最終形態が
ウンチンセンム (ウンチンボーヤがスーツ着て葉巻を吸っている)
……という
コロコロコミックに出てきそうな変身を遂げる。
とまあこんななりだが、
漫画版では主人公の仲間の中で唯一進化を果たした上に「寡黙で実力を秘めた仕事人」という渋いキャラ付けがされておりちょっと優遇気味。
オスパリアン
「いくリアン!」
なんかエイリアンのような外見だが、実はこれ、未来編の御三家イーピー

の最終進化系。
第二進化のオスパル

までの有袋類風の愛らしい外観から一転、ヒョロリとまさかの
宇宙人化である。
イーピーは当時の
人気投票で1位になった人気モンスターだけに、この無情な変貌にショックを受けた人も多かったとか。
しかし屈指の強力さを持つ連続技「カオスストライク」を習得するため、通常戦からラスボス戦まで活躍できる。
チコット
『
金銀』から登場した
ネイティに
似ているとよく言われるモンスター。
もっとも初出はこちらのほうが先である。
属性が「レーザー」(あちらは
エスパー)、緑色で丸い鳥型という点で取りざたされるが、比較的よくあるデザインであり、殆ど偶然のようなものだろう。
むしろ
チルットに近いかもしれない。
ガンタク
化粧の落とし後を魚拓になぞらえて「顔拓」としたセンスは面白いが、こんなのがヒラヒラ飛んでる所に遭遇したらと考えると……
一反木綿かよ。
ちなみに、ラスト
ダンジョンの火星基地のてっぺんにこいつが描かれている。
(張り付いている?)
後年、ハンギョドンやバッドばつ丸の生みの親である井上・ヒサト氏によって、既存キャラクター以外の全てのモンスターがデザインされていたという衝撃の事実が明かされた。
ちなみにガンタクはラスボスの顔を連想してデザインしたという。
登場人物
男女を選択可能。選ばなかった方は
ライバルとなる。
ちなみにどちらも一人称は
「わたし」。
主人公にタイムネットを救ってほしいという内容のEメールを送った爺さん。
物語中でも度々登場して助言を残していくが、ことごとく曖昧でいまいち役に立たない。
割と序盤の方に実家が建っており、押しかけるとモンスターのミドルネームを自由に変えられる。
ご存知サンリオキャラクター。
ショップや休憩所の市場を独占しており、受付担当。
タイムネットを破壊しようとする謎の人物。明太子唇が目と繋がっており、かなり凄い顔をしている。
帽子がキティっぽいのでキティラーだと思われるが、こっちが本体らしい。
他サンリオキャラクター多数。
一部のキャラ設定に大幅な変更がある他、ハンギョドンだけ何故かイベントで戦うモンスター扱い。
しかもヒーロー衣装のグレートハンギョ、機械化したハンギョドンロボと妙な進化を2回もする。
漫画版
小学五年生と
小学六年生において『冒険時空タイムネット』というタイトルで漫画が連載された。
原作は本作シナリオを手がけた山田桜丸、作画は征矢浩志。山田桜丸はのちの
直木賞作家・桜庭一樹氏である。
大人の事情でサンリオキャラクターは登場しない。
じゃあなんでメディアミックスした……と言いたいが版権周りが非常に面倒なので仕方ないのかもしれない。
実際、様々な年代のサンリオキャラが登場する他の企画を見ると版権表示がすごい事になっているのが見られる。
妙にエロいし、下半身がもげるなど
グロ描写も多く、読者に衝撃を与えた。
ボンボンでやれとか言わない
現在ではプレミアがついているらしく、
2万円以上の値段で販売されていたとの報告もあるほど。
さらに1999年春の東京ゲームショウでは
第0巻が配布されている。普通の単行本でさえプレミアがついていることを考えると、そのレアさは計りしれない。
ちなみに...
かつて、当時のスタッフが貴重な開発時の裏話を語ったブログがあった。
「ポ●モンのパクリのクソゲー」というもっともな意見
はっきり言って、ひどいゲームなんだけどね。
(ウンチンボーヤについて)「サンリオの某大御所デザイナーさんがデザインしたから」という理由でこれを拒否すらできないなんて……。
この業界に夢を持って入ってきて、少しでも楽しくて素敵なゲームにしようと意気込んでいた駆け出しプランナーにとってはあまりにも精神的苦痛でした……。
初期モンスターが排泄物になってしまった時点で、作ってる方も萎えるよなぁ……。
追記・修正は161
体
のかけらを集めてからお願いします。
- 乙 -- 名無しさん (2014-02-17 22:48:23)
- これサンリオでやる意味なくね?ww -- 名無しさん (2014-02-17 23:40:47)
- 火や光とか自然的な属性を過去編に、人工的なレーザーやボム属性を未来編に出るようにしたんじゃないかと思う。 -- 名無しさん (2014-02-23 15:55:49)
- 上の欄をみると面倒そうなゲームですね。 -- 閲覧者 (2014-02-23 16:26:47)
- エンジェルキティのイベントが起こるタイミングが謎でシナリオがしばらく進まんかった。昔から鬼帝は鬼帝だった模様。 -- 名無しさん (2014-03-28 11:34:58)
- チコットってモンスター、色は違うが某わたどりポケモンとも似てるな。名前も近いし… -- 名無しさん (2014-03-31 20:09:33)
- 当時の公式では「幻のモンスター、プラネッタを入手できた人は百人しかいない」って言ってたから、正規でコンプできた人は100人以下、下手すりゃ一人もいない可能性もあるな -- 名無しさん (2014-04-17 09:43:51)
- >手持ちは6匹まででそれ以外はパソコンに預けることになる。 どう見てもポケモンです本当にありがとうございました -- 名無しさん (2015-04-01 16:32:37)
- クリスタキングが強かった思い出 -- 名無しさん (2015-11-28 19:19:56)
- 成る程…161匹で良かったのか…勘違いしてたわ -- 名無しさん (2016-05-12 00:49:13)
- クリスマスに過去編を貰ったなー、ザッキー強くて詰んでてED見たのは大人になってからプレイ動画でだったw -- 名無しさん (2017-04-08 23:41:10)
- 真エンドってどんなのなんだろう? -- 名無しさん (2018-06-01 23:36:09)
- ↑EDのメッセージが変わるだけみたいだけど、これ見れた人はいったいどれだけいるんだろうな… -- 名無しさん (2019-03-03 17:49:07)
- 自力でクリアしました。分かりにくい -- 名無しさん (2020-06-26 02:56:32)
- ↑ミス。攻略本を見つつ、自力でクリアしました。分かりにくい部分や、攻略本でもどうにもならない部分はあったけど、最初にもらえるモンスターを育てとけば最後まで勝てるので、実はそんなに難しくありません。 -- 名無しさん (2020-06-26 02:58:10)
- ポケモンの超特大ヒットで便乗もん出すのはわかる。独自の要素で差別化するのも当然。しかしなんでサンリオでやってしかも特大クラスのカオス極まりない代物にしやがったw -- 名無しさん (2020-10-31 20:52:12)
- ライトビームっていうカッコいい技の追加効果でモンスターが貧血を起こして即死する謎の世界観 -- 名無しさん (2021-12-07 14:47:34)
- とあるRTAを見たけど、パワーかいほうがメッチャ有能な技でびっくりしたよ -- 名無しさん (2021-12-07 21:19:37)
- 続編のスペースネット最高に楽しかったな -- 名無しさん (2022-09-15 22:25:30)
- 普通こういう名前のゲームだとキティちゃんやけろっぴを仲間に加えて進むストーリーだと思うよな。 -- 名無しさん (2024-08-20 08:28:55)
最終更新:2024年08月20日 08:28