ボリノーク・サマーン

登録日:2012/09/01 Sat 18:18:09
更新日:2025/03/31 Mon 16:50:40
所要時間:約 3 分で読めます








◇データ

型式番号:PMX-002
頭頂高:19.9m
本体重量:31.6t
全備重量:56.2t
出力:1,720kW
推力:60,120kg
センサー有効半径:11,040m
装甲材質:ガンダリウム合金

武装:
ビームトマホーク×2
3連装グレネードランチャー×2
クロー・シールド

パイロット:サラ・ザビアロフ

◇概要

パプテマス・シロッコが独自開発したティターンズ所属の試作機
「PMXシリーズ」の3機目で、やはりジュピトリス製。

ゴツい見かけに反して索敵能力を重視した汎用機であり、頭部に小型レドームを、左前腕にはレーザー・センサーを内蔵している。
これによって高濃度のミノフスキー粒子の影響下でも優れた偵察・索敵・情報収集性能を発揮可能。機体全体に帯磁シールドが施されていることでステルス性にも長ける。

基本性能の方はほとんどが標準の域を出ないが、武装はちゃんと用意されているので戦闘も可能。特に格闘戦での性能はなかなかのもので、運動性も良好である。
本来は索敵能力の高い本機と高火力のパラス・アテネ、接近戦の得意なジ・Oとの3機でのセット運用を考慮していた。
しかし想定されていたこの連携は実際に行われることはなかった。


◇武装

  • 小型レドーム
頭頂部に搭載された本機最大の機能。「河童」だの「ハゲ」だの言われる原因。
「複合探知システム」と呼ばれる小型センサーの集合体で、これと左腕のレーザー・センサーと併用することで高い情報収集能力と索敵能力を実現する。

  • クロー・シールド
左腕にはセンサーを内蔵しているため、右腕に装着されている専用の大型シールド。
ウエポンコンテナとしての機能を持つだけでなく、先端は鋏状のクローになっていて、劇中ではΖガンダムの首を挟んで切断しようとしていた。

  • ビーム・ガン
シールドに2本マウント。
シールドから取り外して2本のビーム・サーベル兼ビーム・トマホークとしても使える複合兵装。

  • 3連装グレネードランチャー
「炸裂弾ランチャー」とも称される。
両肩に内蔵されていて6発発射可能。護身用としては十分な火力で弾幕を張れる。


◇劇中の活躍

◆TV版

シロッコからサラに新たな乗機として与えられた。

ゼダンの門付近でカミーユのΖガンダムと戦うが右腕を斬り落とされてしまい、近くの放棄された資源衛星に逃げ込むがサラはカミーユに捕まり、機体もアーガマに回収された。

その後、彼女がアーガマを脱出する際に乗り込み、途中でカツGディフェンサーと遭遇。必死の説得に「私を撃て」と無防備な姿を晒すが、結局カツは撃てなかったのでそのままジュピトリスへと帰還した。

ハマーンとシロッコ、ジャミトフの三者会談の際にはグワダンの中で待機していたが、サラがシロッコの危機を感じるや否や発砲。ジ・Oと共に艦を脱出してパラス・アテネと合流し、ハマーンの乗るキュベレイと交戦するがファンネルに翻弄されて損傷する。

最後はハマーンとの戦いで動けないシロッコを狙ったカツの攻撃から庇って撃破された。


◆劇場版

結末はTV版と変わっていないが、資源衛星に逃げ込んだ後はカミーユに捕まることなく撤退している。
この際無人状態のZをあえて攻撃しなかった。


◆F90FF

なんとフォンセ・カガチが搭乗。
劇中では本機の機能を活用しハッキングと隠蔽工作を行っていた。


◇玩具

機動戦士Ζガンダムではバーザムと並び立体化に恵まれない機体として有名だったガンプラは放映当時から長らく発売されず、2005年の新約劇場版公開の際もキット化を見送られる。

ネームドパイロットが使用しなかったバーザムはまだ分かるが、カミーユやカツと交流があった印象的な存在のサラが乗る本機が立体化されないのは落胆の声が大きかった。

2013年にようやく魂ウェブ商店でROBOT魂が受注生産されたが、同僚のパラス・アテネやジ・Oが商品化されても、同機だけは全く音沙汰なし…。

苦難の時期が長く続いたが、2024年春、遂に1/144スケールのHGプラモデルでの商品化が発表。これにてめでたくジュピトリス製の他の機体とも並べられることとなった。


ゲーム

パラス・アテネなどと共にvsシリーズ初登場。
敵の残弾数を知る事が出来るという他の機体にはない特徴がある。
メイン射撃は弾数が2以上ないと使えない上、設定の変更上グレネードを使うと命中率が下がる為、少々扱いにくい面も。
なによりコストが最高コストであるジ・OやZガンダムと出撃するとちょうど1落ちずつしか出来ないのが痛い。

家庭用版から参戦したジ・Oの武装として登場。
追従型アシストで、基本はロックしている敵機とジ・Oの間に立つ。
その状態で射撃を受けると自動でガードする盾判定がある。ただし耐久値はかなり低めなので過信は禁物。
メイン射撃を撃つとわざわざ斜め上へ移動して連動射撃を撃つ。この瞬間は射撃ガードをしてくれなくなるので、使いどころは見極めよう。
さらに明確な欠点として格闘攻撃に対しては防御も迎撃もしないので、たとえハプテマス様がボコボコに殴られてもその後ろから黙って見つめてくる。

CPU専用機としても登場。ビーム射撃とスタン属性のクローが主体。
パラス・アテネと比べると火力面で劣るが、クロー攻撃でスタンされると無用な苛立ちを覚えるので厄介さで上回る。

  • ガンダムオンライン
支援機として登場。索敵兵装は当然持っているが、
なぜか大型クローで味方をナデナデすると回復という不可思議な仕様に。
しかもナデナデの回復量が相当高いものだから、実装されてからずっと支援機のトップに君臨している。
切り替えることで敵を殴ることにも使えるが、だいたいはナデナデしている。
ガンダムオンラインは2022年3月30日にサービス終了したが、結局実装からサ終までトップに居続けた。
それゆえガンオン史上一番の壊れ機体だったと評価する人もいる。

大半のゲームでは索敵重視の支援機として扱われるが、本作ではバリバリの格闘型強襲機。
ビーム・トマホークとビーム・サーベルを切り替えてブンブン振る熊さんを見られるのはとても貴重である。
実装当初は索敵範囲が広かったり偽装効果スキルを持っている程度だったが、後の調整で索敵とジャミングを同時に行えるセンサーが武装に追加された。

アクシズの脅威の無印とVにて登場。
他のPMXシリーズ同様、シロッコが所属していると開発可能となる。
耐久はこの世代の機体としてはやや厳しいが、攻撃を確率無効できる盾を持ち、ゲーム的に重要な*1索敵Sを誇るワンオフ機。
加えて、索敵系機体としては珍しく戦闘能力も高めで、ビームライフルやグレネードをバシバシ当ててくれる。地上・宇宙問わずに使えるのも評価点。燃費も素晴らしいので中堅クラスのパイロットに与えると、戦闘に索敵にと様々な場面で活躍してくれる良機体。
主力艦隊に加えておくと戦闘がやりやすくなる事間違いなし。

サラの乗機がパラス・アテネで代用される場合も多く、登場したのは『Z』のみ。
基本は敵機だが、条件を満たすとサラ(とレコア)が加入する際に入手できる。
ジャミング機能の上に何故か修理装置持ちでサポート役としては優秀だが、加入が遅すぎて結局使われないかも…。


追記・修正はシロッコに抱かれたいと思っている方にお願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/













余談・愛称について

SDガンダムカードダスコモンカードとして登場。だが問題は説明文。

ある日、ボリノーク・サマーンがあらわれた。

あからさまに童謡「森のくまさん」のそれである。しかも背景が森の中。
語感が似ていたからあてはめられたのか元々「森のくまさん」が機体名の由来かは定かではないがこれ以降この機体が「ボリノーク・サマーン」と呼ばれることは稀になり「森のくまさん」「熊」「ロシアの荒熊」と呼ばれまくってしまう。
また、「SDガンダム外伝III アルガス騎士団」にはモンスターボリノークベアーとして登場。もはや何も言うまい......

元々「マークトゥー」「ジオ」など機体名を間違って覚えられやすい「Z」のMSの中でも本機の熊さん呼びは完全に定着しておりHGガンプラの発売決定時もトレンドに「森の熊さん」の方が上位になってしまったとか......

ちなみにその後のSDガンダム外伝では、斥候ボリノークサマーン、モンスターボリノークマミー、エンドアンデッド騎士(ナイト)ボリノークサマーンとして登場している。


追記・修正はある日森の中でボリノーク・サマーンに出会い機体名をちゃんと言えた方がお願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • ガンダム
  • Ζガンダム
  • MS
  • 試作機
  • ティターンズ
  • ジュピトリス
  • 森の熊さん
  • モリノークマサーン
  • ボリノーク・サマーン
  • サラ・ザビアロフ
  • 機動戦士Ζガンダム
  • フォンセ・カガチ
  • PMXシリーズ
  • レドーム
  • 哨戒機
  • 偵察機
  • 複合探知システム
  • 河童
  • ハゲ
最終更新:2025年03月31日 16:50

*1 索敵を行わない場合、敵はシルエットなり情報の大部分が確認できない。