みずタイプ(ポケモン)

登録日:2010/04/12 Mon 19:58:52
更新日:2024/01/13 Sat 10:54:07
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潮風とか、水とか、浴びたい頃なんじゃない?


ポケットモンスターシリーズに登場するタイプの一つ。


名前の通り海や湖等に住む水棲生物の姿をしたポケモンが多く、体色も水色が多い。

代表的なみずタイプのポケモンとしては御三家カメックスゲッコウガ、他にはギャラドスラプラスミロカロス等が挙げられる。

魚類だろうが水棲哺乳類だろうが甲殻類だろうが貝類だろうが水棲昆虫だろうが、とにかく水に縁がありさえすれば原則みずタイプ。
水に住む生物は数がとても多いためイメージが連想しやすいのか、最も標準的なタイプと思われるノーマルタイプを差し置いて最も数が多いタイプとして有名。

最近はあまりに水棲生物をみずタイプにすると単調すぎるからか、
マッギョ(じめんでんき)、シビルドン(でんき単)、ドラミドロ(どくドラゴン)、カラマネロ(あくエスパー)、オトスパス(かくとう単)、ハリーマン(あく/どく)といったみずタイプを持たない水棲生物モチーフのポケモンも登場している。
(ただしカラマネロはタマゴグループが水中1と水中2、他の四系統は水辺に生息しているなど、多少は水棲生物モチーフの面影を残している)


御三家常連タイプということもあり、ストーリーでは比較的序盤から入手可能なポケモンが多い。
特に「なみのり」や「うずしお」「ダイビング」等の秘伝技も多いため、自然と使用者が多くなる。
みずタイプの誰かを取り敢えず旅の相棒兼なみのり要員にしたり、水上で使う技を集中的に覚えさせて雑用係にしたり、おそらくシナリオで最も使われるタイプだろう。

その数故に複合タイプもかなり多く、全タイプに複合したポケモンがいる。
相反するほのおタイプと複合することはないと思われていたが、ボルケニオンの登場により、ひこうタイプ以来の全タイプ複合を達成した。


【特徴】


能力値は全体的に特攻や特防に優れた者が多めで安定した能力を持つ者が多い。


攻撃面で抜群が取れるタイプはほのお・じめん・いわ
防御面で抵抗を持つタイプはほのお・みず・こおりはがね
攻撃が半減されるタイプはくさ・みず・ドラゴン。
弱点のタイプはくさ・でんき。
水は火を消し土や岩を削り、金網をすり抜け草木を育み電気を通し、量が多すぎると凍らせきれないと覚えておくと良い。
ただし、こおり技で例外的に「フリーズドライ」は弱点扱いとなる。
4倍になるポケモンは こちら を参照。

全体的に安定感に定評のあるタイプであり、初代から現在に至るまでシナリオでも対戦でも常に安定した実力を発揮している。

攻撃面、防御面共にタイプ相性のバランスが良い。
攻撃範囲が広くでんき対策としても重宝されるじめん、はがね対策の要であるほのおに強いのは優秀。
また弱点であるくさ、でんきタイプは特殊が多いため特防に優れるみずタイプには有利。特にヌオーラグラージといったじめん複合組は弱点をくさ1つのみに減らせる。

技は「ハイドロポンプ」や「しおふき」等の高威力のものから、「なみのり」「たきのぼり」「ねっとう」等の安定感のあるものまで必要なものはだいたい揃っている。
特に「なみのり」は秘伝技ということもあり手軽に覚えられるのが大きい。
第三世代(RSE)まではみずタイプの技は一律特殊技扱いだったためか、特殊技に比べると物理技は種類が少なめ。
それでも怯みの狙える「たきのぼり」に先制技アクアジェット」等それなりに種類はあり、第七世代(USUM)では教え技として「アクアブレイク」も普及している。

また、「ハイドロポンプ」は初代から第七世代までわざマシンこそ存在しなかったが、殆どの水ポケモンが自力で習得できるためマシン技並みの使い勝手で、「なみのり」に次ぐ主力級の技として使われ続けている。
ついでにルギアアメモースドラミドロなど水棲生物系のポケモンも不一致ではあるがレベルアップにより自力で覚えられる。
どう見ても水棲生物ではないボーマンダは従来から習得可能で、第八世代では更にニドキングドサイドンも覚えられるようになったが、コイツらは元々技が豊富だから仕方ない。

また水タイプの技は「あまごい」状態で強化されるうえみずタイプに多い特性『すいすい』も活かしやすく雨パの中心となるタイプである。
ただし、雨下で必中となる高火力弱点技「かみなり」には注意。
また「ぼうふう」も必中になる。

その数の多さも相まって恐らく総合的に最も優遇されたタイプと言えるだろう。

その数の多さ故にメジャーなポケモンも多く、あのカイオーガパルキアもみずタイプに所属している。

しかし数が多いという事は必然的に競争が激しく、落ちこぼれの数も多くなるという事である。

無名な空気魚達」や「存在価値が鱗のみのハート魚」「何をどう頑張ってもオリジナルに勝てない劣化レプリカなクリオネ」等のネタポケの数も多かったりする。
良い事ばかりのタイプなんていないのだ。

サブウェポンとしては「れいとうビーム」などこおりタイプの技を覚えるものが大半を占める。
本来相性の悪いくさタイプや、600族を中心に強力なものが多いドラゴンタイプの対策として重宝する。
こおりタイプは攻撃範囲こそ優秀だが耐性面は最低レベルの貧弱さなため、優秀な耐性を持つ水ポケモンにこおり技を使わせるのは無駄がなく強力。
結果、水ポケモンを安定して受けられないくさタイプとアタッカーとしての出番を奪われるこおりタイプのポケモンは不遇になりがち。

めざめるパワー」のタイプはくさ・ほのお・でんきから選択されることが多い。
でんきとくさは水ポケモン同士の戦闘に、ほのおはユキノオーやナットレイ等、複合タイプでこおりが等倍止まりの草ポケモンに対して有効である。


【みずタイプの歴史】


第一世代赤・緑・青・ピカチュウ)

初代から強タイプとして君臨…していたが、いきなりかなりの格差社会。
活躍したのは当時の強タイプであるエスパーこおりが複合していたスターミーラプラスが主。また素早さゲー故に当初は評価が低かったが、99カップで日の目をみた当時鬼畜仕様の「ドわすれ」を使えるヤドランも結構な強豪である。
カメックスをはじめとするみず単タイプは総じてマイナーで、その中ではエース級のシャワーズが辛うじて全国大会で名を残したぐらいである。
複合組でもドククラゲオムスターといったそこそこ使えそうでいながら埋もれていたポケモンも多い。一応ドククラゲは99カップではエスパー・地面弱点こそ痛いもののそこそこ評価が高かった。
ギャラドスは第二・第三世代よりも特殊が高く一致水技や「ふぶき」の火力が出ることや当時の主力技「はかいこうせん」向きの高い攻撃を持つことから多少存在感があった。
…が、タイプが災いして「ふぶき」が等倍になる上に「ふぶき」使い対策としてメイン・サブ問わず重宝されていた「10まんボルト」一発で落ちるためあまり奮わなかった。
ちなみに98カップ予選ではパルシェンとギャラドスを合わせた使用率よりもカイリキーのほうが高かったらしい。

主力技は一致技の「ハイドロポンプ」や「なみのり」よりも当時の強力技「ふぶき」。
初代では水に弱い3タイプがいずれもマイナーで比較的メジャーなゴローニャダグトリオも「ふぶき」で十分だったのでみず技の需要は少なく、ほのおタイプには氷耐性が存在せず環境でも存在感が希薄なため対策する価値も低かった。
が、その環境ですらフリーザーよりもみず/こおり複合組やスターミーのようにこおり技をサブとして採用するみずタイプを使った方が強力だったというのが近年の主な見解。
技の選択肢が豊富なスターミーはおろか単みずのシャワーズですら一致技を採用せずに戦っていた*1ことからも当時の状況が分かるだろう。
総称して、「複合タイプが強い水ポケモンは強い」「そうでない水ポケモンはマイナー」「水技は後の世代で言うめざパ程度の採用価値だった」という感じである。

サブとして水技を使っていたのもペルシアンの「バブルこうせん」や特別仕様ライチュウの「なみのり」ぐらいか。そしてそのペルシアンもそんなのを使うぐらいならノーマル技だけで戦った方がいいというのが近年の見解なので…

◆第二世代(金・銀・クリスタル

みず/じめん複合組の開祖ヌオー、他にもランターンキングドラといった優秀な複合タイプを持つポケモンが登場。
当時は戦術的価値のなかったマリルリ、分岐進化の先駆けであるニョロトノヤドキング、不動の不遇ポケサニーゴなんかもこの世代。
新御三家のオーダイルカメックスよりはアタッカー向きの種族値かつ攻撃技も豊富でそこそこ使いやすかった。
耐久ゲーの要素が強まり、「まきびし」を習得したパルシェンや新登場のスイクンがその頑強さで評価され始めた。
ドククラゲも「ヘドロばくだん」を習得し、前作では足枷でしかなかったどくタイプを相性補完として生かせるようになった。
ギャラドスは特攻大ダウンによるみず技の弱体化、新たに得た一致ひこう技も厳選困難かつ最高まで粘っても低火力の「めざめるパワー」と涙目に。

くさタイプの強化もあり対戦ではナッシーメガニウムが活躍するも、水ポケモンは相変わらず草対策の氷技が充実しているため大打撃とまでは行かず。

◆第三世代(ルビー・サファイア・エメラルド/FR・LG

くさ複合のルンパッパあく複合のサメハダーシザリガー等が登場。
進化前含めてそれぞれ違った戦い方が可能なパールル一族、ハートのウロコが本体のラブカスなんかもこの世代。
マリルリは強力な特性「ちからもち」を得るも、一致技が特殊なままなので相変わらず不遇。
初のむし/みずタイプのアメタマはアメモースに進化するとむし/ひこうになることが一部で惜しまれた。

特に注目すべきは新御三家ラグラージと、パッケージを飾った禁伝・カイオーガ。
ポジション的に旅パでも目立つ2匹だが、前者はヌオーの優秀なタイプを引き継ぎよりアタッカー向きの能力、後者は一致技の圧倒的火力でミュウツー最強神話を揺るがし始めたという対戦でも注目の的であった。
この世代のみずタイプは雨パの強さもあいまってまさに最強のタイプとして君臨していた。

◆第四世代(ダイヤモンド・パール・プラチナ/HG・SS

「パワーウィップ」「リーフストーム」とくさタイプの高威力技の追加で、これまでさほど強力ではなかった一致くさ技が脅威になり始めた。

とはいえ耐性の優秀な固有タイプの御三家エンペルト、新禁伝パルキアの登場等もあり、まだまだ強タイプの一角ではある。
スイクンも配布型限定で「ぜったいれいど」を習得し、本格的に猛威を奮い始めた。
この世代は強力なくさ・でんきポケモンがさほど増えなかったのも救いか。
また「たきのぼり」等が物理技として扱われるようになったため、ギャラドスマリルリがようやく不遇を脱した。そして相対的にオーダイルが地味に

幻のポケモンとしてフィオネと、その完全下位互換で不動の不遇ポケであるフィオネも登場した。

◆第五世代(ブラック・ホワイトブラック2・ホワイト2

主な注目の的は今世代で水タイプが追加され後の世代でも長く活躍するウォッシュロトム、「がんじょう」+「からをやぶる」使いのアバゴーラや強力な耐久ポケのブルンゲルか。
ダイケンキ?旅ならライバル少ないからいいじゃない
一方でナットレイボルトロスの登場もあり、みず単タイプにとっては結構厳しい環境になり始める。

隠れ特性でカイオーガ専用だった「あめふらし」を得たニョロトノが雨パの始動役として活躍するようになった。
ゴルダックも「ノーてんき」によりアンチ天候パや晴れパで使える水ポケという個性を得た。

◆第六世代(X・YOR・AS

新御三家ゲッコウガが強力な隠れ特性「へんげんじざい」で注目を集め、本来のタイプ一致技を切っても活躍できる万能アタッカーに。
一方で通常特性「げきりゅう」による一致水技の火力を活かした型も対戦で実績を残した。
メガシンカシステムも導入されカメックスラグラージギャラドス等が大きく躍進した。

ペリッパーが隠れ特性で「あめふらし」を習得し、ニョロトノに続く雨パの始動役として使えるように。
しかし、天候の条件が厳しくなり、雨パを含む天候パの運用自体には大打撃となっている。
スイクンはこおりタイプ以外が「ぜったいれいど」を使うと命中率が低下するという調整をされ大きく評価を下げた。

◆第七世代(サン・ムーンUS・UM

火力に優れたアシレーヌオニシズクモ、耐久型向きのドヒドイデカプ・レヒレ、能力は高いがデメリット特性持ちのヨワシグソクムシャと個性的な面子が揃う。
アメタマの時に惜しまれたむし/みず複合が2種類も追加された。
特にドヒドイデはナットレイに比肩する優良耐久型ポケモンとしてその後も存在感を発揮していくことに。

「エレキメイカー」という強力な特性を持つカプ・コケコが登場したため、でんきタイプにはより一層注意が必要となった。

◆第八世代(ソード・シールド

新御三家のインテレオンはバランスの良い種族値や豊富な攻撃技を持つ一方でに比べると隠れ特性がどうにも地味で不遇気味。
対戦で活躍させるには新システムのキョダイマックスを上手く使いこなすことが求められた。
カメックスやキングラーラプラス等もキョダイマックスに対応している。

対戦で特に注目されたみずポケモンとしてはれんげきウーラオスウオノラゴンがいる。

さらに、別作品ではバスラオが新たな進化系イダイトウを獲得。

◆第九世代(スカーレット・バイオレット

新御三家のウェーニバルはかくとう複合の物理アタッカーで、専用技や隠れ特性から積みアタッカーとしての側面が強い。
またパラドックスポケモンとして特殊一致技による攻めに特化したテツノツツミ、貴重な晴れパ向きの水ポケであるウネルミナモが登場した。

【みずタイプの主な使い手】


・一般トレーナー

かいパンやろう
ビキニのおねえさん
つりびと
ふなのり
うきわボーイ
うきわガール
うみきょうだい
トライアスリート(海)
ダイバー
あまさん
ファイヤーマン
みずぎカップル
サーファー

・ジムリーダー


・キャプテン


・四天王


・チャンピオン

ミクリ(RS及びORASではジムリーダー)




追記・修正は水も滴るいいトレーナーにお願いします。

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最終更新:2024年01月13日 10:54

*1 前述の全国大会で入賞していたシャワーズも水技は覚えていない